「中ロ、尖閣付近で合同演習」の意味は

 中国にとっての意味、ロシアにとっての意味を論じています。

http://www.hinews.cn/news/system/2014/05/01/016640131.shtml


中ロの20隻余りの戦闘艦が釣魚島海域に赴いて軍事演習へ オバマに反撃

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:7月9日、中ロ『海上連合-2013』軍事演習が予定の海域で展開された。画像は双方の艦艇が合同航路護衛演習を行うところ。中国軍事画像センターの孫陽撮影」)

京華時報の情報:国防部ニュース事務局は昨日(頑住吉注:記事は5月1日付)、5月下旬に中ロ両国は上海付近の東海海空域で「海上協作-2014」合同軍事演習を行うと明らかにした。これは中ロ両国海軍が行う定例の演習で、両国海軍が初めて釣魚島西北海域で行う合同協同演習でもある。

「ロシアの声」ウェブサイトの情報は、双方はミサイル巡洋艦、ミサイル駆逐艦、ミサイル護衛艦、通常潜水艦など20隻余りの水上および水中艦艇および補助船舶を出動させる、とする。演習の期間、双方は海上と空中の目標にに対し火砲の射撃を行い、合同での海上交通ライン保護などの課目を演習することになる。

現在、ロシア海軍作戦訓練局局長ヴィクター ケチェマゾフをトップとするロシア軍事代表団がすでに上海に到着しており、軍事演習前の最後の両軍による協議を行っている。ロシア海軍代表は、今後3日内に、中ロ海軍は地域の視察、海軍合同行動計画の明確化、および防空、対潜、封鎖、航渡、補給など科目の連動を行うことになる、とする。またさらに合同で体育文化活動をを行う事項を協議することになる。

ロシア海軍太平洋艦隊ニューススポークスマンのラマン大佐は、ロシア海軍は1隻のミサイル巡洋艦、1隻のミサイル駆逐艦、1隻の補助船舶と1隻の遠洋牽引船を派遣して演習に参加することになり、これには「ワリヤーグ」号巡洋艦が含まれる、とした。ラマン大佐はさらに説明し、ロシア大統領プーチンは今年5月中旬の訪中を決定し、ロシア海軍艦隊は大統領と同じ歩調で出発し、ウラジオストックから抜錨し、対馬海峡を経由して南下し、上海に到着することになる、と語った。

中ロ軍事演習はすでに両軍の協力、交流のメカニズム化された項目になっている。今回の「海上協作-2014」は今年中ロ両国が行う第2回目の海上演習である。今年1月、両国の軍艦はかつて地中海で第1回の合同訓練を行った。今年上海協力機構はさらに中国で「平和使命-2014」合同対テロ軍事演習を行う。

解読

中国、軍事演習によってアメリカに「思い知らせる」

中国海軍軍事学術研究所の研究員の李傑は、アメリカ大統領オバマはアジア4カ国を訪問した時、「一辺倒」の立場を見せ、このことは中国を非常に不満にさせた、と考える。

彼は、オバマの今回のアジア4カ国訪問では、公然と釣魚島に「日米安全保障条約」を適用するとしただけでなく、さらにフィリピンと安全保障業務協力強化に関する協定を締結し、これは疑いなく中国の領土の完備と海洋権益に対し重大な挑戦を構成する、と語る。

李傑は、中ロ合同軍事演習の情報はちょうどオバマ訪問終了翌日に発表され、場所もまた東海海域に選択され、某種の程度上釣魚島問題に照準を合わせている、と語る。中国は軍事演習を通じて領土の完備を維持保護する決心を態度表明し、かつ合同作戦の実力と能力をデモンストレーションすることによって、アメリカに対し警告と威嚇を行うことができる。

ロシアの意図はアジアでパートナーを探し求めることにある

李傑は、軍事演習がこの時間的ポイントに選択され行われることは、ロシアにとっても非常に重要なカギと言える、と分析する。現在、ウクライナ情勢はロシアとEUおよびアメリカとの関係を不断に悪化させており、EUとアメリカはロシアに対しどんどん多くの制裁を加えつつある。この種の形勢の下に、ロシアはすみやかに合同軍事演習によって中国との全面的な戦略的パートナーシップを強化することが必須なのである。

また「ロシアの声」の報道によれば、今年7月中旬、ロシアはさらにインドと共に日本海で「INDRA-2014」合同軍事演習を行う。このことはウクライナ危機がロシアに、より積極的に中国などアジアの国に向け転向することを迫りつつあることを示している。

総ざらい

中ロのこれまでの海上軍事演習

(頑住吉注:流れからしてここに次の演習のコードネームが入るはずなんですがありません。上の本文中にもなく、特にコードネームが定められなかったのかもしれません。)

時期:2014年1月25日

地点:地中海

課目:合同指揮、艦載ヘリの甲板での発着、合同での防空訓練等。

特徴:ロシアと中国の初の地中海における海軍軍事演習挙行

コードネーム:「海上連合-2013」

時期:2013年7月5日から7月12日

地点:日本海のピョートル大帝湾

課目:艦艇の停泊地防御、合同防空、海上補給、敵潜水艦脅威地域の通過、乗っ取られた船舶の合同での救出、海上目標の打撃、海上合同捜索救援、実際の武器使用、海上閲兵など。


特徴:中国海軍が初めて大艦隊を組織して基地を遠く離れ、保障体系の支持がない中、他国の国境内で合同演習に参加した。中国サイドは最強の艦隊を派遣して演習に参加した。

コードネーム:「海上連合-2012」

時期:2012年4月22日から27日

地点:山東省青島付近の黄海海域

課目:合同防空、海上補給、合同対潜、合同捜索救援、乗っ取られた船舶の救出、対艦、対潜、対空実弾射撃など。


特徴:合同演習の中に対潜演習があり、この時の合同演習が通常の軍事、外交の範疇を超えていたことを説明し、中ロの中ロ海上安全協力に対する重視の程度をもはっきり示した(頑住吉注:ちょっと分かりにくいんですが対潜兵器やその運用、技術、戦術などは機密性が非常に高く、よほどのことがないと合同の演習はしない、というようなことですかね)。また、ロシアの「ワリヤーグ」号ミサイル巡洋艦と中国の「沈陽」号ミサイル駆逐艦が軍事演習期間に公衆に向け公開された。

コードネーム:「平和藍盾-2009」

時期:2009年9月18日

地点:アデン湾西部海域

課目:両国の航路護衛艦隊の意志疎通、連絡、合流、航行機動、手旗信号による通信、航行補給、ヘリと艦艇の協同での疑わしい船舶の調査確認、副砲の海に対する射撃など(頑住吉注:違和感ありますけどバルカン砲のような機関砲を「副砲」と呼ぶようです)。


 ここにははっきり書いてありませんが、深読みすれば最近のロシア軍機接近とも合わせて、日本がウクライナ問題で完全に欧米寄りの態度を取っていることに対し圧力をかける、というロシアの意図があることも考えられるでしょう。7月にロシアとインドが日本海で合同演習するというのも、ある意味では中ロの合同軍事演習より気になる動きでもあります。
















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