殲-31をめぐる論争

 殲-31は何のためのものか、実力はどうかをめぐる論争が相変わらず続いているようです。

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殲-31論争を引き起こす:あるいは殲-20の援護に用いられるか 必ずしも艦載機ではない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国航空工業の発展は中国空軍に益をもたらす!」)

殲-31は中国空母の新世代艦載機になる?

昨日(12日)午前、珠海航空展の中航工業の展示台の上に、殲-31に極めて似た第4世代機(ロシアの基準に照らせば第5世代機)の模型が出現した。模型の前の展示パネルには「先進戦闘機概念」と書かれ、いかなる機種名、コードネームも明示されていない(右画像)。(頑住吉注:どこからかの転載で、元々は右に画像があったんでしょう)

10月31日午前、沈陽飛行機が製造した中国の第4世代戦闘機が初の試験飛行に成功した。この機のコードナンバーは31001で、このためネット仲間たちによって「殲-31」あるいは「J-31」と呼ばれている。これは去年初めに成都飛行機が製造した殲-20初飛行に次ぐ、2年以内に中国が登場させた第2の第4世代戦闘機である。

31001試験飛行の勇姿は各大型フォーラムに激烈な討論を引き起こさせた。軍事マニアのネット仲間は次々とご高説を発表し、「殲-31」の性能、用途、そして我が軍にもたらされる実力の改変について盛んに評論した。では、殲-31の戦闘性能には2年前の殲-20に比べてどんな変化があるのか? 我が軍にはすでに殲-20があり、何のためにさらに殲-31を加える必要があるのか? また我が国の2種の戦闘機と、外国軍の最新戦闘機の実力の比較はどうなるのか?

神秘のベールを剥いだ「ちまき機」は今やファルコンイーグル

中国は2つの技術力の非常に高い航空機研究機構を持っている。すなわち成都飛行機工業集団と沈陽飛行機工業集団である。2つのメーカーは長期にわたり良性の競争を保持しており、「二足歩行」で共同して中国航空科学技術の不断の発展を押し動かしてきた。軍の第4世代機の重点プロジェクトでは、成都飛行機が総合的実力に頼って一挙に入札に勝利し、殲-20を登場させた。一方沈陽飛行機も落伍に甘んじず、中航工業の指導により自分で資金を調達して新型機種を研究開発した。これこそが2012年秋に明るみに出た殲-31である。

実際のところ、殲-31のニュースは決して突然ではなかった。1年余り前、殲-20登場の余波がまだ止まなかった頃、早くも西側の情報人員は週刊ジェーン安全保障業務に、別の種類の「中国式F-35A戦闘機」が沈陽で製造中であるとリークし、しかもこの機は2012年9月に試験飛行すると指摘していた。そして2012年6月、1機のぴっちりと包まれた飛行機が公然と公道上で輸送を開始し、一時軍事マニアや外国メディアの熱い関心を引き起こした。ちょうど端午の節句だったので、この機はネット仲間たちからふざけて「ちまき機」と呼ばれ、かつ直ちにこの機の全幅、体積、重量が見積もられた。この後、「ちまき機」に関する画像と細目が不断に披露され、数ヶ月後に大空を飛翔するに至り、軍事マニアたちは歓呼した。「ちまき機がついに来た!」と。この機の尾翼には1羽の眼光鋭い鉄の翼をゆったりと延ばしたファルコンイーグル(すなわち海東青)が描かれていた(頑住吉注:「鶻鷹」というのは造語かと思っていましたが、一応ある言葉のようで、「海東青」とはシロハヤブサの中国東北地方の亜種の俗称だということです)。ファルコンイーグルはこの戦闘機のもう1つの呼び名でもある。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは全て1ページ目と同じです)

