轟油ー6給油機とは

 名前通り轟ー6爆撃機改造の給油機なわけですが。

http://military.china.com/news/568/20150907/20344105.html


轟油ー6には多方面に不足が存在 新たな給油機には国産大型機の改装が真っ先に選択される

轟油ー6空中給油機は我が国が研究開発した初の空中給油機で、この機は轟ー6爆撃機から発展してできた。現代の戦争の中で、空中給油機は専門に飛行過程のその他の作戦機に燃料を補充するのに用いる飛行機であり、作戦機の航続距離を増加させ、滞空時間を延長させ、有効搭載重量を増加させることができ、それはある国家の遠距離空戦能力を推し量る重要な印で、「空中力量の倍増器」と賞賛される。轟油ー6空中給油機の研究開発成功は、国産給油機の有無の問題を解決し、かつ空軍のために貴重な空中給油の経験を提供した。現在空軍はすでに小規模で初歩的な給油能力を持つ機隊を発展させており、新たな時期の攻防兼備の戦略空軍のために装備の基礎を提供している。

発展の歴史的過程

中国が初めて空中給油技術に接触したのはベトナム戦争中で、当時アメリカ実戦機の残骸の中から名も知らぬ金属パイプを発見し、研究を経た後その特定の用途を知った。1970年代、空中給油技術の基礎研究が行われたことがあるが、その後すぐに政治的原因により中断した(頑住吉注:文化大革命の影響?)。1980年代初期・中期に連続して多くの空戦が発生した中で、空中給油機はいずれも非常に大きな作用を発揮し、ずっとこれに対し非常に仔細に追跡研究をしていた中国空軍は、1988年に正式なプロジェクト立ち上げ・研究開発を開始した。イギリスの空中給油会社から購入したユニットを改装した運ー8Uが殲ー8Dと比較的コンビネーションし難かったため、最終的に轟ー6が選択された。イギリスやイスラエルの専門家の援助があったが、最初の何百回かの空中ドッキングは全部失敗し、後に甚だしきに至っては4回の給油ヘッド折断、空中発火、無線電信が機能を失うなど何十回の重大で危険な状況が発生した。1991年12月、中国空軍は初めて空中給油に成功した。1997年には初の空中給油機連隊が正式に広州軍区に成立した。

技術性能

轟ー6を改装した給油機には2つのタイプがあり、1つは空軍の轟油ー6(H-6U)、もう1つは海軍の轟油ー6(H-6U)Dである。この2種の飛行機の外観上最も顕著な差異は次の通りである。轟油ー6(H-6U)の機首には金属の整流カバーを用いるよう改められているが、轟油ー6(H-6U)Dの整流カバーには依然轟ー6や運ー8の円錐形のガラス製整流カバーが用いられている。性能から言うと、轟油ー6(H-6U)の改良の幅は轟油ー6(H-6U)Dより大きく、性能もより良い。轟油ー6(H-6U)は機首下方の244爆撃レーダーをなくし、機体の外形がよりスムーズで、飛行の安定性が向上している。機内には比較的先進的な慣性/GPS複合ナビゲーションシステムが装備され、かつ気象レーダーが交換されている。本来のPV-23火力コントロールシステムは取り除かれ、大幅に空虚重量が軽減され、燃料搭載量も増加している。だが安全の考慮のため、この機は元々装備されていた妨害弾散布器を依然留保している。だがアメリカ空軍の給油機は絶対の制空権を持つ下の環境で給油を行うため、この種の防御手段はない。

轟油ー6(H-6U)はある斬新な戦術ナビゲーションシステムを装備しており、それは一種の双方向採測儀で、200kmの範囲内で自動的に、正確に給油機の受油機との間の方位角と距離を計算し、大幅に2種の飛行機が空中で行う給油作業の成功率を高めた。その最大離陸重量は75.8トンで、最大燃料搭載量は37トンである。アメリカのC-130Fの30トンより大きいが、それにもかかわらずロシアのツポレフ-16Nの42.1トンには遜色があり、世界各国の給油機の中(同等重量クラスの中を含め)で比較的立ち後れた地位にある。

