ロシアの雑誌、殲ー20を語る

 ちょっと怪しげな情報も含まれてる感じですが。

http://military.china.com/important/11132797/20140924/18813084.html


ロシア、殲ー20は国産の1475型フェイズドアレイレーダーを装備する、とする フランスの技術を参考に

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「殲ー20は中国軍用機発展の道における重要なマイルストーンである」)

【グローバル軍事報道】 ロシアの「外国軍事評論」2014年7月発行の報道によれば(頑住吉注:記事は9月24日付なんですが)、アジア太平洋地域の科学技術および経済の大国としては、まず中国、韓国、日本であり、いずれも積極的に本国の空軍戦闘力を増強しつつあり、その中の1つの主要な方向は戦術実戦機群を完備し、できるだけ早く第4世代+あるいは第5世代戦闘機を配備することである。

全体的に言って、これはアメリカのF-22A「ラプター」およびF-35「ライトニング2」機購入計画の実施プロセスと密接に関係している。アメリカ空軍の戦闘序列の中への第5世代戦術戦闘機F-22Aの出現は、中国からは国家の安全に対する直接の脅威と見なされ、対称の回答をなすことが必須である。

中国の軍事および政治指導層は本国航空工業の作戦機研究開発および生産能力の増強を高度に重視している。まさに外国メディアが指摘するように、今中国航空工業とアジア太平洋地域の航空装備生産大国との間には依然一定の技術的隔たりが存在し、いくつかの基礎的な部品およびユニットの上では輸入に依存している。

中国は1990年代末から将来作戦機研究開発を開始した。中国が積極的にこの領域の研究開発作業を展開するのは、主にアメリカ空軍がすでに第5世代戦闘機を装備済みであり、ロシア、インド、日本、韓国も類似の飛行機を研究開発中だからである。方向性を持ち、バランスをもって発展する軍事技術政策の推進と共に、北京は近い将来のうちに国外の多機能戦闘機の輸入あるいはコピー生産という局面から完全に離脱することになる。

現在の計画によれば、解放軍空軍の作戦能力は質的向上を達成することになるだろう。また、実戦機の数も大幅に削減される。例えば1990年から2010年までだけで、解放軍の作戦機の数はすでに4,500から1,400機にまで減らされ、2/3近く減少し、第4世代戦闘機の現役作戦機の中の比率はすでに40%に近づいている。

西側メディアの報道によれば、2012年3〜4月、中国は殲ー16戦闘機に対する工場の試験を開始し、同時に継続的に艦載戦闘機殲ー15を改良し、それが暴露した欠陥を消し去り、技術戦術性能を高めた。中国は2015年から殲ー15の量産を開始する計画で、この飛行機は解放軍海軍が2012年9月に装備した「遼寧艦」空母上に置かれることになると見られる。

中国はさらに継続して成都飛行機工業社が研究開発した新型戦術戦闘機殲ー10Aを量産している。中国はこの飛行機を使用してそれぞれ古い機種の殲ー6、殲ー7戦闘機に取って代わらせる計画である。中国の技術者は戦術戦闘機研究開発の過程で、イスラエルの設計者が「ラビ」戦闘機を製造した時に掌握した技術方案を広範に応用し、国外で研究開発された個別の部品とシステムを使用した。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「外国メディア、殲ー20の性能はアメリカのF-22に劣らないと推測」です。)

