殲-10BはF-35に対抗できる?

 中国がイスラエルの設計を発展させたとされる殲-10の改良型殲-10Bに関する詳しい説明です。

http://club.china.com/data/thread/1013/2757/93/85/4_1.html


殲ー10Bのレーダーは先進的でステルス能力が強い 性能は第4世代機に肉薄

殲ー10B多用途戦闘機は殲ー10戦闘機の最新改良型である。殲ー10Bは殲ー10の機体外形と航空電子設備を改良してその性能を大幅に向上させており、現在普遍的に殲ー10Bは中国初の真の第3世代半戦闘機であると考えられている。殲ー10Bの最も顕著な特徴の1つは機首下方の「無附面層隔道超音速進気口(DSI空気取り入れルート)」である(頑住吉注:「進気口」は空気取り入れ口で、超音速は日本語と同じですがその前は分かりません。「付属面がなく層に隔てられたルートの」といった感じでしょうか。以後も分からないものは簡体字を日本の漢字に直すだけにします)。

(頑住吉注:2ページ目)DSI空気取り入れルートは「3D鼓包式無附面層隔道進気道」とも言い、これは固定された1つの鼓包を採用して、通常の空気取り入れルートの中の1、2段階の調節可能な斜板を模擬し、かつ気流に対する圧縮、および構造の簡略化、ステルスの目的が達成できるものだ。専門家の説明によれば、DSI空気取り入れルートは通常の空気取り入れルートに比べ、3つの主要なメリットがある。すなわち1つ目は「錐形流」乗波設計を採用し、総圧回復が比較的高いこと。2つ目は機の迎風面の抵抗が減少し、機の性能が向上すること。

(頑住吉注:3ページ目)3つ目は補助空気取り入れ口と空気放出口を設計せず、附面層隔道がなくなった後の機は数百kgの重量軽減ができ、非常に大きく機の構造重量が軽減されること。全体的に見て、DSI空気取り入れルートは構造が簡単、重量が軽い、抵抗が小さい、ステルス性があるなどの特徴を持つ。このいくつかのメリットは殲ー10Bの性能を有効に向上させ、かつステルス効果を強化した。だがDSI空気取り入れルートは新技術の空力に対する設計であり、製造技術全てに極めて高い要求があり、かつ超音速性能に影響する可能性がある。

(頑住吉注:4ページ目)殲ー10Bはすでに1セットの光電子照準システム(EOTS)の使用を追加している(頑住吉注:英語では「Electro Optical Targeting System」というそうです)。例えばスホーイー27やミグー29のような全ての第3世代ロシア戦闘機では普遍的にキャノピーの右前方に設置され、システムは1セットの赤外線捜索・追跡(IRST)センサーとレーザー距離測定装置を含み、火力コントロールレーダーをONにする必要なしにパッシブ式に敵の目標を発見でき、このため機の発見される機会が減少する。殲ー10BのEOTSはあるいはロシアの設計を基礎にしたものかもしれない。

(頑住吉注:5ページ目)光電子センサーは機載火力コントロールレーダーに比べ3つのはっきりした優勢がある。すなわちパッシブ探知計測が実現でき、成像によって目標が識別でき、また高強度の電磁妨害下で作動できる。同様にいくつかの欠点も存在する。すなわち探知計測距離に限りがあり、性能が気象の影響を比較的強く受け、使用するレーザー距離測定装置の作用距離はごく限られている。光電子センサーは目標の大範囲の捜索を実現することが比較的難しいが、レーダーパッシブ探知計測模式で出した妨害源のおおまかな座標の正確な追跡と、敵サイドの妨害を発する戦闘機あるいは電子対抗機を識別することを根拠に、その後中距離空対空ミサイルに目標のデータをインプットし、複雑な電磁条件下でのサイレントな攻撃を実現する。この点から見て、殲ー10Bの作戦対象に対する性能設定は非常に高く、少なくとも第3世代戦闘機に対し比較的大きな性能の優勢を形成し、しかも現在最も先進的な第4世代戦闘機に正面から対抗できることが要求されている。

