WU-14極超音速滑空ミサイル

 「軍情視界」の記事です。

http://military.china.com/zh_cn/jqsj/055/


WU-14ミサイルはアメリカ人を追い越したのか?

中国の極超音速武器は軍事と政治、ダブルの重大な意義を持つ

先日、ある衝撃的な「軍事秘密情報」がアメリカ人の口を経て全世界にあまねく伝わった。あるアメリカメディアは暴露を行い、中国軍が初めてマッハ10のスーパー兵器を試験した、とした。事後中国国防部スポークスマンがこの件に関し質問された時、類似の「科学実験はいかなる国に照準を合わせたものでもない」と明言したにもかかわらず、ワシントンはやはりびくびくと不安を感じている。彼らはその性能を過度に高く評価するのと同時に、中国のこの挙はアメリカのミサイル防衛システムに対処するためであると言い張っている‥‥

今回、中国はアメリカを追い越した

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「アメリカの「ワシントンフリービーコン」が掲載した図」)

中国、マッハ10のミサイルを試射

先日、かつて中国が「東風」-41ミサイルを試射した事件を騒ぎ立てたことがあるアメリカの「ワシントンフリービーコン」ウェブサイトが再度「凄いネタ」を暴露した。このウェブサイトは、あるアメリカペンタゴンの当局者が自分たちに向け、中国軍が今月9日に国境内で極超音速ミサイル「武器」試験を行ったと明らかにした、と報道した。ある姓名を明らかにされたがらないアメリカ当局者は、この速度マッハ10にも達する試験飛行体はすでにペンタゴンによって暫時WU-14と命名され、これはアメリカのミサイル防衛システムの防御突破に用いられる、と語った。今回の試験が山西五寨から発射されたことを考慮すると、WUは五寨の略である可能性が高く、一方14はこれが五寨で発見された第14種目のミサイルであることを示すのかもしれない。外国メディアの報道に対し、中国国防部ニュースス事務局は回答し、中国が国境内で計画通りに行う科研試験は正常であり、いかなる国や特定の目標にも照準を合わせたものでもない、とした。こうではあるが、この件はやはりアメリカ議会に大小の波を引き起こした。アメリカ上院軍事委員会主席ハワード マケインはさらに苦々しげに、「今回、彼ら(中国)は我々を追い越したようだ」と語った。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「アメリカメディアが推測するWU-14試験の説明図」)

弾道ミサイルと巡航ミサイルの長所を兼ね備える

アメリカの専門家の説明によれば、WU-14は大陸間弾道ミサイルから改造された運搬ロケット内に装備され、地上から発射された後、ブースターが弾頭を何十kmかの高空までの推進をアシストした後で機関停止し、ブースターが分離し、その後大気圏に再突入し、無動力高速飛行を行い、速度はマッハ10にも達し、弾頭は大気圏外では慣性によって飛行し、大気圏内では空力的揚力に頼って遠距離跳躍滑空機動飛行を行う。目標上空30km前後に到達した時、誘導弾頭がONになって末端制御誘導を行い、目標まで急降下して攻撃を完成させる。ある国内の分析者は、アメリカメディアが作画した状況から見て、中国が試験を行った極超音速飛行体はブースト・滑空式ミサイルに属し、宇宙に近い空間の飛行体の一種である、とする。いわゆる「宇宙に近い空間」が通常指すのは20〜100kmの高度の空域で、制宇宙、制空、制海、制地の他の新たな作戦領域になり得る。極超音速武器は宇宙に近い空間の武器の重要な組成部分である。それは弾道ミサイルの発射時の速度の優勢を結合してもいるし、また巡航ミサイルの末端制御誘導の優勢をも結合している。

