殲-31より殲-20の方が艦載機に適している

 ‥‥という雑誌記事をスキャンしてアップしたページがあったんですが、削除されてしまったようです。

http://bbs.creaders.net/military/bbsviewer.php?trd_id=801554

 ここにもあるんですが、全部ではありません。


大型艦載機こそが力を与える!

「殲-20」は「ちまき機」に比べより艦載に適する

我が国はすでに成功裏に殲-15大型艦載機の、初の空母「遼寧」艦上での発着訓練を行った。これは我が国が第3世代機の技術レベルを備えた空母艦載機を設計定型に徐々に近づけ始め、また徐々に戦闘力を形成し始めていることを意味する。だがアメリカの第4世代空母艦載機F-35Cも遠くない将来ひとまずの作戦能力を具備することになる。これは我が国が飛躍的な装備発展の道を行き、早期に新世代艦載機を装備することが必須であることを要求する。我が国で現在すでに知られている2機種の第4世代戦闘機は「殲-20」と「ちまき機」である(「ファルコンイーグル」あるいは「310行程サンプル機」とも呼ばれる。我が国に最も新しく出現した双発中推力ステルス戦闘機で、その運送過程で包まれた外形がちまきに似ており、しかも端午の節句当日に初めてネット仲間に発見されたため、「ちまき機」と呼ばれるとされる)。両者の艦載性能の比較は、我が国の未来の艦載機選定の考え方に対し参考にすべき意義がある。本文は本誌の見方を代表するものではないが、読者の思考を引き起こせることを希望する。

空母への搭載数の比較

中型機は大型機より間違いなく重量がより軽く、寸法がより小さいが、より小さい寸法が果たして空母上での多大な数量の優勢に転化させることができるのかは、定量化の研究を必要としてやっと明確にできる問題である。機の設計目的、思想、技術レベルなどの要素の制約ゆえに、2種の直接比較できる艦載機を探し出すことは難しい(頑住吉注:他の条件が基本的に全て同じ大型艦載戦闘機と中型艦載戦闘機を例に挙げて比較することは難しい、ということです)。例えば、「ラファール」は主翼折りたたみ装置を持たず、スホーイ-33は水平尾翼すら折り畳まれ、直接比較するのはやや妥当性を欠く。だが、アメリカのF/A-18系列艦載機は30年余りの発展を経てA、C、Eという3大改造型系列を形成し、空虚重量はC型の10.5トンからE型の13.5トンにまで増加し、最大離陸重量は22トンから30トンにまで増加し、中型機から大型機に発展している。この時、空母のF/A-18CとF/A-18Eの搭載数を比較するだけで、容易に中型機と大型機がこの方面においてどれだけの差異があるか見て取ることができる。

F/A-18Cは全長17.07m、全高4.66m、全幅(翼端のミサイル含む)12.31m、折りたたみ後の全幅は8.38mである。F/A-18Eは全長18.31m、全高4.88m、全幅(翼端のミサイル含む)13.62m、折りたたみ後の全幅は9.32mである。F/A-18Eの空虚重量はF/A-18Cに比べ30%近く増加し、最大離陸重量は36.4%増加し、機内燃料は33%増加し、全長は7%だけ増加し、全幅は10.6%増加し、折りたたみ後の全幅は12%増加している。

今世紀初めのニミッツ級の甲板レイアウト図によれば、早期警戒機、ヘリを除くあらゆる機がF/A-18CあるいはF/A-18Eに交換された後、図1から直感的に見て取ることができるのは、甲板中央部の5機のが駐機する幅がやや変化していることを除き、甲板上のその他の駐機位置に大きな変化はなく、2種の機が駐機する数も全く同じだということだ。実際この甲板レイアウト方案は元々最大離陸重量がそれぞれ34トンのF-14と26.6トンのA-6攻撃機のために準備されたもので、最大離陸重量が22トンのF/A-18Cに変わっても駐機する機の数は増加していない。このことは甲板に駐機する数は、機の最大離陸重量に対し、決して敏感ではないのだ、ということを説明している。

