ロシアのサイバー戦部隊の現状

 中国や北朝鮮より話題になることが少ない感じですが。

http://military.china.com/news2/569/20130903/18029855.html


ロシア軍は大型ボットネットなど多種のネットワーク攻撃手段を持つ

放送局との連動企画

ロシア国防省副大臣アオスタビャンコは最近声明を発表し、今年年末にロシアは新たな兵種、つまりネットワークセキュリティ部隊を設立し、その主要な任務はネットワークに対する脅威と戦うことで、これには有害なソフトの「ハンティング」、ハッカー攻撃への反撃が含まれ、同時に外国からの輸入設備の中に敵が「隠したもの」を捜索する、とした。ではロシアは何故このタイミングでネットワークセキュリティ部隊を設立しようとしているのか? また設立後、この部隊はどのような作用を発揮することになるのか? 関連の話題につき、中央テレビ局記者は軍事科学院研究員の李抒音にインタビューを行った。

ネットワークに対する脅威は日増しに激化し、ロシアのネットワーク戦力量の建設が日程に上がった

近年来、多くの国がネットワークに対する脅威に対抗する部隊を設立した。4年前、アメリカはネットワーク軍の設立を宣言し、現在人数はすでに5,000人近い。イスラエル、日本、イギリス、ドイツ、イランなどの国も続々とネットワーク部隊を成立させた。特にアメリカで最近発生したプリズム事件はさらに多くの国にネットワークの安全がもたらす脅威に対抗する決心をさせた。

李抒音は、実際にはロシア軍にはとっくにネットワーク戦部隊を建設する考え方があった、と考える。アメリカの不断に増強するネットワーク戦能力に直面し、ロシアが手をこまねいて傍観していることはあり得ない。アメリカのプリズムプロジェクトがスノーデンによって暴露されて以後、ロシアはより切実にネットワーク安全領域から来る脅威を感じるに至っている。このため、ネットワーク司令部とネットワーク戦部隊設立も加速して展開されている。少し前、ロシア大統領プーチンはすでに関連部門に下令し、有効にネットワーク空間の脅威に対応する準備を整え、関連の基礎施設、特に戦略的設備、およびカギとなる重要な任務に関する設備の情報システムの防御能力を向上させることが必須だとした。彼はさらに、いわゆるこの種の情報攻撃はすでに各国によって軍事および政治目的の実現に用いられている、と強調して語った。これらの情報攻撃の威力は通常兵器さえ超える可能性があるのである。

ロシアのネットワーク戦力量はアメリカに及ばず、ただし重点を絞った能力を持つ

ある専門家は、軍事電子技術領域における長年の立ち後れがロシア武装力量の最も主要な弱点であるとする。ロシア軍が設立しようとしているこのネットワーク部隊の肩には重任がのしかかっていると言える。では現在その建設の進展状況はどうなのか?

李抒音は、ロシア国防省はすでに2014年以前にネットワーク戦司令部を組織する決定をし、関連の作業はすでに展開されている、とする。具体的な分業は、総参作戦総局はネットワーク作戦の規則と戦法の制定を担当し、組織動員総局は高級ネットワーク人材の募集を担当する。実はロシアがネットワーク戦部隊を組織しようとしている、というのは決して現在ネットワーク作戦力量がない、と言っているわけではなく、現在は組織編成としてのネットワーク作戦力量がないということに過ぎない。

全体的に言って、ロシアのネットワーク戦の武器はやはり比較的先進的で、主に本国国産設備の使用が提唱されている。例えばロシア軍は現在もう大型ボットネット、無線データ通信妨害機、コンピュータスキャンソフトウェア、ネットワークロジック爆弾、コンピュータウィルスなど多種のネットワーク攻撃手段を持つ。現在研究開発中の遠距離ウィルス武器は無線あるいはレーザー路線を通じて直接敵サイドのコンピュータシステムに植え付けられ、敵サイドの指揮コントロールシステムに対する直接の危険を構成し得る。全体的に見て、ロシア軍のネットワーク戦能力は米軍と比較することはできないが、それでも比較的強いネットワーク対抗、偵察能力、浸透能力、心理攻撃能力、ネットワーク全体の攻撃、破壊能力を持つ。

ロシアは攻防兼備だが防をメインとし、各部門の協調、協力が突出する

理解されているところによれば、ロシア連邦安全局には情報セキュリティセンターがあり、これと国防省が建設しようとしているネットワークセキュリティ部隊のそれぞれ担当する任務は異なる。情報セキュリティセンターの任務はテロ行動に直面した状況下で、正常なネットワーク関係ルートを通じてネットワークの脅威と闘争することである。一方ネットワークセキュリティ部隊は戦略施設に対する絶え間ない支配を保障し、いかなる人も軍隊の戦備状態の破壊を妄想できないようにさせる必要がある。ではもしロシアのネットワークセキュリティ部隊がスムーズに完成したら、どんな具体的任務を担うのか?

李抒音は次のように言う。ロシアは攻防兼備だが、このうち防をメインとする。防御の対象には軍事目標も含まれるし、国家の重要な基礎ネットワークシステムも含まれる。主に国産のソフト、ハードウェア暗号化技術を採用し、物理的隔絶、ファイアーウォールの設置などの方式を利用し、許可を経ないネットワークへの侵入を遮断する。彼らはさらに輸入設備の中に存在する、ロシアのネットワークの安全に対し脅威をもたらす可能性のあるいくつかの部品等々を発見することもできる。ロシア軍のネットワーク攻撃は主に相手サイドの抜け穴を探し出すことに重点が置かれている。敵の弱点に対して影響を与えてこそ、合理的に既定の目標が達成できるのである。また、ロシアのネットワークの安全を確保するのは単にロシア軍の1部門だけの任務ではなく、その他の部門の任務でもある。例えばロシア連邦安全局情報セキュリティセンターはネットワーク作戦の任務を担っている。だがこれらの部門にはそれぞれ分業がある。ロシア国防省がネットワーク司令部とネットワーク戦部隊を組織すれば、ネットワーク戦能力は大幅に強化されることになる。(このコーナーは科技日報軍事部と中央人民放送局「国防時空」「晩高峰視軍情」コーナーによる共同主催である)


 もちろんこの分野で疑いをかけられることが多い中国が、「ロシアにも実は高い能力があるし体制を強化している」と言って目をそらそうという意図が含まれている可能性もありますが、ロシアはアメリカはもちろん中国から秘密を盗まれるなどの可能性もあり、危機感を強めているのは確かなんでしょう。














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