T-50は機内に巡航ミサイルを搭載できる?

 先日、画像から見てそもそも機内弾薬倉がないのでは、と話題になりましたが。

http://military.china.com/news2/569/20140530/18534583_1.html


ロシア:T-50ステルス戦闘機は巡航ミサイルを機内搭載できる 攻撃力はF-22をはるかに超える

【グローバル軍事報道】 ロシアの「リンク」ネット5月27日の報道によれば、ロシアの第5世代戦闘機T-50の試験は最も重要なラストスパートの段階に入り始めた。最近2機のT-50がモスクワ近郊のジューコフスキーで各種の武器配置を試験し始め、別の2機はアハトビンスク市の国営飛行試験センターで試験を行い、しかももうすぐ戦闘使用試験を行うことになる。

時間との競争

ロシアの第5世代戦闘機T-50は2010年1月29日に初飛行し、現在まですでに4年余りになっており、プロジェクト全体に対し某いくつかの中期総括を行うに足りる。最も主要なものはT-50は新世代戦闘機として国家試験を行うことの批准を獲得し、かつ武器を搭載しての試験飛行を開始することで、これ自体がまさにこの機に対する明確な肯定に他ならない。最初の一定数のT-50の飛行大隊が戦闘力を形成する前に、新型機はさらに非常に多くの試験や改良を行う必要があるが、その生存の権利がすでに確定していることは疑いない。

スホーイ設計局は2000〜2002年にこの新型戦闘機の研究開発を開始し、その基礎はソ連と新ロシア時代の研究開発の成果である。ソ連は1980年代初めには早くもこの任務を初めて提出し、将来的に量産が始まったばかりの第4世代戦闘機に取って代わることができるだけでなく、アメリカのATF先進戦術戦闘機プロジェクトの枠組み内で研究開発される新世代機と競争できるものを研究開発することを要求した。アメリカ同様、ソ連は当時2種の方案を提出し、ミコヤンとスホーイ設計局によって競争が行われた。ミコヤン設計局は周知のミグ-1.44をプッシュし、スホーイ設計局はスホーイー27KM後退翼艦載戦闘機を基礎にC.37を研究開発し、すなわち周知のスホーイー47「ベールクト」であり、後にまたT-50を登場させた。この2つのプロジェクトの研究開発プロセスはソ連解体の影響を受けて大幅に遅延したが、決して停止することはなかった。スホーイー47は1997年9月に飛び、ミグ1.44は2000年2月に初飛行した。スホーイのプロジェクトはより前途があると考えられ、ミグ1.44が数回の試験飛行の後すでに中止されたとするなら、スホーイー47は2010年までにもう337回の飛行を行い、しかもT-50と平行して試験飛行を行った。実際に、スホーイー47は第5世代戦闘機プロジェクトの飛行実験室となり、一連のカギとなる重要な問題の試験を担当し、これには新型構造材料、各種の内部に置かれた武器コンパートメント方案とその他の多くの技術が含まれた。

この間にアメリカのATF計画はスムーズに完成し、F-22「ラプター」戦闘機を研究開発した。その原型機であるYF-22は1990年代初期および中期に積極的にテストされ、第1機目のF-22は1997年に初飛行し、21世紀初めになると量産が開始された。だが製造コストが高すぎ、また軍事費支出が大幅に縮減されたため、F-22量産計画は大幅に縮小された。機の性能にも比較的大きな変化が発生し、量産型F-22の機載設備は研究開発計画に比べるとより「貧乏臭い」ことが目立った。結果として最終的に195機しか生産されず、これには8機の試験機と187機の量産機が含まれ、最後の1機は2011年に生産ラインを降り、その後生産は停止された。アメリカ議会は先進的な技術が漏洩する可能性を心配し、このため対外的にF-22を輸出することを禁止し、これは最も親密な同盟国にさえであり、これには調達の意志があったイスラエル、日本、オーストラリアが含まれ、いずれも1機の「ラプター」も獲得できていない。

