殲ー20量産開始の兆しがまた現れる?

 この手の記事は希望的観測だなと思わせるものが多いんですが、これは結構説得力ありそうです。

http://military.china.com/news/568/20160322/22254158.html


殲ー20とセットになる部品の量産開始か 1年で商品供給が200セットに達する

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「航天科工公式サイトからのキャプチャー画像」)

【利刃軍事第374期 文/王亮】 殲ー20登場後、当局が明らかにする情報がずっと比較的限られているため、非常に多くの分析は細かい情報のかけらの中から判断したものである。3月17日、中国航空宇宙科学工業集団公式サイトはある情報を発表した。報道は、「最近、河南本社695工場が中航工業空対空ミサイル研究院のために研究開発した某機種の第4世代機の新型液圧射出装置に用いる4種の2D電磁方向転換バルブ(頑住吉注:英語ではelectromagnetic directional valveというようです)がスムーズに定型審査をパスした。」「2013年以来、空対空ミサイル研究院の深入りした協力により、695工場の2D電磁方向転換バルブは機械単一の試験、地上システム試験、空中搭載試験、空中飛行試験の中でいずれも安定して信頼性が高く、極めて高い性能指標と信頼性を見せ、供給側(頑住吉注:文脈から言って飛行機の供給者であってこの会社から見れば納品する相手のことと思われます)の充分な肯定を得、年内の商品供給は200セットに達し得ると見られる。」とする。

文章の中で明らかにされたいくつかのディテールはさらに非常に興味深い。「某機種の第4世代機」でもし意外事が出現しなかったら、基本的にまさしく殲ー20のことである。何故なら信じられているところによれば殲ー31は今年やっと第2機目の原型機が生産できるかもしれないという状態だからである。もし報道の中で言及された「2D電磁方向転換バルブ」が殲ー31のために生産されるのだとしたら、明らかに年内に200セットの商品供給は必要ない。

ある人は質問を禁じ得ないだろう。何を根拠に「年内に200セット供給」でもうこの製品が殲ー31のために生産されるのではなく、殲ー20のために生産されるのだと説明されるのか? と。我々は現在報道の中で言われる「新型液圧射出装置」が1セットごとに何個の「2D電磁方向転換バルブ」を必要とするのか判断できないが、報道の中からは、この部品がすでに単一の機械の試験、地上システム試験、空中搭載試験、空中飛行試験を経ていることが見て取れる。報道の中では「年内に商品供給が200セットに達し得る」とされ、注意すべきなのは「商品供給である」ということで、実際上の隠された言葉は「我々のこの部品をすぐに量産開始し、しかる後に供給側に与えることができる」である。ならばもし1機の第4世代機が50個の電磁方向転換バルブを用いるとすると、少なくとも4機の飛行機に用いることができることを説明している。現在見たところ、殲ー31は年内でも4機の生産に達するはずはない。このため報道の中で言及される「某機種の第4世代機」とは殲ー20だと考えるのが完全にロジックに符合する。部品の量産が開始された以上、おそらく殲ー20の量産の時期もどんどん近づいている。これは皆が普遍的に推測する殲ー20は今年少量生産されかつ装備され空軍が先んじて使用するという内容とも非常に吻合する。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「この画像は戦略ネット/漢魂雄風に感謝」)

報道の中にはさらに一点皆の関心に値することがある。報道の中に書かれた「某機種の第4世代機新型液圧射出装置」および「空対空ミサイル研究院との協力によって」などの詳細から見て、この2D電磁方向転換バルブは明らかに第4世代機の空対空ミサイル射出搭載架に用いるものである。

空中発射ミサイルの発射方式には通常2種がある。1つ目はレール点火発射である。すなわちミサイル自身のロケットエンジンの推進作用の下でレール上から発射され、搭載機を離れる。この発射方式を採用する時は通常レール式武器搭載架・発射架を使用する。2つ目は射出式発射である。すなわちミサイルは液圧射出装置によって搭載機を離れることが必須で、その後ミサイルは空中で点火を完成しかつ目標に向かって飛ぶ。

(頑住吉注:これより2ページ目)

