スホーイ-57関連その2

 やはり全体的には厳しい評価が多いですね。

http://military.china.com/important/11132797/20180228/32140029_all.html#page_2


ロシア軍のスホーイ-57戦闘機に固有の設計の欠陥が存在 あるいは米軍のレーダーによって発見されるか

最近、ロシア航空宇宙軍のスホーイ-57(旧称T-50)ステルス戦闘機が、シリアに配備され実戦テストを行うことが原因でにわかに全世界の各大メディアが関心を向けるホットなポイントたる武器装備となり、人々は次々にこの機が米軍のF-22と意図せず戦闘を発生させる可能性を推測しているが、スホーイ-57は真にレーダーステルスを実現できるのか否か? 実際にはこの機種には設計上いくつかの固有の「欠陥」が存在する。本文はこれにつき解読する。

ロシア通信社2月24日の報道によれば、ロシア軍は現在すでにシリアに4機のスホーイ-57ステルス戦闘機を配備済みである。画像はイスラエルのISI地理情報社の衛星が2月23日に撮影したロシア駐シリアヘメイミム空軍基地の衛星写真。2機のスホーイ-57ステルス戦闘機とスホーイ-35S大型戦闘機が並んで駐機場に置かれているのが見える。

まずスホーイ-57の概況を簡単に分析してみよう。スホーイ-57はロシアのスホーイ設計局によって21世紀初め(2002年前後)に研究開発された単座双発ステルス多用途大型戦闘機である。ロシア航空宇宙軍のPAK FA(ロシア語で「未来前線戦闘機システム」の略)プロジェクトから換骨奪胎し、その初の原型機は2010年1月に初飛行に成功した。2017年9月になってすでに11機の原型機が製造されている(このうち4機は現在すでにシリアに派遣されている)。この画像は現在西側の軍事刊行物がスホーイ-57に対する技術パラメータ性能に対し推測しているものを列挙したもので、実際のその性能パラメータは依然秘密保持段階にある。

現在の公開の資料がはっきり示すところによれば、スホーイ-57は全長19.8m、全幅13.95m、全高4.74m、最大離陸重量35.4トンである。画像は外国の軍事刊行物がイラスト化したT-50の構造図(推測)

ロシア軍公式の宣伝によれば、スホーイ-57は西側の提出する第4世代機(第5世代機との別称あり)「4S」分類基準に完全に符合する。すなわちステルス能力、超機動能力、超音速巡航能力、超越的な空戦態勢感知能力である(別のある分類は超視距離空戦と称する)。先進的な機載レーダー設備の他、スホーイ-57はさらに最新の「ヒマラヤ」電子対抗システム、およびOLS-50M赤外線捜索追跡ヘッド(レーダーをONにしない状態の下で敵機をロックオンできる)を配備する。また、ロシア軍の計画によれば、量産型のスホーイ-57は2020年にコードネーム「製品30」の新型ターボファンエンジンに換装され、その時超音速巡航能力を持つことになる。

だが実際にはスホーイ-57にはいくつかの大きな設計の欠陥が存在し、そのレーダーステルス性能が大きく割引になる結果をもたらしている。まずこの機は第4世代機の象徴的性質であるS字型空気取り入れルート(空気取り入れ口とエンジンが同一軸線上になく、レーダー波が直接エンジンブレードを照射して凹腔反射を形成するのを防止し、ステルス能力を向上させることができる)を採用していない。この対比図からは、左の小さな画像のF-22がS字型空気取り入れルートを採用しており、一方右の小さな画像のスホーイ-57は依然通常空気取り入れルートを採用していることが見て取れる。ターボファンエンジンのブレードが鮮明に見え、レーダー波の照射時に強い反射特性を形成するだろう。これはステルス戦闘機の「大敵」である。