(頑住吉注:6ページ目)殲ー10Bは垂直尾翼電子コンパートメントと主翼下の電子吊り下げポッドが追加装備されており、このことはこの機が複雑な電磁条件下での作戦を考慮していることを反映している。電子戦能力は実戦機の非常に重要な、カギとなる能力である。この方面で大型機は一般に小型機に対し一定の優勢を享有する。殲ー10Bは主翼下に一対の吊り下げ搭載ポイントが増やされ、一対の電子吊り下げポッドが追加搭載される(この吊り下げポッドは取り外し可能とされる)。垂直尾翼の電子コンパートメントと組み合わせ、非常に大きく電子戦能力が強化された。

(頑住吉注:7ページ目)殲ー10Bの最もはっきりした、最も重要でもある改良は、固定されたアレイ面のアクティブフェイズドアレイ機載レーダーの使用に他ならない。これは殲ー10Bのわずかに傾斜したレドームと機体の結合ラインから見いだすことができる。照射されたレーダー波はこれを透過するレドームからレーダーコンパートメントに入り、機械スキャンレーダーの複雑なアンテナと底座構造の間で反射するので、重複と共振の後で再び来た方向に反射され、レーダーコンパートメントは機械スキャンレーダーを採用した戦闘機の3大共振空洞部の1つとなり、非常に大きな程度上機全体の前方からのRCSに影響する。

(頑住吉注:8ページ目)このため固定されたアレイ面のアクティブフェイズドアレイレーダーを採用すると、戦闘機のレーダーアレイ面は傾斜して設計され、こうすればレーダーコンパートメントに進入したレーダー波を傾斜したレーダーアレイ面によって他の方向に反射させることができ、したがって非常に大きく機の前方からのRCSが低下し、機のステルス特性が改善される。これもある機種がフェイズドアレイ機載レーダーを採用しているか否かを判断する特徴となる。明るみに出た殲ー10Bがレドームを開き、黄色の固定されたアンテナアレイ面を露出させている画像を根拠に、殲ー10Bがアクティブフェイズドアレイ機載レーダーを採用していることが確認される。

(頑住吉注:9ページ目)中国が研究開発した完全な自主知的財産権を持つアクティブフェイズドアレイレーダーはすでに某飛行場の検証飛行を満足な形で完了させている。このため殲ー10Bがアクティブフェイズドアレイ機載レーダーを採用することにいかなる技術的問題もない(頑住吉注:試作することと量産することは全く違う、という指摘もありますね)。中国が殲ー10Bのために研究開発した機載レーダーはアメリカの機載レーダーと同じレベルに属し、一方ヨーロッパの「タイフーン」戦闘機のアクティブフェイズドアレイレーダーは移動式アンテナを使用している。固定式アンテナを採用した中国とアメリカの機載アクティブフェイズドアレイレーダーの重量はより軽く、エネルギー消耗がより少なく、信頼性がより高く、移動式アンテナを採用したヨーロッパの機載レーダーをはるかに超えている。殲ー10Bのレーダーは1,500個の受信・発信ユニットを持ち、探知計測能力は180〜200km、同時に24の異なる目標を追跡でき、6発の中距離ミサイルを制御誘導して6つの異なる目標を攻撃でき、超視距離空戦能力が強いとされる。

(頑住吉注:10ページ目)殲ー10Bは主翼の構造が改良され(翼の形は不変)、一対の吊り下げポイントが増加し(電子戦設備に用いられる)、主翼の燃料収容量が増加した。複合材料の主翼外皮を用いるよう改められ、主翼の構造重量を軽減すると同時に主翼の強度も強化された。

(頑住吉注:11ページ目)殲ー10Bの空力レイアウトの改良は主に次のいくつかである。1.機首のラインが下向きに傾斜した。2.垂直尾翼の先が尖らされた。3.腹鰭が尖らされた。翼が尖らされたのは決して重量軽減のためでも、外見をよくするためでもなく、実際の空力的必要性からのものだ。殲ー10Bの垂直尾翼、腹鰭に尖らせる処理がなされたのは高速性能向上に有利であり、このことはこの機が高空における高速を依然追求していることを示す。殲ー10Bの垂直尾翼、腹鰭が尖らされたことは飛行抵抗の軽減の助けになり、機の加速性能を改善し、航続距離を延長する(頑住吉注:「腹鰭」って機体の下部にあるフィン状のものかな、と思ったんですがどうも画像を見るとやや下反角のついた水平尾翼のことらしいです)。

