AN94アサルトライフル その2

 続きです。

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AN94アサルトライフルは混合後座力作動メカニズムを根拠に設計されたもので、使用するのは5.45mmM74小銃弾薬で、マガジンは標準のアサルトライフルに比べ2発弾薬を多く装填でき、容量拡張マガジンは48発装填できる。その最大の特徴は2発バースト射撃の散布精度が極めて高いことである。AK74に比べ、戦闘使用条件下でその戦闘有効性は1.5〜2倍向上している。スタンディング姿勢をもって高い発射速度のバースト射撃を実施した時、精度は13倍向上する。AN94アサルトライフルが大幅に射撃精度を向上させられるのは、この銃が非常に独特な技術を採用しているためである。1つ目は自動混合後座インパルス(BBSP)の原理を採用し、後座力のバースト射撃の散布に対する不利な影響を大幅に軽減している。2つ目はダブル発射頻度技術の採用で、すなわち毎分1800発の高い発射速度をもって開始し、2発バーストを実施し、しかる後に第3発目に始まり、理論的発射速度を自動的に一般の小銃の発射速度、すなわち毎分600発に下げる。いわゆる自動混合後座インパルス原理とは、内外2つのレシーバーを採用し、インナーレシーバーはボルトユニットを収容し、ボルトキャリアによってボルトの運動を連動させ、開閉鎖、薬莢引き出し、薬莢投げ出し、弾薬送り込みなどの機構の作動を実現する。閉鎖方式はボルト回転閉鎖である。インナーレシーバーとバレルは連結され、1つの大きな可動ユニットを構成し、アウターレシーバーのレールに沿って運動する。射撃を行う時、火薬ガスが生じさせる後座力は、直接人体に作用するのではなく、まずバレルとレシーバーに作用する。さらにアウターレシーバーを介して人体に伝達され、このため後座力を大幅に軽減でき、バースト射撃時の射撃精度向上に有利である。我々はまずAN94の基本構造を振り返ってみよう。AN94の自動機構はダブル閉鎖突起の回転式ボルトとロングストロークピストンから組成される(この部分は完全にカラシニコフによる設計を改良してできたものである)。バレルとガス導入室はレシーバ上面に装備され、バレル後部には給弾板がつながり、それらはレシーバーと共にガラス繊維で補強されたポリマー製銃ケースと一体式ハンドガード内を後座し、レシーバーにはその独立した復帰スプリングがあり、この復帰スプリングはレシーバー下面に位置し、銃ケースの底部左側である。バレル下方のガイドロッドの前には滑車が装備され、1本の鋼索があってこの滑車をめぐっている。一方の端はボルトグループのボルトキャリアとつながっている。もう一方の端は給弾用ショッカーに連結されている(プライマーを打撃するスライドブロックではない)。滑車、鋼索、ショッカー、ボルトグループ、バレル/レシーバーグループ、こうしたものがAN94のBBSPシステムの重要な組成部分である。BBSP原理は事実上一種の次に発射される弾薬の高速装填技術で、この技術は話せば決して複雑ではなく、我々は初等中学の物理学で習ったことがある「定滑車」を用いて理解することができる。滑車をめぐる鋼索は、一端がレシーバーにつながり滑車Aに相当し、もう一端はショッカーにつながり滑車Bに相当する。滑車A(レシーバー)が後ろ向きに運動する時(後座)、定滑車をめぐる鋼索は滑車B(ショッカー)を前向きに引く。弾薬は決して直接マガジン内からチャンバー内に押し込まれるのではなく、2つの段階によって組成される。まず静止したマガジン内から後座中のレシーバー内に押され、この過程は2つの動作によって同時に実現される。スコップのような給弾板が後退するのと同時に、ショッカーはマガジンの最も上の1発を給弾板の上に押し、しかる後に復帰するボルトはさらに弾薬をチャンバー内に押し込む。特別なのは、AN94のマガジンは右側に約15度傾斜していることで、これは鋼索とバースト中の第2発目の弾薬の事前装填位置およびレシーバー復帰スプリングのスペースを開けるために他ならない。

