中国の国産空母建造の状況はどうなっているのか

 中国の国産空母がどこまで進んでいるのかに関するいろいろな説をまとめて論評したページです。

http://military.china.com/cv/news/11079878/20121026/17494757.html


外国メディア:中国、2隻の空母を建造中 建造能力はすでに飽和

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:中国初の空母遼寧艦」)

2隻? 5隻? 米英メディア、中国空母を競って大予測

通常空母、原子力、国産空母の雄大な志は並々ならぬ

十年前、すでに詳細な図面を入手、中国の原子力空母は徐々に現実に近づいている

[要旨]排水量6万トンの通常動力空母に関して言えば、同時に2隻の建造はすでに中国の上限である。何故なら空母は相応の防空駆逐艦、ミサイル護衛艦など水上作戦艦艇が存在して保護を提供し、空母戦闘群を形成することが必須で、このため空母建造と同時に中国のいくつかの大きな造船工場が同時に力を入れて大規模に051D大型防空駆逐艦、052C型「中華イージス」駆逐艦、054A型ミサイル護衛艦、056型軽護衛艦を建造しているのが見られる。

「中国は1隻の国産空母を建造しているところであり、しかもさらにアメリカと同様な原子力空母を建造することになる。」 最も新しく獲得された軍事スパイ衛星写真により、アメリカは上海の某所に1隻の建造中の空母らしきものがあるのに気付いた。この報道は直ちに西側メディアが大いに「発揮」する材料となった(頑住吉注:中国語の「発揮」には日本語と同じ意味の他に「詳しく語る」、「自説を展開する」といった意味があるそうです)。今回衛星写真という新たな「証拠」があり、アメリカ人の言うことは確かなようである。

中国初の空母「遼寧」号の正式就役につれ、中国が将来建造する国産空母の数および類型がたちまち西側メディアが競って推測する重点内容になった。アメリカのグローバル戦略ネットの報道は、「中国は現在2隻の国産空母を建造中で、トン数はワリヤーグに近い」とした。イギリスの「新政治家」誌はさらに大胆に推測し、「『遼寧』号以外に、中国はさらに5隻の空母を建造中」で、これらの空母には通常動力型以外に、さらに排水量10万トン前後の原子力空母が含まれる可能性がある、とした。

中国国産空母はずっと全世界のホットな話題であり、一顧だにしない者あり、大いにおだて上げる者もまたありである。これと比較すると、同じロシアの中古空母、インドの「ゴルシコフ海軍上将」号は依然航海試験中である。これは多少インド人の心中に悲しい感覚をもたらす。インド衝突・平和研究所の文章は、「前途がひどく困難であろうとも、中国はすでに劉華清上将が1990年代に設立した空母の青写真を一途に追求しており、この過程の中で北京はすでに非常に大きな進歩を勝ち取った。」としている。同じアジアの勃興中の国として、インドと中国は同様に空母を非常に渇望している。中国はより成熟した核反応炉技術を持ち、非常に先進的な造船技術を持ち、各種サブシステムの部品の国産能力も疑いの余地がない。このため、ある国の総合的実力と工業製造能力が突出する原子力空母プロジェクトにおいて、中国は疑いなくインドに比べより大きな優勢を備えている。

作戦能力から言えば、原子力空母は通常動力空母に比べずっと強い。何故なら原子力空母は膨大な量の燃料を搭載する必要がなく、したがって艦載機のためにより多くの航空燃料を搭載する非常に大きなスペースが省かれるからだ。こうなれば原子力空母は海上でより長時間作戦に投入できるようになる。このため、ひとたび原子力空母を持てば、それは即中国が真に海軍強国に仲間入りしたことを意味する。

(頑住吉注:続いて2ページ目。画像のキャプションは「資料画像:外国メディアは上海の長興造船工場は第2の空母を建造中だとしている。」です。これはタンカーか何かだと思いますけど)

中国国産原子力空母「出現」

最近アメリカの情報部門は最も新しく獲得された衛星写真を発表した。情報人員は分析を経てこれらのスパイ衛星が撮影した画像から、上海の某所の港に1隻の建造中の空母らしきものを発見した。一部のアメリカの軍事専門家は外形の比較により、この空母の排水量は現在すでに就役している「遼寧」号空母よりさらに大きく、原子力空母である可能性も排除されないと言明した。

またこの前ある外国メディアがリークした情報は、中国は10年前すでにウクライナの手から「ウリヤノフスク」号原子力空母の設計製造図面を得ているとする。この空母も旧ソ連の設計だが、製造が間に合わなかった唯一の原子力空母である。

