殲-15複座バージョンの意義は

 コラムの内容との重複部分もありますが、中国の艦載機殲-15の複座バージョン、殲-15Sに関する評論です。

http://blog.ifeng.com/article/21089696.html


第2種目の艦載機の初飛行は中国空母実戦化の過程を加速する

中国の「遼寧」号空母の就役以来、中国の艦載機がいつ着鑑試験を行うのかがずっと国内外における大きな関心の焦点である。今、中国のまた1種の新型艦載機が外国メディアによって披露され、これは再度大衆の視線の焦点となった。イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」ウェブサイトが11月5日に発表した文章は、中国の消息筋の人物によれば、中国の沈陽飛行機はすでに今月3日に複座バージョンの殲-15S艦載戦闘機の初飛行を成功裏に行った、とする。

ネット上に発表された画像から見て、纖-15Sは中国が自ら研究開発した複座双発の大型艦載戦闘機で、この機種は殲-15艦載機を基礎に生産された艦載戦闘機である。試験飛行現場のネット仲間の言によれば、殲-15S艦載機の全初飛行過程は10分前後持続し、少なくとも飛行場上空を4周した。これは10月31日に殲-31「鶻鷹」第1号機の初飛行に続く、沈陽飛行機が飛び立たせた第2の新型戦闘機であり、しかもこの2つの初飛行の時間的間隔は意外にもこのように接近しているのだ。

この戦闘機は殲-15Sと命名され、中国がT-10(スホーイ-33の原型機のコードナンバー)をよく飲み込むことを基礎に中国海軍の艦載機作戦任務の需要に基づいてさらに一歩グレードアップ、改良してできた新型機に違いない。この機は単座バージョンの殲-15艦載機と共に、まず陸上で訓練し、その後さらに「遼寧」号空母上に移って発着訓練を行うと見られる。しかも、殲-15Sは中国空母艦載機部隊の正確打撃能力向上、および多機能性、甚だしきに至っては対潜哨戒、いずれに対しても特別重大な意義を持つと言える。

この機は2名の乗員を配置しているので、さらに空母艦載機の練習機として使い、もって短時間内により多くの合格点の出せる艦載機飛行員を養成できる。当然のこととして、以前の論争は中国空母艦載機(頑住吉注:文脈から言って「の練習機」が抜けているんではないかと思うんですが)は殲教-9あるいはL‐15のうちいずれかかもしれないとしていたが、この2機種は初等/中等艦載練習機としか評価できず、真の高等練習機としては殲-15Sのみが最も適しているに違いなく、またこの機があってこそ真の殲-15の発着訓練が体得できるのだと予想される。

殲-15Sはタンデム複座技術を採用しているので、スホーイ-33UBの並列複座型の、養成する艦載機学員をより直視できる形には及ばないかもしれないが、少なくとも機能上両者の差は大きくない。殲-15Sが複座構造を採用したことは、一方においては遠距離パトロールの効率を向上させるのに有利であり、もう一方においては新人飛行員の戦闘転換にも有利で、同時にこの機がより複雑な作戦任務を執行するのに有利である。だが不足なところは当然複座模式を採用したがゆえに燃料搭載量が減少し、このため作戦半径がやや減少するかもしれないことである。

以前の殲-15に対する説明は、これは殲-11系列戦闘機のグレードアップ版であり、スキージャンプ発進式に属し、その作戦能力は殲-11BSあるいはスホーイ-30に相当する、というものだった。このため、最新型の殲-15Sは航続距離を除きその他のいくつかの大きな方面ではいずれも大幅にこれら3者を超えている可能性がある。同時に、この機は中国最新の大型機載フェイズドアレイレーダーを装備し、したがって部分的な空中早期警戒能力を具備している(初期のスホーイ-27型系列にはこの種の機能のタイプがあった)、あるいは編隊指揮機としての使用に充当される(編隊中のその他の機種はレーダーを沈黙させた方式で敵に接近でき、このようにすれば突然の打撃実現に有利である)可能性があり、このため非常に大きくこの機の任務範囲が拡張される。

