ホワイトメタル

 9mm機関けん銃のコッキングハンドルと後部スリング金具にホワイトメタルを使用しました。低融点合金のことで、要するにハンダみたいな素材です。「みたいな」というか、実を言うとハンダそのものです。工作用に売っているホワイトメタルは非常に高価なので、こういうハンダを使用しています。

ハンダ

 これは手芸用品などを中心に販売しているユザワヤで購入したもので、1kgで2000円とかなり安いです。同様のものは東急ハンズでも扱っており、本来はステンドグラスの枠に使うもののようです。

 ホワイトメタルは柔らかいので、強い力をかけると曲がってしまい、弾性はほとんどないので自分で元には戻りません。そのかわり折れたりすることは少ないです。本当は耐熱性のシリコン型に注型すべきなのでしょうが、プラキャストと同じシロプレン1406に注型することもできます。ガス台に金属の容器をかけて熱し、ここに短く切ったハンダを入れると簡単に溶けます。容器は100円ショップに売っているもので充分です。

型

 型の内側には、ホワイトメタルとなじみやすくするために粉を筆などで薄く塗る必要があります。工作用ホワイトメタルには専用のものが付属していますが、石膏でも充分です。プラキャストの型はいったん下に回った液が除々に上がっていく形が基本ですが、ホワイトメタルはストレートに流れ込む形にします。これは型に触れて温度が下がると即硬化し始めてしまうからです。また、これを防ぐため、型はあらかじめ150度くらいのオーブンで加熱してやるといいです。もちろん安全のため作業は軍手などをして行いましょう。私は型をこんな木の枠にはめて広がるのを防いでいますが、シリコンゴムは加熱によって膨張するので、枠は少しだけ大きく作ってやる必要があります。

型を開くできた成形物

 こんな感じでできます。経験によると、型がなじむまでしばらくかかるようで、最初きれいにできなくてもあきらめずに続けましょう。もちろん失敗した成形物は溶かして再び使用できます。硬化する前に型を開けてはもちろん駄目ですが、あまり時間をおきすぎるのも望ましくありません。硬化した直後に取りだし、型が冷えないうちに次の注型を行うのが理想です。精度はあまり出ませんが、コッキングハンドル、スリング金具とも、外装パーツなので問題はありません。曲がらないため、両パーツともやや肉厚を実銃のものより多目にしてあります。あまり好きな素材ではなく、特に他のパーツとこすれる部分には使いたくないのですが、安価で少数できる金属はこれしかないのも事実です。


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