合同研究開発

アメリカのF-22の研究開発の経験は、ロシアの第5世代戦闘機の発展に対し重大な影響を生じさせた。直接的にアメリカの道を複製することは不可能なので、ロシアの新たな機に対する要求は顕著に高まり、何故ならF-22はとっくに量産され、しかもアメリカは第5世代戦闘機研究開発方面でJFS「連合攻撃戦闘機」の輪郭を描き出し、各タイプのF-35戦闘機を研究開発し、アメリカ空軍、海軍、海兵隊が使用する数種の現役機に取って代わらせようとしていたからである(これにはA-10攻撃機、F-16、初期バージョンのF/A-18艦載機、および垂直離着陸機であるAV-8Bが含まれる)。アメリカはさらに西欧からオーストラリアまでの盟友にF-35を購入するよう提案し、この種の方法は機の生産量を顕著に増加させ、単価を下げることができる。また、いくつかの航空製造業が比較的発達している国(これにはイギリス、カナダ、オランダなどが含まれる)に合同研究開発プロジェクトに参加させ、さらに研究開発費用を分担させることができた。

類似の道はロシアにとってはより現実的で、このためモスクワは最初からもう国外の協力パートナーを探し求めることを非常に重視した。だが関連のリストはすぐに1カ国まで急速に減少し、インドだけがロシアと新世代戦闘機の研究開発リスクを分担することに同意した。何故なら21世紀初めに導入されたスホーイー30MKI戦闘機が、インドサイドに対し極めて良い印象を残していたからである。初歩的な同意から政府間協力協定締結までには非常に長い7年の時間が用いられたが、それでもスホーイ社が新型機のための予算割り当てを争奪する圧力を大幅に緩和した。2007年10月になってロシアとインドが、インド空軍版T-50、すなわちFGFA第5世代戦闘機合同研究開発協定を締結した時、新型機の技術的な様相はすでに定型に至っており、かつアムール河畔共青城で初の試験サンプル機の製造が始まっていた。

インドは飛行機製造領域で必要な技術が欠乏しており、このためプロジェクトの第1段階では純粋に金融上の参与だった。その後インドスタン航空有限会社とロシア連合航空製造グループは協定を締結し、インドが第2段階の研究開発に参与することを規定し、これは主にインド版戦闘機のために航空電子設備を生産することだった。後に新型機の初飛行の期日がある程度遅延し、2007年、2008年、2009年と反復して遅延したが、ロシアサイドはそれでもその他の潜在的協力パートナーを捜し求め始めた。ブラジルは最も前途あるパートナーと見なされ、現在双方は依然、ブラジルのT-50プロジェクトへの加入の可能性という問題を談判中である。だがT-50の性能パラメータがどのくらいであるのかは、その協力拡大の地理的範囲を制限している。F-22に比べより大きく、より重く、航続距離がより長い重戦闘機は、理論的に言って決してあらゆる国に適合しない。遺憾なのは、ロシアサイドは本来当然第5世代軽戦闘機を平行して研究開発し、ミグー29に取って代わらせ、アメリカのF-35と競争すべきだったのだが、資金不足の問題ゆえに相当に長い時間が浪費されたことだった。実際には2000〜2007年の間には早くも、インドがまさにロシアと軽戦闘機の研究開発を企図していたのだが、ロシア空軍は重戦闘機がより優先される選択であると考えたのである。

システムの方法

新型機を研究開発するカギとなる重要問題は、フルセットの設備と武器を研究開発し、その性能が自らの先代機と競争相手よりも優れることを確保することである。ロシアサイドはほとんど新型機研究開発開始と同時にそのための将来武器システムの研究開発も開始した。T-50はRVV-MD(短距離)、RVV-SD(中距離)、RVV-BD(長距離)という3種類の新型空対空ミサイルを配備するべきこととされており、「信号旗」国営機械製造設計局によって研究開発が担当され、2004年からは「戦術ミサイル武器」グループも加わったとされる。またさらにT-50のためにその他の類型の武器が研究開発中で、これには空対地ミサイルや制御誘導航空爆弾が含まれる。