アメリカのシンクタンク「中国洞察」の文章は、実は「遼寧」号空母の就役に対し、アメリカは一種無関心な態度のようで、彼らがより関心を持つのは中国国産空母だ、と指摘する。「世界報」特約軍事評論員の陳光文は、最初から「遼寧」号空母は「訓練艦」と位置付けられており、このことは大多数の状況においてこの艦は空母艦上のメンバーと艦載機飛行員の訓練を行うという重責のみ担い、特殊にして緊急の状況下でない限り作戦任務を執行することはないことを示す、とする。このため中国海軍の見るところでは、「遼寧」号は中国の未来の空母人員の成長のゆりかごであり、真に作戦能力を備えるにはさらに中国国産空母に頼る必要がある。

中国国産空母の状況に関し、アメリカの「グローバルストラテジーネット」の報道は、中国はすでに国産空母の建造作業を行っている可能性がある、とする。流れ伝わる度合いが最高の説は、現在2隻の国産空母が建造中で、このうち1隻は最も早くて来年進水する可能性があると予想される、というものだ。

このため、国産空母の設計作業はすでに完了し、現在空母の組織運営作業方面に重点が集中している。計画によれば、初の国産空母は最も早ければ2015年以後に作戦能力を具備することになる。しかも、今後10年以内に中国は多数の空母および付属の艦艇戦力を建造する。

これに比べ、イギリスメディアの推測は明らかにより大胆である。イギリスの「新政治家」誌の文章は、「遼寧」号以外に中国はさらに別の5隻の空母を建造中であるとする。だがこの文章は中国国産空母進水のおよその時期をを語っていない。

「世界報」特約軍事評論員郭宣は、同時に5隻の空母に着工するのはほとんどあり得ない、とする。排水量6万トンの通常動力空母に関して言えば、同時に2隻の建造ですでに中国の上限である。何故なら空母には相応の防空駆逐艦、ミサイル護衛艦など水上作戦艦艇が存在して保護を提供し、空母戦闘群を形成することが必須だからである。このため空母建造と同時に、中国がいくつかの大きな造船工場で同時に力を入れて大規模に051D大型防空駆逐艦、052C型「中華イージス」駆逐艦、054A型ミサイル護衛艦、056型小型護衛艦を建造しているのを見ることができる。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「遼寧艦の飛行甲板」です。)

この他、郭宣はさらに次のように指摘する。アメリカとロシアの経験によれば(いずれも通常動力空母建造から原子力空母建造への道を行った)、空母の道に踏み出したばかりの中国に関して言えば、やはりこの常道のやり方を変えることはないに違いない。結局のところ、技術的角度から言って原子力空母はより複雑さが少々加わるのである。

だが「将来中国海軍はどのくらいの空母を持つべきか」の問題に関し、中国の軍事専門家である徐光裕少将は「世界報」に次のように教えた。正常な配備、訓練、維持メンテナンスを順繰りに行う制度から見て、中国が6隻の空母を持つというのが比較的適した数字かもしれない。こうしてこそいかなる時も2隻の空母を作戦勤務状態に置くことができる。

AP通信社は10月20日、アメリカの「ジョージ ワシントン」号原子力空母の艦隊が南海海域に出現し、しかもベトナム当局の人物を招いて艦上を見学させた、と報じた。「ジョージ ワシントン」号はさらに中国の黄岩島海域を突っ切り、フィリピンに赴いて4日の訪問を行うとされている。これに対し、中国のネットユーザーたちは、「アメリカの原子力空母が南海で武力を誇り威勢を示すことは、本当に人を憤慨させる。アメリカ軍の空母を南海から追い出したければ、中国の原子力空母戦闘群の出現に期待するしかない。」とする。

「世界報」特約軍事評論員李瑞景は、原子力空母に比べ、通常動力空母には間違いなく非常に多くの制約要素がある、とする。空母自体が非常に大きいしろものであり、このことは空母の行動中大量の燃料を消耗しなければならない結果をもたらす。空母の一定期間の任務執行を維持するためには、充分な燃料の搭載が必須となる。

そうなれば必ず大きなスペースを占めることになり、艦載機が必要とする航空燃料の搭載量は必然的に減少し、艦載機の数も大幅に割引になる。この他、大量の燃料を搭載する通常空母それ自体に安全上の隠れたリスクがあり、もし敵サイドの弾薬に燃料タンクが命中を受ければ、空母は致命的打撃に遭うことになる。

