中ロ海軍演習に参加した兵器

 演習自体はもう終わってますが。

http://military.china.com/news/568/20150824/20253756.html


中ロ軍事演習の武器:ロシアのミサイルは空母に脅威を与える 中国サイドの魚雷は世界でも先進的

8月20日、コードネーム「海上連合-2015(II)」の中ロ海上合同軍事演習第2段階がピョートル大帝湾海域、(頑住吉注:日本語にない漢字を使った不明の地名)沿岸地域および日本海の海空域で開幕した。今回の合同軍事演習の中に、両国海軍がどれだけの尖兵利器を投入することになるのかが広範な関心を引き起こしており、今我々はちょっと総ざらいしてみてもよい。

対艦武器

前世紀の2回の世界大戦の中で主力の海戦武器に充当された大口径艦砲はとっくに、射程がより長く、正確さのより高い対艦ミサイルによって取って代わられている。今回の演習の中で、中ロ両軍はいずれも世界に先んじた対艦ミサイルの機種を持ち出す。

中国サイド

中央テレビの報道によれば、054A型主力護衛艦上に配置される国産「鷹撃」系列ミサイルは、その射程が100kmあまりを超え、主に各種大、中型水上艦艇(例えば巡洋艦、駆逐艦、上陸艦など)の打撃に用いられる。説明によれば、「鷹撃」系列対艦ミサイルは一定のレーダーステルス能力を持ち、攻撃目標への接近時さらに蛇行した機動での飛行を行い、敵サイドの艦載武器の迎撃火力を避けることができ、このため比較的強い防御突破能力を持つ。

事実として去年の珠海航空展で中国の軍事工業企業は「鷹撃」ミサイルの空中発射輸出型であるCM-802AKG対艦ミサイルを展示し、これは作戦機によって搭載されることができ、重量は約670kgで、戦闘部の威力が非常に大きく、射程は200kmを超え、赤外線ビデオ通信、飛行途中でルートを変えるなどのメリットを持ち、陸上と海上の多種の目標を柔軟に打撃できる。中国海軍が自ら用いる「鷹撃」対艦ミサイルは疑いなくより威力を持つだろうと普遍的に考えられている。

ロシアサイド

外観がコンパクトで重量が適度な「鷹撃」ミサイルに比べ、万トンの巨艦によってのみ搭載できるロシア製P-500「玄武岩」(NATOのコードネームはSS-N-12「サンドボックス」)対艦ミサイルは「気勢人に迫る」の表現を用いて形容することができる。このミサイルは長さだけでもう17mあり、さらに戦闘部の重量は1,000kgに達し、空母などの大型艦艇であっても1発命中すれば災厄から逃れ難い。

「玄武岩」の誕生は比較的早かったが、その独特の「ミサイル編隊」機能により常に栄えて衰えることはなく、今に至るもロシア軍対艦作戦の主力武器に充当されている。いわゆる「ミサイル編隊」とは次のようなものである。最多で8発の「玄武岩」ミサイルによって編隊を組成し、このうち1発を「ナビゲーション弾」として指名、派遣してナビゲーションレーダーを作動、5,000〜7,000mの高空飛行を保持させ、その他の「僚弾」は「ナビゲーション弾」のナビゲーションの下に超低空沈黙飛行を保持する。もし「ナビゲーション弾」が途中で撃墜されたら、制御誘導システムは自動的に1発の「僚弾」を指名、派遣して高度を上げさせ、「ミサイル編隊」が目標に接近するまでナビゲーション任務を引き継がせる。

提示しておくに値するのは、ロシアがかつて飛行速度がP-500ミサイルに比べより速いP-270「白蛉」対艦ミサイル(設計局のコードナンバーはZM80)を研究開発していたことである。だがP-270「白蛉」ミサイルの射程は120kmしかなく、P-500「玄武岩」ミサイルの500kmの射程よりずっと短く、かつP-270ミサイルの戦闘部は重量300kgしかなく、その威力はこれをもって空母などの大型艦艇に重大な損傷を負わせるには不足であるため、ロシア海軍艦艇の補助武器とするしかなく、かつ輸出市場に投入された。

対潜武器

掃海、防空そして対潜は、各国海軍公認の「海戦の三大難題」である。このうち対潜作戦はさらに危険が至る所に潜んでいるため、「勇者の戦い」と見なされている。中ロ「海上連合」演習発展の歴史的過程を縦覧すると、対潜訓練は終始「重要中の重要事」で、今年も例外ではなく、両軍いずれも現役で最も先進的な対潜武器を持ち出している。

