AG600水陸両用機の性能と用途は

 本当にUS-2のライバルとなるんでしょうか。

http://war.163.com/16/0725/10/BSQHKQ3400014OVF.html


中国最大の水陸両用飛行機は一体どれだけ凄いのか 4時間で曾母暗沙に到達 (頑住吉注:中国が中国最南端とする「ジェームス礁」)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:中国最大の水上飛行機AG600が生産ラインを降りる」)

【グローバル軍事7月25日の報道 グローバル時報の珠海に赴いた特派記者 馬俊】 「航続距離、南海をカバー」、「島礁に補給を提供できる」、「20秒以内に12トンの水を汲んで消火に参加できる」‥‥全世界で研究開発中のうち最大の水陸両用飛行機AG600が23日に広東省珠海で総組み立てされ生産ラインを降りるのと共に、この「船のような飛行機」はネット上でも熱い話題になってきた。世界初の水上機の登場から今まですでに百年隔たっているが、AG600の出現はどのような差異をもたらすのか? またその未来の道はどうなのか? こういった疑問を携え、「グローバル時報」記者はAG600引き渡し現場で答えを探した。

神奇の特性をいかに保証するか?

AG600の総設計師である黄領才の形容に照らせば、この水陸両用機は「飛べる船」で、その機体の下半分は船体で、機体上部がやっと通常の飛行機の空力レイアウトであり、4台の国産ウォジャン(頑住吉注:日本語にない漢字をつかった語でターボプロップの意)-6エンジンを動力として採用している。フロートを装備する必要があり、それでやっと水面上で発着できるよく見る小型水上機と異なるのは、AG600はいかなる準備も必要とせず、即波の高さ2mの海面上で発着できることで、このためこの機は劣悪な自然環境に対する適応能力がより強い。

黄領才は「グローバル時報」記者に教えた。水陸両用飛行機の最大であり最も重要なカギでもある難点は複雑な海の状況に対する適応性で、いくつかのパラメータさえ異なれば、もう飛行機の外形と構造の千差万別をもたらすだろう。例えばロシアの著名なBe-200水陸両用飛行機の耐波能力は1.2mしかなく、より高速性能を突出させ、このため見たところむしろ伝統的な飛行機に似ている。AG600の耐波指標は2mで、この種の細長い、深いV字型単一断面船体構造を採用することが必須である。

この種の半分船、半分飛行機の特性は、AG600の設計に特殊な挑戦をももたらした。黄領才は次のように語る。船舶の外形を模倣しきったのではダメで、何故なら普通の船の水中での速度は20〜30ノットでしかないからで、一方AG600は高速で滑走し、まもなく水面から離れる時の速度は100ノットに達する。普通の飛行機の経験をそのまま取り入れてもダメで、水陸両用飛行機が水面に降着する時の負荷極限は4.5G、一方普通の飛行機の降着は2Gでしかない。飛行機の着水時の負荷、滑走の安定性や操縦性および波に抗する能力を考慮し、あらゆる船底曲面パラメータの選択や確定に全て大量の計算分析や水動力試験を行い、相次いで1万回あまりの試験を行い、やっと現在の外形を確定した。

現在AG600の主要な設計任務は消火と水上救援であり、このため低空低速性能が特に重要で、この機は50〜100mの高度で長時間の安定した巡航を実現する必要がある。このためAG600の主翼面積と全幅はいずれも比較的大きく、低速巡航特性を保証している。尾翼面積もその他の飛行機に比べずっと大きく、ひとたび機に失効が出現したら、この大きな尾翼は飛行機の姿勢の操縦可能性を保証することができる。

南海、南海、南海

中航が公式に提供するデータによれば、AG600は全長37m、全幅38.8m、全高12.1m、最大離陸重量53.5トンである。外界が最も関心を注ぐのはその航続距離が最長で4,500kmに達することで、ロシアの軍事専門家ワシーリ コーシンはこの前、AG600の航続距離が長い特性は南海の鉱産開発や島嶼駐留軍への補給に用いるのに非常に適している、と推測した。中航通用飛行機有限責任会社(頑住吉注:こういう場合の「通用」は日本語では「汎用」に当たる場合が多いようです)最高責任者の曲景文は「グローバル時報」記者に、AG600は波の高さ2mの海面で発着でき、75%の南海の自然の海の状況に対応するに足り、さらにその航続能力はこの機が中国最南端の曾母暗沙に到達し、かつ旋回して作業すること2時間を保証できる、と教えた。

