中国、朝鮮半島の緊張を評する

 南北会談の結果が出る前の記事でやや古くなっちゃいましたが。

http://military.china.com/news2/569/20150824/20257570.html


そんなに簡単にはほど遠い! 北朝鮮・韓国軍事衝突の背後にあるのは一体何か

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「金正恩、軍事業務を手配」)

1回の論争すこぶる多い「撃ち合い」が北朝鮮と韓国を再度緊張状態に陥れている。今回の衝突に関する韓国軍責任者の説明は、20日15時52分頃、北朝鮮軍が韓国の京畿道漣川郡付近に向け1発のロケット砲の砲弾と疑われるものを発射したのを韓国軍の観測装備が捕捉し、韓国軍はこのため北朝鮮軍に向け数十発の口径が155mmの砲弾で反撃した、というものである。明らかに、今回の「撃ち合い」での韓国軍の火力は北朝鮮軍のそれを顕著に超えており、しかも北朝鮮の譲れない最低ラインに触れている。

そこで、北朝鮮・韓国双方は軍事宣伝の世論戦を開始し、しかも緊張の程度は人を心配させる。韓国国防省は、北朝鮮の両国国境における砲兵部隊はすでに倍に増加し、かつ基地から50隻の潜水艦が出動した、とする。また最近北朝鮮では100万名あまりの青年の軍への参加および改めての入隊の請願があり、各地の熱血青年が侵略者を打撃する報復の聖戦の最前線に立つことを要求している。北朝鮮の武力の見せつけに直面し、韓国も全く弱みを見せず、大統領朴槿恵は珍しく迷彩服を着て京畿道竜仁市の第3野戦司令部にやってきて視察し、かつ会議で強硬に、北韓のいかなるさらなる一歩の挑発に対しても全て「果断に対応」し、かつ「まず行動、後で報告」の原則を堅持する必要がある、とした。韓国青年も軍装写真を発表し、国のために戦う準備をしている。

人々に最も関心を注がせるのは、北朝鮮と韓国は今回戦争になるのか? である。

軍事衝突は「きっとエスカレートする」ように見える

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「朴槿恵、迷彩服を着て京畿道竜仁市の第三野戦司令部にやってきて視察。」)

今月4日、韓国・北朝鮮非武装地域の韓国側で2回の爆発が発生し、2名の韓国軍人の重傷をもたらした。韓国国防省調査団は、これは北朝鮮が埋設した地雷によるものだ、と考えた。だが北朝鮮サイドはこれを否認した。報復として、韓国サイドは北朝鮮に対するスピーカーでの呼びかけを再開した。結果として現在の局面がもたらされた。今回の対峙の緊張の程度は近年来最強である。

21日深夜、北朝鮮外務省は声明を発表して韓国が20日に軍事境界線一帯で北朝鮮に向け数十発の砲弾を発射したことを非難し、かつ再度北朝鮮サイドが軍事境界線一帯で韓国サイドに向け発砲したことを否認し、「北朝鮮は今回の韓国の砲撃事件の背後のアメリカの影を軽視することはない」とした。「北朝鮮軍と人民は全面戦争発動をいとわないだろう」 声明は次のように言っている。北朝鮮はすでに何十年も自制してきており、今いかなる人の関連の自制的論調も事態のコントロールの助けにはならない。今世界は北朝鮮の自衛措置がどんな段階まで拡大するのか、いかにして最終的勝利を取得するのかを見ることになる。

「韓国・北朝鮮交戦:より多くの衝突が到来するのだろうか?」 アメリカの「クリスチャンサイエンスモニター」が提出したこの問題は国際社会を困らせている。ロイター社は、20日の双方の砲撃がいかなる死傷や破壊ももたらさなかったことは、この交戦が単に相手に向けて発した警告だということを示しており、相手に傷害をもたらす意志はなく、双方いずれも戦争にエスカレートするのを見たくないのだ、とした。だがこの報道は同時に韓国延世大学の北朝鮮問題専門家であるコ勒里の話を引用し、「北朝鮮はしばしば具体性を欠いた威嚇を発するが、今回の最後通牒にははっきりした時間と指向がある。これは明らかにソウルと平壌をいずれも火炉の上に置く。」とした。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「今回の北朝鮮・韓国双方の談判のクラス別は非常に高い。」です。)