ロシアサイド

ロシアの「情報報」の報道によれば、ロシア海軍水上艦は遠中近3層の潜水艦攻撃火力を持つ。1155型対潜艦(NATOのコードネームはUdaloy級)を例にすると、その遠距離対潜武器は2機の「Ka-27PL」対潜ヘリ、中距離対潜武器は4連装の85RU型「漏斗」対潜/対艦両用ミサイル2基および4連装魚雷発射管(口径533mm)2基、近距離対潜武器はRBU-6000型12本バレル対潜ロケット発射器2基である。このうち85RU「漏斗」システムは3種のミサイルの発射が兼用でき(83R「瀑布」、86R「風」、84R「暴風雪」)、射程は55kmを超え、アメリカの大型原潜に対抗できる。もし核戦闘部を配備すれば、敵潜水艦隊全体を殲滅することさえできる。ロシア地縁政治問題研究院副院長シフコフの言い方を用いれば、「戦略的影響を持つ」。

(頑住吉注:これより2ページ目)

強調することが必要なのは、対潜武器は水中音響探知計測システムの正確位置決定に頼ることが必須だということである。ロシア海軍の説明によれば、ロシア現役主力艦はいずれも「プラチナ-MS」あるいは「多項式」ソナーシステムを配備し、その標準探知計測距離は2〜6kmで、最大探知計測距離は10〜45kmで、ロシア軍艦艇に敵潜水艦との「安全距離」を保持させるに足りる。

中国サイド

ロシア海軍が専門の対潜艦を採用しているのとは異なり、中国海軍は続々と退役している037系列駆潜艇を除き、専門に設計された対潜艦はない。だがこれは決して中国海軍が対潜作戦を重視していないことを意味しない。現在中国海軍現役主戦艦艇は全て一定の潜水艦捜索、攻撃能力を持ち、今回演習に参加する多くの艦艇はその低騒音特性、艦載ソナーとの結合により、良好な水中目標識別能力を持ち、水深の浅い区域や海の状況が悪い下であっても依然比較的良好に目標を発見することができる。これに対応するのは、中国艦艇が装備する対潜魚雷が同様に世界先進水準に到達していることである。「解放軍報」の説明によれば、半世紀近い発展を経て、中国国産魚雷の機種はどんどん多く、性能はどんどん先進的になり、先進的な複合制御誘導魚雷は人民海軍に複雑な環境下で「遠距離、正確、非情」な打撃を実施させることができる。

偵察指揮プラットフォーム

現代の海空作戦は、威力が巨大な武器を必要とするだけでなく、さらに正確で適時な情報偵察捜索能力と正確な指揮コントロール能力を必要とする。今回の演習の中で、中ロ双方いずれも現役主力偵察指揮プラットフォームを動員している。

中国サイド

中国軍が派遣した空警ー200早期警戒指揮機は去年の中ロ海軍合同演習の中で大いに異彩を放った。「中国国防報」の説明によれば、演習中合同指揮部は突然海上の艦隊に向け「敵」情を下達した。青サイドは航空隊を派遣し模擬ミサイルを用いて赤サイドの艦艇艦隊を襲撃した。「これと同時に1機の空警ー200が東海艦隊某飛行場から鋭く長い音を立てて離陸した。この機の提供する情報を根拠に、赤サイドは直ちに2機の味方サイド戦闘機を誘導して任務空域に向かわせ、不明の空中目標に対し調査識別を行い、海上の赤サイド艦隊も迅速に防空陣形を調整した。空中と海上の「鉄壁の防御ライン」に直面し、青サイドの戦闘機は引き返すしかなかった。

今中国海空軍は空警ー200の運用に対しすでに熟練の状態に達し、この機が搭載する機背部の「平均台」レーダーは機体両側240度の方位にしかスキャンが行えないが、戦術戦法の設置の強化(例えば早期警戒機の航行ラインの最適化)によって補うことができる。できる限り「平均台」レーダーアンテナアレイ面を全部利用し、探知計測の死角を減らすのである。

ロシアサイド

空警ー200に比べ、ロシア海軍航空隊のイリューシン-38哨戒機は「冷戦の老兵」ということができる。1960年代に就役して以来、この哨戒機は百をもって数えられる重大な軍事行動を経歴し、今に至るもなお年は取っても意気盛んである。

イリューシン-38は巡航範囲が大きく、上昇限度が高く、巡航範囲は北極空域に達し得、最大上昇限度は1.1万mに達し得る。これは同類哨戒機で最大である。ロシアサイドが発表するデータは、イリューシン-38は4台のエンジンを装備し、最大離陸重量は約60トン、最大水平飛行速度は時速645km、巡航速度時速595km、最大航続距離7,200km、航続時間12時間であることをはっきり示している。

