殲-20、2017年には量産開始か

 重複部分も多いですが殲-20の現状に関する詳しい記事です。

http://military.china.com/important/11132797/20130710/17937714.html


6機の殲-20、閻良に赴く 2017年量産の見込み

(頑住吉注:この記事の画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなのでなので省略します。)

7月2日、関心を集める中国の第4世代国産ステルス戦闘機殲-20が再度飛び立ち、2回、それぞれ長さ1時間に達する試験飛行を行い、試験飛行中メイン弾薬コンパートメントに初めて弾薬を搭載した。その前、殲-20戦闘機はすでに成都から閻良に場所を移して試験飛行していた。ある分析は、成都における試験飛行は探りを入れる試験飛行に属し、一方閻良における中国試験飛行研究院の試験飛行は定型試験飛行と呼ばれ、これは全体の試験飛行過程の第2歩目である、とする。慣例によれば、中国試験飛行研究院の試験飛行を経た後、この戦闘機は即試生産段階に入り、その後すぐ空軍部隊入りして正式な就役を開始する。

空中燃料放出、弾薬コンパートメント開放にはこだわるべき点が多い

殲-20は成都飛行機設計研究所によって設計された。成都飛行機工業社のこの重戦闘機は殲-10、殲-11など第3世代制空/多用途戦闘機に取って代わるのに用いられる。2011年初めの試験飛行以来、成都はすでに4機の殲-20原型機を組み立て済みである。説明によれば、空中防御突破、空地結合、攻防兼備は殲-20戦闘機の突出した特徴である。殲-20はステルス飛行、超音速巡航、超機動、超次元相互接続など新世代作戦機の通常の特徴を持つだけでなく(頑住吉注:最後のだけ意味分かんないんですが)、さらに長航続時間飛行、超遠距離打撃など「特異な機能」を持つ。

説明によれば殲-20は中国の第4世代重戦闘機であり、全世界の多種の優秀な戦闘機の素晴らしい設計を一体に融合したものである。例えば、殲-20はアメリカのF-22の菱形の機首と一体式金メッキキャノピーを採用し、しかもこれを基礎に揚力体設計を最適化している。この機はさらにアメリカ製F-35戦闘機のDSI空気取り入れルートの改良型とEODASシステムの改良版(アメリカのF-35に比べさらに先進的)を参考にしている。また、殲-20はさらにロシアのT-50の全体が動く垂直尾翼(殲-20は左右の垂直尾翼全体が別の動きをする)、3D推力ベクトルなどの先進技術を採用している。

「新華ネット」の報道は、殲-20の第2機目の原型機「2002」号機は6月20日に試験飛行を行った、とする。今回の試験飛行の過程で殲-20は空中燃料放出の動作を行った。中国の軍事専門家宋心之は次のように解説する。重戦闘機は燃料搭載量が比較的多いが、その脚の設計はできるだけ軽いことも要求され、重すぎてはいけないので、こうなると脚の構造強度に影響する。このため、機がもし燃料満載で着陸したら、脚に対する衝撃は一定の損害をもたらす。この時余分の燃料を空中で応急的方式を使って燃料放出口から放出することが必要となる。空中燃料放出は一般に都市上空や住民の居住区上空で行うことはできない。放出された燃料は素早く霧状になって希釈されるが、空気、環境に対しなお一定の汚染があるからである。

(頑住吉注:これより2ページ目。)

宋心之はさらに一歩次のように説明する。空中燃料放出は複雑な科目であり、もし飛行機の燃料搭載が比較的多いと安全迅速に応急空中燃料放出を行えるか否か試験することが必須となる。1つには燃料放出後それを迅速に霧状にして分散させる必要がある。次に、燃料放出の過程で飛行機の重心の急激な変化が引き起こされないことを確保する必要があり、それぞれの燃料タンクの燃料放出の前後の順序を考慮する必要がある。彼は、戦闘機がどこで試験飛行をするかは飛行においてどんな動作をするかよりずっと重要だと語る。殲-20戦闘機は成都から閻良に場所を移して試験飛行しており、このことは殲-20がもはや単純に工場によって性能を探る試験飛行を行っているのではなく、国家に引き渡されて正式な定型試験飛行を行っていることを意味する。これは審査の性質をもって戦闘機の性能が一定の水準に達しているか否かを検証するものである。閻良での試験飛行は各種のテスト機器を装備する必要があり、一切はデータで語られるが、当然飛行員の感覚も別の評価の方式である。

7月2日の試験飛行過程で、殲-20戦闘機は2度飛び立ち、それぞれ長さ1時間の試験飛行を行った。最も重要なのは今回の試験飛行過程で殲-20戦闘機のメイン弾薬コンパートメントと側面弾薬コンパートメント全部でミサイル搭載試験が行われ、しかもメイン弾薬コンパートメントは初めてミサイルを搭載する搭載架の出し入れの試験を行った、ということである。

