アメリカが制裁する北朝鮮の3つの機構

 制裁の効果や今後の見通しなどにも言及されています。

http://military.china.com/news2/569/20150105/19173377.html


アメリカの制裁を受ける三大機構の秘密を明かす アメリカは何故恨み骨髄なのか

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「北朝鮮では22日午後インターネットに非常に不安定な状況が出現し始め、基本的に『ネットに接続できない』状態に置かれ、23日午前にネットワークは基本的に回復した」)

2015年1月2日、アメリカは「北朝鮮ハッカー」がソニーピクチャーズエンターテインメント社をネットワーク攻撃したことを理由に、北朝鮮の3つの機構と10名の個人に対し制裁を展開することを宣言した。アメリカが制裁する3つの北朝鮮の機構とはそれぞれ朝鮮人民軍偵察総局、朝鮮鉱業開発貿易社、檀君貿易社である。こうした機構は一体何故アメリカを「恨み骨髄」にさせ、また彼らは北朝鮮にとってどのくらいの重要性を有しているのだろうか? 制裁の決定が出るのと共に、外界のこうした神秘の機構に対する興味は急速に高まっている。

三大機構は何をしているのか?

アメリカ財務省の言い方によれば、偵察総局は北朝鮮の主要な情報機構で、北朝鮮のネットワーク戦に関する事柄を分割して受け持っている。鉱業開発貿易社は北朝鮮の主要な武器交易商で、弾道ミサイル、通常兵器などの装備の輸出を引き受けている。檀君貿易社は海外から技術を獲得し、もって北朝鮮軍事工業の研究開発プロジェクトを支持することに重点を置いている。それらはいずれも国連とアメリカの制裁の目標である。

韓国国家情報院の資料がはっきり示すところによれば、2009年に成立した偵察総局は北朝鮮対外秘密工作総指揮で、元人民武力省に隷属した偵察局、労働党作戦部、労働党35号室(対韓国活動を担当)、国防委員会政策室(軍事会談)などの党と軍の対南機構を合併しており、韓国、日本、アメリカに対する情報収集と秘密活動などの事柄を統一管理している。偵察総局は形式上朝鮮人民軍総参謀部に隷属するが、実際には最高指導者直属の機関で、地位は極めて高い。偵察総局には全部で6つの下に属する局があり、このうち第6局は技術政策局で、ネットワーク戦および装備の研究開発を専門に担当し、アメリカから「ソニーのネットワークが襲撃に遭った事件の元凶」として非難されてもいる。韓国メディアは「脱北者」鄭世律(音訳)の話を引用し、第6局の下に属する機関は2つのネットワーク戦を担当する旅団級部隊を管轄し、それぞれ平安南道の祥原と南原に配備され、それぞれの旅団の編成は1,200人である、としている。韓国の議員宋永仙は、北朝鮮軍偵察総局の「情報コントロールセンター」はネットワーク戦実施方面で部門の協調の作用を果たし、特に「ネットワーク戦旅団」が攻撃行動を採る前、味方サイドのウェブサイトを開設している、あるいはネットワークに接続して情報収集をする必要のある機構に向け注意を発し、巻き添えの損害を避けるのである、と言明する。北朝鮮はさらに偵察総局を依拠とし、大きな力を入れてハッカー攻撃戦法を開発し、指揮通信ネットワークを妨害できるソフトウェアを開発している。韓国メディアの報道は、偵察総局の管轄下にある第31、32、35技術偵察所など多くの機関は、専門に米韓の情報収集および指揮通信ネットワークの特徴に照準を合わせ、急所を突く戦いの研究を展開している、とする。

(頑住吉注:これより2ページ目)

北朝鮮鉱業開発貿易社、その前身は日本が朝鮮半島を植民地にしていた時期に野口財団によって漢城(今のソウル)に設立された会社で、会社成立初期の主要な業務は鉱産物採掘と対外販売で、同社は平安北道、咸鏡南道、慶尚北道、全羅南道などの地に分社を設けていた。1945年の日本降伏後、同社の資産は北朝鮮と韓国の政府によって没収され、このうち北朝鮮が接収した部分はいくつもの発展を経て、すでに北朝鮮の名声高い実業トラストとなり、しかも著名な第二経済委員会と複雑に絡み合った関係がある。韓国の「月刊朝鮮」2013年5月号が明らかにするところによれば、北朝鮮では、「第二」の名称は往々にして軍事部門に用いられる。第二経済委員会が軍需経済を担当する部門であるようにであり、それは国防委員会に隷属するが、同時に労働党中央軍事委員会の垂直の管理を受ける。鉱業開発貿易社は第二経済委員会が生産する武器の販売とアフターサービスを担う。

