中国海軍の実力は日本を超えたか

 「超えた」に対し中国が反論するのも変な話ですが。

http://military.china.com/news/568/20150122/19234685.html


中国海軍の実力は日本を超えた? 専門家:対比方法が非常に非専業的

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「韓国メディアが掲載した図:中日海軍実力の対比」)

人民ネット北京1月21日電(邱越) 最近、イギリスの権威ある軍事雑誌「週刊ジェーン安全保障業務」は評論を掲載して、中国海軍の実力は今年初めて日本を超越することになるとし、この報道は中国が釣魚島の他、中国南海などの地域を中国の勢力範囲として宣言し、かつ一段と力を入れて海軍の戦闘力を強化している、とした。軍事専門家は中央テレビのインタビューを受けた時、この文章は中国海軍の実力を堆砌式(頑住吉注:後述)で見せつけ、非常に非専業的で、「中国海軍の実力が日本を超える」の結論を出すその目的は中国への対応を口実に予算割り当ての増加を要求しようとすることに他ならない、とした。

中日が戦争を勃発させたら中国は惨敗する?

もし中日両国海軍が釣魚島が原因で武力衝突を勃発させたら、どのような結果が生じるのだろうか? 2014年、日本のある研究所がかつてシミュレーションの結果を発表して、もし中日が局地戦争を勃発させたら、数時間後中国海軍は悲惨で重大な敗北に遭遇するだろう、とした。これは日本の海上戦力がアメリカのすぐ次の世界第2位に位置することに基づく戦争の予測である。

尹卓の説明によれば、交戦する双方の力量の強弱、戦争の結果を推論演繹することに関しては、2種類の方法がある。1つは静態比較の方法で、もう1つは動態比較の方法である。静態比較とは両国の艦艇、飛行機の作戦能力を全て指数化し、指数を用いてさらに比較を行い、このようにするには1つの指標体系を形成し、各指数の異なるスコアとウェイトを根拠に、コンピュータの計算を通じ、静態指数を出す必要があり、例えば対艦指数、対潜指数、防空指数、水上艦艇指数、潜水艦指数、航空兵指数で、こうした指数の総合的計算を経て、さらに静態的比較を行い、都合よく静態的に交戦双方の力量の強弱の対比が出せるわけである。一方動態比較はさらに非常に多くの要素を加える必要があり、例えばどこで戦争が発生するか、戦争の発生地の両国からの距離が遠いか近いか、双方の飛行場の位置などで、これは戦役性のシミュレーションに属する。「日本は中日の釣魚島における開戦に対しシミュレーション推論演繹を行い、何度かの対抗の結果に積み重ねを行い、結果として結論を得た可能性が高い。」

中央党学校国際戦略研究所副所長の高祖貴は、日本が行ったこの推論演繹はある結論を出したがったものに他ならない、と考える。すなわち、中国の軍事的実力の増長は早すぎ、地域に対し、日本に対し、世界全体に対し構成する挑戦がどんどん大きくなっている。である。

堆砌式の中日海上力量の対比は非常に非専業的 (頑住吉注:「堆砌」は煉瓦などを積み重ねることで、転じて文章を書くときに美辞麗句を並べること、とされているんですが、どうもこの場合の文脈に合いません。)

「週刊ジェーン安全保障業務」の報道によれば、中国は海軍兵力23.5万人、潜水艦56隻、軍艦970隻、実戦機468機を持っている。一方日本海上自衛隊は4.58万人、潜水艦18隻、軍艦120隻、実戦機339機しかない。また、この報道はさらに中国は原子力空母「遼寧艦」(頑住吉注:原文にそう書いてあるんで)と200発の核弾頭を持つ「巨浪ー2」潜水艦発射ミサイル、およびアメリカにも恐怖を感じさせる大陸間弾道ミサイル「東風-41」を持っている、とする。

「『週刊ジェーン安全保障業務』は専門誌だが、この評論の中日海軍力量の堆砌式比較は、非常に非専業的である。」 尹卓は語る。まずそれはいかにして中国の弾道ミサイル原潜がすでに200発の核弾頭を持っているとの結論を出し得たのか? また、日本のような核を持たない国家に対しては、もしも釣魚島で争いが起きても、中国が核兵器を使用することはない。アメリカが参戦し、かつ核による打撃を優先して使用しない限りは。(「週刊ジェーン安全保障業務」の)この比較が単に静態(比較)だけを用いているのはまだいいが、動態作戦の中では中国の核力量は排除することが必須であり、比較の基準とすることはできない。」 (頑住吉注:カッコ内で補っているように、この部分はたぶん非常に訳しにくい話し言葉をそのまま文章に起こしたもので、訳が怪しいです。「堆砌」にもスラング的に別の意味があるのかもしれません。)