一方原子力空母はこの方面においてずっと良い。核反応炉が空母にもたらす強大な動力は、数十年内ずっと燃料交換が不要で、こうなれば原子力空母により多くの艦載機と航空燃料を搭載する充分なスペースができ、艦載機の作戦行動が保証される。

1980年代から空母の開発を計画してきた中国海軍に関して言えば、とっくに長期発展計画を制定済みである。アメリカの軍事専門家リチャード フィッシャーは、「ワリヤーグ」号空母が中国によって購入された2002年には早くも、旧ソ連で建造が計画された唯一の原子力空母「ウリヤノフスク」の図面が中国の手中に落ちた、と漏らす。このため、中国は「ウリヤノフスク」号空母の図面を参考に、中国自身の原子力空母を設計することが完全に可能である。「ウリヤノフスク」号の設計上の寸法は全長324.6m、全幅39.8m、満載排水量7.9万トン、反応炉には4基のKN-3加圧水型原子炉を採用し、4台の蒸気タービンを連動させ、最大航行速度は30ノットを超える。設計上70機の各タイプの航空機を搭載し、これにはスホーイ-33戦闘機、ミグ-25K攻撃機、ヤク-44E早期警戒機が含まれる。艦首には依然スキージャンプ甲板が採用されているが、艦上の傾斜甲板の上には2基の蒸気カタパルトの装備が予定されていた。「ワリヤーグ」号と「ウリヤノフスク」号は構造上類似しているため、中国は完全に最良の設計として参考にすることができる。

アメリカ海軍情報事務室は評価して、中国初の原子力空母は2020年に進水し、排水量は9.3万トンに達し、アメリカの「ニミッツ」級空母に類似し、カタパルト発進を採用し、艦載機は80機余りと予測される、としている。原子力空母は核反応炉の問題を克服することが必須である。

現在見たところでは、(頑住吉注:中国はすでに持っている)原子力潜水艦上の核反応炉技術を空母に用いることにはやはり非常に慎重である。何故なら反応炉は伝動設備、スクリューなどと互いに配合する必要があり、それでやっと1つの良好な推進システムになり得るのである。この方面の水上艦艇と原子力潜水艦の差異はやはり非常に大きい。このため、アメリカ、フランス両国だけが原子力空母を有しているが、原子力潜水艦を持つ国は多く、原子力潜水艦の機種もより多いのである。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「遼寧艦飛行甲板上の制動ケーブル」です。)

ある中国の軍事専門家は指摘する。原子力空母を通常動力空母と比較すると、その最大のメリットは主に遠洋作戦能力方面である。だが中国の現在および近い時期の空母作戦運用に関して言えば、この種の遠洋作戦の必要性は非常に切迫したものではないかもしれない。だが中国の未来の海洋戦略の必要性に基づけば、原子力空母は中国の遠洋作戦能力を支える最強の礎となるに違いなく、この基盤の上にこそ中国は戦闘力が強大な空母戦闘群を形成することができるのである。

同時に2隻の空母を建造する可能性が大

実は中国国産空母の発展に関しては、米英がずっと非常に関心を注いできただけでなく、インドのシンクタンクとメディアも中国空母計画の動向に大いに注意している。インドの衝突・平和研究所の報告は、中国海軍の発展には非常に壮大な青写真があり、この青写真は全部で3段階である、とする。第1段階は2000年から2010年、第1諸島(頑住吉注:日本、台湾、フィリピンまでの島の連なり)内の海域の主導権を建立し、比較的強大な近海攻防作戦力量を形成する。第2段階は2010年から2020年までに第2諸島の範囲内の海域のコントロール権を建立することを追求し、これらの島嶼は小笠原諸島、グアム島に沿って、インドネシア群島までを指す。第3段階は中国海軍発展の究極目標で、2020年から2040年までにアメリカ軍の太平洋とインド洋の主導権を終結させ、中国とアメリカでの太平洋の共同統治という局面を実現する。そしてこの3段階の戦略の中で、空母は解放軍海軍が自らの軍事力を発揮する最も核心的な構成要件である。

現在中国が建造する国産空母に対しアメリカ情報部門は、最もあり得る数は2隻だと考えている。どうやってこの数字を得たのか? アメリカの「ワシントンタイムズ」(頑住吉注:統一教会系のメディアだそうで、共産主義の脅威を過剰に煽る内容である恐れもありそうです)の文章は、アメリカの情報人員は中国は自らの秘密のルートを通じてすでに4セットの空母甲板の制動ケーブル装置を購入していると語った、と漏らす。このうち1セットは某陸上基地の飛行甲板の模擬施設に装備され、殲-15艦載戦闘機飛行員の訓練に用いられている。もう1セットは「遼寧」号空母に装備され、艦載戦闘機の艦への搭載訓練に用いられている。ならば、残る2セットの制動ケーブル装置は明らかに2隻の新たに建造される国産空母のために準備されたのである。

