殲ー15がペア給油を行う?

 カタパルトが実用化されたら、という記事を続けて紹介しましたが、それには少なくともある程度の時間がかかり、それまでは空中給油でしのごうと考えられているようです。

http://military.china.com/important/11132797/20130925/18062948.html


殲ー15の神秘の装備が明るみに 空母の戦力が激増

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ネット仲間がアップした殲ー15が給油吊り下げポッドを搭載している画像。画像は中央テレビ局の番組『ニュース中継』からのキャプチャー」)

最近ネット仲間がアップした、殲ー15戦闘機が「遼寧」号空母の甲板上で発進準備する画像が、この機の腹部に神秘の吊り下げポッドが出現したことをはっきり示した。分析によれば、これは殲ー15艦載機の重要な装備、ペア給油吊り下げポッドである可能性がある。この装備は「遼寧」号空母の総合作戦能力向上に対し非常に大きな助けになり、特にまだカタパルトが装備されていない状況下において、空中給油によって殲ー15の弾薬を搭載しての発進重量、作戦半径、航続距離を大幅にアップさせることができる。

ネット上の画像は今年9月の「遼寧」号空母航海試験期間の「ニュース中継」テレビ報道からのキャプチャー画像だとされ、当時はこの画面は一瞬で過ぎ、ほとんど注意されることはなかった。画像から見て殲ー15の両側の空気取り入れルートの間の中心線の搭載架上に大型の搭載物があり、その頭部の外形、寸法はいずれも我が国の轟ー6給油機で使用されるRDC-1空中給油吊り下げポッドに似ており、殲ー15が翼の下に吊り下げ搭載する鷹撃ー83対艦ミサイルよりずっと大きい。だが画像からはその頭部にRDC-1吊り下げポッドと同じ風力発電機のプロペラがあるか否かは確認できない。ロシアのスホーイー33艦載機はAUPZ系列空中給油吊り下げポッドを使用してペア給油ができる。この吊り下げポッドの頭部にはRDC-1吊り下げポッドの頭部にあるのに似た風力発電機のプロペラはないが、その頭部のコーンの寸法は画像の中の吊り下げ物とで比較的大きな差異があるようだ。分析家はひとまず、殲ー15の腹部に出現したのは国産RDC-1吊り下げポッドを基礎に研究開発された新型空中給油吊り下げポッドかもしれないと推測する。

外国メディアは、中国のRDC-1吊り下げポッドは1980年代にイギリスから獲得したMk.32給油吊り下げポッドを基礎に研究開発され、現在すでに国産轟ー6給油機上に装備されている、と報道する。この吊り下げポッドの特徴は頭部に風力発電機があって給油ポンプと給油管出し入れ装置の駆動に用いることで、このため素早く多種の実戦機に装備して給油作業が行える。Mk.32吊り下げポッドは現在世界で比較的広く運用されている給油吊り下げポッドでもあり、アメリカのKC-10空中給油機などを含めこの系列の吊り下げポッドを使用しており、アメリカ海軍のF-18E/Fがペア給油を行う時にもこの型の吊り下げポッドを使用する。

殲ー15戦闘機は原型機からもう機首左側に出し入れできる方式の空中給油プローブが装備されており、その外形、規格は中国空の殲ー8F、殲ー10、殲ー11Bなど空中受油能力を持つ機の受油プローブと一致している。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「今年9月、『遼寧』艦が航海試験を行った時2機の艦載機が同時に艦上で発進滑走距離最長の3号発進ポイント付近で発進前準備を行い、その前方の戦闘機の腹部に上の画像と同様の吊り下げポッドが搭載されており、空中給油試験かもしれないと推測される」です。)

いわゆる「ペア給油」は1970年代以後急速に発展した空中給油方式で、つまり大型の専用空中給油機を必要とせず、作戦機上に空中給油吊り下げポッドを装備し、同型戦闘機の空中給油機とするものである。伝統的な大型空中給油機と比べ、この給油方式はより柔軟で、コストパフォーマンスが高く、特に大型給油機が発着し難い空母に適している。アメリカ海軍はKA-6空中給油機退役後、もはや専用艦載給油機を研究開発せず、F-18E/F艦載機にサブタンクと空中給油吊り下げポッドを搭載させる形式で空中給油任務を執行している。またソ連海軍もそのスホーイー33戦闘機上にAUPZ給油吊り下げポッドを装備して給油試験を行ったことがある。

