10mm暴動鎮圧リボルバー、集団略奪を阻止?

 国民性の違いを強く感じさせられる事件です。なお優先順位の関係で後回しにしていたので約1か月前の記事です。

http://news.china.com/domestic/945/20140108/18272168.html


蘭州警察が銃を抜いて集団略奪を制止した件の調査:銃を鳴らして警告した後も依然立ち去らない人がいた

新華ネット蘭州1月8日電(記者 張欽、張新新) 7日から、「蘭州のトラックが横転しミカンが100人余りの村民の集団略奪に遭い、警察が銃を抜いて制止した」件がネット上に熱く伝えられている。事件のいきさつは一体どうだったのか? 警察が銃を抜いたのは何のためか? ミカンを集団略奪する群衆に直面し、銃を抜いて警告したのは合法、妥当なのか否か? 新華社記者は事件発生地である甘粛省楡中県に赴いて追跡調査を行った。

6万余りのミカンが集団略奪に遭う

4日午前11時頃、1両のミカンを満載したセミトレーラートラックが連霍高速で蘭州市楡中県和平町に来た時、柳溝河出口インターチェンジの急カーブしたところで突然横転した。たちまち、6万個余りのミカンが地面に転がり落ちた。まさに高速交通警察がクレーンを探して来て横転した車を牽引していこうとした時、和平町および周辺の村の一部住民が続々とかけつけてきて、まず野次馬見物し、後に集団略奪した。

集団略奪の場面はどのようだったのか? 記者は楡中県和平町にやって来て、それぞれ勤務を執行した人民警察官、現地住民にインタビューし、かつ荷主に電話インタビューした。

楡中県公安局和平町派出所の人民警察官王令成は次のように語った。当日12時45分頃、自分とその他2名の当番の人民警察官は110番指令を受けて出動し、現場に横転したトラックがインターチェンジから半分突き出た状態にあるのを見た。インターチェンジの下は高さ6〜7mの斜面で、非常に危険だった。当時、現場にはすでに4〜50人の人がミカンを集団略奪中で、その後さらに人が不断にかけつけて来たが、秩序はまだ維持できた。午後3時過ぎになると、現場はどんどん混乱し、人々は前に出て制止する人民警察官にかまわず、あるものはさらに押したりこづいたりした。警察出動から集団略奪が収まるまで、全体の過程は6時間近く持続した。また楡中県公安局の調査によれば、集団略奪されたミカンは1万個余りだった。

和平町和平村の徐家営社幹部である範英明は当時、ここにやって来て群衆にその場を離れるよう勧告していた。彼は、当日午後1時頃、自分が現場にかけつけた時、そこにはすでに100人以上いて、ある者はさらに農業用車を運転しており、さらには少なからぬ老人と子供がいた、と語る。「私は皆に、車が半分ぶら下がっていてもし転がり落ちたら大事になる、大急ぎで逃げろと勧告した。だがある者は何と、『俺は別にあんたのミカンを拾っているんじゃない』と言った。」

江西省福州出身の荷主李益竜はひどく残念そうに、「当時私は、お百姓さんたち、我々が箱ごとのミカンを運び去るのを待ってから拾ってくれよ、と大声で叫んだ。しかし聞く人はおらず、一部の人は編み袋、段ボール箱を持ってそれに入れていた。1両分6万個余りのミカンは、集団略奪、車の横転後の衝突、押しつぶし、人の群の踏みつけを経て、私が最終的に手にしたのは、2,000個余りの完全なミカンだけだった。」と語った。

記者の理解によれば、これはすでに2年余り前以来、和平町で発生した第2回目の集団略奪である。2年前、同様にこの高速道路出口につながる急カーブで、李益竜の同郷人の蘭州行きの1台分のミカンも集団略奪された。

(頑住吉注:これより2ページ目)

人民警察は止むを得ず銃を見せつけて略奪を制止

7日にネット上に「蘭州警察、銃を抜いてミカンの集団略奪を制止」の情報が明らかにされて以来、ネット仲間は諸説紛々で、網易、騰訊などのウェブサイトのスレッドへのコメントは10万近くになり、多数のネット仲間は、人民警察が銃を鳴らして警告した措置は果断かつ全く妥当性に欠けるところはない、と考えている。

範英明は記者に、当日午後3時過ぎ、集団略奪する人はどんどん多くなり、場面はどんどん混乱し、警察がやって来てもかまわなかった、と教えた。突然彼らは音を聞き、聞くとそれは爆竹の音よりやや大きかった。そして実は1名の警官が高い所に立って銃を鳴らして警告しているのに気付いた。