こういうことが起きるのは、空母は決して最大の密度をもって艦載機を寿司詰めで駐機させるのではなく、給油、弾薬搭載、リフトの運動、機の牽引しての移動、機能区の分割、出動しない艦載機の駐機、カタパルトの動作、出動の順序など多種の要素を考慮することが必須だからである。艦載機の間には一定のスペースを残し、艦載機を動かさない、あるいは最小の艦載機を動かす状況下ですぐ任意の1機を移動でき、しかも故障が起きた艦載機を安全に駐機できるスペースがあり、その他の正常に使用される艦載機の甲板での動作に影響しないことを保証する必要がある。まさにこうした規定間隔の存在ゆえに、艦載機の全長、全幅の一定の範囲内の変化は決して明確な影響をもたらさないのである。

もし上述の、機を直接交換して搭載数を対比する方法が、異なる機種が行う特殊な最適化を考慮していないと言うのならば、さらに別の方法を採用して対比を行ってもよい。アメリカ海軍はフォード級空母の最大規模の出動方案を公開したことがある。筆者はこの方案を採用し、ニミッツ級にFー14、A-6、F/A-18Cを搭載する甲板最大規模出動方案との対比を行う。ニミッツ級後期型とフォード級の飛行甲板の設計は基本的に同じで、全長はいずれも333m、全幅は76.8m、満載排水量はいずれも10万トン前後である。ニミッツ級が搭載するF-14の最大離陸重量は34トン、A-6の最大離陸重量は26.6トン、F/A-18Cの最大離陸重量は22トン、フォード級に搭載されるF/A-18Eの最大離陸重量は30トン、F-35Cの最大離陸重量は31.8トンである。ニミッツ級は14機のF-14、10機のA-6、17機のF/A-18Cと3機のE-2、全部で44機を駐機させることができる。フォード級は22機のF/A-18E、15機のF-35C、3機のE-2と2機の大型無人機を駐機させることができ、全部で42機であり、両者は基本的に同じである。

第3世代と第4世代の固定翼艦載機の中で、寸法の差異が最大のものとしてスホーイ-33と「ラファール」以上のものはない。全長はそれぞれ21.2mと15.3m、全幅はそれぞれ7.4m(スホーイ-33は主翼折りたたみ後)と10.9m、占める甲板面積はそれぞれ157平方m(スホーイ-33は主翼折りたたみ後)と167平方mである。だが「ラファール」艦載機は機首を交錯して駐機でき、同様の甲板に駐機できる数量はスホーイ-33に比べ50%前後多い。「ラファール」とスホーイ-33の対比には非常に強い特殊性がある。まず、スホーイ-33の寸法がこのように巨大なのは、完全にスホーイ-27の当初設計の影響を受けているからで、またこれはソ連の国土が非常に広く、戦闘機の航続距離に対する要求が非常に高いことがもたらしたものである。もしスホーイ-33の航続距離が「ラファール」に近いものでいいなら、全長は21mでなく19〜20m、甚だしきに至ってはさらに短く抑えることが完全にできる。次に、「ラファール」は設計時、当時まだ設計中だった「ドゴール」号空母のために最適化が行われ、工夫を凝らしてこのようにコンパクトに設計された。注意に値するのは、現在「ドゴール」号が採っている中型原子力空母路線はすでに対費用効果が比較的低いと証明されていることである。未来の空母が類似の思想を再び選択することはなく、フランスが研究中のPA2空母はすでに満載排水量6万トンクラスまで拡大されている(頑住吉注:シャルル ドゴールは4万トン強)。他の方面では、「ラファール」自身、設計が過度にコンパクトだという制限を受けて、極度のスペース不足をもたらしている。

もし「ラファール」とFー35Cを対比するなら、後者は全長が15.7m、全幅13.1m、折りたたみ後の全幅8m、甲板を占める面積は「ラファール」と基本的に同じだが、31.8トンの離陸重量は「ラファール」の22トンに比べ45%大きい。このことから、艦載機の最大離陸重量と機体の寸法の間に直接的な関係は決してなく、艦載機の設計思想と技術レベルの方が寸法に対しより影響が大きい、ということが分かる。中型機が空母上で必ずより多くの搭載数量を持つというのは決して成立しない。設計思想が類似し、技術レベルが同じという状況下で、もし大型機が中型機に比べ寸法がずっと大きかったら、それはきっと某種の特殊な技術、戦術要求の実現のためであり、言い換えれば性能上、中型機に比べより優勢を持つということに他ならない。

