ベトナム関連2題

 ベトナムは中国との戦争の歴史と現時点での対立があるという意味では日本と共通点がありますが、中国と同じ社会主義国、また一党独裁の国であり、いざという時どういう立場を取るのかよく分からない国でもあります。まず潜水艦関連です。

http://military.china.com/news/568/20140124/18313630.html


専門家、ベトナムの6隻の潜水艦購入を評する:中越海軍の実力の対比に対し作用はない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:ベトナム軍初のキロ級潜水艦、カムラン湾に到着」)

人民ネット1月24日電(記者 黄子娟) ロシアメディアの報道によれば、1月16日、ロシアのサンクトペテルブルグ市海軍部造船工場がベトナム海軍のために建造した第2隻目の06361型「キロ級」ディーゼル・電池潜水艦、HQ-183「ホーチミン」号(工場の建造コードナンバーは01340)が正式にベトナムサイドに引き渡され、技術受領書署名式が挙行された。中央テレビ特約評論員洪琳は、ベトナムの6隻の戦略潜水艦購入は中国とベトナムの間の海軍の実力の対比に対し作用を果たすことはできない、とした。

「ホーチミン」号潜水艦は2011年9月28日に建造が開始され、2012年12月28日に進水し、2013年夏に工場による試験航海を開始した。この艦は1月19日にサンクトペテルブルグ市を出発し、カリーニングラードへ行き、輸送船に搭載されるのを待ってベトナムへの輸送を準備し、2014年3月初めにベトナムに到着すると見られる。

ベトナム第2隻目の06361型潜水艦引き渡しの前日午前、ベトナム海軍はカムラン湾基地で第1隻目の同型潜水艦HQ-182「ハノイ」号の正式引き渡し就役式を挙行した。ベトナム国防省副大臣兼海軍司令、ベトナム人民軍海軍副司令が出席した。2009年に締結された購入契約に基づき、ロシアのサンクトペテルブルグ市海軍部造船工場は全部でベトナム海軍のために6隻の06361型潜水艦を建造することになる。

ベトナムがもし6隻の「キロ級」ディーゼル・電池潜水艦を装備したら、ベトナム海軍の軍事力向上に対しどんな効果があるのかに言及した時に洪琳は、ベトナムはキロ級潜水艦の装備で海軍の実力を増強し、同時に南海地域における発言権を増強することを考慮しているのだ、とした。何故なら南海では、多くの国の間に主権をめぐる論争が存在し、中国とベトナムの間だけでなく、ベトナムと東南アジアのいくつかの国の間にも存在する。このため、ベトナムのようなこの種の海岸線が非常に細長い国は、ずっと自らの海上の安全を心配している。ベトナムがロシアから6隻の戦略潜水艦を購入することはその海軍の実力に対し一定の向上の効果があるが、この6隻の潜水艦購入は、中国とベトナムの間の海軍の実力の対比に対して何の作用も起こせない。

洪琳はこの6隻の戦略潜水艦はベトナムにとって、一方において国防の実力を増強し、もう一方においては心理的に安心させる作用がある、と指摘する。さらに重要な一点は、東南アジアのその他のいくつかの国と比べ、一定の海上の優勢があることである。


 「何の作用も起こせない」って言ってるだけで何の論拠もないですね。まあ中国の潜水艦との性能の差が最も重要であり、それに関しては中国の専門家も正確には把握していないでしょうし、していても言えないでしょうが。なおベトナムは確かに中国だけでなく、カンボジア、タイ、マレーシアなどとも領土に関する主張の食い違いがあり、6隻の最新型ロシア製潜水艦に対抗できるような戦力はどの国にもありません。

http://military.china.com/news2/569/20140124/18313342.html


専門家:ベトナムはフィリピンのようにアメリカのコマにはならない 終始親中国でもない

ベトナムはフィリピンのようにアメリカのコマにはならない

李開盛

ここ2年、中国とフィリピンの間の南海の争いがホットなポイントとなっているが、ベトナムは相対的に平静である。ベトナムと中国の争いはエスカレートせず、急いでアメリカに接近してもいない。だが、これは中越関係が何事もなく平静であることを決して意味しない。中米のゲームの中には依然ベトナムの姿がちらついているのである。

矛盾の構造性と複雑性から言うと、中越関係は中国・フィリピン関係に比べ勝りこそすれ決して劣らないかもしれない。

南海の争いの中で、中越の重複範囲は最も大きく、ベトナムはほとんど中国南海全体に対し主権を持つと言明している。ベトナムのGDPの約50%は海洋と関係があり、海洋はすでにベトナムの未来の生命線となっている。しかも、ベトナムには歴史上長期にわたって中国に対する憂慮と恐怖が存在している。しかも1979年の戦争は、ベトナムを歴史的教訓に対しさらに忘れ難くさせた。

一方アメリカ・ベトナム関係は事実として1995年の関係正常化以後ずっと音もなく徐々に前進している。双方はかつて残酷な長期の戦争も経たが、勝利者と自慢するベトナムには戦争が残した憤りや恨みは少ししかないようだ。さらに重要なのは、アメリカとベトナムには領土をめぐる争いが存在せず、その他の切迫した利益への脅威もないことである。

だがベトナムがもう1つのフィリピンになることはあまりありそうになく、アメリカの従順なコマになることもあまりありそうにない。ベトナムとフィリピンにはあまりにも多くの差異が存在し、対米関係もフィリピンに比べより複雑である。

フィリピンは長期にわたる西方の植民統治の中で、英語とキリスト教を受け入れ、歴史、文化の上でアメリカとの関係がベトナムよりはるかに根強い。ベトナムは根本から言ってやはり東方文化の国であり、儒教思想と仏教文化が根深く容易に動揺しない。しかも経済の上でも、ベトナムと中国の関係は極めて緊密である。アメリカはベトナム最大の輸出市場であるが、ベトナムが中国から輸入する商品はその他のいかなる国も超えている。ベトナムはずっと対中貿易の中に逆ざやがあることに不平を言っているが、もう1つの事実は、もし中国がなかったらベトナム経済はたちまち回転しなくなる、というものである。

さらに重要なのは、ベトナムで政権を担当する共産党に関して言うと、彼らとアメリカには終始一種打破し難いわだかまりが存在し、それは政治制度とイデオロギーに他ならない。アメリカは確かに国家利益方面の現実主義者であるが、西側の価値観の普及に対しても天性の熱意を持っている。

この対立は長期的に存在していく可能性が高い。一方においてベトナム共産党は比較的成功裏に経済を発展させており、政権の地位は比較的長時間維持し得ることが有望である。他方においては、民主、人権がアメリカの外交の議事日程から消失することもあり得ない。このことはこの種のゲームの長期性を決定付けている。

この点はベトナムが中国を価値ある盟友と見なすことを促す。何故なら双方は西側、特にアメリカから来る挑戦に共同で対応する必要があるからである。

こうした要素はベトナムを二面性のある国とする。領土をめぐる争いおよび地縁政治的ゲームの中では、ベトナムはアメリカを笑顔で迎える。だが政治制度とイデオロギーの競争の中では、ベトナムはまたアメリカと冷たい目で相対する。中国に対する態度はちょうど反対である。このため比較的長い時間内、ベトナムはアメリカの従順な盟友ともならないし、中国と終始親密でもあり得ず、その中間を徘徊する役割である。(筆者は上海社会科学院国際関係研究所副研究員)


 日本やフィリピンと違い、ベトナムは米中間でバランスを取り、「うまく立ち回り」、どちらからも味方につけるための利益供与を受けられる可能性もあるわけです。ただどちらからも本当には信用されない立場ですが。














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