中国の駆逐艦、浸水事故を起こす?

 いろいろ言い訳していますが。

http://military.china.com/important/11132797/20150302/19334137.html


中国海軍はまだ若い 30年前、アメリカの艦も上層建築を完全焼失させた

(頑住吉注:原ページのここにある動画のキャプションです。「052D艦の垂直発射ハッチが大きく開くのが初めて見られる 上海、大連で6隻を大量建造」)

今週の世界はウクライナの真の全面停戦ゆえに見たところ少なからず安定し、中国伝統の春節もまたニュース界を明らかにいささか暇で静かにさせている。少なからぬ中国の軍事ニュースを専門に報道する外国の記者さえもネット上で鳴りを潜め姿を消している。だがもしこのような「安定し和やかな」新年の中であっても、中国海軍の西太平洋上でのある小事故は、中国海軍の戦闘力と戦闘艦の設計レベルに対するネット上の疑問の声と討論を引き起こした。一方遠からぬ中東地域では1年に1度のアブダビ安全保障業務展がアラブ首長国連邦で開幕し、今回の安全保障業務展はまさにシリア・イラク国内で行われつつある「イスラム国」包囲討伐戦争ゆえにすこぶる特殊さが目立ち、展示される先進装備にも人々によって「イスラム国の打撃に適するか否か」のクエスチョンマークが打たれる。中国が登場させる武器装備にはどんなハイライトがあるのだろうか? (頑住吉注:この記述からして多分この記事元々は中国海軍艦艇の事故とアブダビセキュリティショーに展示される中国兵器の見どころ、という2つの内容を含んでいたんだと思いますが、実際には前者しか出てきません。)

結局のところまだ若い

少し前、中央テレビが放映した我が海軍の太平洋上での演習のニュースが人々の疑問の声と論争を引き起こした。ニュースの中で、我が海軍の就役してほどない052C型ミサイル駆逐艦「鄭州」艦が海上の天候が劣悪な中を航行し、あるハッチが海の波によってぶち開けられ、2名のこのハッチを閉めているところだった水兵が負傷した。その後、艦上ではダメージコントロール人員を動員し、ダメージコントロール器材とポンプを利用してハッチを閉め、かつ溜まった水を排出して空にした。

海軍の先進的な主戦艦艇が何と波1つによってぶち壊されたわけで、このような人を大いに驚愕させる事実は多くの人の海軍艦艇の設計や中国海軍のレベルに対する疑問の声を引き起こした。だがすぐに、強大な軍事マニアたちは皆に向けて事の次第を説明した。この甲板区域はケーブルをつないだり曳航ソナー、係留用ケーブルを出し入れするのに用いる必要があり、不可避的に海水に接触する必要があって、ハッチは本来防水ではないし、決して水密区域でもなく、平時にもう海水が進入し、かつ排水口によって自然に排出されているのである。こうした「湿甲板」は以前の中国海軍艦艇上では常に開放された状態にあったが、新世代水上艦艇でステルス性強化のためにやっとこの区域は壁板を用いて封鎖されるようになった。この意味で言うと、このハッチは本来封鎖されてはおらず、いわゆる浸水も全艦の水密性に影響することはない。海水の逆流が自由液面を形成して航行の安全に影響する心配に関しては、なにがしかの道理はあるが、事故発生現場から見て、船上に溜まった水はずっと有効に排除できており、艦船の安定性に脅威を及ぼすまでにはまだほど遠い。この点で、052Cのハッチの設計の、海の状況が悪い中での信頼性は検討が待たれるが、もしもハッチが損壊しても、艦船の航行の安全に対し海水が脅威をもたらすことはないだろう。この角度からは、052Cの全体設計は成功し信頼できるものである。

何故艦上で大勢を動員してダメージコントロール人員を組織し応急修理をする必要があったのかに関しては、前述の心理および管理術の他に(頑住吉注:前述してないしてない、この部分も元々あったのをカットしたんでしょう)、むしろこの機に乗じて、ダメージコントロール応急修理技術の実戦化された訓練をするべきだったのである。海軍将兵は常に備え、たゆまず漏れをふさぐ応急修理などの作業の日常訓練を行っているが、艦上で行われる関連の演習は通常完備された船室に対する「空対空」演習で(頑住吉注:ここで使われているのは普通の空対空とは違う意味と思われます。文脈から言ってふりをするだけの「エア訓練」みたいな感じでしょうか)、陸上での関連の訓練は艦上の具体的状況を完全にシミュレートすることはできない。この種の状況下で、まさに浸水している船室(その浸水は航行の安全に影響せず、自然に排出もされるのであるが)に対し、確実に水が入ってくるハッチに対し、さらには戦友が真に負傷している状況下で、真実の漏れをふさぐ行動を行うことは疑いなく最も良い練兵である。

設計という角度から見ると、052Cの関連のハッチは設計の上で確かに万全の考慮が欠乏しており、その相対的に簡単な閉鎖機構は大部分の日常の使用を満足させることができるが、太平洋上の極端に劣悪な天候に直面した時、このハッチには確かに強化と改良を行うべきである。より新しい052D型駆逐艦では、このような改良はすでに応用されており、ハッチのロックの数が増加し、ハッチが開く方向も内向きからより安全な外向きに変わっている。すでに完成している052C型やその他の旧式なハッチを採用している艦艇に関しても、続いての工場入りしての維持修理を利用して関連の改良を行うだろうと信じる。

(頑住吉注:これより ページ目。画像のキャプションは「中国海軍の成長には時間を必要とする」です。なお以後のページのキャプションは全てこれと同じです。)