殲ー10A機の動力装置はAL-31FNダブルルート式アフターバーナー付きターボジェットエンジンからなり、アフターバーナー使用時の最大推力は132.6キロニュートンである。機載電子設備の基礎はレーダー照準システムで、これには国産の1493型レーダー(空中目標探知計測距離150km、同時に15の目標を追跡でき、同時に8つの目標を攻撃できる)、操縦ナビゲーションシステム、ヘルメット式目標指示システム、およびロシアとイスラエルの専門家の援助の下に製造された集成通信システムと電子戦設備が含まれる。この戦闘機はさらに吊り下げポッドを使用して追加で照準・ナビゲーションおよび偵察設備を装備できる。戦闘機の武器システムには内蔵された23mm機関砲1門が含まれ、7つの外部ラックに空対空および空対地ミサイル、対艦ミサイルおよび対レーダーミサイル、制御誘導および非制御誘導航空爆弾を搭載する。中国はさらに継続して殲ー10Aの作戦機能を増強し、特に機の戦術技術、機動および加速性能を向上させるため、AL-31FN-M1全方向推力ベクトルエンジン(アフターバーナー使用時の最大推力144.4キロニュートン)を装備しており、さらに一歩機載電子設備を完備し、機の複雑な気候条件および妨害環境下での地上および海上の目標を捜索、探知計測、識別、判断する能力、空対地制御誘導武器を誘導して目標を攻撃する能力、および空中偵察や電子戦任務を執行する能力を向上させ、このためこの飛行機はさらに新型多機能機載レーダーを装備することになる。

中国はさらに成功裏に殲ー10B改良機種を研究開発し、国産のWS-10ダブルルート式アフターバーナー付きターボファンエンジンを配備し、主要な差異は空気取り入れルートの形状がやや改変され、レイアウトに少し変化があったことである。複座バージョンの殲ー10Sの機クルーは2人で、飛行員の他1名の火力コントロールシステム操作員が加わった。中国はさらにこの戦闘機を基礎に艦載バージョンの戦術戦闘機殲ー10Cを製造することを試みており、その動力装置は2台のダブルルート式アフターバーナー付きターボファンエンジンからなり、機体の部品とシャーシは顕著に強化され、折りたたみ翼と着艦フックを配備することになると見られる(頑住吉注:単発機を双発機にする改良というのはちょっと考えにくく、記述の誤りだと思いますが)。

全体的に言って、解放軍空軍および海軍の需要、加えて輸出供給を考慮すると、中国の殲ー10およびその各種改良型戦術戦闘機の生産規模は1,200機に到達すると見られる。

指摘しておくべきなのは、中国航空工業601所および沈陽飛行機工業社が改良型殲ー11Bを基礎に、成功裏に艦載バージョン戦闘機殲ー15を研究開発したことである。2013年秋、5機の殲ー15戦術戦闘機の原型機が「遼寧艦」空母上で試験を行った。国外の専門家は、殲ー15は解放軍海軍航空隊の塗装とマーキングをもって正式に明るみに出、このことはこの機の試験作業がすでに終わり、部隊装備が開始され、海軍航空隊に編入されて就役したことを意味している、と指摘する。

中国航空工業の研究開発活動の前途の方向性は第5世代戦術戦闘機殲ー20および殲ー31の研究開発と生産の組織で、それらはそれぞれ2011年1月11日および2012年10月31日に初の飛行試験を行った。2013年2月までに、殲ー20はすでにおよそ60回の試験飛行任務を完成させた。この2種の飛行機はいずれも2020年までに部隊に装備される計画である。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「殲ー20の技術はヨーロッパに先んじる」です。)

殲ー20戦術戦闘機は601所、611所、すなわち沈陽飛行機、成都飛行機によって合同で研究開発され、611所によって総体としての責任が担われている。この機はエンテ式レイアウトを採用し、コントロール可能な水平前翼、全体が動く垂直尾翼と水平尾翼を使用する。中国空軍のこの戦闘機に対する当初の要求は作戦機能上西側の技術先進国の先進戦闘機、まずはF-22Aと同列に論じられる飛行機を作り、劣悪な気候条件下で全天候オールタイムで広範に各種作戦任務が執行できること、というものだった。このうち最も重要な任務は制空権奪取、対空防御、各種空中目標の殲滅、地上目標および水上目標の攻撃、各種殺傷兵器を使用しての地上あるいは海上目標に対し正確打撃を実施すること、敵サイドの強大な何重もの防空体系、例えば空母戦闘群の防空火力網を突破することだった。このため、殲ー20機が具備すべき主要な特徴には次のものが含まれた。ステルス、主要な武器を武器コンパートメントに内蔵すること、エンジンのアフターバーナー使用状態での超音速の飛行速度、高い機動性、比較的高い離陸着陸性能(エンジンのベクトル推力コントロールシステムおよび機のフライバイワイヤシステムの使用)、作戦半径が大きいこと、戦闘搭載荷が大きいこと、武器配置が広範であること(各種空対空および空対地制御誘導武器含む)。中国はさらにこの機が先進的な航空電子設備を配備し、将来戦闘機の多機能特性を保障することを特別に重視した。

