南シナ海関連3題

 これはますます今後の進展に注目です。

http://military.china.com/important/11132797/20151030/20658142.html


ハーグ仲裁法廷の裁決:フィリピンが提出した南海の争いに関する訴訟を審理する権利がある

【グローバルネット報道 記者 任梅子】 イギリスのBBC10月30日の報道によれば、オランダのハーグの「常設仲裁法廷」は現地時間10月29日に裁決をなし、「フィリピンが中国の南海主権争いにつき提出した訴訟を審理する権利がある」と言明した。ウォッチャーは普遍的に、この裁決は中国の強烈な不満を引き起こす可能性がある、と考える。

フィリピンは、フィリピンと中国はいずれも「国連海洋法条約」の署名国であり、この条約を用いて両国間の、中国南海の島礁の主権帰属が原因で出現した争いを解決すべきである、とする。だが中国はハーグ国際仲裁法廷が行った聴聞への参加を拒絶し、かつこの法廷にはこの案件に対する裁判権がないと考える立場を堅持している。常設仲裁法廷は、この案件は「両国間の国連海洋法条約に対する解釈および使用に対し出現した紛争」で、このため法廷の管轄の範囲に属する、と言明する。

事実、フィリピンが南海問題の仲裁プロセスを提起および推進するいかなるやり方に対しても、中国外交部スポークスマンは以前次のように強調した。中国の「国連海洋法条約」を含む国際法を根拠に享有する合法的権利をフィリピンが無視し、中国と何度も確認した共通認識や「南海各方行為宣言」の中の承諾に背いて、一方的に提起した南海仲裁案に対し、中国はすでに何度も「受け入れず、参加せず」の立場を説明している。この立場には充分な国際法の依拠があり、具体的には去年12月に中国外交部が授権を受け発表した「フィリピン共和国が提出した南海仲裁案件の管轄権問題に関する中華人民共和国政府の立場を示す文書」を調べていただきたい。

中国・フィリピンの南海の関連の争いの根源と核心は、フィリピンが1970年代以来続々と不法に中国の南沙諸島の一部の島礁を侵略占領したことが引き起こした領土主権争いおよびその後生じた海洋権益の争いである。中国は南海問題の被害者であるが、地域の平和と安定の維持保護から出発し、高度の自制を保持している。中国はずっと、直接関係する当事国と、歴史的事実の尊重を基礎に、国際法に基づき、談判・協議を通じて関連の領土主権と海洋権益の争いを解決する立場を堅持し、かつ終始力を尽くしている。これは中国の一貫したやり方であり、国際社会の普遍的実践でもある。中国はフィリピンが仲裁プロセスを提起および推進するいかなるやり方にも反対する。領土主権と海洋権益の問題の上で、中国は中国に強制するいかなる方案も絶対に受け入れず、一方的に第三者に争いの解決を訴え頼るするやり方も絶対に受け入れない。


 私はこの問題で仮に中国に有利な結果になるとすれば法廷が管轄権なしの判断をするというのが最も可能性が高いと考えていました。ここがクリアされた以上、法廷が審理の結果裁判を拒絶し欠席する中国に一方的に有利な採決をなす可能性は低いのではないかと思います。フィリピンに有利な採決が出ても中国は無視すると思われ、強制的な手続きはできませんが、結果的に「中国は無法者」という国際的イメージが強まり、中国にはダメージになり、間接的に日本には有利に働くのではないかと思われます。

http://military.china.com/important/11132797/20151030/20657412.html


オーストラリア:アメリカの南海における行動に参加する意志なし 中国と合同演習挙行へ

南海の周辺国であるオーストラリアはずっとアメリカと緊密な関係を保持している。だが今回南海情勢がアメリカ軍艦が中国の島礁から12海里に入って巡航したことが原因で極めて緊張したものに変わった後、オーストラリアは決してアメリカ側の立場一辺倒の選択をしていない。オーストラリアは昨日(頑住吉注:記事は30日付)、中国・オーストラリア海軍は継続して計画通り南海で合同演習を行ことになる、とした。

