インドの原潜計画は実現可能か

 日本にも間接的に関係してくる問題ですが。

http://military.china.com/topic/zhjp/11166312/20141219/19127512.html


野心は実力で支える必要がある 11隻の原潜はインドを崩壊させ得る

導入の言葉:インドの2014〜2015年の国防支出は約360億で、もし以後10%の速度で年を追うごとに増加しても、11隻の原潜はその非常に大きな部分を占めるだろう。しかも建造経験が欠乏している状況下での初期経費投入はきっと非常に高く、これにはまだ建造成功後の全就役期間の維持保護メンテナンス費用は計算していないのである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「インドの「アリハント」号原潜が港を離れる場面。これはこの潜水艦の完全な真の姿が初めて明るみに出たものである。」)

インド初の国産原潜「アリハント」号は間もなく航海試験を開始するが、インドメディアは15日こぞってこのため、本国が「世界第6の独立して原潜を建造できる国となった」と歓呼した。この潜水艦は研究開発から建造まで各種の困難を経てきたが、インドメディアはそれでも高度の楽観を保持している。「デカンクロニクル」は、インドは今後7年で5隻にも達する水中で弾道ミサイルが発射できる戦略潜水艦を建造する、とさえ言明している。

インドが夢にまで見た「三位一体」の核威嚇力

インドが世界的大国になることを希望する願望は非常に切迫したもので、強大な軍事能力を持つことは世界的大国になることの必要条件である。近年来、インドは中国を追い越す対象としている。誇張でなく言うが、むしろ中国と軍備競争をしているかのようである。中国が月探査計画を実施すれば、インドは目標をより遠い火星に置く。中国が戦略威嚇および打撃能力を強化すれば、インドはすぐに射程がほとんと全中国をカバーする「烈火」-5弾道ミサイルを開発する。海軍方面ではさらに落伍に甘んじず、長期にわたりインドは空母艦隊を作り出す歩みを加速しており、ロシアからリニューアルした中古艦を買い入れるだけでなく、さらに新たな国産空母を独立して建造しようとしている。だが先進的な戦闘機および原潜というこの2つの重要な領域において、インドにはまだ重大な突破の実現がなく、中国とまだ非常に大きな隔たりがある。戦略原潜がないため、インドがずっと前から夢にまで見た「三位一体」の核威嚇力および核打撃能力は重要な一部分を欠いている。もし核大国と対抗を行うなら、インドは非常に受け身に回ることになる。

インド自ら行う原潜建造は困難が非常に大きい

インドの現在の原潜計画は壮大な意気込みに満ちていると言えるが、その目的は核保有国から真の意味での核大国に上り詰めることに他ならない。だが真に全方位全天候の核打撃能力を持つには、単に「気概」だけに頼ったのでは充分にはほど遠い。現在世界でアメリカとロシアを除き、まだこのような能力を持つ第3の国はないのである。特に原潜というような「国を鎮める重器」を独立して設計建造することは、さらに1つの国家の経済的実力、技術の蓄え、国際的地位に試練を与える。

まず、もしインドが7年内に11隻の原潜を獲得したければ、巨額の資金投入が必要条件である。例えば、アメリカ海軍の「オハイオ」級戦略原潜の建造コストは30億アメリカドル近いが、これはまだ1970、80年代の製品である。攻撃型原潜の建造コストは戦略原潜のおおよそ65〜75%に相当する。アメリカ海軍最新の「バージニア」級攻撃原潜1隻の建造コストはすでに22億アメリカドルに達しており、一方より先進的な「シーウルフ」級攻撃原潜の建造コストは30億アメリカドルにも達し、「ニミッツ」級空母「レーガン」号に比べたった10億少ないだけである。これに比べ、ロシア最新世代の「北風の神」級戦略原潜の10億アメリカドルという1隻あたりの建造コストはすでにロシア国防省の頭を痛めさせている。インドの2014〜2015年の国防支出は約360億で、もし以後10%の速度で年を追うごとに増加しても、11隻の原潜はその非常に大きな部分を占めるだろう。しかも建造経験が欠乏している状況下での初期経費投入はきっと非常に高く、これにはまだ建造成功後の全就役期間の維持保護メンテナンス費用は計算していないのである。
 