(頑住吉注:これより2ページ目)

高祖貴は、「週刊ジェーン安全保障業務」はイギリス当局の声を代表することはできないが、この雑誌の影響力は非常に大きく、学術および娯楽の見方を代表している、とする。今回この雑誌が出した「中国海軍の実力は日本より強い」の結論は、この前のアメリカ議会経済・安全保障委員の結論と非常によく似ており、しかもより明確である。差異はジェーンが中国の経済と軍事のポテンシャルと規模を現実のもととして扱ったことだけである。実は、日本、アメリカ、イギリスのこうした声はいずれも中国を抑止する意図を態度表明し、軍事費への支出割り当てを増加することをアピールしようとするものに他ならない。

尹卓は、日本の艦艇の情報化の程度は中国のはるか上であり、しかもその武器の体系的作戦能力は相当に強く、情報化技術水準はアメリカと基本的に同一世代に属し、これは日本自身がよく知っていることである、と指摘する。情報能力の武器装備体系の中での作用は非常に重要なカギで、明らかにジェーンのこの軍事力対比模式は非科学的である。

人数と規模はとっくに近代化された海軍力量を計るものさしではない

ジェーンの報道はさらに、中国は今年052C型駆逐艦と052D型など新型駆逐艦の増加を計画し、年末になれば中国版「イージス」艦の戦闘力は日本の1.5倍に到達することになるだろう、と提示した。

尹卓の説明によれば、「イージス」艦は現代の大型水上艦艇の象徴的な装備である。「イージス」艦はコンピュータを中心とする武器システムで、艦隊をコントロールするフェイズドアレイレーダーを持ち、完全デジタル化電子スキャンを使用し、ミサイルを自動発射させることができる。また、垂直発射のミサイルは360度全方向に発射でき、かつ多種のミサイルの共通の架台による発射を実現しており、これはまさに「イージス」艦の近代化された作戦能力の体現である。中国の052Cと052Dは「イージス」類型の軍艦で、数は日本と基本的に互角だが、トン数はずっと小さく、日本の「イージス」艦の弾薬搭載量はわが国の海軍の同類戦闘艦の倍近く、単に艦艇の数を見たのではその総合作戦能力を比較することはできないのである。」

尹卓は次のように考える。人数と規模はとっくに近代化された海軍力量を計るものさしではない。持つ戦闘艦の「1隻あたりのトン数」あるいは「1人あたりのトン数」に換えるべきである。「1隻あたりのトン数」は某艦隊が大型艦艇か、中型艦艇か、それとも小型艦艇をメインとするかを判断できる。中国海軍は中型艦艇をメインとし、艦艇の隻数は多いが、1隻あたりのトン数は比較的低い。比較すると日本は隻数は比較的少ないが、その1隻あたりのトン数はずっと多いだろう。アメリカはさらに多く、数倍、甚だしきに至っては我々の10倍に達する。他の方面では、仮に海軍の規模が非常に大きくても、「1人あたりのトン数」は比較的少なく、このことは海軍の中の陸上基地人員が比較的多く、効率が比較的低く、近代化の程度が非常に高い海軍ではないということを説明している。一方「1人あたりのトン数」が高いことは、1隻あたりの艦艇上の人員は少ないが、艦艇の自動化の程度が比較的高く、陸上基地人員が少なくて海上基地作戦人員が多いことを説明し、こうしたことはいずれも直接的に海軍の構造が合理的か否か、近代化されているか否かを体現しているのである。


 まあまだ問題が残っているのは確かなんでしょうが、例えば艦艇のトン数も055新型駆逐艦の登場が示すように大型化に向かい、こうした問題点を中国海軍が意識して改善しつつあるのは確かであり、「中国の軍事的実力の増長は早すぎ、地域に対し、日本に対し、世界全体に対し構成する挑戦がどんどん大きくなっている」といっても間違いではないでしょうな。

















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