ロシアで国際競技に参加する96B戦車とは

 よくわからない内容も多いんですが、これまでなかった情報も多いです。

http://military.china.com/news/568/20160725/23137371.html


ロシアの戦車両項目、まもなく競技開始 中国の競技に参加する96B戦車には全部でどんな改良があるのか

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:ロシアに赴き競技に参加する96B戦車」)

96B戦車は何を改良したのか? まず外観を見るといくつかのことが分かる

今年のロシア国際軍事競技はまもなく開始される。この競技の中で関心を集めること最多なのは依然「戦車両項目」競技である。今年我が軍は部隊装備されたばかりの全く新しい96B式メインバトルタンクを派遣して競技に参加させ、非常に多くの関心を引き起こしている。

2014年、ロシアのT-72B3M戦車の「戦車両項目」競技の中でのパフォーマンスが人を横目で見させ、このT-90戦車の動力システムを装備したT-72戦車はあらゆる人の視線を吸引したと言える。

2015年になると、ロシアサイドは公平という考慮から、もはやT-72B3Mを戦車用いて競技に参加せず、T-72B3の使用に回帰した。一部の中国の専門家の眼中で、ロシアサイドの戦車乗員の操縦スタイルは野蛮と称するに堪えるが、去年競技場で戦車を転覆させたインド、クウェートなどの国の戦車メンバーに比べれば、ロシアサイドの戦車操縦員は少なくともまだ出色の技術がある。

比較すると、我が国は第1回戦車両項目競技に96A戦車を派遣し、第2回は96A1が行った。中間冷却器の追加によって出力を10%増加させたが、単位出力から言って、96A1であろうともT-72B3に比べ非常に大きな優勢はない。我が国がこの競技の上で第2位の成績を取得したのは、主に乗員の卓越した技術に頼ってのことだった。当然ロシアサイドの「公平」な審判の功も不可欠だった。

今年、新装備検証の考慮からのことかもしれないが、我々は新たに研究開発した96B戦車を派遣した。

あまりにも多くの新技術を採用したため、現在「万歳軍土豪師団」などの部隊に少数装備され、ロシアサイドが今回競技参加を明確に拒絶した99A戦車に比べ、96B戦車は真に我が国陸軍の軍事費受け入れ能力を考慮し、同時に性能も使用に充分な戦車と言うことができる。

96B戦車の明るみに出る画像が日増しに増加するにつれ、この戦車に関するディテールもどんどん多くの人の注意を引いている。我々が現在見ることのできるディテールについて言えば、96B戦車は確実に念入りな設計をした現代戦車で、それには多くのディテール方面に独創的なところがあるのを見て取ることができる。

まず、最近出現したどんどん多くのディテール画像は、96B戦車のエンジン吸気システムの設計に非常に特色があり、その砲塔の左右両側の物品備蓄箱内に、2つの「煙突」型吸気管があり、その上端は戦車の砲塔の頂部を超えており、かつ防水カバーを装備している、ということを実証している。この2本の「煙突」は全物品備蓄箱を下に向けて貫通し、戦車の砲塔が真正面を向いている時、その他の戦車エンジンコンパートメント上面の2つの小さな突出した場と相連なっている。両者のつながる位置には、ゴムの密封リングがある。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。)資料画像:T-80U戦車の砲塔後方の吸気管。砲塔が比較的小さな角度回転していることに注意。吸気管と砲塔を連結するねじ穴に一定の空間があらかじめ留保されて砲塔の何度かの回転運動を許し吸気管に影響しない。

資料画像:潜水して渡る時、ガスタービンエンジンは単一方向バルブを用いて水中での排気が行えないため、T-80U戦車は2本の通気管を必要とし、1本は吸気、1本は排気で、吸気管は直接砲塔後方の吸気管に接している。

資料画像:比較すると、ディーゼルエンジンを採用しているT-72戦車が潜水して渡る時は1本の排気管しか必要とせずもうOKである

この設計はソ連のT-80U戦車にやや似ている。この戦車には砲塔尾部コンパートメントがないが、鋳造型砲塔後部に1本の「煙突」が伸び出し、エンジンコンパートメント上面の場ともコンビネーションし、戦車の砲塔が前を向いている状態(砲塔が左右に5度前後回転することを許す)の時、この「煙突」は使用できる。

T-80Uと96Bの「吸気煙突」にはいずれもその設計の意図があることは推して知るべしである。

当時ソ連のT-80U戦車の吸気管には2つの考慮があった可能性がある。主に吸気の質の改善、濾過清浄機の損耗の軽減である(頑住吉注:高いところにあると土ぼこりを吸い込みにくいというようなことですかね)。もう1つは水の障害を渡る時の作業プロセスの簡略化である。去年インドの戦車兵はT-72B3戦車を操縦して水の障害を通過する時、車両の速度をうまくコントロールせず、水を直接吸気口に流入させ、戦車のエンストをもたらした。このことからT-80Uと96Bのこの設計はこの方面に確実にメリットがあり、少なくともこの種の状況は完全に避けることができる、ということが分かる。

