中国の運搬ロケットの今後

 独自に宇宙ステーションを建設するには大型で高性能のものが必要でしょう。

http://military.china.com/news/568/20170119/30189278_all.html#page_2


中国、超大型運搬ロケットを開発しようとする? 依然「心臓病」の難題が存在

最近、中国が運搬能力140トンに達する大型運搬ロケットを開発するとの情報がインターネット上で熱く伝えられ、宇宙愛好者の広範な関心を引き起こしている。「グローバル時報」記者の調査によれば、最新の議論は「深空探測学報」がこの前掲載した「我が国の航空宇宙輸送システムの成就と展望」と題する論文が源で、この論文の執筆者にはこれまで不断に大型ロケットの研究を加速する必要があると呼びかけてきた竜楽豪院士が含まれているため、広く注目されている。論文は中国の未来の運搬ロケットに対し展望を行い、少なからぬカギとなる重要情報を明らかにしている。ある専門家は、宇宙に関する能力の強弱の重要なカギは運搬ロケットにあり、しかも運搬ロケットの重要なカギはロケットエンジンにある、と考える。

中国の未来の運搬ロケットの系譜を披露

この文は中国の運搬ロケットに対し回顧と展望を行い、不断に発展する長征1号から長征11号運搬ロケットまでの長征系列運搬ロケットを4世代に分けており、このうち長征5号、長征6号、長征7号そして長征11号は第4世代運搬ロケットである。

当然、文章の最も人を吸引する場所は新型運搬ロケット開発計画を明らかにしているところである。まず披露された新世代中型中低軌道ロケット、つまり長征8号運搬ロケットであるが、これは2段ロケットで、第1段目の状態は長征7号と基本的に一致し、2台のYF-100エンジンを採用しているが、取り付けられるのは2つの2mの120トン級固体燃料ブースターで、2段目は2台のYF-75液体水素液体酸素エンジン(つまり長征3乙運搬ロケットの3段目)を採用し、地球に近い軌道までの運搬能力は7.6トンである。またさらに新世代中型高軌道ロケットが研究開発され、かつ同時に長征-3Dと長征-3Eロケットの更新世代交代が推進され、つまりそのブースターと第1、2段目のエンジンに対し交換が行われるだろう。

文章はまず空中発射運搬ロケットを披露しており、運ー20を利用して搭載機とする計画で、内装式ロケット・機コンビネーション方案を採用し、発射サイクルは12時間で、静止軌道への運搬能力は200kg以上である。また、文章はさらに中国が探索中の重複使用可能な宇宙運搬システムを明らかにしている。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「長征5号、成功裏に初飛行:月に向かう大きな一歩」)

大型運搬ロケットが関心の焦点となる

当然、文章の中で最大の見所はやはり長征9号大型運搬ロケットである。実際、去年年末に「2016中国の宇宙」白書が発表された時、国家宇宙局副局長の呉艶華はすでに、現在次世代大型運搬ロケットである長征9号の研究開発の難関攻略を始動させつつあり、初歩的に2030年前後の初飛行を計画している、と明確にしていた。

この論文は比較的詳細に未来の長征9号のパラメータを紹介している。文章は、長征9号ロケットは3段半構造で、第1段目の最大直径は10m級で、地球に近い軌道への運搬能力は140トン、地球静止軌道への運搬能力は66トンだとする。地球に近い軌道への運搬能力はすでにアメリカが月に行くのに使用した「サターン5号」運搬ロケットおよびソ連の「Энергия」号運搬ロケットを超えている。この大型ロケットは、宇宙探査、有人月旅行、火星旅行、宇宙インフラ建設を完成させる重要な支えである。このロケットの3つの構造タイプは構造状態同一化に対応し、モジュール化コンビネーションが可能で、液体燃料ブースターを取り付けることもできれば、固体燃料ブースターを取り付けることもできる。

この論文に添えられている図から見て、構造タイプが長征-934のロケットは(このうち3は3段を表し、4は4つのブースターを表す)は全部で24のノズルで、このうち第1段のノズルは8つ、それぞれのブースター上に4つのノズルがある。その説明図によれば、その第1段は全部液体酸素灯油エンジンを採用し、第2段と第3段はいずれも液体水素液体酸素エンジンを使用する。

「中国宇宙」誌は去年第5期の竜楽豪を特別インタビューした文章の中でさらに、大型ロケットにはさらに第1段と第2段がいずれも液体水素液体酸素エンジンを採用する他4つの大型固体燃料ブースターを加える2段半方案があり、現在依然カギとなる重要技術の深化した論証と難関攻略を行っている、と言及した。

中国の運搬ロケットの研究開発は任務重くして道遠し

この文章が言及した上述のタイプはいずれも「計画開発機種」に属すが、すでにプロジェクトが立ち上げられているのか否かはまだ知り得ない。だが文章が言及した「大型運搬ロケットである長征9号のプロジェクト立ち上げと研究開発の作業を加速して推進する必要がある」から見て、少なくともこのロケットは当時まだプロジェクト立ち上げされていなかった。

ある姓名を明かされたがらない中国の専門家は「グローバル時報」記者に対し次のように言った。中国の運搬ロケットは60年の発展を経て、運搬能力や信頼性などの性能上すでに世界第一梯隊にいる。だが国産運搬ロケットの開発は依然任務重くして道遠しである。国外の運搬ロケット体系に比べ、国産ロケットの系譜は多すぎ、やや煩雑なのが目立つ。長征7号系列と計画中の長征8号、長征3号の推進剤を交換した型、新世代中型高軌道ロケットは技術と能力の上で比較的大きな重複があり、あるタイプはその他のタイプの少しの改良によって完全に代替できる。比較すると、国外の運搬ロケットは通常大推力の第1段ロケット1種を基礎にし、各クラスのブースターと組み合わせることによって、差異の非常に大きな発射任務を完成させている。

また、上述の新世代運搬ロケットの中で、長征9号を除き、大多数は現有のロケットエンジンに対する新たな配列組み合わせで、技術的角度から見て世代の飛躍はない。実際、中国の運搬ロケットの研究開発にも一定程度上「心臓病」の問題が存在する。国産ロケットエンジンの問題は推力が小さいことと比推力が比較的低いことに体現され、米ロより低いだけでなく、ヨーロッパや日本よりも低い。今まで、中国にはまだ二段燃焼サイクルを採用した液体水素液体酸素エンジンの使用への投入はない。長征5号は25トンの地球に近い軌道への運搬能力を実現したが、依然第1段目だけで10台のエンジンを使用しており、一定程度上信頼性を低下させている。振り返ってアメリカの大型「デルタ-4」運搬ロケットはと見れば、3台のエンジンしか使用せずもう長征5号に比べより大きな運搬能力を実現し、しかも離陸重量がより低い。アメリカの「ファルコン-9」運搬ロケットの第1段目のエンジンも9台に達するが、それは大範囲で推力調節ができるので、発進段階でもし1、2台のエンジンが壊れても、その他のエンジンが推力を増加して発射の成功を確保することができる。この専門家は、中国は適度に重点をロケットエンジン領域に向け傾斜させ、エンジン技術の突破によって、運搬ロケットの能力の向上を連動させるべきである、とする。宇宙に関する能力の強弱は非常に大きな程度上ロケットによって決まり、しかもロケットの重要なカギはロケットエンジンにある。


 少なくとも今のところ日本が優位な部分もあるようですが、何しろ使える金が違うんでやがては逆転されていくのかもしれません。まあ戦略ミサイルを持てない日本には本来ハンデのある分野でもあるわけですが。















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