東アジア外交関連2題

 まず日本の集団的自衛権関連です。

http://military.china.com/news2/569/20140703/18606889.html


フィリピン、日本の自衛権解禁に興奮:日本、フィリピン保護の重任を担うことに

【グローバル軍事報道】 日本の安倍政権は1日憲法解釈の修正、集団的自衛権解禁の内閣決議案を通過させ、韓国世論のひとしきりの譴責の声を刺激して引き起こし、韓国の「ソウル新聞」は「日本の戦争のDNA復活」との言葉を用いてこの件を評論した。

韓国の「国民日報」は2日社説を発表し、次のように語った。安倍政権が公然と集団的自衛権を解禁したのは、実際には第二次大戦以後の日本の歴代政権の国際社会に対する承諾をご破算にすることである。過去の侵略の歴史に対する反省を知らず、甚だしきに至ってはそれを正当化しようとする安倍政権は、国民の投票の同意を経ない状況下で政府の名をもって、日本は「参戦できる国だ」と宣言しており、このことは周辺国の警戒心を引き起こさずにはいられない。日本政府は武力行使に若干の条件を設けてはいるが、言葉が足りなくてよく分からず、日本は後日全世界において武力介入を行うとの姿勢を見せている。

韓国の「朝鮮日報」は2日次のように語った。安倍はついに歴代日本政府すべてが閉ざしてきた戦争の門を開き、韓国、中国などアジアの隣国はこれに対し強烈な憂慮を表明している。日本の平和憲法は日本の戦後の安全と平和の軸と見なすことができ、安倍政権がこの根本を動揺させたいのならば、日本国民の支持とアジアの日本帝国主義の侵略を受けた被害国の同意を得ることが必須である。韓国のYTNテレビ局は、日本はこの機を借りて改めて武力を用い朝鮮半島に指を染める可能性があり、「歴史歪曲が日常茶飯事のよう」な日本は独島(日本は竹島と称する)に対し虎視眈々である、とした。韓国のKBSテレビ局は2日次のように語った。日本が集団的自衛権を解禁するのにつれ、東北アジア情勢は新たな不安定要素に直面することになる。日本には独島などの問題の上でずっと領土に関する野心が存在しており、歴史などの問題が悪化する状況下で、自衛隊がコントロールを失い周辺国の脅威となる可能性がある。

心配で気が気でない韓国世論の他、マレーシア、シンガポールなどの国のメディアもこの件に関心を注いでいる。マレーシアの「星州網」は2日、「朝日新聞」など日本の主流メディアが先日行った世論調査結果は、過半数の被調査者が集団的自衛権解禁に反対であることをはっきり示している、と報道した。「星州網」は、日本の自衛隊、各種の軍事学院には将来大規模な除隊、退校の波が出現するかもしれない、とした。シンガポールの「連合朝刊」、「海峡時報」は大部分韓国、中国の世論の立場を引用してこの件を報道した。「ジ オーストラリアン」は2日、「安倍のこの動きは平和主義政策の謀殺であり憤怒を引き起こす」との題で報道し、日本は「強大な軍事力のために規制緩和し」、正式に「盟友防衛の参戦権」を宣言し、極めて議論の余地がある、とした。だがフィリピンはこれに対し興奮を示しており、「毎日質問者報」は「フィリピンが攻撃を受けた時、日本の軍隊がすぐにフィリピン保護の重任を担うことになるかもしれない」とした。


 日本が世界のほとんどの国が持っている権利を持つと主張したらすぐ軍国主義云々と自動的に反応する思考停止にも困ったものですが、これだけですぐフィリピンに守ってくれることを期待されてもやっぱり困りますね。フィリピンが攻撃されても「(日本)国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」ことにはまずならんでしょうし。

 次はみんな大好き(笑)韓国関連です。

http://news.china.com/focus/xjpcfhg/11160758/20140704/18609544.html


中国、初めてメディアが韓国の「東海」主張広告を掲載するのを許す

7月4日出版の「中国青年報」第7版は半面広告を掲載し、広告の内容はすこぶるデリケートな性質を持ち、韓国が「日本海」の表記を「東海」に改めることを主張する政治広告である。

中韓関係はどのくらい良いのか? 中日関係はどのくらい悪いのか? 中国メディアに掲載された1つの広告から即見て取ることができる。

7月4日、まさに中国国家主席習近平が韓国を訪問している時、中韓関係の蜜月期に乗じて、当日出版された「中国青年報」第7版に半面広告が掲載され、広告の内容はすこぶるデリケートな性質を持ち、韓国が「日本海」の表記を「東海」に改めることを主張する政治広告である。

澎湃新聞(頑住吉注:唐突に出てきますがこの記事を掲載したメディアでしょう)は、この広告がかつて「ニューヨークタイムズ」に英文バージョンが掲載されたことがあるものだということに注意を向けた。公開されている資料によれば、これは中国が初めて韓国に掲載を許したこの種の広告のはずである。中国サイドが過去長期にわたりこの問題の上で相対的に中立の立場を持ってきたことにかんがみれば、この広告が許可か不許可かといえば、掲載される可能性はないようで、このためこの挙の意味は深長である。