(頑住吉注:これより2ページ目)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。)資料画像:96B戦車の吸気管にはこの装置があり、96Bは準備を経ず直接、自らの砲塔頂部を超えない水の障害を渡ることができ、かつエンジンへの浸水を心配する必要がない。だがこの設計の下では、砲塔の回転が許されず、前向きに固定することが必須で、それでこそ吸気管に作用を発揮させることができるはずで、この吸気管は吸気システムにとっては決して必須の装備ではないと言え、行軍状態下で吸気の質を向上し渡河準備の作業量を減少させるだけだということを示す。

資料画像:比較すると、96Bの動力パッケージと外形が見たところ非常に近いVT-4戦車には決してこの設計はない

だが、ウクライナの6TDディーゼルエンジンを使用するよう改めたT-80UDでは、この吸気管の設計は取り消されたことに注意してもよい。

国産の8V150ディーゼルエンジンを採用した96B式戦車も何故このような吸気管を採用する必要があるのか、筆者はいささか困惑する。だがその基本的作用はT-80Uの吸気管と同様のはずである。1つは吸気の質の改善、もう1つは潜水して渡る作業に便利なことである。このことは、96B戦車の吸気量が少なからず増加していることを示す。

前回の軍評の中で、施洋(頑住吉注:筆者でしょう)はすでに96B戦車の行動システムの改良の重点に関し新世代エンジンを採用して出力を増強したことの他、最も重要なのは液体・気体伝動システムと自動変速ボックスを使用し、大幅に乗員の操作を簡略化したことだと書いた。言い換えれば、機動性の比較的大幅な向上が96B戦車の主要な「セールスポイント」である。同時に、この車両は新世代の情報化システムを装備し、車上の通信アンテナシステムが相当に複雑なことに注意してもよい。この他火力コントロールシステムが本来すでに相当に先進的な96A戦車を基礎にこれもある程度向上している。最近我が軍が自ら組織した「東部鉄拳-戦車鉄騎」競技の中で、96A戦車は2,800mの距離で行進間射撃し、3発中2発の成績を達成し、これは世界先進水準であり、しかも96Bはこれを基礎にさらに進歩がある。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。)資料画像:96B戦車を真上から見た図

資料画像:この台座上面はねじを用いて固定された鋼板で封鎖されているということに注意

だが、ある一点は人を比較的疑わしく感じさせる。それはこの車両に決して車長周視鏡が出現していないことである。

車長周視鏡は現代の戦車が「猟殲」あるいは「殲殲」火力コントロールシステムを実施することができる重要な装備である。この装備により、車長は独立したサーモグラフィーや高性能光学ルートを使用して目標が捜索できる。いわゆる「猟殲」とは車長が目標を捜索し、しかる後に砲手に指示して攻撃を行い、自らは再度次の目標の捜索にかかることである。一方「殲殲」火力コントロールは2セットの火力コントロールシステムがあり、車長と砲手がいずれも捜索し正確な射撃が行える。

この種の火力コントロールシステムは非常に大きく戦車の作戦効率を向上させることができ、現代の戦場に非常に必要なものだと言うべきである。

我が軍は99式戦車およびMBT-3000輸出第3世代戦車でもうすでに車長周視鏡の装備を開始したが、96式戦車にはずっとこの装備がなく、依然車長ハッチ上の光学潜望鏡を使用して周視鏡に充当し、車長には自らの独立した光電子およびサーモグラフィールートがなく、このことは96A戦車の作戦効率に影響している。

しかも、96式戦車に車長周視鏡を装備しようとするのは実は決して困難ではなく、MBT-2000では、直接車長ハッチ前方に独立した周視鏡が取り付けられ、決して余計な空間を無理に占めてはいない。しかも96式戦車の砲塔のスペースはロシア製T-72に比べずっと大きく、T-72のように知恵を絞り尽くして奇妙な考えを発揮し周視鏡を取り付ける必要もない。

だが、我々が今見ている96B戦車の車長ハッチ後方には、不思議な設備の取り付け台座が出現している。現在ネジで固定された鋼板がふさいでおり、アメリカのM1A1戦車が車長周視鏡を取り付けるためにあらかじめ留保した台座に似ている。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。)資料画像:M1A1の事前に留保された台座

筆者はこれが車長周視鏡の取り付けに用いられる可能性はあまりないと考える。絶対にダメと言うこともできないが。

将来この位置には一体何か装備されようとしているのか?

あるいは時間が我々に答えを教えるかもしれない。


 この筆者が力説している内容は正直私には知識不足で十分理解できないんですが、本筋ではない部分で2点意外な記述がありました。1つ目は以前の記述とは異なり96Bはこの競技のためにオーダーメイドされたものではなく軍用に研究開発されてすでに装備され、競技への参加は新型装備の検証のためではないか、というもの。2つ目は中国のいわば切り札的最先端装備である99Aを出場させて負けたらダメージが大きいからやや格落ちの96系を出場させているわけではなく、ロシアが99Aの出場を拒絶した、というものです。ロシアが最先端ではないT-72系を出場させるのだからそもそも大量装備できないようなデラックスな装備で出場するのはアンフェア、という理屈でしょうか。ちょっと納得いかないんですが。アメリカが認めないでしょうが過去可能性が取り沙汰されたように輸入したM1系で出場しようとする国が出てきたら許すんですかね。















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