稲垣式拳銃製作記 

これは稲垣式拳銃の製作情況をリアルタイムでお知らせしたものです。なお、他のページと重複する画像は削除しました。


陸軍時代に南部氏の部下だった稲垣氏は引退して民間用の銃を作っていましたが、戦争の影響で将校用の中型オートが不足し、輸入も困難になったため、つまり浜田氏と同じ理由で中型オートを開発しました。使用弾薬は.32ACP、作動方式はストレートブローバックと標準的ですし外観上も一見普通そうに見えますが、構造はかなり変わっています。生産数は500挺以下と推測され、海軍でも比較的多数が使用されたようです。
 この銃が可動モデルとして再現されるのは初めてだと思います。本当はリアルなモデルガン形式にしたかったんですが資料が少ないのでスプリングの力で1発のみブローバックのような動きをする変則モデルガン形式にしました。

稲垣式製作途中1稲垣式製作途中2

 PPKと比較するとやや大きめです。ギミックはもうお馴染みの擬似ブローバックの他、カートリッジを入れやすくするホールドオープン(実銃はホールドオープンしないはずです)、マガジン着脱、セーフティの機能を再現する予定です。まずトリガーガードを外すという珍しい分解方法も再現する予定です。このシステムはバレルに大きな負荷がかかるので従来は全てバレル固定式でしたが、今回は着脱可能にせざるを得ず、やや困難を覚悟しなくてはなりません。またこのクラスのオートではたいていバレルにリコイルスプリングが巻かれており、さもなければバレル下にあるのがほとんどであるのに対し、この銃はそういう方法をとっておらず、これらの場所にはリコイルスプリングの入るスペースがありません。こうした問題が解決できるか不安だったので発表を見合わせていましたが、何とかなるという見通しがついたので発表することにしました。現在機能はほぼ出揃い、あとはほとんど造形だけです。
 今回も原則として専用のプラキャスト製カートを使用しますが、マルシン製.32ACPプラグファイアーカートリッジも使用できるようにする予定です。またマガジンはやや短くなるものの、上部に実物.32ACPダミーがセットできるようにする予定です。
 価格はPSMと同程度を考えており、来年1月中には発売できると思います。
 進行状況はここでお伝えしていきます。

12月4日

 今こんな感じです。何だか大筋できちゃったようですが、いつも言う通り大変なのはここからです。
 スライドはいつも型の分割で苦労しますが、今回はレール状の結合ではないので比較的楽そうです。
 ダミー薬莢はどういうものにしようかちょっと迷っています。マルシン製.32ACPプラグファイアーカートリッジは弾頭がついた形で、これに合わせると薬莢のみの長さでは後退力が不足します。弾頭のついた形にするか、勢いが衰えるのは承知で薬莢のみの形にするか、その中間くらいの長さの薬莢の形にするかですが、これはまあ本体が完成してからいくらでも変えられるので作動の状態等を見て決めようと思います。

12月12日

 現在仕上げ段階です。ここでは示していないエキストラクターのみ歯科用レジン製とし、写真のパーツは全てプラキャスト製にする予定です。2式拳銃のときと同様に、グリップはプレーンのままいったん型取りし、複製品に滑り止めを彫るつもりです。
 モデルアップしてみると、確かに変な銃ですし問題点も多いようですが、結構手に馴染みますし、大きさや形が子供の頃イメージした典型的な「拳銃」に近いようで何だか親しみを感じます。
 試作段階ですが、実物ダミーも排莢に使えます。いっそのことプラキャスト製カートは止めてマルシン製か実物ダミーのみ、もしくは1つづつを付属しようかとも考えています。

12月24日

 とりあえずグリップがプレーンなことをのぞいて他は完成です。排莢には全く問題ありませんが、セーフティの機能がやや不安定なのと、一部どうしても重要部分が気泡で抜けてしまうパーツがあり、少々手直しが必要のようです。複製品を素組みした状態では実物ダミーの排莢が不確実です。実物用に調整すれば確実にできそうですが、逆にマルシンカートの作動に問題が出そうなので完成品はマルシンカートに合わせようと思います。

12月29日

 今日試作第一号が完成しました。ということで

 ほぼ問題も解決され、作動も絶好調です。たぶん1月中旬までには発売できると思います。













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