楡中県公安局局長張克強は、楡中県公安監査は、規定通り人民警察官の発砲が合法か否かに関し調査を行った、と語った。調査により次のことが分かった。現場の人民警察官は高速道路の坂の下の排水溝を限度として、集団略奪者がトラック横転現場から離れるよう要求した。だが集団略奪者はこれを拒んで服従しなかった。事態が切迫する中、和平派出所のある人民警察官は高速道路のインターチェンジ上に立って、人の群から遠く離れた状況下で銃を鳴らして警告した。用いた銃は2013年初めに支給された10mm暴動鎮圧リボルバーで、弾薬は10mm布袋弾であり、この弾薬は追い散らす、制圧するという性質の機能しか持っていない。

彼は、「人民警察の警察機材と武器使用規則」第7条は、人民警察が職責を履行するために設置した警戒ラインを強行突破する者に対しては、人民警察は「追い散らし、制圧する性質の警察機材を使用できる」と規定している、と語る。

記者は和平派出所でこの暴動鎮圧リボルバーを見た。その「説明書」には、「非致命性の特徴が突出し、5m以内の生体目標に対し致命傷をもたらすことはない」と明示されていた。

ネット仲間の「葉伝竜」は「警察が銃を見せつけ略奪を止めたことに何の問題があるか」との文を執筆して、「今回の人民警察が果断に銃を見せつけたことは、この種の不法行為を制止し、不良な気風を逆転させ、違法行為を打撃したのであり、有効に人々の合法な財産を保護した」と語った。

また、ネット上のある画像は、1人の人民警察官が手にリボルバーを持ち、マスクをしたおばあさんに向けているのをはっきり示している。これに対し、当事者である人民警察官は次のように説明している。「銃が鳴るのを聞いて、大半の集団略奪者は現場を離れたが、まだ一部の人はあくまで立ち去らなかった。私は非常に焦っており、高速道路の斜面上から下りていって、彼らが大急ぎで現場を離れるよう要求し、その話をする時、習慣的に手を振って離れるよう合図した。当時確かに銃をしまってはいなかった。」

(頑住吉注:これより3ページ目。なおこの写真が、警官がおばあさんに銃を向けているというやつですね。)

集団略奪に対する厳しい打撃の強化が必須

一部の学者は次のように考える。近年来全国各地で頻繁に発生している集団略奪事件は、道徳の最低ラインを突破しているだけでなく、公と個人の財産の神聖不可侵という法律上の最低ラインをも踏みにじっている。こうした違法ないし犯罪を構成する行為に対し、社会の道徳的非難は絶えないが、法によって処罰する必要は軽視されている。また、一部の下層の公安機関の素早い反応が不足し、多くの警察種類の連動が不充分で、集団略奪に対応する能力は依然向上が待たれる。

記者の不完全な統計によれば、2013年3月から今まで、各地のメディアが報道した集団略奪事件は26回にも達する。今年元日以来だけでも、もうすでに2回の事件が明るみに出ている。

蘭州大学教育学院院長李碩豪教授は次のように語る。精神的貧困は物質的貧困に比べさらに恐ろしく、国民の素質は依然早急な向上が待たれる。大きな力を入れて伝統的道徳を発揚すると同時に、さらに適切に法律の尊厳を維持保護する必要がある。集団略奪の後、決してうやむやに終わらせてはならない。もしこの流れが逆転せず、法が公衆道徳の「破れた窓」を責めなければ、類似の集団略奪はまた起こるだろう。

甘粛政法大学副教授の徐愛水は、現在知られている損失から見て、楡中県のミカン集団略奪案件は違法なだけでなく、その集団略奪された数や額が比較的大きく、経緯は重大で、主要分子と積極的参加者はさらに公私財物集団略奪罪の嫌疑がある、と考える。

ある名を挙げられたがらない学者は、公安機関はさらに多発する集団略奪事件に対し、考え方を広げ、多方面から法に依拠して法を執行し事件を処理する能力を向上させるべきである、とする。


 ちなみにこの銃は、

http://bbs.tiexue.net/post_5746630_1.html

 こんなんです。外観上非致命弾薬専用とはまず分かりません。警官がおばあさんに銃を向ける画像は確かに刺激的で、やりすぎだとの批判もあったようです。しかしそもそも日本だったら集団略奪自体起こりませんしね。「国民の素質は依然早急な向上が待たれる」と言ってますが、こういうのはそう簡単に変わるもんじゃないでしょう。






















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