出動する機の数が決まっている場合の攻撃能力の対比

空母の攻撃力は、艦載機が組成する攻撃波に体現される。ニミッツ級で言うと、その最大規模出動方案は決してあらゆる艦載機全てを飛ばすことではなく、多種の要素の制約を受けざるを得ない。艦載機出動方案は往々にして厳格で綿密周到な計画、手配と反復しての実践検証を経て、やっと最適化された結果が出せるものである。

1990年代末期、ニミッツ級の最大の出動方案は次の通りだった。第1攻撃波には17機が編入され、第2攻撃波には14機が編入され、全部で31機。その搭載する20機のFー14、20機のF/A-18C、4機のEA-6B、16機のA-6E、4機のE-2C、6機のS-3、8機のヘリに比べると、攻撃波の艦載機の数は艦載機の総数の41%に過ぎない。もし作戦機のみを計算しても、攻撃波の機の数は総数の48%を占めるだけである。これは艦載機の出動速度、滞空時間、空母の回収能力などの要素の影響を受けた結果である。

出動する機の総数が一定である以上、攻撃波の作戦機能を高める最も直接的な方法は、それぞれの艦載機の性能を高めることに他ならない。艦載機により多くの燃料、弾薬、電子設備を搭載できるようにし、しかもより良好な飛行性能を持たせるのである。これらの指標はいずれも離陸重量の増加に頼って実現する必要がある。一般的に言って、大型機の戦闘力は常に大幅に中型機を超えるはずである。F/A-18CからF/A-18Eへのグレードアップはまさに最も良い証拠である。同様に4発の500kg爆弾、2発のAIM-9空対空ミサイル、「ブルーシールド」吊り下げポッドを搭載する状況下で、F/A-18Cは2つの1,200リットルサブタンクを搭載でき、作戦半径は570kmである。一方F/A-18Eは3つの1,800リットルサブタンクを搭載でき、作戦半径は930kmに達する。F/A-18Cに比べ63%増加している。言い換えれば、もし同じ距離の目標に対し打撃を行うなら、F/A-18Eはより多くの弾薬が搭載できるということだ。

我が国初の空母「遼寧」艦に関し、筆者は具体的な対比を行った。「殲-20」の全長は19.7mである。「ちまき機」はF-35Cと寸法が類似しているが、全長は17mにまで増加している。これはF-35系列戦闘機が垂直離着陸の要求を考慮しない場合にあるべき全長でもある。最大の回収状態を満足し、1〜2機を移動しさえすれば即任意の1機を動かせる状況下で、「遼寧」艦の発進用甲板上で最大18機の「殲-20」、あるいは19機の「ちまき機」が回収できる。つまり最大規模の出動条件下で、両者の攻撃波の数は1機しか差がない。それらの空母上での運用能力は基本的に同じと考えられ、「ちまき機」は決して数の上での優勢を持ってはいない。

空母の生存能力に対する影響

空母は数十機の実戦機と早期警戒機を搭載し、母艦から距離300〜900kmの所に防空哨戒区を建立でき、数隻の区域防空ミサイルを装備する駆逐、護衛艦の保護があるが、空母の生存能力は決して主に上述の手段を採用しての敵機、ミサイルに対する迎撃から来るのではなく、主には25ノット以上の持続的航行速度からもたらされる戦役機動能力、およびここからもたらされる広大な海洋上における隠蔽能力から来るのである。空母艦隊の防空作戦能力は大多数の状況下で、相手方の偵察機のレーダーによる捜索を抑制することによって実現される隠蔽の手段だけである。真に相手方の攻撃機群を迎撃しなければならない時になったら、空母艦隊はすでに高リスクの状態にある。

空母艦隊は大洋上を任意に動き回れるが、艦載機を放って目標を打撃する時が来たら、敵サイドは攻撃波の来襲する方向、機の作戦半径を根拠に、空母艦隊がいるおおよその海域を逆算し、その後偵察機群と攻撃機群を組織して捜索、追跡、打撃を行うことができる。この種の状況下では、艦載機の作戦半径が大きいほど、空母艦隊が攻撃波を放つ海域の距離が敵サイドからどんどん遠くなり、敵サイドが捜索を必要とする海域がどんどん大きくなり、送り込める偵察および攻撃戦力がどんどん少なくなり、空母艦隊もどんどん安全になる。