(頑住吉注:これより5ページ目。画像のキャプションは「資料画像:殲-15艦載機が遼寧艦上空を通過」です。)

中国が建造中の2隻の国産空母に関し、情報に最も通じている者としてはウクライナのメディアに勝るものはない。アメリカの中国軍事問題専門家リチャード フィッシャーは言う。何故なら中国の「遼寧」号空母はウクライナから購入したもので、しかも改造、リフォーム過程での多くの技術はウクライナ方面の経験を参考にした。中国の殲-15艦載機の原型機もウクライナから導入したのである。

このため、自分たちの空母の建造過程で、中国がウクライナからの援助を求める可能性は高い。ウクライナニュース社の情報では、中国は現在本国の海軍近代化に基づき、2隻の空母建造を計画している。ある消息筋の人物はさらに指摘する。「この2隻の空母は上海に位置する造船工場が建造に責任を負い、このためすでにウクライナ方面の専門家が頻繁にそこに姿を表している。」

アメリカ海軍情報事務室のレポートは、中国は2015年までに初の国産通常動力空母(排水量6万トン前後)の建造作業を完了し、かつ進水、試験航海させることになり、2020年までに正式に配備し、作戦能力の具備を勝ち取ることになる、とする。少なくとも6つの主要な軍事工業企業と科研所がこの空母計画に参与しているとされる。

この他、中国はさらに遼寧省の興城と陜西省の西安に空母艦載機の陸上発着訓練施設を建設済みである。ある証拠は、中国が湖北省の武漢にさらに1つのレーダー実験を完成させるのに用いる陸上の空母模型を建造済みであることをはっきり示している。

同時に2隻の通常動力空母の建造を開始することに関し、一部の海外の軍事専門家は、中国の選択には一定の道理があると考えている。中国の現在の造船能力に関して言えば、2隻の空母の同時建造開始には技術上の困難は存在しない。しかも旧ソ連のやり方に照らせば、やはり2隻の同クラスの空母を一緒に建造した。

カナダの「漢和安全保障業務評論」編集長平可夫は次のように考える。2隻の空母を建造することはあり得るが、初期建造段階において同時に着工することはあり得ない(頑住吉注:5隻目と6隻目を同時に建造することはあっても1隻目と2隻目を同時に建造することはない、ということでしょう)。国外の経験に照らせば、通常一定の時間が隔てられる。結局のところ中国に関して言えば、経験の模索と技術の累積にはいずれも一定の時間の消化を必要とする。第1隻目が建造されかつ進水してから第2隻目がさらに開始される、というのがより適している。

フランスの安全保障業務航空宇宙ネットのこの前の報道は、中国の国産通常動力空母プロジェクトのコードナンバーは「085」で、この空母の排水量は「遼寧」号空母に近いに違いなく、その主要な原因は中国が現在掌握している大型船舶原子力動力技術はまだ成熟しておらず、このため通常動力装置しか採用できないことだ、とした。

一方現在の国産空母の動力の配置から見て、「遼寧」号空母の基準が踏襲される可能性が高い。すなわち4台の蒸気タービン、8台の増圧ボイラー、4軸推進、総出力20万馬力である。だが中国がまず2隻を建造する目的は、できる限り早く空母の作戦能力を形成することにある。

周知のように、空母の作戦能力は主に艦載戦闘機頼りである。だが艦載機飛行員の訓練、艦上飛行経験の累積、異なる状況下での着艦、発艦の試験にはいずれも多くの時間を費やす必要がある。このため、「世界報」特約軍事評論員郭宣は、中国空母が最低レベルの作戦能力を形成したければ、さらに数年の時間を費やす必要があり、特に各種水上艦艇と空母の間のマッチングが特に重要だ、と考える。(頑住吉注:後のページは資料画像だけですが、最終8ページ目に遼寧艦を中心とする空母戦闘群の構成予想図があります)


 結局よく分かんないままなわけです。ちなみにこれも不明のままである「遼寧艦」の動力に関し、これまでで一番具体的で詳しい、「4台の蒸気タービン、8台の増圧ボイラー、4軸推進、総出力20万馬力」という記述がありました。ただしこれは原型艦のデータのままのようで、信憑性は疑わしいです。
















戻るボタン