2D電磁方向転換バルブとは液圧射出装置の一部分であり、液圧バルブ内のそれぞれの油のポートをつなげるあるいは断つことによって、結果的に液圧執行部品の方向転換あるいは始動・停止をコントロールする。液圧射出装置の中のカギとなる重要部品である。現代のステルス戦闘機はステルスの需要を満足させるため、いすれも内部に置かれた形式の射出機構を採用し、射出機構を武器コンパートメント内に収めている。ミサイルの発射時、ミサイルコンパートメントのハッチを開き、射出システムはミサイルを機の外部まで射出し、ミサイルに点火される。ミサイル発射以後、射出システムは素早く武器庫内に戻され、コンパートメントのハッチは閉鎖される。内部に置かれた形式の射出機構は通常圧縮した気体を動力源とし、燃焼ガスの煙や火を避ける。このため、内部に置かれた形式の射出機構は有効にミサイルの信号特性を隠し、ステルスの目的を達成することができ、同時に飛行機により多くの武器を配置し、飛行機に良好な空力外形を保持させることができ、したがって顕著に飛行機の総合作戦能力を高める。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「この画像の作者は@ericsakura:ネット仲間の分析を根拠に制作した殲ー20側面弾薬コンパートメントの作動原理の3D説明図」)

だが、内部に置かれた射出機構には問題が1つあり、それは信頼性が良くないことである。射出架はそれ自身とミサイルにより伝えられる各種の負荷を受け入れるため、静、動および熱負荷の総合作用の下で、ミサイルを予定のパラメータ通り正確に射出できるか否かが、解決を必要とする問題となる。内部に置かれた弾薬コンパートメントの中からおよび外部搭載架上で武器システムの発射と投下試験を行うことはステルス戦闘機の飛行試験の最後の段階の難点たる課目の1つである。こうした武器が安全、有効に投下・発射できることを確保するため、2000年から2004年の5年間、米軍は4機のF-22試験機を組織して100回近い武器と外部搭載架の分離試験を行い、これには70回のミサイル実弾発射試験が含まれた。F-22Aの武器発射エンベロープと外部搭載架投下・発射エンベロープの確定に用い、こうした実験の完成後、2005年にF-22戦闘機は直ちに米軍の中での就役を開始した。

実際、中国国内の主要な戦闘機のミサイル射出機構は全部外部搭載式を採用しており、このうち114工場、014基地などの科研生産機関はすでに徐々に某いくつかのタイプの外部搭載ミサイル射出装置の自主設計および生産能力を形成済みである。だが殲ー20の内部に置かれた弾薬コンパートメントの射出機構は国内ではまだ初めての研究開発である。報道の中に言及された、「2D電磁方向転換バルブは機械単一の試験、地上システム試験、空中搭載試験、空中飛行試験の中でいずれも安定して信頼性が高く、極めて高い性能指標と信頼性を見せ、供給側の充分な肯定を得」との内容からして、側面から殲ー20の内部に置かれた形式の射出装置の信頼性がすでに比較的満足する結果を取得していることが肯定される。第4世代機にとって、非常に多くの時に超視距離攻撃の方式を採用し、すなわち世界クラブ(頑住吉注:変換ミスか何かだと思います)の範囲外で、レーダーが敵サイドの飛行機目標をロックオンした後、弾薬コンパートメント内の空対空ミサイルを発射する方式によって、敵機に対する撃墜を行うのである。もし射出搭載架の信頼性問題が出現したら、結果は非常に深刻となるだろう。まず空対空ミサイルの発射不成功、攻撃の糸口が失われる結果がもたらされる可能性がある。瞬間的に様々に変化する空戦の中で、戦機を逸することは作戦の主導権を喪失し、敵サイドの戦闘機によって発見、撃墜されるリスクに直面することを意味する。次に、ミサイルがコンパートメント内で爆発し、搭載機に誤って損傷を与える事故が出現する可能性がある。このような結果は明らかに受け入れられない。このためミサイル射出搭載架の高い信頼性は、空対空ミサイルの威力を発揮する基礎なのである。

将来殲ー20はミサイル射出搭載架の高い信頼性という前提の下で、きっと空中でPL-12など新世代空対空ミサイルの優勢を発揮できると信じる。(ソース:利刃軍事ブログ公衆号)


 私には「1機の第4世代機が50個の電磁方向転換バルブを用いる」という仮定が適切なのか否か全く分からんのですが。ちなみに今日たまたまコラムでT-50が初めて機体内コンパートメントからミサイルを発射した(これまで困難に直面しておりできていなかった?)との記事を紹介しましたが、この技術は意外に難しいようで、さらに中国はステルス性を高めるため比較的複雑な構造を採用しているようなので、このあたりが順調に進んでいるというのが本当なら少なくともこの部分ではロシアを超えているのかもしれません。
















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