檀君貿易社に関しては、北朝鮮第二自然科学院(略称「二院」)の下に属する会社で、同社は北朝鮮の核実験とミサイル研究開発のために技術的支持を提供する任務を担い、2009年7月に国連安保理の北朝鮮制裁委員会によって制裁対象に列せられた。「脱北者」が韓国の「月刊朝鮮」に向け明らかにしたところによれば、その地位が韓国国防科学研究所(ADD)と等しい朝鮮二院は、国家予算の使用と特殊原料獲得方面において特権を持ち、北朝鮮は国家予算の中の国防科学研究経費を基礎に、鉱業開発貿易社の対外武器販売の収入、さらに加えて二院の下に属する企業が稼いだ外貨とその他の国家補助資金を全部二院の収入、予算の中に算入し、科研に早急に必要な原材料購入に用いている。内部では「99号物資」と呼ばれ、すなわち「最高司令官同志予備物資」で、しかも「白手袋」(頑住吉注:マネーロンダリングをする、非合法なのに合法を装う、といった意味があるようです)の役割を演じるのがまさしく檀君社なのである。

制裁の影響はどのくらい大きいか?

2006年に北朝鮮が核実験を行った後に受けた制裁に比べると、今回の制裁に入れる力の度合いと範囲は明らかに1段階低下している。こうした北朝鮮の実体がすでに「苦難の行軍」に慣れ、封鎖と封じ込めの中で出口を探すことに長じているからなおさらで、このためアメリカの制裁の将来的な効果はまだ観察が待たれる。韓国メディアは韓国の専門家鄭光敏の話を引用し、アメリカが主導する「拡散を防ぐ安全提議」(PSI)組織に参加する国がどんどん多くなっているため、北朝鮮の武器貿易で常用される海運や航空輸送ルートはしばしば迎撃や妨害に遭っているが、「北朝鮮内部は座して死を待つことはないだろう」とした。韓国国防研究院の研究員成彩基は、北朝鮮の「第二経済」が制裁によって崩壊することはなく、「北朝鮮は能動的に軍用品の輸出を放棄することはないだろう」と考える。

韓国現代経済研究院は、2006年に北朝鮮が核実験を行った後、国連は相次いで第1718号決議と第1874号決議を通過させ、北朝鮮が通常兵器を輸出することを禁じ、理論上こうした措置が実行された後、北朝鮮経済は必ずや重傷を負い、毎年15億〜37億アメリカドルの損失が出るはずだが、真の状況は北朝鮮の「軍需経済体」が決して倒れはしないということだ、と考える。スウェーデンのストックホルム平和研究所(SIPRI)のレポートがはっきり示すところによれば、1980年代から北朝鮮はもう武器輸出を本国の戦略産業とし、1987年には北朝鮮の武器輸出額は5.23億アメリカドルで、1988年には一度8.85億アメリカドルまで増えたが、1990年代初めに2億アメリカドルに減り、1990年代後期に1億アメリカドルに急減した。これは主に北朝鮮が「光明星-1号」衛星を発射した後、アメリカなどが北朝鮮に対し行った制裁を受けてもたらされた。だが2008年以後になると、嫌と言うほど制裁を受けた北朝鮮はそれにも関わらず武器輸出を1億アメリカドル前後にまで回復させた(頑住吉注:数字がおかしい気がするんですが原文通りです)。韓国銀行の統計によれば、北朝鮮の年間武器輸出額は総輸出額の81%を占め、稼いだ外貨は主に軍隊建設および国家専用施設の修繕に用いられる。

次の段階の制裁は誰か? (頑住吉注:この小見出しの意味分かんないです)

韓国の「中央日報」はかつて、米日韓をリーダーとする「反北朝鮮鉄のトライアングル」は一段と力を入れて北朝鮮の対外貿易活動を制限し、北朝鮮の「外貨の血管」をつまんで封じることによって、北朝鮮が一連の政治的譲歩をなすよう迫ることを企図している、と分析した。

だがロイター社の4日の文章は、金融制裁はイランやロシアに圧力をもたらしているが、こうしたことの北朝鮮に対する影響は限られ、北朝鮮はアメリカの50年を超える制裁を経てきているのだ、と考えた。北朝鮮外務省スポークスマンは4日、アメリカの制裁は北朝鮮を弱らせることがないだけでなく、逆に北朝鮮の先軍の宝剣がより強大かつ鋭利になる結果をもたらすだろう、とした。「アメリカがみだりに北朝鮮に対する敵対感を高めれば、北朝鮮に国家主権、民族の尊厳を堅持する意志と決意をより確固たるものにさせることしかできない。」 【グローバル時報特約記者 田聿 駐韓国特約記者 李大明】


 武器輸出額が総輸出額の8割以上を占める国って他にあるんですかね。こんないろいろな意味で異常な国は長くは持つまいと思いつつもすぐに大きな変化が生じそうな様子もなく、高度に警戒しつつ「対話と圧力」路線を続けていくしかないんでしょうか。


























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