艦載機の作戦半径が600kmの時、空母艦隊がもし600kmの距離で艦載機を放てば、機群は直線に沿って目標に向かって飛ぶしかなく、敵サイドは空母と目標を結んだ線を軸に、プラスマイナス15度の範囲を捜索するだけでよい。もし400kmの距離で艦載機を放てば、機群は迂回に使える余分の航続距離を持ち、敵に空母と目標を結んだ線を軸にプラスマイナス60度の範囲にまで捜索範囲を広げざるを得なくさせる。艦載機の航行ライン計画が異なることを考慮する必要があるため、敵サイドの偵察機は出動後、艦載機攻撃波が採る可能性のある航行ラインに沿って捜索を行い、次第次第に偵察角度を狭め、偵察半径を広げていくことことが必須である。艦載機の攻撃半径が40%増加するごとに、攻撃波を放つのに使える海域の面積は倍に増加し、艦載機の攻撃範囲が600kmから840kmにまで増加した時、相手方が捜索する必要のある海域の面積は実に4倍に増加し、極めて大きく敵サイドの偵察兵力は希釈される。

もし艦載機の作戦半径が敵サイドの陸上基地の飛行機の偵察範囲を超えていれば、空母艦隊は完全に隠蔽された状況下で敵サイドに対する攻撃が発動でき、敵サイドに先んじて反応できなくさせ、防御を組織する充分な時間をなくさせる。もし艦載機の作戦半径が敵サイドの陸上基地飛行機の打撃半径を超えていれば、空母艦隊は敵サイドの防衛区域外において航行と作戦が行え、作戦のリスクは大幅に低下する。このため、アメリカの固定翼艦載機の発展の趨勢はずっと重量がどんどん大きくなり、航続距離がどんどん長くなる、というものである。冷戦終結前、アメリカ空軍は優先的に先進戦術戦闘機(ATF)プロジェクトを始動させ、最終的にFー22というこの大型ステルス制空戦闘機を発展させ作り出した。アメリカ海軍はA-12遠距離攻撃機プロジェクトを優先して発展させる態度を堅持した。その原因はA-12の作戦半径がA-6に比べ60%大きく、ソ連爆撃機の打撃範囲外からソ連本土の攻撃が発動でき、したがって空母の安全が確保されることだった。敵サイドの爆撃機が空母艦隊を打撃できない以上、防空迎撃用戦闘機の数的要求は低下した。これこそがアメリカ空母艦載機がどんどん重くなり、航続距離がどんどん長くなる根本原因である。

我が国の海軍に関して言えば、遠距離攻撃機の発展を優先すべきであり、攻撃半径はきっと充分に大きい必要がある。このようにしてこそ空母艦隊の安全確保、戦役の意図実現に有利なのである。「ちまき機」にもし数量の優勢があっても、大型機の航続距離上の決定的優勢を打ち消すには足りない。

空母艦隊の防空の必要性

敵と我々の空母艦隊が対抗し、あるいは我が空母艦隊が比較的強大な陸上基地航空隊と対抗する時、能動的にレーダーをONにすることは無線電信の沈黙を打破し、こちらの位置の暴露をもたらす。このため早期警戒機と艦艇は通常電子偵察を採用して戦術体勢に対する掌握を保持し、海上目標に対する捜索は対潜機あるいは戦闘艦によって目視の方式をもって行い、空母艦隊周辺海域の空の状況の保障はこちらサイドの陸上基地早期警戒機によって提供され、もって敵サイドが艦載機の電子信号を根拠に空母艦隊の位置を逆算することを防ぐ。

だが電子偵察の捜索能力は劣り、測量精度は低く、探知計測距離は短い。戦場の態勢の掌握のため、空母艦隊は駆逐、護衛艦隊あるいは早期警戒機を派遣してレーダーをONにしての捜索、探知計を行い、戦役偵察任務を執行する必要もある。偵察時の艦載機の飛行高度は10,000m前後である。敵サイドの地上、水上艦艇のレーダーのそれに対する発見距離は400kmにも及ぶ。敵サイドが艦載機の位置を根拠にこちらサイドの空母艦隊の位置を逆算することを防止するため、アメリカ軍は艦載機と空母艦隊の相対的位置と距離を固定して保持せず、艦隊指揮官の要求に基づき不断に調整することを要求している。しかも、艦載機が一定の安全距離に飛行して出た後で、やっと作戦高度に上昇することが許される。これらの措置は敵サイドの偵察を抑制することはできるが、艦載機の航続距離に対する要求を非常に大きく増加させた。航続距離が長くなるほど、空母艦隊との相対的位置および飛行ルートの調整は容易になる。