通常の完備された性能の他、T-50の機載武器に対する1つのカギとなる重要な問題は、新たなミサイルが内部に置かれた武器コンパートメント内での使用に適合することが必須だというものである。このことは折りたたみ翼面の使用を必要とし、かつミサイルの発射の計算法に対して重大な改変を行う必要がある。だがスホーイー47実験機の試験飛行過程で、すでにこの方面の多くの必要な改良に関する情報が獲得済みだった。T-50は構想の初めからもう比較的強い汎用性能が要求され、主要な相手F-22を超えることが必須だった。「ラプター」は2013年になってやっと改良を開始し、空対地武器の使用を準備したが、その内部に置かれた武器コンパートメントは大型、大寸法、遠距離のミサイルには適さない。何故ならF-22は研究開発当初、大寸法の武器コンパートメントと複座コックピットを配備したF-22B攻撃バージョンを使用して補充を行うことが設定されていたが、後に予算の制限によりF-22Bは紙面上にのみ留まって世に出ることはできなかったからである。これに比べるとT-50は最初からもう財政が極めて困難な状況下で研究開発され、直ちに「万能選手」となることが迫られ、2つの大寸法の武器コンパートメントを配備し、その攻撃力をF-22に比べずっと強くさせている。特にこの機は専用に研究開発された射程が250kmに達し得るKH-58USHKE巡航ミサイルが使用できる。またT-50はさらにF-22同様機の一部のステルス性能を犠牲にして、外部搭載荷を使用することができる。

3/4の過程を進み終える

今までに、T-50の研究開発の道はすでに大部分の道程を進み終え、5機の試験サンプル機が製造され、第6機目は今後何ヶ月かで試験飛行計画に加入することになる。4年来すでに600回近い試験飛行が行われ、かつ強度も不断に増加している。過去の最も困難だった試験飛行段階は2011〜2012年で、機の構造に一連の変動が行われた。異なる見積もりに基づき、プロジェクトの支出はすでに600〜1,500億ルーブル(約17.38〜43.44億アメリカドルに相当)に達し、量産の価格を参入すると、2030年になる前にプロジェクトの総コストは1兆ルーブル(289.63億アメリカドル)に到達する可能性がある。

現有の情報は、現在T-50は依然いくつかの未解決の問題があり、特にRVV-BD遠距離ミサイルの研究開発は遅延し、2010年代末まで遅延してやっと世に出る可能性がある、ということを示している。これと同時にアメリカ空軍はすでにより新しいバージョンのAIM-120C遠距離格闘ミサイルを装備し、射程がより長いAIM-120Dミサイルを発注している。このためロシア軍にはRVV-BDミサイルの研究開発を加速する必要が絶対にある。この種のミサイルを早急に必要とするのは、さらにはTー50がすでにミグー31迎撃機の潜在的後継者と見なされているからで、空中迎撃任務の執行のためには、まずは遠距離ミサイルが必要なのである。

現時点で次のことが言える。現有の情報から見てT-50は第5世代戦闘機の基本的要求に完全に符合し、これにはステルス性能、機動性能、超音速巡航能力が含まれる。現在さらに積極的に機載電子設備が改良されており、一部の設備はすでに第3機目および4機目の試験サンプル機に装備されており、一方第5機目のT-50-5は初めてフルセットの航空電子設備を配備済みである。

現在の最大の問題はエンジンである。現在T-50は2台のAL-41F1エンジンを装備しており、すなわち「117製品」である。そのアフターバーナー使用時の推力は15,000kgで、機が超音速巡航速度と1.15の推力:重量比(標準離陸重量は26.5トン)を具備することを保証できる。だがTー50の主要な動力装置は第2段階エンジンであるべきで、すなわち「129製品」である。そのアフターバーナー使用時の推力は18,000kgを超え、機が標準離陸重量の下での推力:重量比が1.3を超え、最大離陸重量の下でも1近く、したがってより出色の動力と機動性能を持つことを保証できる。だが129製品の量産期日はしばらくのところ依然1つの問題である。だが「臨時」のエンジンを装備する経験はすでに非常に豊富である。これに比べるとアメリカのF-14A艦載戦闘機のTF30エンジンも不成功だったが、この機が世界で最も良い迎撃機の1つになることを決して妨げることはなかった。T-50が現在使用するエンジンはより大きな程度上自らの任務に堪える。

初の量産型T-50は最も早ければ2016年に飛行試験センターとリペイツク戦闘使用センターに姿を現すと見られる。もしこのタイムスケジュールが現実となったら、これはT-50の研究開発の入札募集宣言から量産投入までの研究開発プロセスが、その前身であるスホーイー27同様に極めて迅速であることを意味する。(編集翻訳:林海)


 T-50の進展に関する情報は殲ー20よりずっとオープンで、戦力化もおそらくずっと早いでしょうね。秘密保持の対策は取るんでしょうが、インドその他の国にも配備されればその詳細もある程度明らかになってくるのでは。
















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