殲-31は中国・インド空軍バランスを崩す?

 中国といろいろな面でライバル関係にあるインドも殲-31に注目しているようです。

http://military.china.com/news/02/11078237/20121112/17524141.html


インドのシンクタンク、殲-31は中印のバランスを変える、インドは早急にF-35を必要とする、とする

【グローバルネット総合報道】インド国防分析研究所の分析家Vivek Kapurは11月9日に文章を執筆し、国内航空能力の発展方面において中国は重大な進歩に成功し、殲-31戦闘機の初飛行は解放軍空軍がすでにアメリカやロシアの空軍と対等の実力になる準備を整えたことを示している、とした。殲-31戦闘機プロジェクトの発展につれ、本来インドが全力で維持してきた対中国戦闘機戦力バランスは次第に打破される(スホーイ-30MKIを利用して中国の殲-10、殲-11B/殲-11BSに対応し、スホーイ-30MKK、LCA軽戦闘機、ミグ-29UPG、ミラージュ-2000UPG混合編隊を利用して中国の殲轟-17、殲-8III戦闘機に対応し、インドの第5世代戦闘機計画であるFGFAを利用して中国の殲-20戦闘機に対応する、というバランス)。こうした状況下で、文章はインドに中型多用途戦闘機換装計画を放棄し、アメリカから各種類型のF-35戦闘機を購入する方向に転じ、しかもスホーイ-30MKIとインド軽戦闘機の編隊規模を拡大することを提案している。

中国の現代航空技術は猪突猛進

過去数年で中国は航空業に大規模投資を行い、現在すでに顕著な成績を挙げている。2011年1月11日、中国は中国航空工業第一集団社傘下の成都飛行機社によって研究開発された初の第5世代戦闘機を明るみに出した。当時のある推測は、中国は実際には3つの独立した第5世代戦闘機プロジェクトを展開し、このうち少なくとも1つのプロジェクトは同じく中国航空工業第一集団社に属する沈陽飛行機社によって担当されると信じられているとしていた。事実はこの推測が正しかったことを証明している。‥‥2012年10月31日、沈陽飛行機社によって研究開発された殲-31戦闘機が沈陽において初飛行に成功したのである。

殲-31戦闘機の初飛行成功は、中国を世界で初めてほとんど同時に2種の国内第5世代機の設計を完成させた国にした。現在、ロシアは1種の第5世代機しか持たない。すなわち2011年8月に初めて明るみに出たT-50戦闘機である。アメリカはすでにF-22「ラプター」戦闘機の研究開発と装備に成功している。F-22戦闘機は1997年9月7日に初飛行し、2003年1月14日、F-22は初めてネリス空軍基地に駐屯するアメリカ空軍に引き渡された。第2のアメリカ第5世代機はF-35「ライトニングII」連合攻撃戦闘機である。この戦闘機の発展過程は紆余曲折と言うべきで、かつて何度も遅延した。2006年12月15日、F-35戦闘機は初飛行に成功した。この後、2011年5月5日、この戦闘機は初めてアメリカ空軍に引き渡された。だが、この戦闘機の研究開発作業は依然継続中である。F-22とF-35戦闘機の発展タイムスケジュールは、この2種の第5世代機が決して平行して行われたプロジェクトではないことを示している。例えば上述のようにF-22戦闘機が就役してからF-35戦闘機は初の試験飛行に成功したのである。

現在まで、中国、ロシア、アメリカ以外の国は全て自分の第5世代機プロジェクトを持たない。‥‥インドは自分の第5世代機プロジェクトをロシアと結びつけており、これはロシアのT-50/PAK FAプロジェクトの構成部分である。ヨーロッパ航空戦力の支柱は第4世代戦闘機であり、例えばユーロファイター社が研究開発した「タイフーン」戦闘機やフランスのダッソー社が研究開発した「ラファール」戦闘機である。アメリカは第5世代戦闘機技術の先駆者であり、第5世代戦闘機プロジェクトの所要時間が比較的長いことを責め過ぎるわけにはいかないが、中国の第5世代機領域における成就は少なくとも人に与える印象が深いとは言える。

中国はすでに1950年代から改良版ソ連戦闘機を主に生産していた(殲-6戦闘機はミグ-19戦闘機の複製品、殲-7戦闘機はミグ-21戦闘機の複製品、殲-8戦闘機はミグ-21戦闘機をそのまま拡大したものである)。その後ロシア製第4世代機の複製・改良に発展し(殲-11Bと殲-11BSはスホーイ-27SKを研究開発の基礎にし、殲-15戦闘機はスホーイ-33が研究開発の基礎である)、さらに同時に2種の第5世代戦闘機を自主的に研究開発できるまでになった。‥‥殲-20と殲-31戦闘機である。数十年のうちに、第2世代機から最良の第3世代機まで、さらに第5世代機までの技術的能力の飛躍を実現した。少なくとも人に深い印象を残すと言える。

他の国は中国航空工業の近代化発展過程の中からいくつかの経験、教訓を取り入れることができる。中国航空工業の発展は2種の異なる要素のおかげをこうむっている。まず、20世紀の大部分の時間内、中国は事実上航空技術の封鎖に直面し、中国に自分の技術と装備の発展を強いた。次に、中国解放軍空軍が全力で国内航空工業を支持していることである。