現代の戦闘機の搭載方式には主に機内、機外の2種が含まれる。機外搭載の特徴は技術的に成熟しており、搭載方式が柔軟なことで、欠点はレーダー反射面積が大でステルス性に不利なことである。機内搭載は主に大型機とステルス機に用いられ、非常にはっきりしたこととしてこれは機体の横断面積を増加させ、抵抗を増大させる。ステルス機に関しては弾薬コンパートメントの形状の制限ゆえに、寸法がやや大き目な弾薬は機の腹部に収めることが難しく、このことは武器の射程と威力を制限する。また、ステルス戦闘機は爆弾投下あるいはミサイル発射時、弾薬コンパートメントを開くことが必須である。いかにステルス化を行っても、またミサイルの投下あるいは発射時の機体に対する影響をできる限り減少させることはできるが、これはステルス戦闘機研究開発の難点の1つである。

殲-20戦闘機がこの種の試験を行ったのは、飛行時の弾薬コンパートメント、搭載架システムの作動の安定性をテストし、かつ空中で弾薬コンパートメントを開くことの飛行状態に対する影響を検証し、後続のテストのために経験を累積するためである。このことは、殲-20が正式就役までどんどん近くなっていることを意味する。ある分析は、アメリカ製のF-22に比べ、殲-20戦闘機のテスト中のパフォーマンスはより完璧に近い、とする。F-22戦闘機は弾薬コンパートメントを使った投射テスト時、多くの問題が発見され、これは例えば投射の飛行パラメータが試験要求に到達し難く、弾薬発射システムの故障率が高めで、ゲートを開くことの飛行速度に対する影響が比較的大きいなどの問題だった。

(頑住吉注:これより3ページ目)

閻良試験飛行院に6機の殲-20が集合へ

最近、中国の殲-20戦闘機が頻繁に試験飛行を行い、西側の情報機構を大いに驚愕させている。これはこのプロジェクトの進展が予想をはるかに超えているからである。では、殲-20戦闘機は正式装備されるまでに一体どんな試練を経る必要があるのだろうか?

説明によれば、試験飛行という角度から言うと、3つの過程を経る必要があり、それでやっと最終的に現役に投入できる。

第1は工程試験飛行である。飛行機の製造を請け負ったメーカーが軍の設計思想に基づいて新型戦闘機を研究開発し、製造工場における生産が完成した後、初飛行による検証を行う必要がある。軍は参与するが、この過程は主に工場の基地で行われ、飛行機の基本的な安定性、操作性を検証し、機が独自かつ安全に定型試験飛行を行う試験飛行基地まで飛べることを確保する。この過程でメーカーは初飛行で発見された問題と軍が出した意見を根拠に戦闘機に対し部分的な改修を行い、かつ何度もの試験飛行の反復によって戦闘機を検証し、もってさらに一歩戦闘機の設計の欠陥を暴露し、かつ逐一改良する。この過程は比較的長いが、最終的に出現するのは性能が優良な戦闘機である。各方面が一定の水準に達した後、戦闘機はやっと専門の試験飛行研究機関に赴いて定型試験を行う。このことは新型戦闘機が検証機から工程発展の段階に入ったことを意味する。

第2は定型試験飛行である。この段階は通常陜西省の閻良に位置する中国試験飛行研究院によって完成される。ここには中国の多くの精鋭試験飛行員が集中している。第1段階のリスクは最大で、費やす時間が最も長く、科目は最多である。この段階では、基本飛行性能から周辺科目まで、航空電子システムから機載武器まで全てを試験飛行大綱に基づいて全面的にテストする必要がある。このうち航空電子と記載武器の試験は試験飛行全体の60〜70%を占める。非常に多くの高強度の境界科目と特殊状態試験飛行のリスクは非常に大きく、例えば失速、きりもみ、低空急降下試験飛行などである。当然戦闘機の実際の性能に基づき、ロシアの「コブラ」、「ベル」、「360度転向」のような高難度の動作を独創してもよい。

(頑住吉注:これより3ページ目)

第3は武器の標的射撃試験である。定型試験飛行完成後、戦闘機はさらに作戦使用機能の試験飛行を行う必要がある。この試験をパスしてこそ戦闘機は正式に部隊装備され得るのである。この段階のテストの中では、戦闘機は戦場環境での各種武器投射、標的射撃試験を行い、もって武器システムの実際の機能および人・機械結合による武器使用の熟練度などを検証する。この段階は通常、間もなくこれを装備する部隊によって行われる。そうした新型機装備のために選定された部隊は新戦闘機の作戦使用大綱の規定する科目に照らして試験を完成させることが必須で、それでやっと成功と評価される。この段階の試験を通過した後、新戦闘機は正式に部隊入りして就役できる。全部の飛行員がいずれも審査に合格し、規定の戦闘機就役数に到達した後、やっとひとまずの作戦能力を形成したと評価される。