スタンディング姿勢をもって2発バースト射撃すると、その射撃精度はAK74アサルトライフルに比べ13倍高く、射撃密集度も数倍超えるだろう。AN94小銃はさらにストックによる格闘を留保し、グレネードランチャーが取り付けられ、多用途バヨネットも着脱することができ、着脱時は素早く便利である。レシーバーグループと給弾板の運動方向と弾薬の装填ルートをはっきりさせた後、作動過程を図のように示す(頑住吉注:図がないですが)。まず、いっぱいに装填したマガジンを空の銃に挿入する。バレル・レシーバーグループは前方の位置である。コッキングハンドルを引くと、ボルトキャリアが後退し、閉鎖を解除しかつボルトを連動させて共に後退する。同時に鋼索がショッカーを引き動かして前向きに運動させ、マガジンの上の第1発目の弾薬をレシーバー内の給弾板の上に押す(この過程の中でのもう1つの同時の動作はハンマーの発射準備で、ハンマーも移動するレシーバー内に装備されている)。コッキングハンドルを離すと、ボルトグループは復帰し、給弾板の上に置かれた弾薬をチャンバーに押し込み、かつバレルを閉鎖する。銃は発射準備よしである。もしセレクターが「バースト」あるいは「フルオート」模式にセットされて発射が行われれば、発射された弾頭がガス導入穴を経た後、伝統的なガスオペレーションの作動が開始する。ボルトグループは相対的により軽いので、ガス圧の下で迅速に閉鎖解除し、後座し、空薬莢を放出する。同一の時間内に、バレル・レシーバーグループは銃ケース上で後座を開始し、レシーバー復帰スプリングを圧縮する。同時にショッカーは迅速にマガジン上の次の1発を後退中の給弾板上に押す。しかる後、ボルトグループはそのボルト復帰スプリングとバッファーの作用の下で復帰を開始し、給弾板上の第2発目の弾薬をチャンバーに押し込む。ボルトグループとバレルが閉鎖した後、ハンマーは自動的にリリースされ、このため第2発目は毎分1800発の理論的発射速度をもって射出される。この時、レシーバーは依然銃ケース内で後座しており、このためその後座の累積はまだ銃と射手に影響しない。第2発目がバレルを離れた後、レシーバーはやっといっぱいまで後座し、ハンマーも発射待機位置に保持される。この時、射手はやっと2発の弾を発射した時の後座を感じ取る。このため後座力が銃本体に対し生じさせる位置移動は第2発目の弾に対し影響を生じさせない。もしセレクターを「2発バースト」模式にセットしていたら、この時ハンマーは保持され、トリガーがまず緩められ再度引かれてやっとリリースされる。もし「フルオート模式」にセットされていたら、依然トリガーが引かれていさえすれば、ハンマーは自動的に連続撃発動作に転じ、これはトリガーが緩められるあるいはマガジン内の弾薬が撃ち尽くされやっと停止するまでである。AN94のもう1つの特徴はフルオート射撃時の発射速度が自動的に低下することである。フルオート模式の射撃時、最初の2発は毎分1800発の「高い発射速度」の中で行われ、その後自動的に毎分600発の低い発射速度で3発目および後続の弾を撃ち出す。後座力はフルオートの射撃精度に対し影響を生じさせるだろうが、レシーバーのバッファーと銃口制退器の作用により、AN94はフルオートの後座力もAK小銃に比べ低いだろう。AK74に比べ、AN94の高速2発バースト模式は言われているところによれば最大の進歩である。後座力とマズルの跳ね上がりの影響のため、AK74は短いバースト射撃を行う時、連発された弾の着弾点は往々にして最初の弾の着弾点からの距離が比較的遠くなる。一方AN94の2発バースト射撃は非常に高い発射速度をもって発射され、かつ後座力がもたらす銃本体の位置移動の影響を受けず、伝えられるところによれば訓練された射手はこの射撃模式を用いて100mのターゲット上に1つの穴を開けることができる。このためこの高速2発バースト模式は伝統的なセミオート模式に比べて貫通力、停止作用、破壊効果いずれの上でも高いだろう。しかも発射されることまるで2発の「セミオート」のように正確である。「ドイツ武器マガジン」記者は西ウラルのイジェフスクのIzmash工場でこの銃に対し試射を行ったことがある。20発の弾薬を用いて100mの距離でセミオート方式をもって射撃すると、散布円の直径は10cmだった。2発バースト方式をもって10回バースト射撃した時は、散布円の直径は16cmだった。プローンと無依託スタンディング射撃姿勢を採用しそれぞれ20発の長いバースト射撃を行ったときは、プローン射撃の散布円直径が20cm、スタンディングは25cmだった。記者の試射した感覚は、この銃は伝統的なAKより良く、射撃過程の中での後座力もごく小さい、というものだった。AK74に比べ、AN94の発射音響は明らかにやや小さい。