広告の文字内容は次の通りである。「2,000年前から韓国と日本の間の海域は『東海』と呼ばれており、中国やヨーロッパの各種の古地図上にも非常に多くの類似の証拠が発見される。日本の古地図上にも多数『日本海』と表記されているのが発見されるが、ある時にはさらに「SEA OF COREA」、「COREAN SEA」、「MER DE CORE」などと呼ばれてさえおり、こうした証拠から見て「東海」は古くから今まで世の人に使用されてきた名称である。このため、我々は各国の表記を『東海』に変更するよう努力しているところであり、より多くのアジアの国がこれを契機に『東海』と明確に表記し得ることを希望する。また韓中両国が心を一つにして協力し、共に21世紀の東北アジアの平和と繁栄を創ることを希望する。」

文字の他、この広告にはさらに東北アジアの大きな地図が配され、この上には英文を用いて「EAST SEA」と注記されている。

広告は韓国の市民団体の提供と注釈がなされている。下方にはさらにURL(www.forthenextgeneration.com,)があり、ウェブサイト上でクリックすると韓国サイドが主張する東海の歴史を詳細に紹介するPDF中国語ファイルが出現し、このファイルは韓国外交通商省と東北アジア歴史財団によって制作されたものである。

長期にわたり韓国はずっと韓国東部海域が「日本海」(Sea of Japan)と呼ばれることに不満を持っている。

歴史の異なる時期において、この水域にはかつて多くの異なる名称があり、かつては「東海」、「朝鮮海」、「東方海」などと呼ばれた。18世紀の前、いかなる名称も終始統一されてこの水域を呼ぶのに用いられてはいなかった。18世紀初期から19世紀中期、「朝鮮海」と「日本海」はいずれも広範な認可を得、地図制作者がしばしば使用する名称となった。「東海」というこの名称の朝鮮半島における最も早い書面での記録は紀元前59年までさかのぼることができ、後の多くの朝鮮半島の王朝の文献の中に記載がある。中国の唐王朝、17世紀に太平洋沿岸にやってきたロシアもかつてこの水域を「東海」と称していた。

1904年から1905年の日露戦争後、「日本海」というこの名称がより広範な認可を得るに至った。その後、日本の国力が不断に高まり、朝鮮半島は日本の植民統治下に置かれ、国際的事務の中で意見を発表する力はなくなった。1929年、国際水路機関はモナコで会議を招集して開き、かつ第23号特別文書「海洋境界」を発して、正式にこの水域を「日本海」という名に定めた。

韓国は、いくつかの国の間の国際海域に1つの国の名称のみ用いて命名すべきではないと考えている(頑住吉注:その理屈だとイギリス海峡も東シナ海も南シナ海もダメですね)。「東海」(East Sea)は中立的な名称で(頑住吉注:えっ?)、しかも「東」という字はこの海域の位置を描写するのにも過不足なくちょうどいい(頑住吉注:これは凄い)。だが「日本海」というこの名称の由来がすでに久しいことを考慮し、あらゆる公式文書の中に同時に2つの名称を使用することを提案している。

少なくとも1992年から、韓国はもう国連で「日本海」という名称の変更問題を提出しており、当時国連はちょうど世界の地図の上での地理的名称の規範問題につき会議を招集し開いていた。その時から、韓国政府当局者から学者まで、ずっと国連および国際水路機関に「日本海」との名称の変更をアピールし、かつ雑誌に文章を執筆する、および学術討論会を召集して開くなどの方式を通じて支持を勝ち取っている。また、韓国民間団体はさらに何度もアメリカの主流メディアに広告を掲載し、もって自らの訴えの影響力を拡大しているが、中国メディアにおいては初である。

韓国と日本のこの論争に対し、中国サイドは過去中立的態度を持ってきた。現在中国の公式文書の中で、この海域は依然「日本海」と呼ばれている。

2008年8月26日、当日の外交部定例記者会見で、ある記者は次のように質問した。北京オリンピック閉幕式での地図の中で朝鮮半島と日本の間の海域の名が日本海だったが、韓国はこれに対し強烈な不満を表明しています。お尋ねしますが、これはオリンピック組織委員会のミスなのですか、それとも中国政府の立場なのですか? 韓国はすでにこれに対し誤りを正す要求を提出していますが、中国サイドにはどういうつもりがおありですか?

外交部スポークスマン秦剛は次のように回答した。日本海という名称は国際的にすでに広範に使用されており、私は中国サイドの関連部門が閉幕式で使用した名称も世界の大部分の国の用法を参照したものであると信じる。我々は韓国には日本海という地名に対する異なる見方や意見があることに注意を向けており、関係国が協議を通じて妥当にこの問題を解決することを希望する。

だが、今年2月25日、中国外交部スポークスマン華春瑩は日韓の島嶼をめぐる論争に関し回答する時、日本と周辺国、隣国との領土をめぐる争いは全て日本軍国主義の対外侵略および植民統治の歴史と関係がある、とわざわざ強調した。

今中日関係の悪化と共に、中韓の間は日増しに接近し、中国サイドがこの海域の命名問題の上での立場を変えるか否かは関心を注ぐに値する。


 中国と韓国は接近しつつあり、中国の尖閣における領土主張に対し、日本海名称問題、竹島の問題をひとまとめにして「日本軍国主義が復活しつつある時に歴史的な過ちを正す」という問題の立て方をすることが有利だと中国が判断することは大いにあり得ることだと考えられます。ただご存知のように中国は東シナ海を「東海」と呼んでおり、韓国の主張を取り入れると明らかに混乱が生じるという問題もありますね。おそらく世界には翻訳すると「東の海」という名前の海がたくさんあり、その地域にしかない国の名をつけた方が混乱がなくて都合がいいのだということはこのことからも分かると思うんですが。



















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