オーストラリア外務大臣のビショップは10月29日に態度表明し、オーストラリアはアメリカの南海での行動に加入するよう要求されていないし、オーストラリアにはより多くのことをしようとする計画もない、と語った。

ビショップは、「事実として、我々はアメリカ海軍と合同演習を行い、我々は中国海軍とも合同演習を行う。我々は継続してこの地域でこうした業務を行う。」と語った。

オーストラリア国防大臣ペインは10月27日この声明を発表し、オーストラリアはアメリカの南海における行動に参加しない、と語った。

今週のやや早い時期、オーストラリア内閣秘書アーサー シノディノは天空ニュースのインタビューを受けた時、オーストラリアにはアメリカの「航行の自由に関する」行動に参加するいかなる計画もない、と語った。

ペインはさらに、オーストラリアの2隻の軍艦が来週湛江港を訪問し、かつ中国海軍と南海で合同演習を行う、とした。

彼女は声明の中で、「オーストラリアロイヤルネービーは地域内の海軍との付き合いの歴史が非常に長く、かつしばしば港への訪問や演習を行っており、これには中国が含まれる。アメリカが2015年10月27日に南海で活動した後、アルンタワー号とスチュワート号軍艦の行程の手配に改変あるいは遅延はない。」とした。

声明は確実な演習地点の詳細を明らかにしていない。オーストラリアメディアは、今回の演習は実弾演習の内容を含む可能性がある、とする。

日本ニュースネットの報道によれば、日本の海上自衛隊は28日、日米海軍はすでに昨日(10月28日)カリマンタン島以北の南海海域で合同軍事演習を開始し、演習は何日か持続することになる、と言明した。外国メディアの報道は、演習の期間日本海上自衛隊艦艇は中国の南海の島礁12海里海域に航行することはないが、米軍の南海に対する「監視」行動に参加することになるだろう、とする。日本海上自衛隊は、今回の演習は以前もうすでに計画されていたのであって、最近発生したアメリカ軍艦の行為とは無関係である、とする。

日本サイドで演習に参加するのは海上自衛隊「あきづき」級駆逐艦「ふゆづき」号で、この艦はインド洋での日米印三国合同演習への参加が終わったばかりである。防衛省の情報は、現在「ふゆづき」号とアメリカの空母「ルーズベルト」号駆逐艦の艦隊は共にシンガポールのチャンギ港に停泊している、とする。


 親中派とされる新首相の就任とこのオーストラリアの動きは関係しているんでしょうか。

http://military.china.com/news/568/20151029/20651449.html


香港メディア:米軍の南海での大玩があり得る 中国はあるいは応戦しかできないことになるか (頑住吉注:「大玩」、「小玩」という語が出てきますが、大規模なゲーム、小規模なゲーム程度の意味だと思います。)

米軍司令官訪中の情報は決して南海問題の熱さの度合いを低下させない。フランスの「経済エコー報」は28日、アメリカは外交上の事件を作り出した、とした。オーストリアの「標準報」は28日評論し、これは「危険なゲーム」であり、具体的な行動の中で双方は現在慎重さを保持しているが、両国には依然誤解が発生する危険が存在し、そうなれば致命的なことになる、とした。「日本経済新聞」は、今後中米に全面軍事衝突が勃発すると予測する視点は非常に少ない、とする。中米の相互依存が不断に深化する背景の下で、軍事衝突は両国に対してだけでなく、さらに全世界の経済に対しネガティブな影響をもたらすことになる。だが問題は、第一線で対峙する軍隊が、両国の政治指導者が描くゲームのシナリオを理解できるか否かにある。瞬間的判断がすぐに生命に関わる前線では、偶発的衝突の危険性が増加する、ということは確定できる。

