ロシア、シリアを新兵器を検証の場に

 シリア情勢の注目度はどうも日本より高い感じですね。

http://military.china.com/important/11132797/20151008/20520268.html


ロシアのシリア空襲は新兵器を検証する 毎日の資金消耗は約数十万のみ

ロシア軍が9月30日から開始したシリアの「イスラム国」(IS)目標に対する空襲からすでに1週間が過ぎ、これはアフガニスタン戦争以来ロシア初の大規模な国外で行う空襲作戦である。今回の空襲の中で、ロシア軍は大量の先進的な装備を初めて作戦使用に投入している。外界は、シリアはすでにロシア新式武器の試験場となっている、と考える。

1週間で爆撃のべ120機

ロシアメディアの報道によれば、シリア大統領アサドの請求に応じ、ロシアは9月30日からシリア国内のISのそれぞれの施設に対し期間1週間の正確空襲を開始した。ロシア国防省の資料は、6日までにロシアの実戦機は1週間以内に全部でのべ120機近い作戦飛行を行い、ISの各施設80カ所あまりを破壊したことをはっきり示している。ロシア国防省は、現地時間10月5日だけで、ロシアのスホーイー34、スホーイー24M、スホーイー25実戦機はもうシリア上空をのべ15機飛行し、ISの10カ所の拠点を空襲したことを事実確認している。

ロシアの「新報」7日の報道は、現在シリアにロシアは全部で50機の実戦機とヘリを配備し、軍人の数は1,500〜2,000人である、とする。ロシアの専門家は、ロシア軍の空襲は理想的な効果を取得した、と指摘する。ロシア空軍は毎日のべ20機の低い出動率をもって1ヶ月前後の爆撃を持続し、さらに次の一歩の作戦計画を決定する計画である。

ロシアの専門家は、現在までのロシアのシリアにおける軍事行動に費やされた金は決して高くなく、このため今年の国防予算を枠外で増加させる必要はない、と考える。ロシアが今回使用する少なからぬ爆弾は旧式な高阻(頑住吉注:普通抵抗が大きいという意味に使う語ですがどうもぴったりしません)爆弾であり、このようにすればシリア軍の在庫を利用して後方勤務に対する圧力も軽減でき、ロシア軍の資金も節約できる。ロシアの独立した軍事専門家パウェイール フェイアーゲンハオールは、ロシア軍がシリアでの空襲の中で使用する武器装備と弾薬の少なからぬものは以前購入したもので、枠外で支払う費用はシリアにおけるロシア軍人の毎日費用約10〜20万アメリカドルであるとする。ロシアのシリアにおける軍事行動の毎日の資金消耗は約数十万アメリカドルと見られ、これはアメリカをトップとする国際連合軍よりはるかに低い。去年8月以来、国際連合軍は全部でシリアおよびイラク国内のIS目標に対し6,000回あまりの空襲を実施し、毎日平均の資金消耗は約990万アメリカドルである。だがある専門家は、もしロシアが地上戦を発動したら、この戦争の費用は大幅に増加することになる、と指摘する。また、もし軍事行動の中で飛行機の損失などが出現したら、費用も増加することになるだろう。例えば、ロシアがシリアに配備する6機のスホーイー34新型爆撃機は、現在1機あたりの価格が約20億ルーブル(1アメリカドルは約63ルーブル)である。

(頑住吉注:これより2ページ目)

多種の新装備がお目見え

空襲行動の中で、ロシア軍は最も先進的な戦闘機と爆撃機を動員しただけでなく、しかも一部「スマート」武器も使用した。タス通信ネットの報道によれば、ロシアのスホーイー30SM戦闘機とスホーイー34戦闘爆撃機は就役後ずっと実戦の中で検証を得ていなかった。スホーイー34実戦機はロシア最新の爆撃機である。今年7月までに、ロシア軍は全部で70機装備した。ロシア国防省の計画によれば、2020年までにこの爆撃機の数は200機に達することになる。シリアはその実戦性能を検証する最も良い試験場となる。空襲行動に参加したスホーイー24戦闘爆撃機は、旧式な実戦機だが、グレードアップ改造を経て、「グロナス」衛星ナビゲーションシステム、ガラス化コックピット、近代化されたヘッドアップディスプレイなどを含む先進的なシステムを配備し、同時に比較的強い空対空自衛能力を持ち、さらに重要なのは大量の正確制御誘導武器を配備することである。一方空襲行動に参加するスホーイー25攻撃機は専門に近距離空中支援に用いる飛行機である。現在ロシアのスホーイー25はすでに「最も近代的」な水準までグレードアップされ、「グロナス」グローバル衛星ナビゲーションシステムや近代化された航空電子設備を配備し、かつ正確制御誘導弾薬を使用する。