極超音速ミサイルは新鮮な事柄ではない

周知のように、マッハ10クラスの極超音速飛行体は決して中国が初めて作ったわけではない、アメリカ、ロシア、インドなどの国が競争でこれに投資している。またこのうちアメリカとロシアの成果が比較的顕著である。2011年11月、アメリカは率先して試験に成功し、飛行機はハワイのカウアイ島の太平洋ミサイル試射場から発射され、極めて短時間のうちにハワイ西南2,500マイルのマーシャル諸島のクェゼリン環礁の予定された目標に命中し、アメリカが1時間で全世界をあまねく打撃することを実現するために見本を提供した。ロシアも極超音速武器方面で進展を取得し、これには攻撃型高速攻撃と極超音速打撃に対する防御技術が含まれる。ロシアの第1副首相ロゴージンは、ロシアが極超音速武器を研究開発中であることを事実確認している。彼は、ロシアがRS-26先進路上機動大陸間弾道ミサイルを「ミサイル防衛キラー」と形容している。ロシアのニュース報道は、このミサイルはその主旨がミサイル防衛を打ち破ることにある3つの極超音速弾頭を搭載している、とする。ロシアはさらにS-500と呼ばれる宇宙防御システムを研究開発中であり、このシステムは極超音速飛行体を撃墜する能力を持っている。

中米ロの極超音速ミサイル研究開発方面における努力

中国の極超音速風洞はWUミサイルの誕生を促した

アメリカの飛行機「Xファイル」はアメリカの宇宙の覇権を成就させる

ロシアは秘密のうちに極超音速ミサイルを研究開発中

パニックは単にWU-14のミサイル防衛に対する脅威からだけ来ているのではない

アメリカ人がWU-14を恐れる原因

中国がWU-14極超音速ミサイルを試験したとの情報がひとたび披露されるや、敏感なアメリカ人は直ちにこれをミサイル防衛システムと関連づけた。彼らのこの種の心配にはやはり一定の道理があると言うべきである。結局のところ、技術的角度から見て、各国のミサイル防衛システムが襲来するミサイルを迎撃する1つの重要な前提は早期警戒の問題の解決なのである。現有のああした弾道ミサイルは弾道が相対的に固定されているため、相手方はいかなる1点の弾道の位置および速度位置などのパラメータでも正確に計ることさえできれば、すぐ全体の弾道をおおよそ推算でき、このことは敵サイドのミサイル防衛システムに充分な反応時間を残す。だが振り返ってWU-14はと見れば、それは固定式の弾道通りに飛行するわけではなく、コントロール可能な、飛行航行式弾道で飛行するので、マッハ10以上の極超音速に到達すれば、現有の末端ミサイル迎撃システムにとっては、基本的に全て迎撃不可能なものに属すると言える。このように中国のWU-14開発は、アメリカ歴代政府が時間と力を費やしてミサイル防衛方面で確立した優勢を打ち消すだけでなく、さらにアメリカ本土を威嚇することもでき、おそらくこれこそがアメリカの上下を挙げての反応がかくも大きい原因である。

WU-14の深層に含まれる意味

しかし、さらに深層に含まれる意味は次のところにある。WU-14は中米の戦略的威嚇力量の上での非常に大きな隔たりを縮めた。周知のように、冷戦終結後、アメリカは比肩するもののない覇権の地位を維持するため、惜しまず巨資を投じてミサイル防衛システムを作り出し、それは本土が戦時に打撃を受けないことを保証するために他ならない。それだけではなく、アメリカが中国と領土領海の紛糾がある個別の国に反中国活動を行うことをたきつける時、その国のためにミサイル防衛のスクリーンを提供することが1つの小さからぬ誘い餌となっている。しかし、「1時間でアメリカをあまねく打撃する」WU-14登場後は、アメリカが戦争に対応する心理的および実際のコストは非常に大きく増加した。このことはアメリカが将来発生する可能性のある中国と他の国の軍事衝突の中で、戦争への参加がもたらす自身に対する危害を慎重に考慮せざるを得なくさせる。当然、中国が能動的にアメリカを攻撃すると憶測するのは決して現実的ではない。だがWU-14ミサイルが実戦配備されれば、アメリカが中国周辺において実施する各項目の戦略的効果は非常に大きく割引になる。単一の武器で全局面を逆転させることはできないが、双方のアジア太平洋地域ないしグローバルな戦略的態勢の変化はゆっくりと顕在化してくるだろう。

