中国、核機雷を装備?

 台湾が中国の核機雷の脅威を宣伝し、中国も反論しています。

http://military.china.com/important/11132797/20121226/17602662.html


台湾メディア:大陸は核機雷作戦能力に優位性があると見る アメリカ潜水艦の接近を阻止

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「地雷同様、機雷はコストが低廉で、威力が非常に大きく、隠蔽性が良好で、海域の大面積封鎖が可能で、今に至るも依然非常に歓迎される海戦の武器である。」)

「中国大陸は本当にアメリカの海上の覇権に挑戦したがっているのか?」 台湾の「アジア太平洋安全保障業務」誌最新号は、少なくとも台湾海峡、東海ないし南海のような「局部水域」においては、大陸の海軍はアメリカの同盟国に直面した時「自信満々」に変わり始めている、と見ている。同号ははさらに解放軍が潜水艦を機雷と組み合わせ、中国の「対介入/区域拒止」戦略の打破を企図するアメリカ海軍に対し、「非対称の脅威」を作り出すかもしれないと推測している。

この説に対し、解放軍海軍の専門家劉江平は25日に「グローバル時報」のインタビューを受けた時、台湾メディアは故意に潜水艦の機雷敷設機能を誇大宣伝しており、積極防御戦略を実行する解放軍海軍にはアメリカ軍のアジア太平洋基地の出入り口前に行って機雷を敷設する理論や演習はない、と語った。

台湾メディア、大陸が潜水艦を使った機雷敷設を模索、とする

「アジア太平洋安全保障業務」はアメリカのデータを引用して、大陸では2002〜2012年に全部で43隻の潜水艦が進水し、しかもこの数字は最近ロシアから購入した8隻の「キロ」級ディーゼル・電池動力潜水艦を含まない、とする。事実として、1995〜2012年、中国では相次いで50隻を超える新型潜水艦が配備された。

報道は言う。解放軍海軍が大きな力を入れて潜水艦を発展させている一方で、対潜戦能力は依然立ち後れた状態にあるようだ。現在までに解放軍海軍には依然、真に完備された対潜戦専用の近代的水上戦闘艦はない。この他、解放軍海軍は海上対潜哨戒機および対潜ヘリ方面でも依然比較的欠陥を持つ。これに対し、アメリカ海軍は長時間の観察を経て、解放軍海軍はまさに潜水艦と機雷の関係を探索し、もって新たな重要戦力を構築しているところだ、と推測している。

文章は次のように考える。解放軍海軍の戦略家は機雷作戦配備のために非常に幅広いプラットフォームを想定している(非軍用船舶を含む)。こうした機雷敷設プラットフォームの長所、短所に対し系統的分析を行った後、彼らはすでに結論を出したようだ。すなわち攻撃性に関して言えば潜水艦を利用しての機雷輸送は非常に理想的で、特に遠距離攻撃性の機雷敷設任務に関してはそうである。ある分析は、「敵サイドの空軍と海軍が潜水艦にもたらす制限は相対的に小さく、このため敵の後方に浸透して機雷を敷設することはいくらかより容易である。」 しかも、このレポートによれば、(潜水艦という)この種のプラットフォームには「さらに高品質の秘密行動と奇襲を実現する可能性がある〜何故なら1隻の港から10〜15km離れた、水中深度約40mの潜水艦には、高い効果を持つ自走式機雷を発射し、港に侵入させる能力がある〜」

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「中国海軍は新型の海底に沈む機雷を投下する試験を行っている。台湾メディアは主観的に憶測して大陸が核機雷を開発していると騒ぎ立てている。実に愚かだ!」です。)

大陸はソ連の核機雷を「復活」させようとしている?

報道は言う。中国はおよそ5〜10万発の機雷を持ち、これは「接触式、磁力式、音響式、水圧式、混合反応式、遠隔操作式、ロケット浮上式、自走式など30種余りの機雷」からなる。 (頑住吉注:以前「対ヘリコプター地雷」というのを紹介しましたが、「ロケット浮上式」というのはこれにやや似ていて、水中深く潜伏し、低空飛行する掃海ヘリめがけて浮上して破壊するものだそうです。一方「自走式」は「自力航行式」と訳した方が適切かも知れませんが、待ち伏せ式対戦車ロケットの海バージョンのような、待ち伏せ魚雷といったものです)

「アジア太平洋安全保障業務」は次のように考える。大陸は自主研究開発による深海浮上式機雷の発展と強化に対し強い興味を示している。解放軍海軍の航空技術方面の専門家と海軍艦艇学院の専門家はすでにいくつかの方法を開発し、ロケット推進式機雷の攻撃確率を予知している。各種各様の付加的性質の研究もすでに発射プラットフォームの安定性、水中ロケット推進システム、発射後の軌跡を分析済みである。その他のいくつかの海軍の機雷研究は目標の追跡、爆発の最大値、艦艇に対する殺傷の程度を検証済みである。

