中国の対レーダー無人機

 この分野でもイスラエルとの密接な関係があったことが分かります。

http://military.china.com/important/11132797/20160128/21326973.html


アメリカの封鎖に感謝:この武器こそ台湾海作戦の五大切り札の1つ

1980年代以来、世界ではおよそ20回の近代化されたと評価できる戦争が発生しているが、こうした戦争の共通点は、全て空軍が最初の突撃任務を担当し、進攻側は全て電磁的優勢を争奪する戦い、特に対輻射/対レーダー作戦を高度に重視したことである。

1995年から96年の間、台湾島内で台湾独立勢力が台頭したため、中国人民解放軍は東南の沿海で数回の大規模な海陸空合同演習を行い、同時にひとたび台湾海情勢が決裂すれば、我が軍が台湾海峡を越え、祖国統一の戦争を行うことを真剣に準備した。当時台湾軍はまさに実力がピークで、主要な武器装備はすでに世代交代し、連合作戦旅団、パトリオットミサイル、アメリカ製F-16戦闘機に代表される新世代の武備は、すでに自らを保護するのには余裕があり、これに比べ解放軍はまさに軍隊建設の低調期で、大部分の武器装備がすでに対岸の台湾軍に立ち後れていた。解放軍の当時最も先進的な戦闘機はロシア製のスホーイー27戦闘機で、理論上KH-31型対輻射空対地ミサイルが搭載できたが、実際には決して戦闘力を持たず、スホーイー30MKK戦闘機を輸入した時になって、解放軍はやっと空対地対輻射作戦能力を持った。対輻射作戦が執行できる装備はほとんど空白で、あらゆる作戦力量は対岸の台湾軍の各機種のレーダーシステムを制圧するには不足だった。

そこで、解放軍は視線をはるか遠い中東に向けた。1990年代中期、イスラエルはある専用の対レーダー無人機を秘密裏に研究開発中だった。この無人機は古代ギリシャ神話の中の鷹の体をした女妖怪の名、「HARPY」をもって命名された。長年来の中国とイスラエルの軍事装備領域における良好な協力を基礎にしたため、解放軍はすぐに某いくつかのルートを通じてHARPY対輻射無人機の技術状態を了解し、かつ極めて大きな興味を示した。イスラエルは直ちに中国のこの「興味」に照準を合わせて「友好的かつ率直な」協議を行い、解放軍は50万アメリカドルの単価をもって100セットの「HARPY」無人機を購入した。

(頑住吉注:これより2ページ目)

現在の高度に発達した無人機産業とは異なり、攻撃任務が執行できる無人機は1990年代の中国にとって他の星の科学技術と変わらなかった。初期の無人機で武器の発射能力を持つものは非常に少なく、当時の攻撃無人機は普遍的に自身が戦闘部を搭載する「共倒れ」方式を採用して目標を破壊し、現在流行する巡航ミサイルに似ていた。唯一の差異は、巡航ミサイルは現役の武器プラットフォームを使用して発射とコントロールをし、一方攻撃無人機は独立したプラットフォームとコントロールシステムを持つことだった。

HARPY無人機はイスラエル航空工業社が1990年代に研究開発したもので、トラックの上から発射でき、レーダーシステムに対し自主攻撃ができる無人機だった。この機の機首にはブロードバンドのレーダー輻射信号探知計測アンテナが装備され、後部にはハイエクスプローシブ戦闘部が装備されていた。発射後自主的にパトロール区に飛び、4,000mの高空で、時速180kmの巡航速度をもって飛行でき、敵レーダーの探知計測を受けた時、自主的に地上のレーダーに対し攻撃を行うことができ、このため「空中のレーダーキラー」と呼ばれた。

HARPY無人機は全長2.7m、全幅2.1m、離陸状態の全備重量135kg、デルタ翼を持ち、1台のイギリス製ピストンエンジンを採用して推進し、ロケットブースターを使用して発進した。最大速度は時速185kmで、航続距離は500km、航続時間は4時間だった。

