中国でも「韓流」ブームは終わり?

 そもそも日本で本当に「韓流ブーム」があったのか疑問ですが。

http://military.china.com/important/11132797/20160827/23399197.html


THAAD、中韓関係に損害を及ぼす 「韓流」が「寒流」に変わる (頑住吉注:ちなみに中国語でも同じ発音です)

「韓流」が中国で順調でないニュースはしばしば出現し、中韓関係にひとしきりのうそ寒さが襲来しており、なお回復の兆しはない。最近、韓国の芸能人である黄致列が招待を受けて中国の娯楽番組の収録に参加したが、放送時それにもかかわらず彼が出現するシーンが編集あるいは削除されたことが発見された。番組放送後、黄致列のファンはネット上に抗議の投稿を発したが、「韓国人に出場させないのは非常に良かった」と書き込むネット仲間も非常に多くいた。韓国「中央日報」は8月19日、このことは、韓国が「THAAD」配備を宣言した後、中国人の中に急速に反韓感情が伝播している一面を充分に体現している、とした。

「韓流」は中韓国交樹立以来の文化交流の中の非常に大きなハイライトで、韓国のテレビドラマ、映画、流行の音楽、ゲーム、服飾などに代表される「韓流」は中国で広範に伝播し、中国民衆の韓国文化に対する認識を深めた。同時に、韓国でも「漢風」と呼ばれる中国熱がわき起こり、中国語を学ぶブームは長く栄えて衰えず、中国関係の書籍は長期にわたりよく売れている。

韓国政府が文化創意産業の推進に入れる力の度合いの大きさは世界でもごく稀に見るもので、最も早くは1990年代後期までさかのぼることができる。1997年アジアで金融危機が発生し、韓国は重傷を負った。1998年、当時韓国大統領の任にあった金大中は21世紀の韓国立国の根本は高度新技術と文化産業であると提示し、韓国の「文化立国」の国家方針・戦略はここでもう確立し、1998年は人々に「韓流」の起点とも見なされている。事実は、金大中大統領の当時の位置付けが正しく、戦略的な先見性があったことを証明している。

朴槿恵政権の経済成長思想の中で、非常に重要な一部分は「経済の創造」であり、韓流文化は主要な足がかりの1つで、その目標は2020年になれば文化産業の輸出額を224億アメリカドルにまで高め、全世界の5%のシェアを占めるというもので、韓国が頼る主要な成長市場は中国に他ならない。統計によれば、2014年の韓国映画およびテレビ番組の対中国輸出規模は、それぞれ相応の類別輸出総額の42%および43%を占めた。中国が韓国の、テレビドラマを核心とする文化製品の最大の輸出市場であることが見て取れる。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「韓国の民衆が集会を通じ『THAAD』配備に反対する」です。)

「韓流」の付加価値は非常に大きい。韓国の統計によれば、100アメリカドルの文化産業を輸出するごとに412アメリカドルの産業の連動がある。韓国の51.9%の企業の販売額は、「韓流」人気の影響を受け、これには自動車や電子製品が含まれる(頑住吉注:韓国のテレビドラマが中国でヒットすると主人公が使っている車や携帯電話などが売れる、というようなことですかね)。5年前、韓国人はもう、「韓流」の形なき資産総価値は947.9億アメリカドルに達し、三星グループの半分に相当する、と言明した。韓国の文化産業が100万アメリカドル輸出するごとに、14、5人の就業を連動させ、これは伝統的製造業の2倍である。

中国の非常に多くの人が韓国に旅行に行き、化粧品、服飾、バッグなどを買うことは、全て韓国文化に対する愛好ゆえにであることが難なく分かり、増してや直接のファン経済(コンサート、握手会など)は増してや言うまでもない。LG経済研究の責任研究員である沈佳が8月10日に発表した報告は、2015年に韓国を訪れた598万人あまりの中国の旅行者が創造した直接および間接の経済的効果と利益は27.6兆ウォンあまり(約1,679億人民元に相当)に達し、19.4万人を超える韓国人の就業を連動させたことをはっきり示している。

中韓の文化はなぜこのように近しいのだろうか? これは中韓両国が共に儒家文化と漢字文化圏にあり、同じあるいは近い文化の背景があり、同じあるいは似た価値観と思考方式を有するからである。この中にはさらに歴史上の友好的交流というルーツ、地理上の近さ、経済上の相互依存など多くの要素が含まれる。中韓双方は以上のこうした歴史の蓄積を経たポジティブな因子を全て愛護し、かつそれに一層光彩を放たせるべきである。