このような設計は、レベルの不足と言うよりも、経験不足と言ったほうがよい。中国海軍の全速の造艦と大規模換装は行われて10年に満たず、中国海軍の常態化された遠洋訓練もここ何年かになってやっと実施され始めた。遠洋に向かう中国海軍は、依然「若過ぎ」の状態にあり、1隻の艦艇の主体構造、武器装備、電子設備などは全て図面、模型、プールでの試験、甚だしきに至っては実弾標的射撃によって実現できるかもしれないが、多くの詳細設計、改良、最適化には全て大量の実際の使用経験の蓄積を経ることを必要とする。このような経験の累積は世界海軍史上においても決して稀に見るものではない。

1960年代に盛んになり始めたアルミ合金熱は、多くの艦艇にアルミ合金の上層建築を使用させた。当時この強度が鋼材に相当するにもかかわらず顕著に重量が軽減される材料は一度は艦艇材料の新たなる突破と考えられたが、当時の人たちは1970〜80年代の海戦と事故が、アルミ合金は熱を受けると強度が低下し、艦艇のダメージコントロールに対し不利な影響があるとは決して思い至らなかったのである。同様に、アデン湾のテロ襲撃事件は各国に教訓を吸収させ、迅速に機関銃を艦艇の火力の死角に改めて配備させることになった。

同様に多くの小規模設備の改変が中国海軍に発生したが、この一切は海軍の経験蓄積の結果である。1950年代に我が国がソ連の艦艇を導入した時、現代艦艇をいかにして設計するかまだ何も知るところはなかったが、最も主要な改良は船上の電気コンロを油を燃料とする炒め物ができるバーナーに改めることだった。ソ連の潜水艦をコピー生産する時、第一に列せられた改良項目は同様に飯を炊き炒め物ができるができるこんろだった。艦員の生活と食事が海軍建立後最初に蓄積された経験だったことはごくはっきりしている。国産の051型駆逐艦の建造時、海軍にはすでに少なからぬ自ら艦艇を設計建造した経験があったが、経験が相対的に最も豊富な食事部分であっても、最初に設計された051型駆逐艦上の不便なところは決して珍しくなかった。051型駆逐艦の厨房の排煙管の設計は不合理で、非常に長い一定の時間内、毎回の厨房での食事作りの後、甲板上にいつも除去し難い油の煙の痕跡があり、甚だしきに至っては甲板上に行動の安全に影響する可能性があった。この問題は長年たった後のある改良の後になってやっと根絶されたが、小さすぎる食堂の設計に関しては完全に変えることはできない。

条件の制限ゆえに、初期のわが軍艦艇の快適性、居住性はずっと非常に劣り、1980年代当時、艦上の将兵の居住快適性の改善、戦闘力向上のため、海軍はかつてわざわざ艦艇に対し改良を行ったことがある。これは経験吸収後の改変と評価されるが、同様に経験の欠乏ゆえに、艦船の「居住快適性」を追求し過ぎ、軍用艦船に対する改修が今度は極端過ぎた。ある老海軍軍人はかつて当時の艦艇内が遮蔽版だらけなことに不平を言ったことがある。これは確かに外観的には美しいが、艦艇のパイプラインが覆われてしまうと、日常の検査修理や戦時の維持修繕の不便をもたらすだろうし、遮蔽版の材料には当時民間用材料が採用されることが非常に多く、難燃性が非常に劣った。こうした問題は1990年代に全面的な改正が開始され、かつ国家の軍用スタンダードを用いることに明確な規定が行われた。

多くの改変は全てこのように細かい経験の累積にルーツがある。例えば海軍の初期の水上艦艇の甲板は全て平滑な鋼板で、艦上に滑り防止の塗装層を敷設する構想はすっと実施されなかった(同様に世界的海軍戦力であるロシア海軍は今に至るも甲板上に滑り防止の層を敷設していない。ただ塗装すれば事は終わるのだが)。ここ何年か以来、こうした一切の詳細設計にも詳細な規定ができた。

例えば異なる船室は異なる床板材料の敷設を必要とし、配電室、電工スペースやその他の電気を帯びる作業を必要とする船室には絶縁ゴムの床板を敷設する必要があり、弾薬室には滑り止め入りゴムの床板を敷設する必要がある等々で、いくつかの船室には振動に抗するセラミックタイルを敷設する必要があり、軍用艦船上で用いる絨毯も難燃材質である。露天の甲板上に滑り防止の塗装層を敷設することにも規定があり、一般にヘリ発着プラットフォーム、機格納庫甲板、露天の甲板の主たるルート、海上補給受け取り場所、艦載小艇人員集散区域およびいくつかの武器区域等々である。この種々の海軍艦船の基準が無数にあるのは全て、中国海軍の長年の実践経験の蓄積なのである。

当然、鄭州艦の小エピソードは我々に、もしこんなに多くの規範基準があっても、我々は依然より多くの時間、より多くの経験を累積する必要がある、ということを教える。結局のところ大洋の上では、未知のものは我々の想像をはるかに超えるのである。


 海上自衛隊の艦船に詳しい人なら中国の艦船の現在のレベルがよく分かるのではないでしょうか。近海の訓練では分からなかったことが太平洋に出て初めて分かる、ということもあるわけですが、実戦になって初めて分かる、ということもきっと多いはずで、そういった点では中国海軍にはまだまだ不利な点が多いのかもしれません。例えば気になったんですが「ハッチが開く方向も内向きからより安全な外向きに変わっている」となると、船が沈没する時に閉じ込められて脱出できなくなったりしませんかね。
















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