1つの基本火力ユニットは54機の無人機、1両の地上コントロール車、3両の発射車、補助設備からなっていた。それぞれの発射車は9つの発射装置を装備し、発射ボックスは三層三列で配置され、それぞれの発射ボックスに2機の無人機が装備でき、このため1両の発射車は18機の無人機を搭載した。

HARPY無人機はGPSを配備し、機載コンピュータによって空中での旋回をコントロールし、目標を自主攻撃しあるいは基地に帰還することができた。地上レーダーの輻射信号をキャッチすると、自動的に脅威の分類と打撃プログラムを確定した。戦闘部の重量は32kgで、威力はアメリカのHARM高速対輻射ミサイルに比べさらに大きく、レーザー近接起爆信管を使用し、末端CEPは15m以内で、事前に破片が作られた戦闘部は有効に地上レーダーのアンテナシステムを破壊することができた。その長所は機動が敏捷で、航続距離が長く、航続時間が長く、対レーダー周波数帯が広く、スマート程度が高く、生存能力が強く、普通の自動車用ガソリンあるいは航空ガソリンを採用して燃料とすることができることだった。

(頑住吉注:これより3ページ目)

中国人民解放軍は初のHARPY無人機を購入した顧客だった。1997年のパリ航空展で、HARPY無人機は初めて公開されお目見えし、この時中国・イスラエル両国はすでに購入契約を締結し、かつ引き渡しを開始していた。2000年時点で、HARPY無人機はやっとその他の国への販売が開始され、これには韓国、トルコ、インドが含まれた。例えば2000年に韓国は5,200億アメリカドルを費やして100機のHARPY無人機を導入し、これは中国の購入数と同じだった。

解放軍は輸入した100機のHARPY無人機を基礎に、電子対抗無人機大隊を建設した。装備が特別に貴重だったため、輸入当初この大隊は総参謀部電子対抗・レーダー部に直接隷属し、この部は総参四部とも呼ばれた。我が軍の総参謀部第一部は作戦部、第二部は情報部、第三部は技術偵察部、四部が電子対抗・レーダー部である。後にまた南京軍区空軍所属のレーダー兵部隊に転属となった。中国が装備したHARPY無人機は、レーダー兵がこれより能動的打撃手段を有したことを象徴的に示した。

(頑住吉注:これより4ページ目)

1990年代末、我が軍の武器装備はまだ非常に立ち後れていたが、台湾海作戦に用いる正確制御誘導ができる高度科学技術武器には「5大切り札」があるとの言い方があった。第一はロシアから輸入したスホーイー27戦闘機、第二はこれもロシアから輸入したS-300対空ミサイル、第三はやはりロシアから輸入した紅土地制御誘導砲弾、第四はイスラエルから輸入したHARPY無人機、第五は国産の東風-15地対地ミサイルだった。こうした5種の高度科学技術武器では東風-15ミサイルだけが国産で、その他はいずれも輸入だった。その中からは中国軍が1990年代末期、武器装備に窮迫していた状態をも見て取ることができる。

中国がHARPY無人機を輸入した契約の約定を根拠に、イスラエルがグレードアップと改装に責任を負い、2004年12月、台湾軍の新世代「パトリオット」PAC-3など新型対空ミサイルシステムに照準を合わせ、この100機のHARPY無人機はイスラエルに運び戻されて技術グレードアップが行われることになった。この時HARPY無人機はアメリカの中国向け武器および先進軍事技術販売制限の焦点となり、アメリカはHARPY無人機にアメリカの技術があることを理由に、イスラエルにこうした無人機を差し押さえ、かつ契約を解除するよう要求した。だがイスラエルは弁解し、HARPY無人機はイスラエルが自主設計した無人機で、全部の知的財産権を持つ、とした。中国はアメリカの強盗行動に強烈に抗議した。