殲-31戦闘機は中印戦闘機の戦力バランスを打破する

インド空軍は中印両国間の国境問題が依然未解決であることをはっきり分かっている。あるメディアは、インド空軍は両国の主要な領土上の紛糾のある地(すなわちアルナチャル・パラデシュ。中国は「蔵南」と称する)付近に基礎施設を建設中である。インド空軍はさらに東北地域の通常部隊の装備を強化中で、この地域にスホーイ-30MKI飛行中隊を配備している。現在スホーイ-30MKIはインド空軍で最も強大な戦闘機である。これと同時に、インド空軍はさらに、より多くのスホーイ-30MKI戦闘機の装備、ミグ-29、ミラージュ-2000などその他の戦闘機の使用寿命延長によって、その戦闘機編隊の実力を向上させている。

インド空軍の言によれば、インド空軍の第5世代戦闘機は2020年前後に就役する。だが、ロシアの、「ゴルシコフ海軍上将」号グレードアップやイリューシン-38海上偵察機のグレードアップなどのプロジェクトにおけるパフォーマンスは、人にこの予定期日に対する懐疑を持つことを禁じ得なくさせる。現在ロシアはすでに、人を心配させる傾向を示している。すなわち、資金の要求を高めると同時に引き渡し期日を遅らせている。このため、インド空軍が2020年前後にその第5世代戦闘機を装備できるか否かに関しては、依然観察が待たれる。

少し前、もし中印国境で激戦が勃発したら、インドはまだ全力を尽くせば解放軍空軍に対応するにあたり空中の優勢を保つことができた。スホーイ-30MKIを利用して中国の殲-10、殲-11B/殲-11BSに対応し、スホーイ-30MKK、LCA軽戦闘機、ミグ-29UPG、ミラージュ-2000混合編隊を利用して中国の殲轟-7、殲-8III戦闘機に対応し、インドの第5世代戦闘機計画(FGFA)を利用して中国の殲-20戦闘機に対応する、というものである。しかし、殲-31の出現はこの状況を変えた。解放軍空軍の第5世代機の数量が増える他、この第5世代機はさらに殲-20戦闘機に対する補充となる可能性がある。

(頑住吉注:これより2ページ目)

こうした状況に直面し、インドが巨資を費やして「中型多機能戦闘機」(MMRCA)プロジェクトを推進し、戦力が第5世代機に及ばないフランスの「ラファール」戦闘機を調達する動きは明らかに極めて賢くない。インド・ロシア合同第5世代機プロジェクトに、インドは300億アメリカドルを投入することになると予測される。インドは同時にもう1つの第5世代機プロジェクトを始動できるのか? その答えは「できない」かもしれない。しかも、インドとロシアの「第5世代戦闘機合同研究開発」自体がもう1つの神話である。T-50戦闘機はすでに2011年に初飛行しており、ある報道は現在ロシアはすでに3機の原型機を製造済みだとしている。試しに問うが、インド・ロシア両国はいかにしてすでに飛んだ戦闘機を合同研究開発するのか? T-50戦闘機がインド空軍の必要性ではなく、ロシア空軍の必要に照らして研究開発されているのは全く明らかである。

インドが中国に対する空中の優勢を維持するにはF-35戦闘機の購入が必要

慎重な消費という考慮から、あるいはインドはMMRCAプロジェクトを取り消し、アメリカからの「ライトニングII」戦闘機調達に転じることを考慮すべきかもしれない。この戦闘機はT-50より早く就役するかもしれず、しかも「ヴィックラマディヤ」号空母とインド国産空母に使用する艦載機にすることもできる。事実、通常離着陸型と垂直離着陸型F-35戦闘機調達による混合編隊は、さらにインド空軍の空軍基地に対する要求を軽減する助けにもなる。しかも、F-35戦闘機プロジェクトから経験、教訓を取り入れ、特にこの戦闘機をライセンス生産することから、たやすくインドのAMCAステルス戦闘機プロジェクトの活動を回復できる。

国内の航空能力発展方面において中国は重大な進歩に成功した。殲-31戦闘機の初飛行は、解放軍空軍がすでにアメリカ・ロシア空軍と対等になる準備を整えたことを示している。2機種の第5世代機の就役につれ、解放軍空軍の「情報化条件下の局地戦争」に性能がより高く、数量がより多い先進戦闘機を投入する能力は、指数式向上を呈することになる。中印両国に疑いの余地のない国境問題が存在していることを考慮すれば、インド空軍にはその装備調達計画を改めて評価する理由がある。あるいはインドは中型多用途戦闘機換装計画を放棄し、アメリカからの各種類型のF-35戦闘機調達に転じ、かつスホーイ-30MKIとインド軽戦闘機の編隊規模を拡大するべきかもしれない。


 「中国の第5世代機領域における成就は少なくとも人に与える印象が深いとは言える」って言えるでしょうか。私はそれが言えるのは戦力化されてからで、まだ使い物になるかも分からない試作機が飛んだ段階では言えないと思います。しかしF-35も成功するとは限らないわけで、日本もインドも次期戦闘機に関しては頭が痛いです。ただインドにはより多くの選択肢があり、F-35、T-50のうちいずれかが中国機より先に物になれば(あるいは殲-20が失敗し、輸出された殲-31の性能がラファール等でも対抗できるレベルと判明した場合でも)一応一安心できるわけで、中国よりはるかに経験のあるアメリカ、ロシアの戦闘機がこけて中国機が成功する可能性は非常に低いでしょう。











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