現在ロシア太平洋艦隊が装備するイリューシン-38哨戒機は機体腹部の前部にふざけて「チョコレート」と呼ばれるレドームを装備し、機体後部の垂直尾翼に近いところには細長いカヌー型アンテナカバーが装備され、さらに機体各所にあまねく分布するアンテナとセンサーがある。イリューシン-38哨戒機は国際空域で地平線の外の電波をキャッチできるだけでなく、さらにロシア海軍が各種レーダーあるいは無線電信号を特定するために便利を提供することができる。戦時において、イリューシン-38は友軍のためにリアルタイムの戦術電子偵察を提供し、友軍に脅威から身を避けさせ、かつ目標をロックオンさせることができる。今年7月に就役したグレードアップ版イリューシン-38哨戒機は320km以内の艦船を偵察できる。

防空武器

各国海軍水上艦艇にとって、いかにして敵サイドの航空隊および海をかすめるようなミサイルの飽和攻撃に対抗するかは生死に関わる大事である。中ロ海軍は特に戦闘艦の独立した防空能力を重視しており、今回演習に参加した中ロ海軍艦艇は各自先進的な防空武器を装備している。

(頑住吉注:これより3ページ目)

中国サイド

今回の軍事演習の中で、054A型護衛艦が配備する国産「海紅旗-16」中、近距離区域防空システムはすこぶる注目を集め、これは32のミサイル垂直発射ユニットを持ち、艦橋と前部主砲の間に配置されている。公開されている情報は、「海紅旗-16」防空システムは主に近距離防空任務を担い、その作戦目標は戦術飛行機、対艦ミサイル、戦術空中発射型ミサイル、ヘリ、無人機であり、中、低空の範囲内で大規模な空中襲撃や海をかすめて飛行する対艦ミサイルの攻撃に対抗できることをはっきり示している。

「海紅旗-16」の他、中国海軍艦艇には近距離防空方面でさらに730近接防御砲があって歩哨に立っている。これは中国初の自主研究開発した近接防御武器で、目標捜索レーダー、光電子追跡装置、7本バレルの自動火砲が集成され、デジタル化射撃方案を採用し、全自動方式をもって作動し、独立した交戦能力を持つ。火砲は7本の30mm口径の砲身を持ち、毎分4,200発の砲弾を発射することができ、射程は3,000mである。現在中国の052B、052C、051C型駆逐艦および054A型護衛艦がいずれも730近接防御砲を搭載している。

ロシアサイド

中国海軍と似て、ロシア海軍は「暗礁」対空ミサイル、「ハリケーン」対空ミサイル、AK-630近接防御砲をもって遠、中、近3層の防空迎撃網を構成している。

「暗礁」はロシア海軍現在唯一の艦載遠距離防空システムだが、サイズが非常に大きいためキーロフ級巡洋艦および光栄級巡洋艦にしか配備できない。説明によれば、「暗礁」システムが発射する48N6E型ミサイルは遠く90km離れた敵機あるいはミサイルを打撃することもできれば、突然に味方サイドの艦艇からの距離5〜7kmのところに出現した目標も迎撃できる。このミサイルは非常に高い打撃効能を持つため、ロシア水兵は習慣的に48N6E型ミサイルを「鉄の手」と呼んでいる。

「暗礁」に比べ射程がやや短い「ハリケーン」防空システムは主にロシア海軍956型現代級駆逐艦上に配備され、その主体は回転可能な形式の単一アーム発射架と予備ミサイル24発(9M38型ミサイル)のサイロ式弾薬庫で、弾薬庫内のミサイルは12発一組をもって輪状に吊り下げられた状態を呈してレール上にあり、快速再装填ができ、連続発射間隔は5秒しか必要としない。ロシアサイドが発表するデータは、9M38型ミサイルの射程は3.5〜25kmで、飛行高度15mから1.5万mまでの固定翼目標、および飛行高度10mから1万mの対艦ミサイルが打撃できることをはっきり示している。もし2発のミサイルで単一の目標を打撃する模式をもってすれば、固定翼機に対する殺傷確率は81%以上である。

ひとたび「暗礁」と「ハリケーン」がいずれも迎撃に失敗したら、ロシア海軍艦艇に密集して配備されたAK-630型6本バレル近接防御砲(口径30mm)こそが最後の「ゴールキーパー」である。この砲は重量1,000kg、毎分5,000発近い砲弾が発射でき、射程は4kmを超え、密な弾幕を形成することができ、ふざけて「金属カッター」と呼ばれる。


 たぶん演習を通じて相互の長所短所も分かり、中国は改善の材料にもするんでしょうが、ロシア側は予算的に分かっていても改善できない問題が多そうですね。
















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