殲-20の意義は

 例によって「外国メディアがこう言っている」というスタイルの殲-20評です。

http://military.china.com/news/02/11078237/20120907/17417584.html


ロシアメディア、殲-20はアメリカ空母の南海における活動を制限し得る、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国の殲-20大型ステルス戦闘機」)

【グローバルネット総合報道】ロシアの軍事工業総合体ニュースネット9月6日の報道によれば、中国の国家軍事学説制定に責任を負った新世代軍事思想家は歴史の経験を参考にし、現在の現実を結合し、「切り札」概念の使用を開始した。一方中国空軍に関して言えば、新たに研究開発されている第5世代超音速ステルス戦闘機殲-20は明らかにこのような、敵に勝つ魔法のアイテムである。

ロシアメディアは、中国の戦争技術の古典「孫子の兵法」は軍事行動で不意を突くメリットを強調し、また切り札は戦時でも平時でも、戦略、戦役でも、また戦術レベルでもいずれも使用できるとしている(頑住吉注:ロシアのメディアが「孫子の兵法」を引用しますか? まあ絶対にあり得ないとまでは言いませんが)。古代における切り札は近接格闘時に使用する戦術手腕に過ぎなかったが、今日では不意を突く効果は戦術上も体現でき、戦略的影響も生み出し得る。例えば、近年における中国の軍事費の増加は、中国軍に戦術の改変を促し、以前は全く望まなかった西側に向けてデモンストレーションする軍事の発展変化を披露し始め、自分の新しい軍事技術掌握程度へのどんどん大きな自信を明らかに示している。出現した殲-20戦闘機は疑いなくまさにこのような技術の1つである。

アメリカの雑誌「航空国際」5月号は、中国の軍、政府指導者は中国の新世代戦闘爆撃機研究開発の情報を隠したりごまかしたりしていないと指摘している。2009年11月9日、中国空軍副司令何為栄は初めて第5世代戦闘機研究開発開始を公表した。中国の指導者はこの情報を確認し、これを中国空軍の発展の新しい章の幕を開けるものであるとした。中国はこの種の飛行機を切迫して必要とし、これをもって南海に兵力を投入し、第1および第2列島(頑住吉注:前者は日本から台湾を経てフィリピンに至る島の連なり、後者はグアム島を中心にオーストラリア、ニュージーランドなどアメリカ軍の後方支援基地のある島々)の封鎖を突破しやすくする。このため新たな飛行機に超音速飛行、短距離離着陸、ステルス能力、そして比較的高い機動性能を備えるべきことを要求した。明らかに殲-20はこうした要求に完全に符合する。この機はV字型大面積の主翼と水平前翼を使用し、長時間超音速飛行を保持でき、しかもアメリカ軍のF-22研究開発の経験も参考にし、ステルス技術と超音速巡航技術の結合を実現した。

ロシアメディアは、地域スーパー大国の地位を樹立し堅固なものにし、天然ガス資源が豊富な南海地域の領土主権を維持、保護、強化し、南海の大陸棚と天然ガス田を取り戻し、国家経済の発展を保証するため、中国は第2諸島突破後の行動に対し空中援護を提供する必要がある、とする。このため、中国戦闘機は空中給油により迅速に2,400〜2,800km離れた場所に飛行して到達し、空戦を展開し、いかなる相手も打ち負かし、その後大陸の基地に戻る必要がある。このような航続距離はアメリカ軍のグアム島基地をカバーし、これに対し先んずれば人を制すの打撃を実施することができる。中国は200カ所のこの種の打撃を実施できる軍用飛行場を持ち、比較的大きな優勢を持つ。殲-20のステルス性能は中国空軍にアメリカ軍の防空体系を避けさせ、アメリカ軍の指揮、コントロール、情報センターを打撃することも、衝突の期間アメリカが太平洋に配備する航空機を打撃することもできる。したがって比較的大きな程度で、付近の地域で活動するアメリカ軍部隊の機動空間を制限することになる。