兄弟の腕比べ

性能は殲-20にやや劣る

殲-31は先進的多用途戦闘機(AMF)である。外形から見て、この機は単座、双発で、上翼単葉、ダブルの外側に傾斜した垂直尾翼、通常空力レイアウト、機体両側のDSI蚌式空気取り入れルートを採用し(頑住吉注:以前も出てきましたが「蚌」は貝の一種で、ルートの湾曲が貝殻の形に似ているということかと思いますがよく分かりません)、機全体に複合材料を採用し(頑住吉注:「中国航空機への複合材料の応用状況」には「複合材料の〜我が国の軍用機への最大使用量はまだ10%に満たない」とあり、多くの問題が未解決だとされていたのでこれはちょっと信じ難いです)、もって戦闘機の構造重量を軽減している。この戦闘機はステルス機能を持ち、中、低空の機動性能が高く、全天候作戦能力を持つ。全長は16m前後、全幅は10m前後、空虚重量は12トン前後、最大離陸重量は26トン前後と予想される。

これに比べ、2年早く生まれた兄である殲-20は「エンテ翼、ストレーキ、前後のフラップ、全体が動く尾翼」という総合空力レイアウトを採用して飛行コントロール能力を高めており、全長約20m、全幅12〜13m、空虚重量17トン前後、最大離陸重量は約37トンである。

専門家の見積もりによれば、「双発双尾翼」の殲-31はサイズ上、「エンテ式レイアウト」の殲-20に比べ一回り小さいだけでなく、その作戦半径と超機動性も殲-20に及ばない。だが、本体が比較的スマートなので、殲-31のステルス性能は殲-20より高くなる。さらに対地攻撃、近距離作戦など複雑な任務の執行に適している。それでは、未来においてあり得る戦争で、この兄弟はいかに分業するのか?

視点1

パートナーとして分業

殲-31と殲-20は主に「ハイ・ローミックス」であると考えるネット仲間や専門家がいる。殲-20はサイズが大きく、総合性能が良好で、将来において制空権を奪取する主力戦闘機である。一方殲-31は性能が殲-20にやや劣る先進的戦闘機であり、その製造コストは相対的に低廉で、大将軍身辺の副将としていくつかの補佐的任務を担うことができる。例えばアメリカ空軍の2種の第4世代戦闘機も、より先進的で安定したF-22で制空権を保障し、一方相対的に弱いF-35に対地攻撃を担当させるようにである。

しかしこのような視点に不同意の人もいる。アメリカ軍にはF-22とF-35があり、我が軍には殲-20と殲-31があるが、両者の相互関係は簡単にコピーできない。アメリカ軍ではF-35はまさに「汎用低コスト軽戦闘機」であって全面的にF-22より弱く、空戦能力はスホーイ-30にさえ及ばない。このため戦場での位置付けはF-22の制空権に頼って対地攻撃を行うことである。だがこれに対し殲-31は双尾翼双発で、機動性とステルス性が良好で、加えて製造コストが低廉で、さらに空中格闘に適している。さらに加えて中国空軍は領土防衛がメインであり、アメリカ軍は全世界の覇権であり、両者の戦略目的は異なる。仮想される戦争環境と戦闘模式も異なる。故に先進戦闘機の使用方式においても一部差異がある。このため、中国の2種の第4世代機の分業は、あるいは航続距離が長く、弾薬搭載量が大きく、多種の武器を搭載する殲-20が遠距離爆撃制圧を担当し、一方機動が敏捷でステルス性能が良い殲-31は空戦を担当する、このような組み合わせがより合理的である。

(頑住吉注:これより3ページ目)

視点2

新世代艦載機

ここ何年か、第3世代艦載機殲-15のデビュー、および我が国初の空母「遼寧号」の登場につれ、空母(艦載機含む)は軍事マニアの長く栄え衰えることのない関心のホットなポイントとなっている。それでは、殲-31は新世代艦載機になる可能性があるのか否か?