次に原潜を完成させるにはただ単に「金を湯水のように使う」ことだけが必要なのではなく、技術的難関が攻略できなければ原潜は永遠に図面上に留まるしかない。もし完全な技術封鎖の状況下に置かれたら、インドが独立して原潜を研究開発することは絶対に不可能であることは全く疑いなく、イギリスの「Astute」級にさえもアメリカ人の助けがあったのである。原潜の設計には多くの専業人材が必要で、しかも建造能力と工程経験がいずれも大変な試練に耐える造船工場があってこれを実施する必要がある。原潜用の耐屈服度が高い鋼材の研究開発、耐圧殻体板の鍛造成形、耐圧殻圏の溶接、全ての分段の組立成形などはいずれも完備された工業体系を必要とし、それでやっとその任に堪える。これは何故全世界で自ら原潜を自ら建造できる国がこんなにも少なくいくらもないのかの原因でもある。艦体の成形後、核反応炉が安定し信頼性が高いか否かが原潜の最も重要なカギたる一部分である。一般的に言って、反応炉は少なくとも陸上で1年余りの時間試験運転し、故障がなかった後でやっと艦体内に装備できる。また、原潜で最も重要な核反応炉をどのようにレイアウトするか、どのように遮蔽するかは、全てそれぞれの原潜を持つ国の最高機密であり、自ら模索するしかない。続けてさらに伝動装置の設計を必要とし、電気伝動かあるいは伝統的な減速ボックスか、初期において論証が必要で、しかる後に軍が提出した技術指標を根拠に設計する。最後は定型で、内部の設備を全て補い、それぞれの船室の位置と機能、電気ケーブル、水のパイプの走るラインのレイアウト、各種武器の位置、置き方等々がある。この期間、もし某カギとなる重要部分の難関攻略に失敗したら、建造計画が10年遅延することさえあり得るのである。もし造船工場の技術的実力がダメだったら、原潜は無期限で船台上に留まる可能性が高く、未完成のまま終わることもごく正常である。

(頑住吉注:これより2ページ目)

もしインドが最終的に望みをかなえたとしても、戦略上も非常に大きな不確定性が存在する。もしインドが11隻の原潜を持ったら、アメリカのインド洋における優勢な地位は客観的に挑戦を受けるだろう。これは明らかにアメリカの世界覇権に「反対を唱える」ものであり、アメリカは絶対にインドが「独自の一派をなす」ことをを許さないだろうし、増してやインド洋を「インドの洋」とすることは許さないだろう。インドの今日のアメリカに対する作用は、西南方向において中国を牽制することであり、ひとたび「足軽」の役割に発展変化が発生したら、このアメリカが置いた「アジア太平洋のバランス」は打破されるだろう。このため、「世界覇権」の制約を受けない、甚だしきに至っては挑戦し得る軍事力は、インドにとって極めて大きい戦略的リスクが存在すると言える。

インドの戦略原潜計画のあり得る結果

インドが原潜を建造するには、必然的に大量の資金、技術の投入を行う必要がある。ひとたびこのようになれば国力を深刻に消耗させることになり、しかも本国軍事力発展の不均衡をもたらすだろう。インドの国防支出には限りがあり、大量の高度技術装備や部品は輸入する必要があり、もし盲目的に原潜プロジェクトに着手したら、国防予算を大幅アップするか、その他の支出を減らすかである。インドというこのような独立し完備された軍事工業体系のない、深刻に外国に依存する国にとって、三軍を正常に維持していけるか否かにさえクエスチョンマークをつける必要がある。

技術条件の制約により、インドが自ら建造して作り出した潜水艦には必然的に「先天的疾病」があるだろう。設計建造経験と技術が成熟したロシアの「セベドロビンスク」級潜水艦さえ嫌と言うほど非難されており、インドに関しては想像すれば分かる。この潜水艦がもし無理に就役したら、後続の維持保護、使用のコストは上昇する。潜水艦自体の優劣を論じなくても、インドには現在まだ射程が充分長い潜水艦発射弾道ミサイルがない。最新の「アリハント」号は12発の射程750kmのK-15潜水艦発射ミサイルしか搭載できない。新世代のK-4潜水艦発射ミサイルは射程がかろうじて2,000kmに達するが、中国、アメリカ、ロシアとの隔たりははなはだ遠い。ミサイルの射程が限られていることは戦略威嚇力の顕著な不足をもたらし、潜水艦を敵対国家に充分接近させることが必須で、それでやっとOKである。このようになれば、戦略原潜の行方が暴露する可能性は非常に大きく増加し、もし相手方が一定の対潜能力を持っていたら、原潜はまだ攻撃を発起しないうちにもう撃沈されるかもしれない。

インドが強大な海軍を持つことを切迫して希望する「壮大な志」は非常に大きいが、実際の困難はさらに大きい。総合的に分析すると、インドがもし原潜計画を強行的に実施したら、もし「オカラ」工程でなくとも「半拉子」(頑住吉注:中途半端な、未完成の)工程になる可能性があり、実際の戦闘力は大幅割引になり、甚だしきに至ってはいくらの戦闘力もなくなり、インド海軍最大の「鶏肋」(頑住吉注:大して役には立たないが捨ててしまうには惜しいもの)になる。あるいは、インド上層部は現在の実力を持ってしてはまだ不足であることを意識するに至り、最終的には痛みを忍んで原潜計画を放棄することになる。


 原潜を独自開発したのに非常に長い年月がたって最近やっと実用になるようになったかならないかという中国が言うとある程度の説得力がありますが、インドの原潜は完全な独自開発ではなくロシアがかなりの援助をしているようなので最初から使い物になる可能性もあるでしょう。アメリカがインドに本格的に脅威を感じるようになることは中国の脅威が取り除かれるまではないでしょうし。
















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