ここ何年か「韓流」の中国での影響は稀に見る高水準に達し、誰もが知るだけでなく、甚だしきに至っては少なからぬ人の生活の中の一部分となっている。だが、多くの中国人が「韓流」に耽溺し、止められないという時、韓国の「THAAD」韓国入りの決定が冷や水を浴びせた。政治は政治に帰し、文化は文化に帰すとは言うが、それが指すのは一般的状況下で言うことである。政治問題が国家の安全の利益や民衆の安全感に影響するに至った時、政治問題はもう政治家だけの事柄ではなくなる。実は、文化交流が政治環境から切り離されたことは全くない。「韓流」が中国で流行できたのは、中韓国交樹立以来両国の政治関係が良好に発展する背景と密接に関連しているからである。韓国はかつて政治的要素ゆえに文化交流が邪魔された先例に遭遇してもいる。2012年、当時韓国大統領の任にあった李明博は韓日領土争いの中心にある独島(日本は「竹島」と称する)を視察した。かつて極めて歓迎を受けた韓国のテレビドラマや男女楽団は、突然日本の放送テレビチャンネルの中から消失した(頑住吉注:これは我々の実感とはかなりずれのある認識ですな)。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「千人近い韓国民衆が剃髪して『THAAD』に反対」です。)

「THAAD」の韓国入りは極めて大きく中韓関係を損なっただけでなく、韓国社会も引き裂いた。人を憂慮させるのは、韓国の一部の保守勢力がさらにこの時に傷の上に塩をまいていることである。韓国の峨山政策研究院顧問の千英宇は「東亜日報」に文章を発表して挑発し、中国はきっと大国の態度を見せ、幼稚な報復措置を使用し、韓国の屈服を強制するだろうが、この挙は必ずや1つも得ることこがない、とした。「韓国の集団的理性を混乱させる中国を慕う思想の遺伝子と亡霊を消し去ってのみ、韓国は立ちあがることができる。」 報道によれば、韓国の俳優である朴宝剣はあるビデオ広告の中で、囲碁の試合の中で「万里の長城」という名の人を打(頑住吉注:意味が無数にあって特定できません)。後に、このビデオは抗議に遭ったことが原因でネット上から削除された。ある中国のネット仲間は評論し、「以後はああいった中国を尊重するスターだけを私は追っかけるだろう。」とした。逆に、韓国の「ソウル新聞」は8月13日評論を掲載し、中国にいる韓国人居住者や企業はほとんど異口同音に「THAAD」配備に反対し、これは決して彼らがいわゆる「親中派」だからではなく、彼らは中国で「THAAD」が韓国にもたらす可能性のある実質的性質の損害を切実に感じ取っているのである。韓国のある音楽業界関係者は心配して、「もし現在中国市場を失ったら、打撃は日本市場の3、4倍だろうし、しかも重要なカギは、取って代われる市場がなく、新たな突破口を探し出すことはできないということだ」、と語る。韓国延世大学教授の白永瑞は、長い目で中韓関係を扱うことが必須で、もし反中国感情あるいは嫌韓感情をネット上で発酵させたら、後遺症は長く残るかもしれない、と考える。

客観的に言って、韓国はこれまで東北アジアの複雑な国際関係構造の中で八方美人にうまく立ち回ってきた。韓国はアメリカの軍事的保護も持ち、中国経済発展のチャンスも充分に利用し、中日関係悪化でできた文化市場もまた「韓流」によって手に入れた。韓国はここ何年かの戦略的に良い状況を非常に大事にする必要があり、軽易に東北アジア構造を攪乱すべきでない。さもないと、傷が最大になるのは韓国自身である。

「グローバル時報」は8月10日社説を発表し、「もし『THAAD』を放棄して語らなくても、『韓流』の中国文化市場に対する流入はいささか過度だったと言うべきで、最近の事態はあるいは考え直すチャンスを提供しているのかもしれない、。」とした。確かに、韓国に比べ、我々は今に至るも流行文化は国家のソフト実力の重要な組成部分であるとの思想、理念を真に建立しておらず、あるいは今回のチャンスを中国本土の流行文化の反省と成長の1つの契機にすべきかもしれない。このことは韓国に、「韓流」を中韓関係と文化交流の「寒流」に変えさせてはならないと警告してもいる。


 でも韓国の立場からすれば北朝鮮の脅威が「国家の安全の利益や民衆の安全感に影響するに至った」から大事な中国という上客を怒らせてでも「THAAD」を配備しなければならないと思う人が多くなったわけで、中国が本気で北朝鮮の核・ミサイル開発を制止していればこんなことにはならなかったんですがね。

















戻るボタン