ロシアがベトナムに販売する潜水艦は中国仕様より先進的?

 ロシアは中国と対立するインド、ベトナムなどの国にも兵器を販売していますが、戦闘機などと異なり潜水艦では基本的に同系列の艦を販売しているわけですが‥‥。

http://military.china.com/news/568/20131002/18074648.html


ベトナムがロシアから購入するキロ級潜水艦、新技術を使用 中国版に比べより先進的

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ロシアがベトナムのために建造する初のキロ級潜水艦『ハノイ号』。」)

【グローバルネット総合報道】 カナダの「漢和安全保障業務評論」の報道によれば、ロシアのサンクトペテルブルグ海軍造船工場がベトナムのために建造中の6隻のキロ636VM型ディーゼル・電池動力潜水艦は今年のうちに引き渡され、現在このうち第1隻目の潜水艦はすでに最後の艤装段階に入っている。

中国海軍が購入した8隻のキロ級636型潜水艦に比べ、ベトナム海軍のキロ級潜水艦は潜望鏡、電子偵察装備、消音スレートの上でいずれにも新技術が採用されている。また、ベトナム海軍はさらにロシアが提供する最新型の3M-14E「クラブ」潜水艦発射型弾道ミサイルを獲得している。このミサイルは射程290kmである。ベトナム海軍のために建造される第1隻目のキロ級潜水艦はまもなく航海試験を開始することになる、とされる。

キロ級潜水艦はロシア海軍の戦後第3世代で、現在主力のディーゼル・電池潜水艦である。キロ級の原型のソ連・ロシアのコードネームは877級「Halibut」型で、その後キロ級は近代化改装を経てキロ級改良型(Improved Kilo)を形成し、ロシアサイドのコードネームは636級「ワルシャワの歌」型である。キロ級は現在ロシアの輸出量最大の潜水艦のクラスである。火力が強大、騒音が小さいことで有名であり、「大洋のブラックホール」と呼ばれる。

キロ級はかつてソ連潜水艦が電子設備を重視しなかった「伝統」も放棄し、自動装填装置およびMVU-110EM型コンピュータを装備し、同時に5つの目標をロックオンでき(手動2つ、自動3つ)、さらにエアロダイナミクス ノンバランス魚雷発射装置を使用し、魚雷発射時の騒音を非常に大きく低下させた。

キロ級潜水艦の1989年に設計された改良型である877LPMB型は、後にB-800型「kaluga」型と改名され、5隻生産された。L字型の、特殊合金「極光」で作られた7枚羽根からなるスクリューを装備し、さらにその他いくつかの改良点がある。

877型キロ級潜水艦は53型魚雷、SET-53M魚雷、SAET-60M魚雷、SET-65魚雷、71系列有線誘導魚雷が装備できる。636型とインドに輸出されるSindhughosh級はいずれも魚雷発射管からクラブ-S潜水艦発射型対艦ミサイルを発射する能力を持つ。

キロ級潜水艦の輸出型が877E型で、主に熱帯地域の使用に照準を合わせていくつかの装備が改良されている。後にインド海軍の需要に合わせて877E型に改良が継続されて877EKM型に発展し、クラブ-S潜水艦発射型ミサイル、MGK-EM水中音分析システム、新たなコントロールおよび維持メンテナンス設備が追加装備された。

キロ級636型潜水艦は877型を基礎にまた改良、グレードアップが行われ、動力装置の回転速度を低下させ、7枚羽根の大ピッチスクリューを採用し、充電のパワーを増大させ充電能力を向上させた。636型潜水艦は877EKM型より騒音がさらに低く、水中航行速度がさらに高く、より良い艦員の生活環境がある。

中国海軍がロシアから購入したキロ級潜水艦の調達契約は1994年に締結され、1995年2月と11月までに2隻が引き渡され、コードナンバーは364と365である。1998年夏と年末にまた2隻が引き渡され、コードナンバーは366と367である。この4隻のキロ級潜水艦は、1隻あたりの平均販売価格が約2.57億アメリカドルだった。