(頑住吉注:12ページ目)関連の分析はスホーイー27のレーダー反射断面積は15平方m、F-15は10平方m、殲ー11Bは3〜5平方m、F-18は3平方m、F-16は1〜2平方m、F-18E/Fは1平方m、殲ー10Aは1平方m、スホーイー47は0.3平方m(頑住吉注:前進翼を持つ検証機)、殲ー10Bは0.3平方m、T-50は0.1〜0.3平方m、EF-2000タイフーンは0.05〜0.1平方m、B-2Aステルス爆撃機は0.001〜0.1平方m、F-117Aは0.001〜0.01平方m、F-35は0.001〜0.0015平方m、F-22は0.0002〜0.0005平方mと考えている。アメリカの基準に照らせば、レーダー反射断面積が0.1平方mより小さくてやっとステルス機と評価されることができ、0.5平方mより低ければ準ステルス機と評価され得る。ロシアが間もなく初飛行する第4世代戦闘機T-50(頑住吉注:何でこんなこと書いてるんだか分かりませんがとっくに試験飛行は行われてます)のレーダー反射断面積は0.1〜0.3平方mで、ちょうどステルス機の最低基準に到達したところである。分析は、殲ー10Aのレーダー反射断面積は1平方mで、F-16と同等と考えている。殲ー10Bのレーダー反射断面積は0.5平方m未満で、0.3平方mに到達させることさえ可能である。

(頑住吉注:13ページ目)このように、殲ー10Bはまさに正真正銘のステルス戦闘機である。アメリカのF-22Aの機載レーダーであるAPG-77のレーダー反射断面積が0.001平方mの目標に対する有効追跡距離は20kmで、0.1平方mの目標に対する有効追跡距離は35km、1.0平方mの目標に対する有効追跡距離は112km、5.0平方mの目標に対する有効追跡距離は296kmである。分析は、F-22Aは距離50kmの所にいる殲ー10Bを発見できると考える。殲ー10BがF-22Aに挑戦したければ、まず空警ー2000に200kmの所にいるF-22Aを発見させ、その後空警ー2000がF-22Aのデータを殲ー10Bに伝送し、最後に殲ー10Bが目標から100kmの所まで飛び、射程100kmの空対空ミサイルを発射し、F-22Aを撃墜するしかない。だが、中国の射程100kmを超える空対空ミサイルはまだ充分成熟しておらず、このため殲ー10Bはまだ有効にF-22Aに脅威を与えることができない。

(頑住吉注:14ページ目)アメリカのF-35A/B/Cの機載レーダーであるAPG-81の、レーダー反射断面積0.1平方mの目標に対する有効追跡距離は25kmしかなく、30kmの所にいる殲ー10Bしか発見することができない。かつて大江は(頑住吉注:急に誰? まあ筆者でしょう)、空警ー2000がF-35のデータを提供しさえすれば、殲ー10Bは目標から50kmの所まで飛んで、射程50kmの空対空ミサイルを用いてすぐF-35を撃墜できる、と考えた。しかも中国の射程50kmの空対空ミサイルはすでに非常に成熟している。このため、殲ー10Bは有効にF-35に脅威を与えることができる。同時に、インドが間もなく購入するF-16C/Dの機載レーダーであるAPG-80は、レーダー反射断面積10平方mの目標に対する有効追跡距離でも195kmしかなく、殲ー10BがF-16C/Dに対処するのは困難でないことを指摘しておく。(頑住吉注:以後のページはこの機の画像だけでキャプションすらありません。)


 詳しいことは分かんないんですが、非常に論理的に書かれてるんで心配になります。まあこれは中国の現在まだ数が少ない早期警戒機が先に相手を発見できればの話ですけど。















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