この機の翼の下には2つの軟式給油吊り下げポッドが追加装備され、ソフトチューブ給油方式を採用して殲ー8および殲ー10空中給油型戦闘機のために給油を行う。現在米軍の大部分はハード式給油を採用している。アメリカのKC-10A空中給油機のようにであり、1回で90トンの燃料が搭載でき、これが採用するのはハード式給油で、毎分4,680リットル前後給油する。一方ソフト式給油を採用すると毎分1,500リットルしか給油されず、給油効率が比較的低い。だがハード式給油は一般に1回1機にしか給油されず、一方ソフト式給油は1回で2機に給油できる。

(頑住吉注:これより2ページ目)

轟油ー6は機首のガラスはめ込み構造の視察爆撃キャビン、尾部機関砲などがなくなり、尾部視察窓がやや拡大している。機全体で37トンの燃料を搭載でき、給油できるのは18.5トンで、およそ6機の殲ー8D型機への使用に充分である。ドッキング操作は計器の誘導と目視コントロールによる。機首には気象レーダーが装備されている。通信システムには2セットの超短波SSB無線機、2つの秘密保持無線機、救命無線機が追加されている。電子対抗設備の中にはレーダー警告設備とチャフ/赤外線デコイ放出器が追加装備されている。

作戦応用

アメリカ空軍の視察と空中給油機部隊の研究によれば、中国の典型的な編成方式は2機の轟油ー6(H-6U)が12機の殲ー8D戦闘機を支援するというものである。この12機の殲ー8Dは3つの4機編隊に分かれ、1,200km内でそれぞれ3つの空中警戒圏を建立して給油機と受油機を保護することができる。戦闘機が空中給油を行う最も良い空域はその作戦半径の果て付近であり、殲ー8Dの作戦半径はおよそ800kmである。このようにすればもし空中給油作業が万一失敗しても、機内の残る燃料に頼って安全に基地に帰ることが完全にできる。もし空中給油作業がスムーズに行えたら、殲ー8Dはその予定の警戒空域に近づいた時に即受油を完成させ、直ちに戦闘位置に入ることができ、この時空中給油機はすぐ基地に帰ることができる。

この種の編成方案の中で、もし適当に空中給油機の数を増やせば、殲ー8Dが空中警戒任務を執行する滞空時間も相応に延長できる。給油機と戦闘機の数の比を増加させれば、同時に空中警戒の範囲を拡大することもできる。例えばこの比が1:4、甚だしきに至っては1:2に到達した時、戦闘機の作戦半径はそれぞれ1,500kmおよび1,800kmに到達でき、すなわちスホーイー27や殲轟ー7戦闘機に似たものになり、本来の殲ー8Bに比べ倍増する。轟油ー6(H-6U)空中給油機を持った後、中国の遠距離奇襲能力および総合空中作戦能力はすでに有効な向上を得ている。例えば海南島飛行場に頼って発着する殲ー8D戦闘機は、空中給油完成後、その作戦範囲が南中国海、甚だしきに至っては遠くインドネシアにまで拡大でき、西沙諸島や南沙諸島も全く疑いなくその有効範囲内に含まれる。轟油ー6給油機は疑いなくすでに我が主戦飛行機の「力量倍増器」となっている。

世界の主要国の空中給油機との比較

轟油ー6 ロシアのイリューシン-78 アメリカのKC-135 アメリカのKC-10
最大離陸重量 75.8トン 190トン 146.284トン 265.5トン
燃料搭載量 18.5トン 65トン 52トン 89トン
最大速度 1014km/h 800km/h 864km/h 891km/h
作戦航続距離 5600km 7300km 7000km 7075km
20機を超える 20機 140機を超える 170機

このことから、我が国の空中給油機は燃料搭載量、数、給油効率、航続距離方面に依然不足があることが見て取れる。我が国は大型機プロジェクトを発展させつつあり、ひとたび成功すれば給油機プラットフォームの第1の選択肢となる。また外電の報道によれば、中国はロシアと一定数のイリューシン-78給油機の購入を話し合っており、もし購入できれば、我が空中遠距離作戦能力を1ランク上げることになる。(暁可)


 これを見る限り日本のKC-767Jは給油機としてずっと優れているようですが、数はたった4機です。まあ日本の場合そうたくさんは必要としないでしょうが。
















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