文章はさらに推測する。大陸の海軍分析人員が関心を持つ「戦術核兵器で機雷を武装すること」には現在まだいくつかの討論が存在する。その中のある分析人員は、核機雷は2,000mの範囲内の敵サイドの原子力潜水艦を撃沈できる、と考える。別のある文章は、1/3の分析人員は核機雷戦は将来における深海対潜戦行動にとって非常に人を期待させる前途を持つと主張するが、核戦闘部の搭載は機雷の殺傷力を高める一種の論理的方法に過ぎない、と考える。報道は、現在まだ中国にこの種の海軍戦術核兵器プロジェクトが存在する直接の証拠はないが、これらの文章はあるいは、大陸のこの方面におけるいかなる努力をも緊密に視察する必要があることを暗示しているのかもしれない、とする。

アメリカの原子力潜水艦を制限する近道

「アジア太平洋安全保障業務」はさらに、ある南シナ海の敵対行動によって引き起こされる衝突の中で、大陸の機雷が大きな範囲で配備される可能性があると仮想している。だが大陸の国防分析家にとって、現在および予見できる将来の時期において最も可能性のある作戦想定は全て未来の台湾地域の微妙な地位問題と関係があるのである。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「現在機雷の敷設手段は非常に多様化している。潜水艦によって秘密のうちに機雷を敷設する効率は非常に低い。飛行機による機雷敷設は最も迅速である。」です。)

だが、文章は考える。以上の作戦想定は代表に過ぎず、将来において予測できる台湾海作戦の仮想中、解放軍が採る可能性のある攻撃性の機雷戦の一部分である。大陸のある対潜戦の研究は、「敵の基地の港付近の出口に機雷を配備することにより〜直ちに敵潜水艦の海洋への進入能力を制限できる」と提案している。このように機雷は敵潜水艦攻撃の最良のツールとなる。実際、解放軍海軍が重点的基地の外に機雷の配備を試みる可能性は想像できる。この範囲は解放軍海軍潜水艦の最大持久極限の範囲内である。文章は、琉球群島周辺海域も非常に容易に大陸の攻撃性の機雷戦行動に遭遇する、と考える。

報道はさらに別の文章を引用して次のように言う。「多くの研究を基礎に、解放軍はアメリカの原子力潜水艦が非常に静音で、これに対し反撃を行うことは非常に難しいと信じている。このためこれに対し制限を行うことは必須である〜」 この分析によれば、この考慮はすでに大陸の自走式機雷研究展開の主要な動力となっている。しかも解放軍海軍の最も可能性あるやり方は「太平洋の第1諸島のそれぞれの水道全てに自走式機雷を配備し、したがって一種の共同封鎖線を形成し、アメリカの原子力潜水艦の中国周辺海域への進入を防止する。」というものである。

解放軍海軍の専門家劉江平は次のように考える。台湾メディアの報道は故意に潜水艦による機雷敷設の効果を誇大宣伝している。大陸の海軍は立体機雷敷設をより強調しており、すなわち水面、空中、水中の総合機雷敷設である。潜水艦だけに頼って機雷を敷設する効果は比較的低いのだ。現代の海戦は一種の体系的作戦であり、1、2種の武器に頼ってすぐ勝利できるというものではない。解放軍は積極防御の戦略を実行しており、平和な時期に機雷を敷設することはない。戦時にいかに機雷を敷設するかは、領海が襲撃撹乱される程度を見て決める必要がある。解放軍海軍にはアメリカのアジア太平洋の基地の出入り口前に行って機雷を敷設する理論や演習はない。劉江平は言う。核機雷は一種の戦術核兵器であり、大陸は核兵器の研究開発、使用方面においていずれも非常に慎重である。

(頑住吉注:後のページは画像とキャプションだけです。4ページ目は「イラン海軍が海上に機雷敷設を行い、ペルシャ湾の封鎖を演習している。伝統的な旧式機雷だったとしても、依然深刻にアメリカ海軍に脅威を与えられる。」、5ページ目は「これはアメリカ海軍の『キングフィッシュ』無人掃海潜水艇。今年アメリカ主導の、イランに照準を合わせた数十か国の湾岸対機雷演習で、この潜水艇の秘密試験が行われた。可笑しいことに、この演習では半分余りの機雷目標が発見されず、演習もいい加減な形で終わった。」、6ページ目は「専門の掃海艇を利用することは伝統的でもあり、総合バランスが取れ、比較的適した対機雷手段である。画像は中国海軍の新型掃海艇。」、7ページ目は「海上の掃海は常に高度に危険、かつ効率が極めて低い。画像はアメリカのMH-53掃海ヘリが掃海具を曳航して掃海作業を行っているところ。作業過程ではヘリも同様に損傷を受ける危険がある。」、8ページ目は「現在西側の海軍は無人艦艇を用いて海上掃海任務を完成させる研究を開始している。画像はフランスが現在研究開発中の無人対機雷艇。」)


 台湾の「脅威だ」との主張に対し、「大陸は核兵器には慎重だ」というのは信用はできないものの論理的整合性はあります。しかし「大陸の海軍は立体機雷敷設をより強調しており、すなわち水面、空中、水中の総合機雷敷設である。潜水艦だけに頼って機雷を敷設する効果は比較的低いのだ」というのは「脅威だ」に対する反論になっておらず、お前らが考えるよりももっと脅威が大きいのだと主張しているだけのような気がしますが。いずれにせよ中国の機雷というのは地味なせいかあまり取り上げられることが多くないものの、日本に対する大きな脅威として注目してくべきだと思われます。









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