アメリカ海軍がF-14を装備していた時代、一般に空母艦隊から900km離れた所に第1の2機によるパトロール編隊を配備し、300km離れた所に第2の2機による編隊を配備した。このようにすれば敵サイドの来襲する機に対する迎撃距離も遠くなり、前に配備した電子偵察および目視偵察機に頼っての敵サイドの艦隊、陸上基地目標に対する捜索、位置決定能力も高まった。もし敵サイドが第1のパトロール編隊を発見しても、100万平方kmの非常に広い空間内において空母艦隊に対し捜索を行わねばならず、効率は極めて低い。現在アメリカ海軍はF/A-18E/Fに換装済みで、この機はF-14に比べ航続距離および航続時間がずっと小さいため、艦隊から300km離れた所に単一の2機による編隊を保持するしかなく、敵に対する迎撃能力と艦隊の隠蔽能力はいずれも大幅に低下し、敵サイドは10万平方kmの範囲を捜索する必要しかなく、より容易に空母艦隊を発見する。このため、アメリカ海軍は艦載先進戦術戦闘機(NATF)プロジェクトの中でF-22を基礎に艦載機を研究開発することを断固拒絶し、可変後退角の全く新しい機種開発にこだわった。なぜなら後者は先天的に航続距離がより長く、もし空虚重量2トンの代価を払っても引き合うからである。

類似の設計思想と技術レベルという条件下で、大型機の航続距離は中型機をはるかに超え、より大きな作戦半径と航続時間を持ち、空母艦隊の防空作戦により適する。しかも、「殲ー20」は超音速巡航作戦能力を具備し、超音速飛行の燃料消耗が半分前後に低下し、超音速迎撃作戦半径は倍に増加するはずであり、したがってより強い艦隊防空能力を持ち、より遠い距離で敵サイドの偵察機と爆撃機を迎撃し、もって空母艦隊の安全を確保することができ、中型機に比べて優勢はより大きい。

「ちまき機」か、それとも「殲-20」か?

第3世代戦闘機に始まり、機体構造強度の向上と搭載状態での航続距離の増大、そして航空電子設備の多任務に対する汎用性の向上に伴い、制空戦闘機はすでに対地攻撃任務を兼ねる能力を有している。F-15A、スホーイ-27SK、ミグ-29Aなど初期の第3世代機の他、あらゆる第3世代機が多用途能力を具備している。第4世代戦闘機はステルス、超音速巡航などカギとなる重要性能を具備しているため、より対地攻撃任務の執行に適している。F/A-22は設計時にもう制空と防空能力制圧のダブルの重大任務を付与され、そのコードナンバーもF-22を基礎に対地攻撃能力を示す「A」が追加された。

制空戦闘機の設計の中で、非常に大きな程度上機動能力を決定し得る推力:重量比は非常に重要な指標である。アメリカのF-35Aの空虚重量は約12.5トン、機内燃料は約8トン、エンジンのアフターバーナー使用時の推力は19トン、内部燃料40%時の空戦推力:重量比は1.19である。我が国の殲-10Aの空虚重量が8.6トン、機内燃料が2.9トンとそれぞれ仮定し、エンジンのアフターバーナー使用時の推力は12.5トンであり、機内燃料50%時の推力:重量比は1.21である。現在、我が国のすでに知られている装備あるいは研究中の中等推力ターボファンエンジンには2つの機種があり、これはアフターバーナー使用時の推力が8.3トンのRD-33と9.5トンの「新中推」(このエンジンの模型はかつて珠海航空展に展示された)である。まだ研究開発中の「新中推」に照らして計算すれば、もし空戦推力:重量比を1.2に保持するなら、「ちまき機」の空戦重量は15.8トンを超えられない。もし我が国が「殲ー20」のために研究開発する第4世代ターボファンエンジンがアメリカのF-119エンジンの推力に類似しているなら、アフターバーナー使用時の推力は16.5トンで、「殲-20」が同様に1.2の空戦推力:重量比を保持する時、空戦重量は27.5トンである。

