アメリカのシンクタンク、沈陽飛行機の実力を分析

 殲-31、殲-15、「天穹」無人機( http://blog.sina.com.cn/s/blog_6cf3c63b01017pof.html )などを開発する沈陽飛行機の実力の分析です。

http://military.china.com/important/11052771/20121203/17560964.html


アメリカのシンクタンク、沈陽飛行機社の技術能力の秘密を明かす 殲-31は翻身仗 (頑住吉注:「翻身仗」とは、状況や局面を完全に変える決定的な行動のことだそうです)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「国産第4世代殲-31戦闘機」)

新型の殲-31ステルス戦闘機が2012年10月31日に公開されて初飛行してから、沈陽飛行機工業集団有限会社はすでに、世の人の注目の下で「ロシアのスホーイ戦闘機のコピー生産に頼って生存」のレッテルをかなぐり捨てた。殲-15艦載戦闘機が11月25日に成功裏に「遼寧」号空母上で発着を完成させたのと同時に、人々はもう1度、賞賛の言葉を沈陽飛行機に与えることとなった。

最近、アメリカのシンクタンクである国際戦略評価センターの高級研究員リチャード フィッシャーは長編の文章を発表し、殲-15艦載戦闘機からは沈陽飛行機がすでに豊富なスホーイ系列戦闘機の設計、生産経験を積んでいることが見て取れる、とした。一方殲-31ステルス戦闘機の出現は、沈陽飛行機がより先進的な欧米の戦闘機の設計概念を参考にする方向に転じたことを示す。2種の設計スタイルと製造能力を掌握して、沈陽飛行機は青春に輝くことになる。

沈陽飛行機はすでに5種のスホーイ-27戦闘機の改良型を研究開発している。これには次のものが含まれる。殲ー11B、殲-11BS、殲-15、殲-15S、殲-16。このうち最新のものは2012年11月3日に明るみに出た複座バージョンの殲-15S型艦載練習機である。沈陽飛行機はすでに、自分に競争力を持つ近代的第5世代ステルス戦闘機を研究開発する能力があることを証明している。ちょうど成都飛行機製造社と同様にである。しかもリチャード フィッシャーは、沈陽飛行機はさらに近代化された無人機も研究開発でき、すぐにこうした無人機はアメリカおよびその同盟国に巨大な軍事的、そして商業的挑戦をもたらす、と警告する。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは全て1ページ目と同じです。)

中国版スホーイ戦闘機の「ゆりかご」

20年近い技術と資金の投入を経て、沈陽飛行機は双発型のスホーイ-27「フランカー」戦闘機を基礎に多種の重大改良型戦闘機を生産した。この種の既存の、かつ非常に古典的な設計方案は沈陽飛行機に、元々あった旧式戦闘機生産技術から先進戦闘機の研究開発と生産まで一気に移行させた。また、沈陽飛行機の改良型スホーイ式戦闘機はエンジンおよび航空電子システム上、いずれにもグレードアップされた部分があった。2020年になれば、沈陽飛行機は解放軍空軍のために、アジア太平洋地域で極めて競争力ある空中作戦武器プラットフォームを提供することになる。比較的少ない燃料を搭載した状況下で、スホーイ-27とスホーイ-30戦闘機の機動性は、アメリカのボーイング社のF-15C戦闘機より一段上で、しかも中国が配備するスホーイ戦闘機は、ヘルメット照準短距離空対空ミサイルの配備方面において、アメリカよりさらに10年早かった。1992年から2004年までに、中国空軍はおよそ178機のロシアのスホーイ戦闘機を購入し、主なメーカーはアーム河畔の共青城だった(頑住吉注:中国にも同名の都市がありますが、ここではウクライナの都市名をつけたメーカーを指しているようです)。このうち、各タイプの機の数はおよそ次の通りだった。38機のスホーイ-27SK、40機のスホーイ-27UBK、76機のスホーイ-30、24機のスホーイ-30MKK2。1999年から2010年までに、沈陽飛行機はおよそ104機の殲-11A型戦闘機を生産した。すなわち共青城が提供した部品を元に組み立てて生産したスホーイ-27戦闘機である。この機のエンジンにはロシアが生産したAL-31F型ターボファンエンジンが採用され、推力は12.56トン、機載電子システムは大部分ロシアとウクライナが生産したものだった。だが2002年になると、中国は以前の協議で定めた200機の殲-11A型戦闘機のセット部品の購入を望まなくなり、スホーイ社も沈陽飛行機がすでにスホーイ-27戦闘機の研究開発技術を掌握し、自分での設計、生産への転向を完成させるつもりであることを意識するに至った。