最後に、三方はそれぞれ一歩後退し、了解を達成させ、HARPY無人機はグレードアップを行わず、2005年に元の状態で中国に返却された。

うまいことに中国にはまだ次の手が残され、解放軍はHARPY無人機の輸入以後、試用を経て、この武器に対し相当に満足し、2000年初めにはもう国産化タイプの研究開発を自ら行うことに着手していた。2004年前後、国内の論文、ネット上にかつて大量の対輻射無人機の論文が出現し、これを根拠に解放軍がこの無人機をコピー生産したと判断することができ、2008年の中国空軍主戦装備展示の中で、国産HARPY無人機が初めて公開、展示された。

(頑住吉注:これより5ページ目)

中国がコピー生産したHARPY無人機は国産トラックシャーシを採用し、発射ボックスの外形はオリジナル装備品とやや差異がある。イスラエルのオリジナル装備品に比べ、中国のパクリHARPYはそれぞれの発射車に6つの発射装置しか装備されず、発射ボックスは三層三列で配置され、それぞれの発射車は9機の無人機を搭載できる。国産のHARPY無人機には2種の誘導弾頭があり、1つはオリジナル装備品と同じ円柱状の弾頭部で、もう1つはより太く大きい卵形の弾頭部である。国産化されたHARPY無人機はレーダー輻射信号探知計測装置を改良し、弾頭部の重量を増加させ、より強大な作戦能力を持ち、台湾軍の各種防空レーダーを有効に制圧できる。

時が21世紀に入った第2の十年、中国の無人機技術は長足の進歩を獲得し、各種のより先進的な空対地武器を搭載できる長航続時間無人機が続々と部隊装備され、これらはブロードバンド輻射信号探知計測装置、合成開口対地レーダー、空対地ミサイルを搭載し、能動的に地上の敵レーダーシステムを打撃でき、HARPY無人機に頼る時代は間もなく終わることになる。

アメリカ人の封鎖に感謝:この武器こそ台湾海作戦の五大切り札の一つとなる 上の画像では国産HARPY無人機の2種の外形が異なる対輻射誘導弾頭がはっきり見える。このビデオの放送時期は2008年初めで、これにより国産HARPY無人機は2007年に部隊装備された可能性が高いと判断できる。(頑住吉注:これにあたる画像ないですが、これは元々キャプションですね)

中国空軍は長年の実戦演習を通じ、空軍が初の火力突撃を執行する時、単に対輻射ミサイルにだけ頼ってはならず、長い航続時間で巡航し打撃を待つことができる対輻射無人機とコンビネーション作戦することが必須だと結論を出している。1999年のデザートストーム行動とコソボ戦争の中で、アメリカ空軍もこの種の結論を出したことがある。その原因は、米軍は大量のHARM高速対輻射ミサイルを発射したが、そのうちいくつかは地上レーダーを断続的にOFFすることによって進路の偏向を誘導され、制圧効果を果たさず、止むを得ず旧式なイギリスのALARM対輻射ミサイルを使用して再度攻撃したことだった。この原因は意外にもこのミサイルが落下傘降下滑空方式を採用して目標が捜索でき、空中で数分間攻撃を待つことができ、もし敵サイドのレーダーがOFFにしても、ミサイルを正確に目標に誘導できることだった。

(頑住吉注:6、7ページには本文、キャプションなし。8ページ目)

今日の中国の空軍は、空対地電子戦吊り下げポッドを搭載した殲轟ー7A実戦機や間もなく部隊装備される殲ー16専用電子戦機など多くの電子戦機型を持ち、鷹撃-91、LD-10、CM-102など数種の速度、射程、戦闘部、周波数スペクトルの、ハイローミックスを形成した対輻射ミサイルを配備し、HARPY無人機、攻撃-1無人機、遠距離ロケット砲対輻射巡航ミサイルなど多種の性能がそれぞれ異なる空対地電磁制圧弾薬があり、すでに人を驚かせるほど多彩な戦術をもって、戦争初期の「ドアの蹴破り」行動を執行し、敵のレーダーという電子の門を蹴って粉砕する能力が完全にある。

(ソース:ケロリョフ)


 中国のこの分野は遅れていそうなイメージですが、これを読むとアメリカはともかく日本に対抗できるのかちょっと心配になります。



















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