また空襲の中でロシア軍はさらに初めて最新型の衛星制御誘導爆弾であるKAB-500S-Eを使用した。この爆弾は慣性/グロナス衛星合同制御誘導を使用し、爆弾の重量は560kg、戦闘部の装薬は195kg、投弾高度は500〜5,000mである。この爆弾の具体的な性能はまだ秘密保持状態にあるとされ、2014年のモスクワ航空展で展示が行われたことがあるだけである。この爆弾の実戦投入はロシアの「グロナス」衛星ナビゲーションシステムがすでに高精度のナビゲーションサービスを提供できることを示す。ロシア宇宙部隊スポークスマンのイゴール クリモフはさらに、ロシア空軍はシリア国内でX-29L高精度制御誘導ミサイルをも使用した、とした。この空対地ミサイルはレーザー誘導弾頭を装備し、目標打撃精度は2mの範囲である。ミサイルの作戦部の重量は500kgである。スホーイー24とスホーイー34爆撃機はいずれもこのミサイルを使用できる。またロシア軍はさらに初めてSPBE-D自己鍛造弾を搭載したRBK-500散布器を使用した(親子弾とも言う)。SPBE-D自己鍛造弾は単独の制御誘導コントロールシステムを採用しているので、比較的高価な武器に属する。親子自己鍛造弾は1回で一定区域内の集群装甲目標が殲滅できる。ISが1回にそんなに多くの装甲車両を集められるか否かは人を疑わしくさせ、このためロシアがこの武器を動員したのは、特に自己鍛造親子弾に関しては「経験をさせる」ためと考えられている。

ロシアの「赤星」テレビ局の報道によれば、ロシア軍はさらにシリアにKrasuha-4電子戦システムを配備した。このシステムは大範囲の妨害を行い、もって機載レーダー、通信システムを制圧し、かつ無線電信や位置決定偵察衛星を妨害することができる。これは150〜300kmの範囲内の目標を完全に遮断し、レーダーによって偵察されることを防止できる、とされる。

ロシアは地上部隊を派遣して参戦するか?

多くの匿名の米軍当局者は最近メディアに向け暴露し、アメリカサイドの情報は、ロシア軍が不断にシリア西部地域に向け戦車、火砲などの大型武器を輸送し、地上武装人員の数も持続的に増加していることをはっきり示している、とした。アメリカサイドはこれにより、ロシアはシリアにおける軍事行動の範囲を拡大する可能性がある、と見積もる。西側メディア7日の報道によれば、プーチンはすでに精鋭の特殊部隊を派遣してシリア作戦入りさせている。

だがロシアの「独立報」7日の報道は、ロシア外務省スポークスマンのザハロワは6日、ロシアは地上部隊を派遣してシリア入りさせることを全く考慮したことはない、とした。彼女は、「もしペンタゴンに異なる見方があるのなら、すぐに証拠を世に発表していただきたい。」と語った。ロシアの軍事専門家であるユーリ ニエテカチェフは、ロシアは自らの軍事基地の安全を保護する時のみやっと地上戦を発動する可能性がある、とした。ある専門家は、ロシアが少数の特殊部隊を前線に派遣して空襲のために目標指示させる可能性は排除されないが、多数の装甲車両を装備した正規部隊を派遣する可能性は高くない、と指摘する。


 ロシアにとって新兵器検証の場となっているのは間違いないでしょうが、当然アメリカも全力でロシアの兵器の性能に関する情報をあらゆる手段を駆使して収集しつつあるはずで、弱点を知られることにもつながる可能性があるでしょう。
























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