このことから、殲-20戦闘機の試験飛行はすでにカギとなる重要な第2段階に入っていることが分かる。この段階に入ったことは、殲-20戦闘機の全体構造が安定に向かい、改変の範囲がもはや大きくないことを示している。この段階の後期において、メーカーは試生産段階に入り始める。殲-20の2機の原型機が閻良に到着した後、後続の試生産型である2003〜2007号機は、このうち1機が静力試験(頑住吉注:静止状態で負荷をかける試験)を行うのを除き、大部分は中国試験飛行研究院に到着して定型試験飛行を行うことになる。

では、殲-20はいつ就役するのか? 殲-10戦闘機の研究開発過程から見ると、殲-10は初飛行から少量生産型の初飛行まで51か月使い、戦闘力形成までは70か月使った。殲-20戦闘機の技術はより複雑で、必要とする時間はより長くなるかもしれないが、2017年になればやはり大量生産の段階に入ることができ、かつ2018年前後にはひとまずの作戦能力を形成すると見られる。中国の試験計画にすでに加速の兆しがあることにかんがみれば、殲-20戦闘機がより短い時間内に就役する可能性もある。

(頑住吉注:これより5ページ目)

殲-20、弾薬コンパートメントを空中でテスト 新型ミサイルを搭載

殲-20はK-100超遠距離空対空ミサイルを搭載しようとしている可能性がある。

殲-20戦闘機の反復した試験飛行と同時に、国内外のメディアもより密集の度を加えて殲-20戦闘機試験飛行の意味とその作戦性能を推測している。

ある分析は、何度もの試験飛行の過程から、殲-20の目標の位置付けが高く、これをもって世界で最も先進的なアメリカ軍の第4世代戦闘機F-22に対処する主旨であることが見て取れる、とする。また、殲-20は先進的なステルス能力を持つのと同時に、その電子システムおよび火力コントロールシステムもF-22と同等の作戦能力を持つ。提示しておくに値するのは、殲-20は強大な短距離離着陸能力を持ち、空母艦載機に改装するのにより適している、ということだ。

作戦性能に関して言えば、殲-20戦闘機は霹靂-21複合動力遠距離空対空ミサイル、霹靂-12Dアクティブ・パッシブダブル模式制御誘導中距離空対空ミサイル、新型の霹靂-10近距離空対空ミサイル、雷石-6正確制御誘導滑空爆弾、中、短距離空対地ミサイル、および北斗正確制御誘導爆弾として改装された自由落下爆弾など各種の先進的な正確制御誘導武器を配備することになる。また、殲-20はさらに23mmダブルバレル機関砲、2発の赤外線曳光箔条(頑住吉注:いわゆるチャフだと思われます)妨害弾、4基のロケット弾発射器、霹靂-8近距離空対空ミサイルを配備する。このことから、殲-20戦闘機の火力が極めて強大であることが分かる。

(頑住吉注:これより6ページ目)

別の分析によれば、将来殲-20戦闘機は「戦力倍増器」と称するに堪えるK-100超遠距離空対空ミサイルを配備し、したがって超遠距離空中打撃能力を持つことになる。ひとたび殲-20戦闘機が部隊装備されれば、その作戦半径は南沙諸島全体をカバーし得る。殲-20の作戦半径は1500〜2000km程度で、もし海南島の飛行場から離陸したら、作戦範囲は南沙諸島のあらゆる島礁をカバーし得る。殲-20自体非常に強い作戦能力を持っており、航続距離さえ充分ならこの機は南沙諸島全体の最南部、最西部、最東部の島礁のカバーいずれに対しても非常に有効である。殲-20の2000kmにも達する作戦半径は、海南の三亜から飛び立って万安灘周辺の海戦に参加でき、しかも空中給油を必要としない、ということを意味する。万安灘は南海の諸島の中で外国に侵略占領されている、距離が中国大陸から最も遠い島礁である。つまり、ひとたび南海で状況が出現すれば、殲-20は有効に海軍作戦を支援できる。もし殲-20戦闘機が永興島から飛び立って南沙諸島に赴いたら、航程はさらに少なくとも1/3短縮される。

だが、ある軍事専門家は次のように指摘する。殲-20戦闘機を利用して南海を巡航するのは「高射砲で蚊を撃つ」ことそのもので、実戦配備の意義は大きくない。何故なら南海周辺諸国が将来、アメリカ軍のF-35戦闘機を装備あるいは購入する可能性は大きくないからである。殲-20の作戦目標はアメリカが太平洋方面に配備するF-22、F-35などの戦闘機である。航続距離から見て、殲-20戦闘機はグアム島に駐屯するアメリカのステルス戦闘機に対し攻撃と作戦を行う能力が完全にある。


 肝心の2017年には量産開始可能とする根拠が示されていませんが、確かに進度は加速しているようですし、可能性はあるでしょう。しかしエンジンの問題もあり、言うほどすごい性能が出るかは依然疑わしいです。













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