(頑住吉注:これより3ページ目)

国際戦略評価センターの文章は、5年後、すなわち2007年、中国に新たな殲ー11B型単座バージョン多用途戦闘機が出現し始め、当初この戦闘機が採用していたのはAL-31F型エンジンだったが、後続の生産分のこの戦闘機は全て沈陽黎明社が生産したWS-10A「太行」エンジンを採用していた、とする。リークによれば、このエンジンの最大推力は12.5トンで、AL-31Fに比べやや低い。重要なのは、WS-10Aの安全使用時間(2回の全面検査修理の間の使用時間)は300時間で、これに比べAL-31Fの安全使用時間は500時間だということだ。見積もりによれば、2010年から2012年の3年間で、沈陽黎明社はすでにおよそ266台の「太行」エンジンを生産し、もって殲-11系列戦闘機の生産を保障した。「中国の先進的エンジン製造方面における問題は非常に重大」との報道があり、しかも中国サイドも欠陥の存在を認めているが、WS-10A型エンジンの性能はスホーイ-27系列戦闘機に対してということで言えば決して劣っておらず、将来このエンジンの性能はさらに一歩向上する可能性が高い。ある情報は、2012年までに沈陽飛行機はすでに66機の殲-11B型戦闘機を生産し、しかも中国国産レーダー、航空電子および武器システムを配備しているという。また2010年生産開始の複座型殲-11BS戦闘機もWS-10A型エンジン、および殲-11Bと同様の航空電子システムを装備している。同様に2010年、殲-15戦闘機の初の画像が中国軍事ネットに出現し、これはエンテ翼を追加装備した殲-11戦闘機で、ロシアのスホーイ-33型艦載戦闘機と非常に似ている。後の情報は、中国がウクライナからスホーイ-33艦載戦闘機の原型機を購入したことを事実確認した。このことは沈陽飛行機が殲-15を研究開発することに対する大きな助けをもたらした。2012年までに、中国は12機の殲ー15戦闘機を生産し、いずれもWS-10A型エンジンを採用した可能性があり、2013年にはさらに8機のJ-15戦闘機が生産されることになると見られる。

(頑住吉注:これより4ページ目)

2012年11月3日、初の複座バージョン殲-15BS型戦闘機(同様にWS-10A型エンジンを採用)が初めて明るみに出、専用の空母艦載練習機と位置付けられている可能性が高い。さらに空母艦載機中隊の中の専用攻撃型あるいは電子支援型戦闘機に発展する可能性もある。

殲-16戦闘機に関する情報は、この戦闘機は2011年末にもう試験飛行しているが、2012年中期になってやっとこの機の画像が流出した、ということをはっきり示している。この機は複座バージョンの殲-11BS戦闘機の改良型で、対地、対艦攻撃専用である。ある報道は、この機はアクティブフェイズドアレイレーダーを装備済みであるとしている。

国際戦略評価センターの文章は次のようにリークする。2007年から、沈陽飛行機は全部で5種の国産型殲-11系列戦闘機を出現させ、2012年までの総生産数はすでに110機に達していると見積もられる。ある情報は、ここ3年間の殲-11系列戦闘機の生産数は次のように分かれるとする。2010年22機、2011年28機、2012年28機。2013年の生産数は22機にまで下降する可能性があるが、殲-11系列戦闘機の生産は今後10年内は継続して推進され、もって1990年代初めのスホーイ戦闘機とより古い殲-8系列戦闘機と交代し、また新たな空母艦載戦闘機を提供することになる可能性がある。2020年までに国産の殲-11B型戦闘機の総生産数は260機余りに達する可能性があり、さらに大部分が依然現役の殲-11A、スホーイ-30型戦闘機を加えれば、沈陽飛行機によって生産された各種の殲-11系列戦闘機とスホーイ-30戦闘機の総数は約430機に達することになる。殲-16と殲-15戦闘機はアクティブフェイズドアレイレーダーを追加装備し、将来より強力なWS-10A改良型エンジンを装備すれば、第4世代半戦闘機のレベルに到達し得ることになると見られる。

(頑住吉注:これより5ページ目)

J-31は沈陽飛行機の翻身仗

国際戦略評価センターの文章は、1990年代末と今世紀初め、中国軍の大型ステルス戦闘機プロジェクトの競争の中で、沈陽飛行機は成都飛行機の「殲-20」に負けた、とする。だが外界は沈陽飛行機の殲-31「ファルコンイーグル」戦闘機の出現を一種の「反撃」と見る。