空母艦載機にとって空中給油能力の具備には非常に大きな意義があると言える。

まず「遼寧」号のようなスキージャンプ甲板の空母に関して言えば、殲ー15戦闘機の非常に大きな弾薬搭載量と燃料搭載量の両者は共に得ることができず、もし遠距離目標に対する攻撃を組織する必要があれば、アメリカ海軍がベトナム戦争の期間に常用した方法に学ぶことができる。すなわち攻撃機に爆弾を満載し、ごく少量の燃料だけ搭載して発進させ、その後空母上空でペア給油機とランデブーし、燃料を満載まで追加した後で作戦を実施するのである。帰投時もし燃料がもうすぐ尽きるようなら、さらに第2回目の空中給油を行うことができる。

次に、艦隊防空任務執行に関して言えば、もし艦載機が迎撃任務を執行するためにエンジンのアフターバーナーを使用して超音速飛行したら、燃料の消耗率は正常な飛行の数倍になり、往々にして急速に燃料を消耗し尽くす。給油機がないと、非常に高価な戦闘機が海に墜落するのを見守ることしかできない。一般的な状況下では、安全保障のため、空中給油能力を持たない空母艦載機は全て作戦半径を抑制する必要があり、一部の燃料をあらかじめ留保し、もって燃料不足ゆえに海上に不時着する状況の出現が避けられる。このことは艦載戦闘機の防空作戦半径が人為的に狭められることを意味する。

第3に、殲ー15戦闘機の原型であるスホーイー27の設計時、ソ連軍が広大な西シベリア上空で長時間パトロール任務を執行するのに便利なように、非常に大きい機内タンクが設計された。その正常なタンク容量は5.2トンで、満載時は9トン搭載できる。この方面で殲ー15とスホーイー27には決して大きな差異はない。だが巨大な内部タンクは「両刃の剣」である。一方において殲ー15はサブタンクを搭載する必要がなく、非常に大きく武器搭載能力を高めることができる。だが他方では機が非常に大きくかさばりすぎ、サブタンクを投棄するという方法を使って機の敏捷性を高めることもできない。だがペア給油に関して言えば、この特性は逆に非常に便利なメリットになる。1機の機内に燃料を満載した殲ー15は、2機のごく少ない燃料しか持たず、武器を満載した僚機のために標準搭載量状態近くまでの給油が行えるのである。

中央テレビが放映した画面から見て、2機の殲ー15が同時に甲板上で発進準備をし、このうち前方のコードナンバー553の殲ー15の腹部に給油吊り下げポッドが装備され、もう1機の灰色の殲ー15にはない。この2機は相次いで発進し、空中給油試験を行った可能性が高いと推測される。当然、給油吊り下げポッド前方にまだ風力発電機がない状況から見て、あるいはこれは吊り下げポッドの模型に過ぎず、今行われているのは殲ー15と吊り下げポッドの間のマッチング性試験かもしれない。

(頑住吉注:3ページ目)ロシアのスホーイー33艦載機の空中給油試験

(頑住吉注:4ページ目)ロシアが空中給油試験を行っているところ。搭載機の腹部中心線の吊り下げポッド上のAUPZ給油吊り下げポッドがはっきり見える。

(頑住吉注:5ページ目)AUPZ吊り下げポッドはロシアの各機種実戦機の汎用給油吊り下げポッドで、ミグー29、スホーイー24などの機種を含む実戦機はいずれもペア給油が行える

(頑住吉注:6ページ目)画像の中で殲ー15戦闘機の機首前方左側の空中受油装置がはっきり見える

(頑住吉注:7ページ目)F-18ペア給油機がEA-6B電子戦機のために空中給油を行う。電子戦機は長時間の空中パトロールを必要とし、かつ重い電子対抗設備を搭載するため、発進時は往々にして燃料を満載し難い

(頑住吉注:8ページ目)我が国国産轟ー6給油機上で使用されるRDC-1給油吊り下げポッド


 仮に模型だったにしてもこの方法を考慮しているのは確かだということになりますし、他の機種で実用化されている以上成功するのに時間もかからないでしょう。




























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