だが黄領才は説明し、AG600の長い航続距離は、むしろ海上救援行動を執行するのに奉仕するのだ、と語った。何故なら海上で危険な事件の発生に遭遇した後の黄金の救援時間は2〜7時間で、海水の温度が摂氏10度未満の時、一般の人は30分間でもう知覚を失い、水温10〜15度の時、人がはっきりした意識を維持する時間は1〜2時間で、加えて海の波や海洋生物の影響があり、危険に遭遇した人員はできる限り早く救援されることが必須である。近海海域において、300kmの範囲内は主にヘリや船舶に頼って応急救援が行われるが、この範囲を超えると、ヘリの航続距離や搭載能力はいずれも非常に大きな制限を受ける。一方船舶の航行速度はといえば今度は比較的遅い。AG600の最大航続距離は4,500kmで、最大巡航速度は500km/hである。このため危険な状況の出現後、AG600は1〜2時間以内にもう現場に到達できる。例えば海南の三亜飛行場から南海最南端の曾母暗沙に駆けつけるのに、4時間未満しか必要としない。事件発生海域で降着し人員を救出した後、迅速に引き返し、直接大陸に飛行して到達し、危険に遭遇した人員を後方の病院に送って治療することができ、これはまさにAG600の独特の本領である。

「グローバル時報」記者は、インドが日本から同じ類型のUS-2水陸両用飛行機を輸入する目的の1つが、まさにアンダマン諸島など離島の上に配備するインド軍のために物資補給を提供する、あるいは孤島の上の患者を移動することなどだということに注意する。結局のところ大部分のまだ飛行場滑走路が建設されていない島嶼に関して言えば、通常の飛行機は発着できず、ヘリの航続距離もまた問題である。だが航続距離が長い大型水上機は島嶼付近の海面に降着し、しかる後に小型船あるいは埠頭によって人員や物資を移すことができる。AG600計画の中で、この機は改装後に海洋環境監視測定、資源探査、島礁への補給、海上密輸取り締まりや安全保障、海上法執行および権利維持など多くの任務執行の需要が満足させられることになっている。曲景文は、国家海洋局、三沙市など何十もの政府および企業ユーザーがこぞってすでにAG600に対し切迫した需要を提出している、と明らかにした。

未来の道

海上パトロール、捜索救援、辺鄙で遠い島嶼への物資補給などの任務の執行の他、AG600のもう1つの大きな用途は森林消火である、少し前、カナダの森林大火は、大型消防飛行機は消火領域で依然取って代わることのできない作用を有することを証明した。20秒しか必要とせず、付近の水源地の上に停泊するAG600はすぐに12トンの水を汲み、しかる後に直接離水し、低空飛行特性を利用して正確に火災現場にかけることができる。

AG600は非常に広い応用の前途の見通しを有するが、複雑な技術により、その未来は依然多くの試練に直面するし、各界の支持を得ることも必要とする。理解されているところによれば、我が国が1970年代に研究開発した水轟ー5水上機が続々と退役した後、国内の水上機の試験飛行作業には断層が出現した。AG600の試験飛行員である張世海はかつて水轟ー5などの機種で2,000時間飛んだことがある。彼は「グローバル時報」記者に、AG600の試験飛行のため、彼らは去年わざわざカナダに行って期間3ヶ月の養成訓練を受けた、と教えた。彼の見たところ、将来AG600の試験飛行の中で最も困難な挑戦は水の動きや波に抗する科目である。何故なら水上の状況はコントロールできないからで、もし風がなくても、海上には潮の上下動があり、飛行機の降着に対しもたらす影響は非常に大きい。張世海は、AG600には将来独特の2回の初飛行がある、と明らかにした。すなわち、まず陸地で初飛行し、各項目の性能指標が安定するのを待った後、さらに水上で試験飛行を行う。順序だてて徐々に進むという原則を考慮し、AG600の水上初飛行は比較的平静な内陸の湖の上で行われることが選択されるだろう。

「グローバル時報」記者の理解によれば、AG600は飛行機上のあらゆる材料、ユニット、完成品および部品がことごとく民間用航空機航行適性管理条約の要求に符合することが必須であると要求され、このことはこの機が航行適性ライセンス取得後、国際市場に向かう可能性が高いことを意味している。国産大型機の「三剣客」の中で、運ー20の濃厚な軍の背景はその輸出を制限している。C919旅客機はボーイングやエアバスなど西側の巨頭の強力な狙撃に直面する。一方AG600は全世界で何機種しかない大型水陸両用飛行機であり、林業大国の森林防火でも、沿海や群島国家の海上救援や島嶼への補給でも、国際的なこの機に対する需要はいずれも非常に旺盛である。広大な市場の需要に頼り、AG600は中国の大型機のスタンダードを世界各地にもたらすことが有望である。


 なにしろ中国はこの方面の経験が少ないので、試験飛行過程ではまだ多くの困難にぶつかるでしょう。ここで言われている性能も計算上そうなるはずだとされているだけで、私は経験が豊富な日本のレベルに追いつくのには少なくとも非常に長い時間がかかるだろうと思います。



















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