一部の専門家やネット仲間はこの点に同意する。その中で非常に重要な論拠は、今回デビューした殲-31がダブル前輪だということである(一方この機より2倍重い殲-20はシングル前輪に過ぎない)。空母艦載機は離着艦時より大きな衝撃力を受け入れる必要があり(より短い滑走路と上下に揺れる路面)、通常皆ダブル前輪である。この視点は、もし殲-31が空母に配備されたら、先に就役している殲-15とハイ・ローミックスの戦闘群を形成できる、と考える。もし未来の戦争におけるアメリカの艦載機F-18あるいはF-35と比較すると、我が軍の殲-31は性能上の優勢も取得できる。

だが、殲-31は艦載機としては不適合だと考えるネット仲間もいる。何故なら我が軍には海外基地がなく、故に当面における強敵の侵入時、海軍が差し迫って必要とするのは航続力の大きい大型ステルス戦闘機であり、もって作戦半径を拡大する。例えば殲-20の艦載機バージョンである。比較的弱小な敵国の侵入時は、既存の殲-15ですでに優勢を取得するのに足りる。

視点3

輸出機型

本国の最も先進的な機種は自分用として仕舞い込み、やや低級なものを外国に輸出する、これは国際的な軍事強国の慣例になっている。例えばアメリカのF-35はは全世界の発注数がすでに4,000機あるとされる。殲-31の先進性能は殲-20にやや劣り、あんなに多くの核心的機密技術はなく、製造コストも比較的安い。ならば、これを中小の国に輸出すれば、一方においては外貨が獲得され、一方においては我が国の影響力が拡大する。同時に海外における使用状況の観測を通じて、我が国の戦闘機の改良、研究開発に多くの実践例が提供される。ならばどうして喜んでそうしないことがあろうか? 一方「買い主」にとっては、殲-31自体が世界で指を折って数えられるほど少ない先進戦闘機であり、航続距離はやや短く、弾薬搭載量がやや少ないが、実際に買えるものが宝ということもある。

(頑住吉注:これより4ページ目)

相手との腕比べ

あるいは性能はF-35にやや勝るか

殲-31が明るみに出る前、この機はずっとアメリカのF-35との対比に用いられていた。確かに、中国とアメリカは現在2つしかない2種の第4世代戦闘機を持つ国であり、人々の心眼の中で皆がハイエンド対ハイエンド、ローエンド対ローエンドということで、殲-20対F-22、殲-31対F-35に「1対1の殺し合い」をさせたのも全く不思議はない。

F-35は「アメリカおよび同盟国の21世紀における空軍の主力」として21世紀初めに研究開発が開始され、2009年に装備が開始され、現在3つのサブタイプがある(Aは普通離着陸、Bは垂直離着陸、Cは艦載機)。第4世代戦闘機として、この機は比較的強い生存能力、ステルス性能、正確な攻撃能力を備え、比較的製造コストが安く、戦闘半径は1,000km余り、巡航半径は2,000km余りである。この機には非常に多くの問題が存在する。その速度は不充分で(マッハ2余りでしかない)、性能の安定性も非常に疑わしい。一方本来3,000万アメリカドル前後だった単価は、2010年までに1億アメリカドル余りに高騰した。「中、低ランク戦闘機」としてはこの価格はやや高くもあると言える。

では、殲-31はF-35に対してということで言えばどうなのか?

飛行機の寸法から見て、殲-31はF-35よりやや大きい。この機の機体はよりスマートで、全幅は大きく、断面積が小さく、故に空気抵抗が小さく、このため機動性能上優位を占める。だが比較的大きい燃料消費量と比較的少ない燃料搭載量は、殲-31を飛行半径方面において相手よりやや弱くする。一般的見積もりでは、もし殲-31とF-35が空中で接近戦を行えば、「ちまき機」が優位を占めることになる。当然、これは決して一切を説明できるわけではなく、結局のところF-35はアメリカ軍の体系の中では主に対地攻撃に用いられるのである。さらに我が国の空軍の真の実力の地位が、殲-20、殲-31およびその他の先進戦闘機との総合的組み合わせ、そして具体的戦略、戦術的運用を決定付けることになる。


 これはかなり楽観的立場ですね。現時点でF-35との実力比較なんてできるわけがないです。しかしF-35の空戦性能がスホーイ-30にも及ばないってのはどういう根拠で言っているんでしょうか。










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