NASAによる中国人締め出しに科学者が反発?

 ちょっと変わったテーマです。

http://military.china.com/important/11132797/20131006/18075937.html


NASA国際会議、中国人の参加を禁止 アメリカ科学者組織はボイコット

中国ネット10月6日の情報 イギリスの「ガーディアン」ウェブサイト10月5日の報道によれば、アメリカのNASAは国家の安全への影響を口実に、中国の科学者(アメリカで仕事をしている中国の科学者含む)のある学術会議への参加を拒絶し、この禁令はアメリカの科研人員の強烈な抵抗に遭っている。

NASAの当局者は今年3月に通過したある法律を引用し、中国の科学者の来月カリフォルニア州Ames研究センターで開催される会議への参加申請を拒絶した。この法令はいかなる中国人のNASAのビルへの立ち入りをも禁止している。

この法律はアメリカの議員Frank Wolfによって発起された侵略の性質を持つ挙動の一部分である。Wolfは下院予算支出委員会の主席で、NASAに権限を持つ。この法規は表面的にはスパイ対策を理由とし、外国籍の人物のNASAのあらゆる施設への進入を拒絶している。

だがこの禁令は多くのアメリカの科学者を激怒させた。彼らは自分たちの実験室の中国の学生と科研人員が特定の方向性をもって差別視されているとする。どんどん多くの科学者がこの会議への参加を拒絶し、かつ抗議するグループに加わっている。一部の有名な学者は個人あるいは科研団体の名でこの会議から退出している。

今回の会議は国際およびアメリカのケプラー天体望遠鏡研究プロジェクトのために行うもので、このプロジェクトは主に太陽系以外の天体の形跡を探すもので、専門にこの領域に従事する科学者にとって、今回の会議は学術日程上重大な事件である。

Alan Bossは今回の会議の発起人の1人である。彼は事態の発展につき語ることを拒絶したが、「これは科学の事件ではない。不幸な政治問題だ。」とした。

カリフォルニア州バークレー大学の天文学教授Geoff Marcyは、この禁止令は「完全に恥ずべき不道徳なものだ」とする。彼は地球外惑星あるいは太陽系外の惑星の研究に傑出した貢献をなしたことにより、ノーベル賞受賞が有望である。

会議の組織者に宛てたある郵便物の中で、Marcyは、「自分の良心から、私はこの種の差別視の性質を持つ会議に参加することはできない。今回の会議は主に数兆マイル離れた惑星につき討論するのであって、いわゆる国家の安全には全く関わらない。」とした。

彼は「ガーディアン」記者に次のように知らせた。「アメリカは純粋に科学の研究を行う特定の国の科学者を排除しようとするが、これは完全に不道徳な行為である。良識に反する行為は受け入れられない。これは譲れない線である。」

(頑住吉注:これより2ページ目)

エール大学天文学教授Debra Fischerは、自分は実験室にいる中国の博士号を持つ研究者王吉(音訳)が会議参加を拒絶された時、やっと真に禁令の存在を理解した、とした。NASAが国籍ゆえに王吉の請求を拒絶したと事実確認した後、Fischerは会議からの退出を決定した。彼女は王吉に「私は自分が行かないとは言えないが、私はこの会議をボイコットする必要がある。」と知らせた。直後、彼女の科研団体も退出を言明した。

法律はNASAがいくつかの特殊な状況において禁令の無効を申請することを許している。だがNASAの局長Charles Boldenはすでに特赦の延期を申請しており、このためいかなる上訴も却下されることになる(頑住吉注:よく分かりませんが、例外を認める規定があるが局長は今回のケースでは適用しないことを決めている、というようなことでしょうか)。

中国の申請者は参加謝絶の回答の郵便物を受け取ることになる。これを発するのはNASAのケプラープロジェクトグループの専門家Mark Messersmithである。「非常に不幸なことに〜今年3月アメリカが通過させた法律はいかなる中国公民のNASAなどの部門の開催する会議への参加も禁止している。安全問題を考慮し、最近議会はすでに行動を取り、アメリカのその他の機構で仕事をする中国の公民にも同様にこの禁令が適用される。」

アメリカ議会の最近の挙動には、今年6月この法案の新たに増やす条項を通過させたことが含まれ、これはNASA基金がいかなる形式でも中国と協力することを禁止している。この条項はNASAの提供する基金によって支持されている科学者たちのパニックを引き起こした。彼らは中国サイドとの協力を断絶させざるを得ず、しかも中国の学生を再び受け入れることはないかもしれない。

Marcyは、この法案は中国とアメリカの科研人員の関係に損害を与えており、もし将来中米に衝突が勃発したら、これこそが導火線だ、とする。

イギリスの天文学者Martin Reesは、自分はMarcyの視点を完全に支持し、「アメリカの禁令は邪魔なものをどけようとして自分の足をぶつける行為だ。」とする。

Chris Lintottはイギリスのオックスフォード大学の天文学者であり、彼は問題が完全に解決するまで今回の会議を徹底してボイコットするよう呼びかけている。彼は、「政治的要素が科学に無理強いをすることに、私は驚愕と不安を感じる。科学は本来あらゆる人に配慮するべきであって、国籍問題ゆえに科学者の会議参加を制限する、これは長年の実践の原則に違反する。まるで冷戦時のロシアと西側物理学者の関係にまた戻ったようだ。」と語る。

「ケプラープロジェクトの会議はその他の場所に移して行うべきだ。私は禁令の問題が完全に解決するまで、あらゆる人がボイコットすることを希望する。」


 反発するのも感情的には理解できますが、現にスパイと判明した人物もいるわけで、「数兆マイル離れた惑星につき討論する」場を利用して有用な情報を獲得するルートを開拓しようとすることは充分にあり得ることです。このままいけばアメリカと中国の冷戦状態に陥ることも充分にあり得ることなわけですが、天文学者にはいまのところ危機感が薄いようです。











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