ロシア、ウクライナ、中国の艦載機訓練施設

 3つの国の微妙な関係が関連しています。

http://military.china.com/important/11132797/20130505/17814564.html


ロシア、中国の空母訓練基地はロシアに先んじている、とする だが依然ウクライナの助けが必要

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「滑走路の先端は高々と持ち上がった14度の模擬スキージャンプ発進甲板で、この滑走路は完全に空母を1:1スケールでコピーしたものだ。」)

中国艦載機陸上訓練基地建設の進度はすでにロシアの先を行っている。だが、今後の一定の時期、空母を含む軍事技術協力領域において中国は依然ロシアないしウクライナの助けを必要とする。

2013年3月、ロシア連邦政府特殊建築工程社は、同国が新たに建設するイェイスク艦載機飛行員陸上訓練センターが今年秋に投入、使用される計画であることを事実確認した。この後ほどなく中国軍も初めて本国の艦載機陸上訓練基地の状況を公開した。ある分析は、空母飛行員訓練領域で「学生」と見られている中国のハードウェアのレベルはまさにロシアに追いつきつつあり、少なくとも陸上基地の建設方面で中国が取得した成果はロシアサイドに比べより顕著である、とする。

ロシア、飛行員養成訓練のボトルネック突破へ

「新たな訓練センターの建設作業はすでに全部完成した。私は2013年8、9月、艦載機はもうここで飛行を開始できると考える。」 ロシアの「視点報」はロシア連邦政府特殊建築工程社の担当責任者グレゴリー ナジンスキーの話を引用し、こうなればロシアはウクライナ国内の「ニトカ」訓練センターに対する依存から完全に脱することになる、とする。

報道は、新たな訓練センターはクラスノダールの国境地帯のアゾフ海の港町であるイェイスクに位置し、2010年に建設が開始され、投資の総額は240億ルーブル(約7.4億アメリカドル)だとする。計画によれば、このセンターの地上試験および訓練総合システムは2013年初めに基本的に完成し、かつ徐々に試用に投入されている。2010年8月、当時ロシア海軍司令の任にあったウラジミール ヴィソツキーはかつて、この訓練センターのあらゆる総合施設建設作業は2020年より前に終わるとした。

ロシア軍関係者の以前の説明によれば、訓練センター内にはロシア海軍の「クズネツォフ」号空母に似たスキージャンプ甲板、制動装置、カタパルト装置、光学着艦補助システムが設けられ、もって飛行員の海上での発進と降着の技巧掌握を助ける。

だが、建設中のイェイスク艦載機飛行員総合訓練施設の中では、しばらくのところスキージャンプ式発進甲板と制動装置だけが使用可能で、カタパルト式空母関連の模擬装置は見られない。このことは、ロシアの未来の空母艦載機も依然スキージャンプ発進を採用し、アメリカ海軍のようにカタパルトを採用するのではない、ということを証明している。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「滑走路の表面にも空母甲板同様特殊な滑り止め塗料が塗られている。」です。)

ウクライナ、新たな顧客引き込みを希望

ロシアが艦載機訓練を独自に行うとの情報の伝達はウクライナサイドをすこぶる不快にした。ウクライナ国防省第一副部長アレキサンダー アオリエイニクは、「ウクライナには空母はなく、ソ連時代に建設された『ニトカ』が充分に利用できない。もしロシアがこれを満負荷で使用できないなら、我々がこれを他の国に貸すことは必須である。問題は、ロシアの態度がどうかということだ。」とした。ウクライナは「ニトカ」センターの持ち主であるが、実はロシアは強大な軍事および経済的影響力に頼り、この施設の外部への賃貸の件で依然比較的大きな発言権を持つのである。