殲-20は多種の役割と任務に適応でき、多機能性を備え、攻撃機、防空迎撃機、対衛星武器発射プラットフォームとすることもできるし、電子戦設備や電子偵察設備を装備することもできる。この種の多機能属性は、ある程度人にアメリカ軍が研究開発したF-111多用途機(頑住吉注:アードバーク戦闘爆撃機。1960年代後半に運用開始、すでに退役。敵戦闘機に対する空戦性能は実質的になかったとされてます)を思わず知らずに思い起こさせる。しかも両者の寸法も大体同じである。中国空軍の給油機は発展を始めたばかりの段階なので、殲-20は大量の燃料を搭載することが必須で、もって遠距離兵力投入任務執行に便利とし、同時に長時間の滞空をもって全部の任務を完了する能力を保証する。このため殲-20は将来必ず空中給油システムを装備して航続距離延長、作戦半径拡大を確保すると断定でき、したがってオーストラリア北部、例えばポートダーウィンまで到達するポテンシャルを備える。近年、インドネシアはスホーイ-30MK2多用途戦闘機を購入し、ベトナム空軍はスホーイ-30戦闘爆撃機に換装している。これは南海の衝突がひとたび勃発したら、中国が打ち負かす能力を持つことが必須な2つの潜在的相手に彼らがなったことを意味する。またもう1つの相手は空母攻撃群を持つアメリカ海軍である。殲-20の出現はアメリカ海軍の南海における自由な機動を制限し、戦略的圧力を大幅に緩和させることができる。

ロシアメディアは、国外は頻繁に中国が軍事プラットフォーム研究開発時に知的財産権を侵犯し、反向工程法を使用して(頑住吉注:基礎研究から始めて開発を経て生産に至るのではなく、他国の完成品を研究してコピーする、といったことでしょう)他国が生産した軍事装備を手本にすると指弾する、とする。最近ロシアは中国との48機のスホーイ-35戦闘爆撃機供給契約を談判している時、この種の懸念を表明した。ロシアサイドの心配は、中国に200機のスホーイ-27SK戦闘爆撃機の生産を許可した契約から来ている。当時中国サイドは95機を組み立て終わった後、契約の履行を暫時停止し、自主研究開発した殲-11B戦闘機の大量生産に転じたが、外形から見て両者の間の差異は大きくない。現在殲-20の外形はまたしてもアメリカのF-22に似ている。F-22は現在の第5世代戦闘機の黄金典範として、頻繁に中国によって自分が研究開発した新型軍事プラットフォームの設計理念の検証に用いられている。規模から見て、殲-20は大型戦闘機に分類でき、その空虚重量は18.1〜22.7トン、内部燃料の重量は15.8トンに達すると見積もられている。これに比べ、アメリカ軍のF-22の最大重量は29.3トン、内部燃料は8.2トンに達し得、さらに外部の増加タンクに11.9トン搭載できる。

殲-20の研究開発は迅速と言うべきであり、図面設計から初飛行まで短い時間しか使われず、これはアメリカの多くの人にとって戦略的に予想外の事態である。特にアメリカの前国防長官ゲイツにとってはそうだった。彼はかつて中国が2020年までに殲-20を研究開発して作り出すことはあり得ず、2025年になっても最多でも限られた数機だけしか製造できないと公言した。現在では周知のようにこの評価は控え目に過ぎた。殲-20が部隊装備される時期に関してはまだ多くの推測があるが、すでに基本的には2017年と確定できる。もしこの期日が本当になれば、中国の国産戦闘機自主研究開発能力がすでに1つの新たなレベルに到達していることが証明されることになる。これと同時に中国民間用航空業も輸出型旅客機の研究開発を開始し、西側の伝統的な航空の優勢を脅威に直面させる。航空エンジンの研究開発と生産だけは例外で、中国はこの方面においてロシアや西側に深刻に立ち遅れている。あるいはまさにこのため、国産エンジンの研究開発は中国航空工業の優先的発展分野となり、中国のWS-15エンジン研究開発に関する噂は、あるいは決して火のないところに立った煙ではないのかもしれない。

