空母の着艦補助システム

 一般論が多いですが、遼寧艦に装備されているシステムについても断定的結論が下されています。

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海天一線 遼寧号空母の艦載機着艦補助システム

原文は「現代艦船」8月上旬号に掲載

艦載機発着テストがスムーズに行われていることは、遼寧号が戦闘力形成に向けてまた大きな一歩を踏み出したことを示している。

最近、我が国のメディアが初めて、我が国海軍の遼寧号空母の艦載機着艦試験の細目を報道し、報道の中に初の艦の指揮官がディスプレイを凝視して艦載機の飛行状態を掌握しているシーンが登場した。このことは遼寧号空母がすでにデータリンクに基づく自動化着艦システムを装備済みであることを示している。

以前の関連の画像から見て、遼寧号はすでにフレネルレンズ(頑住吉注: http://optica.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-806b.html )光学着艦補助システムを装備しているが、このように遼寧号空母の着艦補助は単に光学着艦補助システムだけを含むのではなく、さらにデータチェーンに基づく機・艦一体化着艦補助システムも含んでいる。このことは飛行員の着艦時の心理的負担を非常に大きく低下させ、着艦成功率を向上させ、我が国海軍空母が早期に戦闘力を形成するために堅実な基礎を築いた。


(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「初期の着艦指揮官」)

我々は艦載機の着艦が非常に危険で、事故が多発する段階でもあり、このため艦載機が降着する時の飛行ルートが非常に正確であることを要求し、さもないと着艦が失敗し、甚だしきに至っては事故さえ起こる、ということを知っている。艦載機飛行員は着艦時飛行機の状態もコントロールする必要があるし、さらに空母の運動状態を確定する必要もある。このように負担が比較的大きいため、空母着艦指揮官、すなわちLSOが出現した。彼は飛行甲板上に立ち、艦載機の着艦状態を視察し、艦載機の降りてくる軌跡、着艦の角度が理想的であるか否かをモニターし、もし安全なルートから逸れていたら、すぐに手にした信号旗を使って飛行員に対し提示を行い、ルートの修正を行わせた。飛行機の着艦にはさらに飛行機の状態に対する視察を行うことも必要で、もし機が制動ケーブルを引っかけなかったら、信号を発して機を飛行に戻らせる。この方法は簡単で、行いやすいが、欠点は誘導の距離が近く、気象条件の制限を大きく受け、LSOと飛行員の技術に対する要求が比較的高いことである。また第二次大戦以後、艦載機がジェット時代に入るにつれ、飛行機の下降速度がどんどん速くなり、LSOと飛行員の反応、マッチングに対する要求がどんどん高くなった。このため、この方法はすでに新時代の要求に適合できず、こうして各種の着艦補助システムが出現した。だが着艦補助指揮官は依然残されている。現代空母の着艦指揮官は空母の着艦安全チームを担当し、このチームは数人からなり、それぞれ飛行機、着艦フックを視察し、もって機の着艦動作に対しより正確さを加えたコントロールを行うのに便としている。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「アメリカの空母上の着艦安全チーム」)

最初に出現した着艦補助システムは反射鏡着艦補助システムで、その構造は非常に簡単である。すなわち、飛行甲板上に1枚の比較的大きな鏡を装備し、その後ライトで鏡を照射し、光は鏡面で空中に反射される。こうして甲板から空中に向け延びる柱状の光が形成される。飛行員はこの光の柱に頼って下降、着艦し、こうして着艦の安全性能が高められた。だがこれの欠点の1つは作用距離が近いことで、また光の柱は容易に拡散し、下降ルート指示の正確度は距離が増加するにつれ低下する。このためフレネル光学レンズ着艦補助システムが出現した。フレネルレンズの表面は片面は平らで、別の面には小から大までの同心円が刻まれている。この模様は光の干渉と擾射(頑住吉注:意味不明ですが邪魔+射す)を利用するもので、相対的俊敏度と光を受ける角度の要求を根拠に設計され、比較的良好なフォーカス性能を持ち、同等の焦点距離上で伝統的な球面レンズと比較すると、重量が軽く、中心が薄いというメリットがある。同時に球面収差がなくなり、光エネルギーの利用が向上する。この特徴を利用して、イギリス人はフレネル光学レンズ着艦補助システムを発明した。その主要なユニットは着艦補助灯グループと安定プラットフォームからなるものを含み、その核心は中央のフレネルレンズとレンズの両側に位置する水平基準灯である。着艦補助灯グループは安定プラットフォームによってフレームと結合されている。安定プラットフォームは射出する光束が空母の沈下や動揺の影響を受けないようにすることができる(頑住吉注:戦車砲の安定装置みたいな感じですかね)。フレームの両側にはそれぞれ6つの緑色灯が装備され、これは水平基準である。左右にそれぞれ5つの赤色降着禁止灯が装備されている。フレーム中間には、縦向きに5つの「フレネル」レンズが配列されている。艦載機の降着を許さない時は、左右両側の赤色灯が閃光を発し、緑色の水平基準灯は点灯しない。艦載機の降着を許す時は、赤色灯は点灯せず、緑色の基準灯が固定した光を発し、「フレネル」レンズも同時に発光する。その発する光は緑色の基準灯より強い必要があり、しかも上下の異なる位置のレンズが発する方向の定まった光束はそれぞれ1種類の降下角度を表す。艦載機飛行員の降下時、もし見たのが橙色の光だったら、この角度を保持して正確に着艦できることを表す。もし見たのが黄色の光束だったら、艦載機の下降角度が大きすぎることを示す。もし見たのが赤い光束だったら、艦載機の降下角度が小さすぎることを示す。フレネルレンズのそばにはさらに縦向きに1組の赤色灯が配列され、飛行員に飛行に戻ることを指示するのに用いる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「我が国の空母上のフレネル光学レンズ着艦補助システム」)