このように見てくると、AN94の精度は西側で主流の制式小銃のパフォーマンスに比べまだ欠陥がある(例えばM16A2の工場を出る検査の上での受領は100ヤードで2インチである)が、間違いなくAK小銃に比べればずっと向上している。だが、AN94が主に提供するのは2発バースト模式下での散布精度で、セミオートあるいはフルオート模式方面に対する進度は決して大きくない。しかもAN94のBBSP原理は複雑な機構(伝統的な設計に比べて言えば)によって実現されており、このためその組み立て/分解や維持保護はAK74に比べずっと複雑で、それを生産する、および維持保護するコストもより高い。この種の散布が小さい2発バースト模式のためにより多くの金を費やして銃を交換するに値するだろうか? AN94のコストパフォーマンスが疑問を呈されるのも不思議ではない。まずいことに、ロシア人のウェブサイト上にも、我々は彼らがAN94の2発バースト模式の効能に対し疑義を呈しているのを発見する。まず、彼らはAN94の2発バーストは訓練ある神射手によることを必須としそれでやっと効果が発揮できる、と考える。何故ならAN94の高速2発バーストは実は2発バーストの散布面を縮小し、ダブル弾頭に似た命中効果を出現させる。この理念はアメリカ人が初弾命中率向上のために提出した斉射原理に似ている。だが斉射原理の概念に照らせば、1回の射撃で少なくとも4発を撃ち出す必要があり、それでやっと大幅に命中のチャンスを高める効果を達成できる。だがAN94の1回の高速バーストは2発しか撃ち出さず、効果は半減する。このためロシア人が銃を比較的正確に撃てる兵士のみやっとAN94の優勢を発揮できると考えるのも無理はない。このため、彼らはロシア軍の普通の兵士に対し、AN94の2発バーストには決して多大な援助はない、と考える。もう一方では、一部の精鋭部隊にはAN94を非常に良く運用する能力がある、と。また、初期の資料の中ではAN94は2発で1つの穴を開けることができ、防弾衣に対応するのに特別有効であると指摘されていた。しかし、もしスナイパーライフルでも、100mの距離で2発の弾で1つの穴を開けるのは相当に容易ならざることで、AN94の精度はスナイパーライフルの精度に遠く及ばないからなおさらである。比較的新しい資料がはっきり示しているところによれば、100mの標的を射撃した時、2発バーストの中の2つの穴の間の相互の距離は最も密集したものでも2cmある。2発で1つの穴を開けるというのは運が極めて良い条件下で偶然発生したものだということが見て取れる。また、ここ十何年か以来軽防弾衣材料には急速な発展があり、現在多くの新型防弾衣はすでに連続複数発の弾の衝撃を受け入れられる。例えば米軍が現在装備するIBA防弾衣システムは、もし5.45mm小銃弾が同一位置に命中しても、それを撃ち抜き難く、一方ロシア自らもすでに重量と防御力がIBAシステムに相当する防弾衣を装備済みで、このためAN94がもし本当に2発で1つの穴を開けても、必ずしも防弾衣を着た兵士に対し脅威を構成できない。当然、防御のないあるいは低防御目標に対応することを言えば、AN94の高速バーストは2回のセミオート射撃をしたメリットに相当し確実に殺傷効果を倍増できる。銃技が良い人がこのアサルトライフルを使用すれば間違いなく彼らの戦闘力を向上させられる。


 「100mの標的を射撃した時、2発バーストの中の2つの穴の間の相互の距離は最も密集したものでも2cmある」とありますが、もし各射撃間のばらつきが極端に大きくなければそれでも大したものだと思いますし、単純に20m以内の接近戦ならほぼ「2発で1つの穴を開ける」ことになるでしょう。しかし全体としてはこんな変則的、複雑、現有の銃との共通性の低い銃に全面換装するメリットはやはりないかなと思いますね。


















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