アメリカの小火器を評する その2

 続きです。

http://military.china.com/news2/569/20170828/31212161_all.html#page_2


口径、大から小に変わる

初期の自動小銃が使用したのは当時の「標準小銃弾薬」で、威力が大きかったが、連続射撃時はコントロールが難しく、比較的かさばって重かった。

最も早くは第一次世界大戦の期間、ロシア人のフェデロフは口径が当時の標準弾薬に比べやや小さい自動小銃を研究開発し、もって連発での精度をコントロールしたが、広範な関心を引き起こすには至らなかった。

第二次世界大戦前後、いくつかの伝統的な中間型威力弾薬が研究開発され、初歩的に連発の需要を満足させたが、それ自体の欠点は相当に多かった。例えば1発の弾薬が依然重すぎ高価すぎ、弾道は有効射程内で充分平直でなかった。このため全世界の各国によって揃って受け入れられることは決してなかった。

5.56mmx45口径のM16は小口径の先鞭を付けた小銃と呼ばれ、かつ世界各国の軍隊の中に小銃小口径化の熱いブームをわき起こした。何故なら小口径弾薬は当時の7.62mm標準小銃弾薬および短弾薬(伝統的中間型威力弾薬)に比べ、200mから400m内の生体目標が射撃でき、高速で人体に撃ち込まれた後で転倒して組織の大面積の傷をもたらすだろうからである。こうしたメリットは小口径弾薬を、7.62mm小銃弾薬に徐々に取って代わらせた。

軍用小口径小銃弾薬の概念はアメリカ陸軍が1952年にジョン ホプキンス大学オペレーションズリサーチ研究室に委託して行った「サルボ」特定テーマ研究にルーツがあり、この研究の結果軍のために一連の説得力を持つ論点と提案が提出された。その中の1点は軍用小銃小口径化の提案に他ならなかった。同時に米軍が使用する7.62mmx51NATO標準口径小銃のベトナム戦争および機械化戦闘の中での種々の欠点により、軍は「サルボ」研究の提案を受け入れ、1964年2月18日に世界初の小口径弾薬である5.56mmM193小銃弾薬が米軍により定型、使用された。

ソ連軍もベトナム戦争の中で、7.62mmx39の弾薬は比較的遠い射程というシーンの下で依然充分な殺傷力を持つが、射程が遠くなるほど、着弾点の偏差がどんどん深刻になることに気づいた。このため、ソ連軍も新型の小口径弾薬の採用を決定した。提示しておくに値するのは、「AK47の父」カラシニコフ本人は決して軍の小口径弾薬採用に賛成でなかったことである。だがそれでも軍の要求を根拠に世に名が知られたAK-74アサルトライフルを研究開発した。

ソ連は1960年代末期に小口径弾薬を研究開発する時、5.45mmx39を新型アサルトライフルの口径のスタンダードとして選択した。口径が縮小したため、弾頭重量が3.43gしかないものにさせ、このためAK-74は高初速設計を用いるよう改め、これを利用して弾頭の威力喪失を防止した。また、弾頭先端に「空腔」を増加し、命中後の破壊力を向上させた。当時のアフガニスタンの戦場で、5.45mmx39弾薬には「毒弾」の名があり、甚だしきに至ってはこの弾薬に命中されれば必ず死ぬとの説があった。

現代の世界の軍用小口径弾薬にはアメリカの5.56mm、ロシアの5.45mmの他、さらに中国の5.8mmがある。

口径が小から大に変わる

防弾衣出現後

大威力が大口径を呼ぶ

小口径小銃と弾薬の開発から数十年後、防弾衣の大規模な普及と共に、米軍は5.56mm口径弾薬は威力の上で不足であると気づいた。

イラクとアフガニスタンでは、奇妙なシーンがしばしば発生した。ある米軍兵士は手にM4型アサルトライフルを持って市街戦の中で武装人員に突然遭遇し、米軍兵士は先んじて発砲し、弾は相手の体を貫通したが、敵サイドの武装人員は命中弾を受けた後依然手中のAK-47アサルトライフルを挙げて米軍兵士に向け発砲した。

このためアメリカのいくつかの軍および民間の研究機構と商業会社は揃って代替方案を探求し、その中で勢いが最大だったのが他ならぬレミントン社がプッシュした6.8mmレミントン特殊用途弾薬だった。レミントン社は軍上層部と建立した良好な関係に頼り、アメリカ国防省に向けこの弾薬を推薦するつもりで、この弾薬はずっと良い新型弾薬と吹聴された。

実際6.8mm口径の性能は5.56mmに比べ良かったが、決してあまり大きく超越してはおらず、米軍はこのちょっとの性能向上のために口径を全面交換するつもりは決してなかった。しかも弾道性能の5.56mmとの差異が比較的大きいため、5.56mmと7.62mmに対し熟知した特殊部隊にとっても、6.8mmというこの口径は喜ばしくなかった。今回のICSR小銃の出現は、7.62mm小銃弾薬の小口径小銃に対する「反撃」に他ならない。















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