高速で回転するブレードは規則的な反射波を形成し、敵サイドのレーダーにごく容易に捕捉させ、甚だしきに至ってはブレードの回転速度の識別によって戦闘機の機種が識別できる。ステルス戦闘機にとって、空気取り入れルートのステルスは第一の任務であって、空気取り入れルートのステルスなくして、一切はお話にならないのである。

スホーイ-57のもう1つの設計の劣勢はそれが現在使用するAL-41F1エンジンが依然ロシア軍戦闘機に伝統的な全方向軸対称推力ベクトルノズルを採用していることである。比較的強い空戦機動性能を提供できるが、スホーイ-57の後半球の赤外線ステルス性能を大きく割引にさせるだろう。

一方米軍のF-22ステルス戦闘機が採用する2D推力ベクトルノズルは推力ベクトル性能を併せ配慮するのと同時に、後半球の赤外線ステルス性能を保証しており、設計理念でも、実際の性能でも現在スホーイ-57が使用するAL-41F1エンジンより優れているだろう。

さらにスホーイ-57の武器システムを語ろう。30mmGSh-301固定航空機関砲1門の他、スホーイ-57は合計10トンの空対空ミサイル、空対地ミサイル、制御誘導爆弾を含む各種武器弾薬が搭載でき、例えば射程193kmを超えるK-77M遠距離空対空ミサイル、および射程が140kmを超えるKh-58UhKE高速対輻射ミサイルなどである。画像はロシアサイドが作成したスホーイ-57に搭載できる大部分の武器弾薬のCG画像。

公開されている資料から見て、スホーイ-57の弾薬搭載量はF-22とほとんど優劣がないが、外形から見てスホーイ-57の狭くて長い形の内部に置かれた弾薬コンパートメントのスペースは非常に限られ、4発の空対空あるいは空対地ミサイルしか搭載できないかもしれない(F-22は最多で6発のAIM-120C空対空ミサイルを搭載できる)。しかも空気取り入れルート両側に位置する武器コンパートメントが存在するか否かは、まだ謎である。その大部分の搭載できる武器は依然翼の下に外部搭載する必要があり、疑いなくスホーイ-57のステルス性能に対するまた大きな割り引きである。この画像は外国の軍事マニアが作図したスホーイ-57の弾薬コンパートメントの想像図。

画像は米軍のF-22ステルス戦闘機が内部に置かれた弾薬コンパートメントを見せた資料画像

航空電子システムはスホーイ-57の第4世代機としての一大ハイライトと評価され得る。その中には3つのX周波数帯レーダーからなるSh121多機能レーダーシステムが含まれる。最大探知計測距離は400kmを超え、16の空中および地上目標が同時に攻撃できる。また主翼上に搭載されたL周波数帯アクティブフェイズドアレイレーダーは敵軍のステルス戦闘機の探知計測に用いることができる。この画像はスホーイ-57のレーダーおよび武器システムを見せている。

画像はロシア軍が公開したスホーイ-57が搭載する多種のレーダーシステム。左から右へ順にN036L-1-01型L周波数帯レーダー(敵軍のX周波数帯ステルス戦闘機の探知計測および敵味方識別を担当)。N036B-1-01型X周波数帯側視レーダー(探知計測補助)、X周波数帯前視レーダーの死角を補うのに用いる。N036-1-01型X周波数帯前視レーダー(メインの探知計測)。

総合的に見て、現在依然試験段階にあるロシア軍のスホーイ-57は全体作戦性能の上であるいは米軍のF-22戦闘機に立ち後れるかもしれず、特にステルス性能方面では、せいぜい「準ステルス戦闘機」の基準に符合できるに過ぎない。当然ロシア軍がシリアでの実戦テストを経た後、スホーイ-57の設計に対し大幅な改良を行う可能性は排除されず、これに対し人々は刮目して見ることになる。


 しかし設計上の問題とされる内容の多くは簡単に手直しできるものではないように思えるんですよね。ベクトルノズルに関してはF-22に対する数少ない明確な優位性かと思ったんですが別の評価もあるんですね。














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