現在の状況から見て、艦載戦闘機を早急に必要としている中国空母艦隊に関して言えば、もし早く複座攻撃/練習/多用途艦載機が獲得したければ、成熟したタンデム複座技術を採用した殲-15Sは現にある状況においては真っ先に選ばれる選択肢である。同時に、複座型は殲-15艦載機により広範な多用途の発展を可能にし、皆が熟知している空戦、正確対艦攻撃などの任務以外に、さらに1つの具備することが必須の能力を持たせる。それは他でもない「パートナー式給油」能力のできるだけ早い実現である。何故なら空母発展においてまだ初期段階にある中国に関して言えば、現在もう1つの早期に実現する必要のある目標は空中給油能力のできるだけ早い実現なのである。このためには「パートナー式給油」が通過しなければならないものとして来るのは必然でもある。この機能を具備してこそ、真に空母艦載機が緊急状況下で安全に帰投、着鑑できるのである。

殲-15Sは「パートナー式給油」装備を搭載する時、前部座席の操縦員は戦闘機の操縦に集中し、後部座席の操縦員は同型機への給油に集中する。こうすることは安全上必要性が高いと言える。特に空中で給油を受ける機と空中給油機が同一機種だと、給油作業を行う時に各自の受ける気流の影響は最小になり、2機の同型戦闘機が空中給油作業を行う時、ちょうど正常な編隊飛行を行っているように、危険性を最小程度に下げることができる。しかもひとたびこの種の空中給油技術が実現されれば、疑いなく艦載機に羽が追加され、艦載機の作戦範囲も武器搭載量もいずれも増強させることができ、さらに燃料を消耗し尽くした、あるいは命中を受けて燃料を失った戦闘機が最終的に安全に降着することを信頼性をもって提供することができる。

中国の未来の空母上にひとたび殲-15と殲-15Sという2種の戦闘機が装備されれば、殲-15を各項目の任務から解放することができる。今後、殲-15には制空作戦を行うことだけが要求され、一方殲-15Sを使用して対艦攻撃任務が執行される。当然、これは決して厳密な分業ではなく、同じように多用途機種なので、編隊指揮官は状況に基づき、この2機種を合理的に組み合わせての使用を行い、もってそれらに最大の機能を発揮させることができる。殲-15/Sもちょうど例えばアメリカ海軍のF/A-18E/Fのような考慮から出ているのかもしれない。

だがいずれにせよ、中国第2種の艦載機の登場は、中国が空母発展に対しより大きな抱負を絶対に持っていることを表している。殲-15Sは中国空母艦載機飛行員の養成訓練に、短時間内での比較的大きな突破を取得させることができ、長からぬ時間内で多数の技術が成熟した飛行員を得るのに有利で、しかも適した機種に転換する必要もなく短時間内に実戦能力を具備させることができる。最近国内外のメディアが続々報道している、中国が上海の造船工場で同時に2隻の国産空母を建造中であり、しかも18ヶ月以内に就役するかもしれないことに、「遼寧」号が実際に必要とする合格点の出せる艦載機飛行員を加えれば、中国が実際に必要とする艦載機飛行員の数は3桁に達することになり、これは現在空母訓練任務を引き受けている「遼寧」号にとって、非常に大きな任務と言うべきである。

中国のような空母「初学者」にとって、陸上基地模擬艦載訓練と「遼寧」号空母の初等/中等練習機による実際の着艦訓練の後、中国艦載機飛行員は短時間内でより高度な、真の着艦訓練体験に適応することが必須であり、これは纖-15Sでなければできないに違いない。このことから見て、中国空母艦載機の研究開発はロシアのたどった道の模倣でもあり、このような道がより穏健妥当かもしれず、中国のような初級空母入門者により適しているかもしれない!


 かなり苦しい方法ではありますが、わずかな燃料しか搭載せず、その条件下で極限まで多くのミサイル等を積み、スキージャンプで発進してから給油を受ければ、ある程度カタパルト発進の機とのハンデが縮められる、ということでしょう。










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