636級の外観は877級とあまり大きな差異はない。データ上636型の水上排水量は2,325トン、水中排水量は3,076トン、水上速度は11ノット、水中速度は20ノットに達する。シュノーケル状態での航続力は7ノットで7,000海里、運用深度は250m、最大潜水深度は300mで、「クラブ-S」対艦ミサイルを装備する。

636型潜水艦は多機能戦闘指揮システムを配備し、潜水艦の有効な操作コントロールおよび魚雷発射ができ、システム高速コンピュータは偵察装備が獲得した情報資料を受け取り、処理し、かつスクリーンに表示できる。目標資料の計算と発射パラメータの計算に基づき、自動発射コントロールも提供でき、戦術運動および武器の発射方式が提案できる。この艦は6門の533mm魚雷発射管を持ち、18発の魚雷、あるいは24発の機雷が搭載できる。さらに1基の対空ミサイル発射架を装備し、SA-N-8型対空ミサイルが発射できる。この型の潜水艦は潜水艦発射型のクラブ-S対艦ミサイルを発射でき、6門の533mm魚雷発射管のうち2門には有線誘導遠隔操作魚雷の発射能力があり、2発の魚雷を同時発射する攻撃の時は、第1回目の同時発射は2分以内に行う必要があり、第2回目の同時発射は5分以内に行える。

636型潜水艦はMGM-400EMデジタル式ソナーを採用し、パッシブ模式時は潜水艦と水上目標が探知計測でき、アクティブ模式時は目標の関連方位のプラス30度の範囲に設定して発射できる。装備されるレーダーマストは出し入れの操作ができ、浮上しての航行、あるいは潜望鏡の深度での航行時に目標が偵察でき、かつ目標識別と安全ナビゲーションができる。推進システムは2台のディーゼルエンジン、発電機システム、単一のメイン推進器が装備され、単軸7枚羽根固定ピッチスクリューが連結され、別に2台の予備推進システムがあって水深の浅い区域の使用に供され、また停泊あるいは臨時の使用に供される。これには4つの7枚羽根固定ピッチスクリューが連結され、配備されるバッテリーは120個2組で、それぞれ魚雷コンパートメントおよび人員居住コンパートメントの下層に置かれ、メイン操縦装置は自動コントロールシステムを装備する。

ある人は、宋級(NATOのコードネーム)のここ何年かの近代化改装は636級の技術を吸収したことから来たものだ、と推測している。だがこの推測は確かな根拠あるいは当局による肯定を欠いている。ただし肯定できるのは、宋級とキロ級は中華人民共和国の潜水艦部隊の主力だということである。

現在、各タイプの「キロ」級潜水艦は全部で52隻建造され、ロシア海軍に装備される他、さらに中国、インド、ベトナム、イラン、アルジェリア、ポーランド、ルーマニアに輸出された。

ロシア:17隻の877型が就役中。6隻の636型調達を準備。

中国:2隻の877型および10隻の636型を持ち、全部で12隻。

アルジェリア:2隻の877型を持ち(1987年就役。かつて1990年に大修理)、2隻の改良グレードアップ作業が2009〜2010年の間に完成。

インド:10隻の877型を持ち、全部Sindhughosh級と改名。全てを636型の性能にまで改良することを計画。当局にはさらなる追加購入の意志あり。

ポーランド:1隻の877型を持つ。

イラン:3隻の877型を持つ。最も古いTAREG号は2012年5月に自ら改装を終えている。

ルーマニア:1隻を持つ(電池が全て損壊し、正常な就役はできない)。

ベトナム:6隻の636型を発注。第1隻目は2013年中に引き渡し。


 ロシアとしては当然地域のパワーバランスが自国にプラスに影響するよう考慮するでしょうし、軍事力だけでなく輸出面でもライバルになる可能性のある国には最新技術は渡したがらないでしょう。協議中の中国向け新潜水艦建造でも同じ考慮がなされるはずです。

















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