エンジンは機の体積上最大のサブシステムであり、機体後部を占め、非常に大きな程度上機の空虚重量を決定する。機の空虚重量とエンジンの重量の比の値が大きくなるほど、どんどん多くの重量が機の構造、航空電子設備その他の方面に使え、機の設計の難度はどんどん低くなり、使う材料はどんどん安価になり、製造技術はどんどん簡単になる。この2機種の燃料搭載係数(機内燃料の重量/機内燃料の重量+空虚重量)をいずれも0.38と仮定すると、、空虚重量はそれぞれ12トンと21トンであり、空虚重量とエンジン重量の比はそれぞれ4.8と6.0である。このため、「殲-20」は同じ指標要求の下で、「ちまき機」に比べ技術的により簡単に、信頼性をより高くでき、もし両者が同じレベルの技術と工程を採用すれば、「殲ー20」は「ちまき機」に比べ、より良好な機動性を有することができる。

これまでの文はすでに、航続距離が艦載機にとって非常に重要なカギであることを証明している。機のこの方面の性能を決定する主要な要素には次のものがある。巡航揚力:抵抗比(機の巡航状態下での揚力と抵抗の比の値)、燃料の総重量、エンジンの単位あたりの燃料消費、機の空虚重量、巡航速度。艦載機の飛行過程での平均重量を、巡航揚力:抵抗比で割れば、機の受ける抵抗が得られる。等速での巡航飛行中の抵抗と推力が同じならば、推力にさらに単位あたりの燃料消耗を掛ければ、単位時間の平均燃料消耗量が得られる。燃料総重量を平均燃料消耗量で割れば、総航続時間が得られる。総時間にさらに巡航速度を掛ければ機の航続距離が得られる。これらの要素の中で、巡航揚力:抵抗比は同等の技術レベル下での差異は非常に小さい。しかも機が大きくなるほど巡航揚力:抵抗比も大きくなる。燃料の重量は機の空虚重量と燃料搭載係数によって決まる。同様の技術レベルという条件下では、大型機の体積と重量がより大きくなれば、燃料搭載係数も往々にしてより大きくでき、燃料総重量もより大きくなる。巡航速度は同世代の戦闘機に関して言えば差異は大きくなく、現代の戦闘機は大部分900km/h前後である。エンジンの単位あたりの燃料消耗はエンジンの設計と技術レベルによって決まる。巡航揚力:抵抗比、燃料搭載係数により優勢を持つ「殲ー20」は、「ちまき機」に比べより長い航続距離を持つ。

「殲-20」と「ちまき機」の、空母への搭載数、出動機数が決まっている場合の攻撃能力、空母の生存能力に対する影響、空母艦隊の防空の必要性および機動性、航続距離などの方面の対比により、「殲-20」が「ちまき機」に比べより我が国の未来の空母艦載機として適していることが分かる。大型戦闘機はより艦への搭載に適しているのだ。

(頑住吉注:図1のキャプション。ただし最初に挙げたページでは順序が逆です)上の図はニミッツ級が採用するF/A-18C艦載機の甲板レイアウト。下の図はニミッツ級が採用するF/A-18E艦載機の甲板レイアウト。図の中の黒い陰部分は実は元々F-14艦載機の位置だった。F/A-18Eの最大離陸重量はC型に比べ37%重いが、ニミッツ級への搭載数は全く同じである。

(頑住吉注:図2のキャプション)上から下の順序で、それぞれ「遼寧」艦が「殲-20」を搭載する最大の回収状態、最大の出動状態、「ちまき機」を搭載する最大の回収状態、最大出動状態の甲板レイアウト方案。「ちまき機」はたった1機多いだけで、「殲-20」に比べ決してはっきりした数の優勢はない。「ちまき機」の「殲-20」に比べての明らかな性能の劣勢を考慮すれば、「殲ー20」のような大型ステルス艦載機の選択が疑いなく賢い行いである。


 非常に興味深い論ではあるんですが、何か「殲-20の方が艦載機に適している」という結論がまずあって、そこから全体を組み立てたような苦しさをそこはかとなく感じます。細かい批判はもっと知識のある人にお任せしますが、1つだけおかしい点を挙げるなら、殲-20用の高性能エンジンの実現を当然の前提のように論じている点でしょう。私は殲-31用の中推力エンジンはできたが、殲-20用の高性能エンジンはまだできない、という期間が相当長時間続く可能性もあると思います。









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