(頑住吉注:これより2ページ目)ロシアメディアは、中国当局は殲-20がアメリカの前国防長官ゲイツ訪中の際に初飛行したのがわざとそう手配されたのだということを否定しているが、これは少なくともアメリカに向け中国の軍事的実力が足踏みしていない事実を示した、とする。その後中国は殲-20の試験の進度を加速させ、最新の情報は殲-20プロジェクトが大股で前進中であることを示している。ステルス性能実現のため、殲-20は明らかに外形を含むF-22の多くの設計の特徴を参考にしている。これは殲-20の有効乱反射面積がT-50やF-35に比べずっと小さいことを意味している。殲-20は最良の機体下部平面と武器コンパートメント内置方案を選択し、機の電磁波輻射レベルと有効乱反射面積を減少させた。長波とKu波ダブル模式レーダーを使用し、最大限に輻射指標を下げ、しかもアジア諸国の防空上の目標を捜索できる。

殲-20の比較的強い作戦能力とその到達した戦略効果は、南海地域のいかなる程度の海空衝突に関しても決定的意義を持つと言える。この機の出現は中国に相当強大な威嚇力を持たせ、戦わずして制空権を奪取できるようにし、「孫子の兵法」が尊重する戦わずして人を屈服させる兵の目標を達成させる。重点的に開発される第5世代ステルス多用途戦闘爆撃機殲-20は、中国空軍に南海の島嶼を侵略占領する東南アジアの国の空軍に対する優勢を持たせるだけでなく、さらにアメリカのF-35戦闘機に挑戦する能力を持たせ、真に中国空軍が敵に勝ち勝利を制する切り札となる。

ロシアメディアは、中国は戦闘機のステルス技術の研究を加速させ、戦術上の不意討ち実現を勝ち取り、アメリカ製のF/A-18、F-22およびロシア製のスホーイ-30が殲-20を発見し難くする、とする。もし殲-20が相手方からの超視距離での発見を免れることができれば、この機は相当程度相手の自由機動区域を圧縮し、したがって比較的大きな空中対抗における優勢を獲得できる。この他、中国の指揮、通信、情報偵察、情報伝達ネットワークシステムの発展は急速で、中国空軍の敵に対する威嚇能力を大幅に増加させた。ひとたび殲-20を持てば、中国軍のネットワーク中心戦の実施能力は大幅に向上することになり、中国とアメリカおよびその同盟国との間のいかなる衝突も非対称の対抗となることになり、アメリカ軍が最終的勝利を収めることを保証するのは難しくなる。たとえアメリカが伝統的に優勢を持つ領域、例えば飛行員の訓練レベルでも同様に中国から来る脅威に直面することになる。何故なら中国空軍も完備された飛行員訓練養成体制にあるからである。中国とアメリカの潜在的衝突の中でF-35は一定の優勢を持つが、その作戦威力は殲-20の出現につれ急減することが想像できる。現在中国の切り札の打撃を防御し、また避けるため、西側情報機関はあらゆる手を尽くして殲-20の情報をこっそり探っているところであり、飛行機プラットフォーム自体を重視しているだけでなく、殲-20が装備する電子設備にも非常に関心を注いでいる。


 もちょっと冷静に評価できないもんですかね。殲-20の性能は、一応飛ぶことができる事以外まだ全く不明で、大きな問題に直面して大幅に開発が遅れることも、期待された性能に遠く及ばないことも充分あり得ます。書いているうちにどんどん興奮してきたのか内容がエスカレートし、とうとう「中国とアメリカおよびその同盟国との間のいかなる衝突も非対称の対抗となる」なんて書いてますが、中国語で言う「非対称対抗」とは、アメリカとイラクのように極端に実力のかけ離れた者同士の対抗を指し、要するに殲-20を持てばそれを含む中国の戦力がF-22を持つアメリカの戦力に対し比較にならないほどの優勢を持つという意味にしか取れませんが、いくら何でもそれは無茶苦茶としか言いようがありません。











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