戦うことは面と向かって座ることに及ばず

だが緊張したように見える対峙の中にも緩和の努力がある。22日、北朝鮮と韓国は緊急会談を行い、某種の方式をもって不断に激化しつつある危機を解決することを探求し、双方はいずれも高級クラスの陣容を派遣した。韓国サイドは青瓦台国家安全保障室室長(大臣クラス)の金寛鎮と、統一省大臣の洪容杓を派遣し、北朝鮮サイドは人民軍総政治局長の黄炳誓と、労働党中央書記の金養建を派遣した。この談判は22日夜間から開始され、23日早朝まで持続し、その後23日午後に改めて開始された。韓国大統領府は、談判は24日早朝までずっと持続した、としている。

また談判の期間、北朝鮮メディアは破天荒にも「大韓民国」との言葉をもって以前の韓国に対する呼び名、「南朝鮮傀儡」に取って代わらせ、本当に韓国メディアをひとしきり感動させた。北朝鮮の50隻あまりの潜水艦の行方が分からず、北朝鮮の国境で命令を待つ砲兵が倍に増加したとの情報が伝わっているが、こうした要素が談判を決裂の方向に向け発展させることはないだろう。

メディアの分析によれば、談判の内容はおそらく単に軍事衝突だけではない。ある外国メディアは、今回の談判の中では少なくとも北朝鮮・韓国の離散家族面会の問題に関わっただろう、と推測する。このことは、北朝鮮・韓国双方が最大の努力をし、より多くの平和的話題と姿勢をもって衝突のエスカレートを避けているところだ、ということを側面から説明してもいる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「金正恩、北朝鮮軍新型弾道ミサイル潜水艦を視察。」)

ある重要な要素が「軽視」された

今回の衝突は、地雷事件から緊張した対峙まで、絶対に1回の摩擦というように簡単ではない。実は、この前に北朝鮮方面にはさらに1つの重要な事件が発生していた。

朝鮮中央通信社の今年6月16日の報道は、6月8日までに北朝鮮全国を範囲とする全部で44.156万ヘクタールの稲田が田植えを終えたが、その中の少なくとも13.62万ヘクタールが干ばつにより枯れた、とした。北朝鮮の食料庫と見なされる黄海北道、黄海南道、平安南道、咸鏡南道が災害を受けること最も深刻だった。報道は、干ばつが黄海北道と黄海南道の80%近い水稲の苗と58%の稲田を壊滅させた、とする。

干ばつと小雨により、少なからぬ場所の川の流れが枯れ、ダムの水位が史上最低まで下がっている。北朝鮮当局の数字によれば、北朝鮮の今年1月から5月までの全国平均降雨量は135.4mmで、去年の同時期よりやや多いが、平年の降雨量のおよそ74.2%でしかない。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「漣川郡内の軍隊は砲撃後警戒を強化している。画像の兵士は軍用車両上で無線電話を用いている。」です。)

あるウォッチャーは、深刻な干ばつは北朝鮮の食料欠乏問題をさらに一歩悪化させる可能性がある、と考える。国連の言い方によれば、北朝鮮の5歳以下の児童の中で、栄養不良によりおよそ1/3が発育不良である。ロイター社は、北朝鮮は1990年代にかつて災難性の飢饉に遭遇し、ずっと国際食料援助に頼っている、と報道した。しかし、近年来このような援助は大幅に減少している。2014年、北朝鮮の国連機構の資金は5,000万アメリカドル未満にまで減少した。この数字は2004年には3億アメリカドルだった。

「導火線」は「根本原因」にあらず

軍事衝突はこれまでずっと全て政治的手段であり、その背後にはいつも別の訴求がある。

上で説明したが、北朝鮮は今年依然として食糧危機に直面しており、この時に軍心、民心を安定させるのはトップクラスの大事である。呼びかけ宣伝は本来1つの小エピソードであって、それ自体は決していかなる衝突も引き起こすことはないだろう。北朝鮮の今回の「逆上」は、気勢の上から韓国を圧迫して屈服させ、外界に向け自らの態度と決意を見せつけようとするものである。最も重要なのは、今回の事件を契機として「資源を要求し」、本国人民に経済的に困った状況を乗り切るらせることである。

このため、北朝鮮・韓国の衝突は実は表面上のように簡単であるにはほど遠く、真面目に深掘りすれば、人々はすぐにその背後の「根本原因」が一体何かに気付くだろう。


 最近韓国が統一は近いという見通しを示したとの報道がありましたが、北朝鮮が本当に土壇場まで追い込まれているということを見切っているんでしょうか。しかし中国は北朝鮮が崩壊し韓国に吸収されることを座視しているでしょうか。ただ最近の中韓の接近、中朝の関係冷却を見ると、統一後韓国にとっては基本的に必要なくなると思われる在韓米軍を完全撤退させることを条件に中国が韓国主導の統一を黙認する密約が交わされるという可能性もないわけではないのでは、という気もします。














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