フレネル光学レンズ着艦補助システムは飛行員の着艦の安全性を向上させたが、その作用距離は依然比較的近く、同時に気象条件下で受ける制限も依然比較的大きい。国外の資料から見て、艦載機が下降光ルートの入り口に入る時、空母から数kmしか離れていない。近代的ジェット機に関して言えば、この距離はやはり短すぎて、飛行員に機の姿勢に対する比較的大きな調整を行わせるには不足である。このため、近年先進国はさらに新たな光電子型着艦補助システムを研究開発した。比較的典型的なのはアルコースレーザー着艦補助システムで、これはフレネル光学レンズ着艦補助システムに対し比較的大きな改良を行い、レーザーシステムを導入し、同時にレンズライトボックスを5から10個にまで増加し、作用距離を伸ばし、同時に一定の夜間および天候不良条件下での作業能力を具備した。このシステムの力を借り、艦載機飛行員は良好な気象条件下では10kmの距離から下降ルートをキャッチし、不良な天候条件下でも3km以上で達成できる。ネットに発表された関連の画像から、遼寧号の光学着艦補助システムの中間のライトボックスは5個であり、このことから筆者は遼寧号の光学着艦補助システムはまだフレネル光学レンズシステムに違いないと推測する。これは我が国海軍初の空母として、海軍がシステム選択に対しやはり成熟、穏当を主としていることをはっきり示している。長い発展ということから見れば、やはりアルコースレーザー着艦補助システムを研究開発する必要がある。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「レーザー着艦補助システムの説明図」)

フレネル光学レンズであろうとアルコースレーザー着艦補助システムであろうと、いずれにも1つの共通の欠点がある。それはそれらが能動的に飛行員の下降ルートの偏差の修正を助けることができず、着艦過程全体が完全に飛行員自身の技術と素質に頼っていることである。だが多くの状況下で、特に戦争の期間は、飛行員は作戦任務を執行して戻ってきた時はすでに心身が疲労困憊し、経験豊富な飛行員であったとしても正確な着艦動作を完成できない時もある。こうした状況下で、自動着艦システムACLSが登場した。1940年代末、アメリカ海軍は艦載機のジェット時代が間もなくやってきて、艦載機の着艦速度が増大するにつれ、着艦はより困難になることを考慮するに至った。このため自動着艦システムの研究開発を開始した。その原型は正確追跡レーダー探知計測飛行機を利用して艦載作戦機の座標と運動状態を獲得し、その後コンピュータにインプットし、コンピュータが空母甲板の運動状態と機の運動のルートを根拠に機の下降ルートが要求に符合するか否かを確定する、というものだ。もし符合しなければ、コンピュータは関連の誤差を算出し、データリンクを利用して作戦機に送り、作戦機の飛行コントロールシステムによって機の状態に修正を行い、機が正確な下降ルート上に位置することを確保する。したがって正確、安全な着艦ができる。関連の資料によれば、自動着艦システムは甲板が縦揺れ1度、横揺れ5度の状況下で、艦載機の着艦精度を縦向きの誤差13m、横向きの誤差3m前後にコントロールできる。ここから我々は、自動着艦システムが非常に大きな程度で飛行員の着艦指揮官の負担を軽減したことを見て取ることができる。彼らはスクリーンの前で関連システムが正常に作動しているか監視しさえすれば即OKであり、艦載機着艦の自動化の程度、安全性、正確性を非常に大きく向上させた。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「アメリカ海軍のF/A-18Dが空母上で人が関与しない発着を実施している」)