関連の資料は、ウクライナの「ニトカ」艦載機訓練センターはクリミア半島のサッキ市に位置し、1982年に投入に使用されたことを明示している。1997年、ロシアとウクライナは相互的協議を成立させ、ロシアが「ニトカ」をその艦載機飛行員唯一の訓練場所として賃借し、年あたりの賃料は70万アメリカドルであるとした。2012年夏、ロシア、ウクライナ両国は協議を改訂し、年あたりの賃料を200万アメリカドルにまで高騰させることを規定した。事実として、まさに飛行員訓練作業がウクライナサイドによる「天井知らず」に高騰する要求に邪魔されたため、人に制限されることを避ける目的でロシア国防省はやっと本国内にイェイスク訓練センターを建設することを決定したのである。

「視点報」は、もしロシアが今後「ニトカ」基地を充分利用できなければ、モスクワが意に介さない状況下でならウクライナはこれを他の国に賃貸し、空母飛行員訓練作業に継続して従事できる。報道の中では潜在的顧客は提示されていないが、インドと中国の可能性が最大で、何故なら両国はいずれもロシアの設計した、あるいはロシア戦闘機の性能に類似した艦載機を使用することを計画しているからである。現在、インドはまさにロシアが改装する「ヴィックラマディヤ」号空母の引き渡しを待っており、これにはミグー29K艦載機の使用が確定している。一方中国は現在就役して間もない「遼寧」号空母しか持っておらず、艦載機に対する操作経験は比較的少なく、飛行員はさらに少ない。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「着艦に関係する一連の施設も必然的にこの基地の中に含まれる。」です。)

急速に進歩する中国も依然外部の援助を必要とする

必ず対になることがあるもので、ロシアが艦載機訓練基地を新設するとの情報が公表されてほどなく、中国当局のメディアが本国の空母艦載機陸上訓練基地のディテールを集中的に報道した。中国海軍ネットは次のように描写する。「滑走路の先端は高々と持ち上がった14度の模擬スキージャンプ発進甲板で、この滑走路は完全に空母を1:1スケールでコピーしたものだ。滑走路の表面にも空母甲板同様特殊な滑り止め塗料が塗られている。」

実際、中国海軍艦載機が初めて「遼寧」号上で発着する前、この訓練基地はすでに投入、使用されていた。中国海軍ネットは、「あの日空母上での降着に成功した殲ー15戦闘機はまさにここから離陸した。」と指摘した。

アメリカ、ロシア、フランスなどの国の経験を総合して見ると、中国空母の訓練基地内にあるのは発進設備にとどまらない。複数の艦載機が空母上に降着しており、このことはその前に充分な模擬着艦訓練が行われたことを説明している。言い換えれば、着艦関係の一連の施設も必然的にこの基地に含まれている。しかも、「遼寧」号空母は中国自らによって改装、完成されたことを関連付けて考えれば、中国には「ニトカ」に近似した訓練施設を建設する能力、資金が当然あるはずである。このため、空母艦載機地上訓練センター建設方面で、中国の現在における進度はロシアに比べより早い。

だが、ロシアメディアは、今後一定の期間内、中国は依然「ニトカ」から援助を得る必要がある、と考える。結局のところウクライナサイドの豊富な訓練経験および経験豊富な教官の「伝授し、上達を助け、手本となる」ことは相当に有用なのだ、と。

同時に、ロシアと中国が手を携えてシリア、北朝鮮など国際的なホットな事態に対応するにつれ、モスクワが中国とウクライナの先端軍事技術交流により寛容な態度を取ることが有望である。

(頑住吉注:これまでのもそうですが以後のキャプションも本文から切り取ったものなので省略します。)


 中国の訓練センターがウクライナの援助を受けたものだという記述はこれまでにも出てきました。ウクライナは財政的に苦しい状態のようで中国にいろいろ兵器や軍事技術を売っていますが、ロシアへの賃料を大幅に値上げしたのは失敗だったようです。中国にも自前の施設があるとすると、今後インドに賃貸する可能性はあるんでしょうか。まあ基本的に空母の甲板とそっくりに作ればいいはずなのでインドも国内に建設しようとすれば簡単だと思いますが。しかしいくらそっくりに作ってある模擬甲板で訓練を積んでも、動揺する空母に降りるのには別の大きな難しさがあるはずです。










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