ロシア、アメリカの核兵器改良を批判

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http://military.china.com/important/11132797/20170902/31262205_all.html#page_2


ロシアメディア:アメリカの新たな核爆弾は戦略バランスに危険を及ぼす ヨーロッパにあるいは核戦争が起きるか

【グローバルネット軍事9月2日の報道】 「今日のロシア」テレビ局ウェブサイトは8月29日に「核の欲望:アメリカの新型B-62-12爆弾は核兵器の使用をより魅力的に変えるか否か」と題する報道を掲載し、政界の人物や軍事専門家たちは警告を発し、アメリカのすでに半世紀の歴史がある象徴的性質の核爆弾に対する最新の改良は全世界の戦略バランスに危険を及ぼす可能性があり、何故ならこの武器の特徴はその使用を過度に誘惑的なものに変えさせる可能性があるからだと語っている、とした。

アメリカはすでにネバダ州でB61-12核重力爆弾(頑住吉注:無動力の爆弾ということですかね)に対し飛行試験を行ったと宣言している。これは今年この新式武器に対し行った第2回目の試験成功である。

この爆弾の最新改良版は最終的に米軍のヨーロッパの核武器庫内に出現する可能性が高く、何故なら専門家の見積もりによれば、およそ150〜200発のB61-3およびB61-4爆弾が5カ国6カ所の基地内に在庫されているからである。この5カ国とはベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコである。

ロシアの月刊「国防」編集長のケロチェンコは語る。「この爆弾の最新改良版の試験は、アメリカが継続、加速してそのヨーロッパの戦術核兵器庫に対するリニューアル計画を行うことを示している。また、ワシントンとブリュッセルはいずれも、ヨーロッパには限定的核戦争が勃発する可能性があると考えている。」

ケロチェンコはさらに、もしもNATOとロシアとの間に軍事衝突が勃発したら、B61-12が主要な戦術核兵器となることは必定である、と語る。彼は「定期的に行われる軍事演習の中で(バルト海の軍事演習の中も含め)、NATO加盟国の空軍は再三にわたりロシア西北部の目標に対し戦術核打撃を発動することを含む演習任務を行っている。」と語る。

アメリカの核武器庫のリニューアルは数十年の長きにわたる論争を改めて引き起こすかもしれない。すなわち核兵器はそれらを在庫する国を保護できるのか、それともこのような国を全面衝突発生時に核兵器の目標に身を落とさせるのか、である。

アメリカがイギリス(この国は自らの核兵器を持つ)からその核兵器を撤収させた後、当時ドイツ外務大臣の任にあったシュタインマイヤーはかつて、ドイツにあるB61爆弾は「軍事廃棄物」であるとし、かつアメリカにこうした武器を持ち去るよう懇切に促した。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「B61-12核爆弾は『核兵器不拡散条約』に違反するか否か?」)

アメリカ科学者連合会はかつて2014年には早くも警告し、B61爆弾に対し行う新たな改良はアメリカ国内の核に関する準則に違反する可能性がある、とした。アメリカ空軍元参謀長のノートン シュワルツ上将はアメリカ科学者連合会に対し事実確認し、新たな改良はこの武器を「より優良」に変え、かつ新たな「目標集」をもたらす、と語った。シュワルツの言い方は2010年の「核態勢評価」レポートと直接衝突する。この評価レポートは、「アメリカは新たな核弾頭を開発しないだろう。寿命延長計画はこれまで試験したことのある核部品にのみ使用され、かつ新たな軍事任務を支持しないし、新たな軍事能力も提供しないだろう。」としていた。

ロシア外務省核不拡散・軍備コントロール局の局長であるミハイル ウリヤノフは、新たな能力および計画中の用途にかんがみれば、B61-12爆弾は「核不拡散条約」にも違反する、と考える。彼はタス通信社に次のように教えた。「新たに改良されるB61-12爆弾はヨーロッパの多くのNATO加盟国の領土上に配備し、もっていわゆる連合核任務の枠組みを構成するつもりであり、こうした任務を執行するものには核兵器を持たないNATO加盟国から来た飛行員が含まれる。我々の評価を根拠にすれば、これは「核不拡散条約」の義務と相矛盾する。」


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ロシアメディア:アメリカの核兵器グレードアップは結果的な憂慮が絶えない 小国があるいは打撃目標になるか

【グローバルネット軍事9月3日の報道】 ロシアの「独立報」ウェブサイト8月30日の報道によれば、ワシントンは戦術核兵器更新計画を加速させた。アメリカのエネルギー省国家核安全局は29日、米軍は8月8日ネバダ州で再度成功裏にM61-12核爆弾(核弾頭を搭載せず)を試験した、と言明した。試験に関する情報が何故現在になってやっと出現したのかは分からない。

この新兵器は時代遅れのM61爆弾に取って代わることになる。前の世代と異なるのは、B61-12の尾部が慣性ナビゲーションシステムを用いて落下傘に取って代わらせていることで、もって打撃精度を高めている。

ペンタゴンはそれを「先制核打撃」の武器と見ている。その円確率誤差は30mに満たず、厳密な防御の指揮所や大陸間弾道ミサイル発射サイロが攻撃できる。

アメリカは約930発のB61-12を製造し、2038年まで650億アメリカドル近い資金を費やして戦術核武器庫を更新する計画である。

報道は、米軍参謀長連席会議副主席のポール セルヴァは少し前、アメリカは戦術核兵器を使用して小国の軍隊を攻撃しあるいは大国の「小規模核攻撃」に反撃する準備を整えるべきであると語った。

彼は、戦術核兵器の使用は人道的なことで、これは「できる限り敵サイドの一般民の大規模殺傷を避けるためだ」とし、アメリカが北朝鮮との衝突の中でこの武器を使用することを排除しなかった。

またロシア通信社8月30日の報道によれば、アメリカエネルギー省国家核安全局は29日、米軍はネバダ州の砂漠の中で新型核爆弾B61-12を試験投下した、と言明した。

提示しておくに値するのは、その投下に大型戦略爆撃機の動員を必要としないことで、例えばF-16やF-15Eといった種類の小型実戦機でもう対応できる。これはつまり、アメリカ人はすでに本国のその数千をもって数える戦術飛行機を真の意味での核兵器キャリアに変えることに成功したということである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「F-15E戦闘機(資料画像)」)

B61-12の特殊なところはその尾翼ユニットおよび制御誘導性能にある。それはアメリカ初の制御誘導核爆弾で、しかも飛行精度にはいまだかつてない向上が得られており、したがって遠距離投下ができる。

しかし、非常に多くの軍事専門家は、アメリカの新式核爆弾は必ずしも軍事技術の発達した国の心配の種にはなり得ない、と考える。

結局のところ目標の所在地を打撃するためには、飛行機は多くの状況下で敵サイドの防空区に進入せざるを得ず、B61-12核爆弾自身の設計がいかに完璧でも、その射程は依然対空ミサイルにはかなわないのである。


 このままいけば北朝鮮に対する戦術核攻撃があり得ないことではなくなるんでしょうか。しかしいかに小規模なものでも核の使用にはさまざまな抵抗があり、日本、韓国、またNATO加盟国その他の対米感情にも大きく影響するはずです。















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