香港の「明報」28日の社説は、アメリカの軍艦が南沙諸島の間を1回走ったことは、中米の南海の勝負のために新たな1ページを開き、後日軍事対抗が発生する可能性が排除されない、とした。評論は、1975年のベトナム戦争以後、中米がわざと計画した対抗の局面は全く出現したことがない、とする。南海の主権争いにつき、アメリカのいわゆる「アジア太平洋地域再バランス」大戦略構造の下、大玩もできれば、小玩もできる。今回の軍艦の巡航であるが、アメリカが反復して図上演習を経過することは必定であり、大玩がある可能性が排除できず、何故なら軍事的優勢をもって中国の平和的勃興を妨害するのは、アメリカにとっては選択肢であり、潜在的衝動でもあると言えるからである。中国は依然平和的国際環境を勝ち取ろうとするが、もし生きるか死ぬかの選択に直面しても、中国には応戦しかできない。このため、数十年来まだ出現したことがない中米軍事対抗がもし南海で上演されたら、地域の安定に関わるだけでなく、国際新秩序のターニングポイントとなる可能性もある。

「アメリカの1隻の軍艦が南海の人工の島礁の外をパトロールし、これは今までアメリカの中国が南海で行う主権の見せつけに対する最大の挑戦である。だがホワイトハウスは、これはアメリカの最も挑発性を持たない選択だと考えている。」 「ウォールストリートジャーナル」はこのように米軍の行動を説明する。

アメリカ国防長官カーターは27日議員に向け、軍艦が南中国海の主権争いのある水域に進入し航行したことを事実確認し、さらにこの種の航行は継続することになるとした。BBCは、カーターが「婉曲に」再度の行動を表明した、と考える。彼は火曜に上院軍事委員会公聴会で議員に連続して質問された後、「私は一般に我々の軍事行動を論じることを好まない‥‥があなた方が新聞で読んだことは皆正確だ。」と語った。あるメディアはホワイトハウスの当局者の話を引用し、アメリカサイドは低調を希望し、かつペンタゴンのあらゆる当局者に軽々しく発言するなとの命令を下し、「結果として国防長官カーターは言葉を濁すしかなかったのだ」とした。カーターは、「我々がすでに語ったことがあり、このようにしてもいるのは、国際法が許しさえすれば、我々は(南海で)飛び、航行し、行動するということだ。」「海軍には近くこの地域での行動があり、今後数週間、数ヶ月も行動があるだろう。」と語った。

後続の事態はどのように発展するのか? 「ヴォイス オブ アメリカ」はワシントンの中国問題専門家葛来儀の言い方を引用し、中国にはアメリカの自由航行行動に対しとっくに準備があり、両国の軍は真に衝突を発生させるには至らず、アメリカの12海里巡航は新たな常態となり、中国にも相応の調整があるだろう、とする。

葛来儀は「グローバル時報」に対し、将来米軍の南海巡航常態化は完全にあり得ることだ、とする。だがアメリカの南海における行動は、中国の南海問題での一貫した行動を改変させることはないだろう。アメリカの南海における軍事行動は、中国が南海の島礁上に必要な防御施設を建設する緊迫感を増加させるかもしれず、同時に中国はこのためにその南海建設の初志を改変することもないだろう。すなわち南海の多くの施設建設は依然船舶の通行の便、科学研究、捜索救援および国際協力の展開などの目的に用いられる。

中国外交部スポークスマンの陸慷は28日再度、アメリカの軍艦が勝手に関連島礁付近海域に進入したことは、中国の主権と安全に深刻な脅威をもたらし、島礁の人員と施設の安全に危険を及ぼし、これは中国に対する重大な政治的挑発である、とした。陸慷は、「中国サイドは対話を通じてアメリカサイドと中米間の問題を解決する立場を堅持するか否か」と問われた時、「率直に言って、これは完全に中国サイドによって決まることではなく、アメリカサイドも歩み寄り得る必要がある。」と語った。


 アメリカも中国も引くわけにはいかず、衝突も望まないので緊張した対峙がかなり長時間続くことになるんでしょうか。


















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