リチャードフィッシャーは、殲-31戦闘機の出現は、現在の沈陽飛行機がまさに設計スタイルを欧米の先進的戦闘機に向け転向していることを証明し得る、と考える。沈陽飛行機はきっとアメリカのロッキード・マーティン社が生産する戦闘機に対し突っ込んだ研究を行い、しかも得た利益が大きかった。殲-31のレイアウトと外形はF-35に比較的近い。2009年4月のアメリカの「ウォールストリートジャーナル」の文章は、中国は一部の技術が超越的に高いネット上のハッカーに助けられ、ロッキード・マーティン社のコンピュータに侵入し、何ギガかの容量のデータ資料をコピーし、この中にはF-35戦闘機プロジェクトに関わるいくつかの資料があった、とする。

(頑住吉注:これより6ページ目)

リチャード フィッシャーは考える。もしF-35A型戦闘機に似ていたとしても殲-31型戦闘機は中型多用途ステルス戦闘機であり、設計上決して殲-20ステルス戦闘機のように超音速巡航任務を執行するのに用いられるわけではない。さらに1つの推測的な説は、殲-31の中型の寸法は、これを将来の中国空母ステルス艦載戦闘機の「最もよい選択対象」とする、というものだ。

殲-31は購入価格上殲-20よりずっと安い可能性が高く、しかも発展速度がより早い可能性がある。殲-31の優勢は、この機が2台のエンジンを採用していることは同じだが、設計、製造難度のより低いエンジン用だというところから来る。殲-31の原型検証機が採用している可能性があるのはロシアのRD-93型ターボファンエンジンで、推力は8.3トンだが、2008年の珠海航空展において中国のあるエンジンメーカーが推力9.5トンに達するターボファンエンジンの模型を披露し、しかもベクトル技術を備えていた。このエンジンはWS-13型ターボファンエンジンの後継改良プロジェクトかもしれない。このエンジンの発展状態は、推力が15トンのWS-15型エンジンに比べより良いかもしれない。WS-15エンジンは主に殲-20戦闘機のために開発されているとされる。

(頑住吉注:これより7ページ目)

沈陽飛行機の無人攻撃機は将来「より脅威を備える」

ずっと外界に知られていないのは、中国が開発中の大型無人攻撃機プロジェクトで、沈陽飛行機が「指揮者」の役割を演じていることである。これと同時に成都飛行機製造社も無人機を開発の重点に含めている。国際戦略評価センターの文章は、2006年の珠海航空展で、沈陽飛行機が登場させた「暗剣」超音速無人攻撃機の概念模型は外界の広い関心を引き起こし、現在この無人攻撃機の研究開発状況はまだ知られていない、とする。3年後の2009年10月、中国航空博物館が挙行したある展覧会に「暗剣」無人攻撃機の模型が再度出現した。このことはこのプロジェクトが依然「活発」な状態にある可能性があることを意味している。2008年の珠海航空展で沈陽飛行機は「暗剣」無人攻撃機に続いて、また「戦鷹」という名の前進翼超音速無人攻撃機の模型を披露し、再度西側を震撼させた。

しかし、2011年9月、中国航空工業集団が挙行した無人機模型競技において、沈陽飛行機は新型の全翼式無人攻撃機の模型を登場させた。リチャード フィッシャーは、外観から見てこの無人機はアメリカのノースロップ・グラマン社が生産するXー47B無人機、およびボーイング社が生産する「ファントムレイ」無人機と同一クラスに属するに違いない、とする。2011年6月、中国「海軍航空工程学院学報」誌にある文章が掲載された。この文章の共同執筆者は沈陽601所(すなわち沈陽飛行機)のある無人機専門家である。この文章は、沈陽飛行機は無人攻撃機を設計中で、全幅15m、全長11mで、ボーイング社の「ファントムレイ」無人機に類似した全翼式レイアウトを採用している、とする。2011年の中航工業集団の無人機模型競技の中の最も核心的なプロジェクトは、無人機を模擬の空母甲板上に降着させることで、沈陽飛行機の登場させたこの無人機の模型は非常に良好に指定された要求を満たした。このことは、フルスケールのこの沈陽飛行機の無人攻撃機が殲-31ステルス戦闘機に次いで中国空母の甲板に搭載される可能性が高いことを示している。


 この文章ではWS-10A「太行」エンジンはロシア製AL-31Fより推力がやや低く、信頼性が低いものの、実用段階には達しているとされています。また無人機に関しては模型と実物の差はさほど大きくないと思われ、比較的近い将来無人攻撃機が空母に搭載されることになるかもしれません。











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