055式ミサイル駆逐艦の意義とは その1

 空母に劣らず注目、期待されているようですが。2回に分けます。

http://military.china.com/important/11132797/20171026/31603984_all.html#page_2


055型ミサイル駆逐艦は何故「国の重器」と呼ばれるのか

現在、中国海軍新世代ミサイル駆逐艦である055型ミサイル駆逐艦はすでに進水している。人民海軍の排水量が万トンを超える初のミサイル駆逐艦として、それは竜骨の敷設に始まり、もうずっと国内外の高度の関心を受けている。055型ミサイル駆逐艦は先進的な武器およびレーダーシステムを装備し、高度の情報化および自動化水準を備え、世界の同クラスの艦の中で、先んじた地位にある。

水上戦闘艦艇は海軍兵力の基礎である。055型ミサイル駆逐艦の就役後、その強大な総合作戦能力に頼って、それを核心として水上艦艇戦闘群を組成しても、あるいは空母戦闘群に加入して航路護衛艦艇となっても、いずれにせよ中国海軍の全体的作戦能力を大幅に向上させることができる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「6月28日午前、中国海軍新型駆逐艦の第1号艦の進水式が上海の江南造船(集団)有限責任会社で行われた。この型の艦は中国が完全に自主研究開発した新型万トン級駆逐艦で、相次いで大型艦艇の全体設計、情報集成、総組立建造など一連のカギとなる重要技術を突破し、中国海軍が戦略のモデルチェンジ、発展を実現する象徴的性質の戦闘艦である。莫小亮/撮影(資料画像)」)

055型ミサイル駆逐艦の設計思想は防空対ミサイル能力を突出させている

対空防御は海上作戦の重要な内容である。第二次世界大戦の太平洋戦争中、空母およびそれが搭載する艦載機は戦場を主宰し、空中打撃は水上艦艇最大の脅威となった。第二次世界大戦終結後、ミサイル武器は迅速猛烈に発展し、早くも半世紀前、海軍の主戦武器はすでにミサイル化を実現し、水上艦艇もこのため対艦ミサイルに代表される各種空中打撃兵器のもたらす深刻な脅威に直面することが必要となった。

情報化海上戦争の条件下では、高価値の大中型水上作戦プラットフォームがどんどん峻厳となる生存の試練を受けていることは認めることが必須である。1967年の中東戦争では、エジプト海軍は「スティクス」対艦ミサイルを使用してイスラエル海軍のエイラット号駆逐艦を撃沈し、対艦ミサイルが軍艦を撃沈する先例を作った(頑住吉注:対艦ミサイルが軍艦を撃沈した最初の例は第二次世界大戦末期のドイツによる、連合国側に寝返ったイタリアの戦艦ローマ撃沈ではと思ったんですが、あれは無動力の誘導爆弾によるものとする説が有力のようです。しかし1967年代後半が最初というのは遅すぎでしょう)。1982年のイギリス・アルゼンチンのマルビナス島戦争では、アルゼンチン空軍の「エグソセ」対艦ミサイルが多くのイギリス軍艦艇を撃沈、損傷を負わせ、戦果は輝かしかった。

この後、1991年の湾岸戦争では、イラク海軍が発射した「スティクス」対艦ミサイルが多国籍軍海上部隊に少なからぬ面倒をもたらした。2016年、レバノンのヒスボラ武装勢力が発射した対艦ミサイルがイスラエル海軍ミサイル艇に重大な損傷を与えた。2017年、イエメンのフーシ武装勢力が対艦ミサイルを使用してサウジアラビア海軍メディナ号護衛艦に重大な損傷を与え、かつ数回アメリカ海軍ミサイル駆逐艦を攻撃した。

対艦ミサイルの脅威は「空母無用論」の主要な立論の根拠でもある。アメリカ国内にはニミッツ級、フォード級といったようなスーパー空母を継続して開発および建造するか否かの問題において長期的に食い違いが存在し、論争の焦点はアメリカの対外戦略が(頑住吉注:対テロ戦争から?)伝統的大国の対抗に転向するのと共に、ロシア、中国といったような遠距離打撃能力を持つ軍事強国とのあり得る海上衝突の中で、空母は作戦効能を保障するのと同時に、信頼できる生存能力を具備するか否かに集中している。

現在、対艦ミサイルはステルス、遠距離、多様化された制御誘導、スマート化、高速化の方向に向かって発展している。しかも空中、水上、水中、陸上など多種のプラットフォームによって搭載と発射ができ、使用が柔軟で便利、探知計測、迎撃が難しい。例えば空中ステルス実戦機や潜水艦によって発射され、探知計測、迎撃の難度はより高い。この背景の下、055型ミサイル駆逐艦の設計は当然防空対ミサイル能力を最も重要な位置に置くことになる。

中国海軍はすでに2隻の空母が就役あるいは進水しており、空母戦闘群は人民海軍が採用する核心的兵力編成方式となり、空母戦闘群の防空対ミサイル作戦能力を向上させることの需要は非常に緊迫している。空母は主に遠海の大洋で任務を遂行し、主にその護衛艦艇によって空母戦闘群の防空対ミサイル任務が担われる。人民海軍の潜在的相手は、普遍的に高性能の対艦ミサイルを装備し、敵サイドのあり得る空母に対し実施する遠距離、大密度の対艦ミサイル攻撃に直面し、空母戦闘群の防空対ミサイル能力は空母戦闘群の全体作戦効能を高めることに対し極めて重要である。

055型ミサイル駆逐艦はさらに一歩我が空母戦闘群の戦闘力を向上させることになる

「艦艇が竜骨の敷設に始まり、もうすでに時代遅れ」 この海軍核術領域に広範に流れ伝わる視点には道理がないでもない(頑住吉注:歴史的にもっとも有名なのは「ドレッドノート」の出現でしょうね)。現在、情報化革命が率いる新たな軍事革命、新たな産業革命は迅速猛烈に発展し、相互に関係しながら発展変化している。新たな軍事革命は本質の上で情報化革命で、情報化水準はすでに武器装備の性能を計る最も重要な指標となっている。情報技術の急速な発展は海軍武器装備の更新世代交代の速度を加速させつつもある。技術が複雑で、武器装備が密集し、建造価格が非常に高く、建造と就役の期間が長い海軍艦艇が、いかにして情報化革命の歩みに追いつくか、これは各国海軍がいずれも直面する必要のある難題である。

中国海軍の就役している水上戦闘艦艇は、052C/D型ミサイル駆逐艦と054A型ミサイル護衛艦をもって中核とする。この3機種の軍艦は技術が成熟し、性能が先進的で、非常に広範な任務が執行できるが、それらは結局のところ今世紀はじめに建造されたもので、異なる建造ロットにはいずれも技術の改良があるが、艦体構造設計がすでに定型し、かつ排水量と艦上のスペースに制限を受け、グレードアップのポテンシャルはすでに大きくない。
















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