安全という見地から、自動着艦システムには多種の作動模式があり、飛行員あるいは着艦指揮官に選択あるいは切り替えを提供できる。この中の模式の1つは全自動着艦模式で、これはデータリンクを利用して空母と艦載機をつなぎ、艦載機は空母が伝えてくる情報に基づいて自動着艦を行う。指摘が必要なのは、空母の自動着艦のコントロール情報は空母上の作戦センターから発せられるのではなく、空母の空中交通コントロールセンターが責任を負っているということだ。現在アメリカの空母の空中交通コントロールセンターは、データリンクに頼って同時に2機を30秒以内の間隔で相次いで空母上に着艦させることができる。指摘が必要なのはアメリカの航空自動着艦システムが採用しているデータリンクは、現在アメリカ海軍や空軍が大量に装備しているLINKー16ではなく、一世代前のLINK-4A型データリンクであり、しかも作動中LINK-4Aの一方通行の通信模式を使用しているということだ。実際のところアメリカがデータリンクを研究開発した最初の目的はまさに自動着艦とセットにすることだった。LINK-16データリンクの完備と発展につれ、2015年以降LINK-4はやっと完全にLINK-16に取って代わられると予測される。模式2は模式1と基本的に同じで、距離が空母から1km前後になった後、艦載機が光学着艦補助システムの誘導を受け始めるだけである。模式3はいわゆる半自動着艦方式に属し、この方式下では自動着艦システムと艦載機の自動着艦システムは関連せず、計器あるいは表示器によって飛行機に関連のデータの表示を行い、飛行員はこれらの情報に基づいて機を操縦し下降させ着艦する。最後の1つは人工方式で、着艦指揮官がレーダースクリーンを視察し、艦載機の位置の確定を行い、その後艦載機の方位と高低の角度の誤差を獲得し、その後音声で飛行員に修正を行うよう知らせる。これは光学着艦補助システムの作動範囲になるまでのことである。新世紀に入ってアメリカ海軍は自動着艦システムに対しさらに一歩の発展と改良を行い、これには高精度ビーコンとGPS誘導システムの導入が含まれる。両者の結合は艦載機の着艦位置決定の精度をさらに一歩、2m前後に高め、このようにして艦載機着艦の正確度と安全性が非常に大きく向上した。同時に艦載機の推力ベクトル技術導入は、近距離での高い正確度の飛行機動の完成を可能にし、もってより良い、より安全な着艦に便利とした。この他さらに艦載機マイクロ波降着システムも研究開発された。これはマイクロ波スキャン技術を採用し、艦載機の空母自動着艦システムと光学着艦補助システム作動区域進入のために信号を提供すると同時に、自動降着時の機上の独立した監視コントロール設備にもなり得る。これは空母の2つの発射機と艦載機の受信システムからなり、発射機は関連の方位と高低の信号を発射し、機は受信後、ヘッドアップディスプレイ上に表示を行い、もって機の正確な進入の誘導に便利とする。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「アメリカの自動化着艦システムの作動説明図」)

我が国は空母を持たなかったため自動化された着艦システム方面はずっと空白だったが、これに近い防空自動化指揮誘導方面はずっと我が国空軍の投資の重点の1つだった。1960年代以降、我が国はもう自動化防空指揮誘導システムの研究と探索を展開し、1980年代には国産第1世代半自動化迎撃誘導システムを装備した殲-8Bおよび殲-7C戦闘機の研究開発に成功し、我が国が自動化防空指揮誘導システムにおける難関突破に成功したことを示した。このシステムは481データリンクを利用し地上防空指揮誘導システムと戦闘機を相互に連結し、地上システムは空の状況に関する情報に基づき関連の誘導指令を作成し、その後戦闘機に送り、機載コンピュータがこれに対し計算と表示を行い、飛行員の作戦需要に応えるものだった。同時に一部のデータリンクはさらに機載飛行コントロールシステムと連携を行い、機載システムはこうしたデータを利用して航行方向ベクトルを形成し、このようにして地上指揮誘導システムの機に対する自動誘導を実現した。自動化指揮誘導システムに関しては、我が国の関連の工場、研究所は艦載機自動着艦システムの研究を展開し、これには飛行甲板の運動の補正、機の自動着艦姿勢の調整などが含まれた。そして今世紀初めに関連のシステムの初歩的な研究開発と模擬試験が行われた。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像の艦載機の総合電子ディスプレイと着艦誘導システムに注意」)

このことから、我が国海軍の遼寧号空母にすでに自動着艦システムと光学着艦補助システムが相結合した艦載機着誘導システムが具備され、有効に飛行員の負担を軽減し、着艦の安全性能を向上させることができる、ということが見て取れる。これは実際の着艦経験がまだ不足である我が国海軍艦載機飛行員にとって、非常に貴重な宝であると言える。


 これを読む限り着艦補助システムが実際に装備されているのは間違いないでしょう。先日の着艦が5機全て1回で成功したというのが本当なら、このシステムにに負うところが大きかったのかも知れません。














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