それぞれの視点からの声

陳虎:マッハ10+機動能力は現有のミサイル防衛体系を打破するに足りる

もしアメリカメディアの報道が事実に属せば、中国のこの武器の防御突破能力は弾道ミサイルよりはるかに強く、時間がないがゆえにミサイル防衛システムに早期警戒を失効させることが非常に有望である。

さらに多くの声

香港メディア:WU-14ミサイルはいかなる防御体系も突破できる

アメリカの専門家:中国の極超音速武器はアメリカの技術を盗み取ったもの

ロシアの上将:WU-14ミサイルの研究開発は決して米ロに追いついてはいない

孫曄飛:アメリカがアジア太平洋地域へのミサイル防衛システム配備を加速する意図は同盟国をつなぎ止めることにある

アメリカがその盟友と合同でアジア太平洋地域においてミサイル防衛システムの配備を推進する根本的な目的は、日増しに勃興する中国に照準を合わせ、そのアジア太平洋地域における戦略的優勢を増強することにある。

さらに多くの声

日本の刊行物:中ロ米、極超音速ミサイル競争を展開

中国のWU-14はアメリカの砲艦外交政策を終わらせる

中国の極超音速飛行体はアメリカに対する打撃が非常に大きい

ネット仲間の調査

あなたはWU-14極超音速ミサイルをどう見ますか?

中国の新たな「切り札」の一種 35.84% 287票

アメリカ人のミサイル防衛の悪夢 20.85% 167票

性能はアメリカが言うほど高くないかもしれない 16.36% 131票

アメリカ軍人が議会に軍事費をせがむ道具 19.61% 157票

アメリカのアジア太平洋地域回帰の歩みを遅延させることができる 3.88% 31票

はっきり言えない 3.5% 28票

総票数 801票

アメリカのミサイル防衛計画と東アジアの領土をめぐる争い

種々の兆しは、アメリカがステップバイステップでアジア太平洋地域のミサイル防衛システムを推進することを計画中であることをはっきり示している。現在、いくつかの国と中国の間は島嶼をめぐる争いと歴史問題ゆえに紛争に陥っており、アメリカがこの時にアジア太平洋地域ミサイル防衛システムを推進するのは、「留守に乗じて入る」、「グッドタイミング」と言え、何故ならこういう時に推進すれば、最大限度そのアジア太平洋地域の同盟国内部の民意の抵抗力を減少させることができるからである‥‥

結びの言葉

現在世界的地位の大国に関して言えば、大国のゲームの重要なカギはバランスの探求にある! アメリカ人がWU-14は「1時間でアメリカをあまねく打撃する」と驚いて叫ぶ時、彼らは自らもかつてマッハ20の極超音速武器を試験したことがあることを忘れているのかもしれない。この種の戦略のバランスはとっくに打破され、アメリカが他国も「グローバル快速打撃クラブ」に加入することを望まないだけのことである。このため、中国人がWU-14を作ったのは、「相手にあれば、自分も持つことが必須」というこの原則を遵守して事を行ったに過ぎないのである。


 いざとなればアメリカを防御不能の武器で攻撃できる武器を持つことは、アメリカのアジア太平洋地域への介入を躊躇させる効果があり、尖閣の問題、ここでは直接的に挙げられていませんが台湾問題、南シナ海の問題にも間接的に影響してくるというわけです。しかし私もかなりそう疑ってますけど「性能はアメリカが言うほど高くないかもしれない」、「アメリカ軍人が議会に軍事費をせがむ道具」と考える中国のネットユーザーも合計で1/3以上もいますね。






















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