中国は第5世代戦闘機研究開発方面のいくつかの競合プロジェクトを評価する時、ひたすら作業の期限を短縮し、財政資金を節約することを拒絶した。新世代戦闘機の基礎として、アメリカのF-22戦闘機とロシアのミグ1.44検証機の空力レイアウトと設計方案を選択した。2010年から何機かの試験サンプル機に対する飛行試験を開始した。推測によれば、中国の新世代量産型戦闘機の動力装置には国産のWS-15およびWS-17推力ベクトルエンジンが使用され、アフターバーナー使用時の最大推力は130〜150キロニュートンである。このエンジンの使用は重量が25〜28トンにも達すると見られる(50%の内部燃料タンクの搭載量、2発の中距離空対空ミサイル、2発の格闘ミサイル)戦術戦闘機が、必要な技術戦術性能および機動性能を具備することを保証できるとされる。

国外メディアは、近年来中国の新金属材料国家重点実験室はすでにニオブ、チタンおよびアルミの合金を基礎に、新型高強度耐熱材料を製造した、と指摘する。それは強度上ニッケルベースの合金に劣らず、重量上はかえって半分近く軽く、したがって大幅に飛行機のエンジンの重量を軽減することができる。現在すでに知られている情報から見て、この合金材料は中国の航空宇宙装備、船舶研究開発の新時代を開き、同時に自動車工業やその他の業界にも広範に応用されることになる。この耐高温材料はまず航空エンジンのタービンブレード(圧縮機)に用いられ、極限の高温と作動環境圧力の試練を受け、現代ジェットエンジンの先進性能の主要な指標である推力:重量比を向上させる。すなわちエンジン推力と重量の比の値である。この将来合金材料は中国航空宇宙工業に突破を取得させ、世界の先進国のこの領域における先進技術レベルに到達させることになると見られる。

殲ー20の機載航空電子システムの基礎は国産の1475型フェイズドアレイレーダー、光電子照準システム、ワイドスクリーンカラー液晶モニター、ヘルメット目標指示システムである。これらの設備の試験サンプル品はイスラエルとフランスの技術を参考にしており、現在改良型殲ー10B戦術戦闘機で試験が行われつつあり、研究開発作業は依然急ぎ推進されている。

殲ー20が搭載する武器は主に機の両側および中部の重心位置という3つの2.2m幅の武器コンパートメントに内蔵され、これには各種の近代化されたミサイル、例えばPL-12空対空ミサイル、SD-10空対地ミサイル、および対輻射ミサイルや対艦ミサイルが含まれ、この他さらに各種航空爆弾、例えばFTおよびLS系列航空爆弾がある。さらに内蔵式30mm機関砲がある。最大戦闘搭載荷状態の下では、さらに最多で6つの外部武器吊り下げ搭載架が使用できる。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「殲ー20は中国軍用機発展の道の上の重要なマイルストーン」です。)

外国の専門家は評価し、殲ー20戦闘機は総体として中国空軍のこの種の飛行機に対する近代化の要求に符合し、例えばアメリカ人は内部燃料タンクの燃料搭載量が比較的大きく、機が比較的大きな作戦半径を持つことを保証でき、グアム島がカバーできると考えている、と指摘する。だがいくつかの指標や性能、例えば機動性、ステルス性、超音速巡航飛行能力などの方面では、殲ー20はアメリカの同類の戦闘機に遜色があるかもしれない。これはまず中国が出力が大きく、経済効率が高く、寿命が長く、信頼性が高いエンジンの研究開発および生産方面、および機載フェイズドアレイレーダー、光電子照準システム、情報交換システムやその他の設備方面において、技術的難題に遭遇しているからである。

例えば現在最も殲ー20に装備するのに適している国産WS-10エンジンは、解放軍空軍部隊の試用結果が必ずしも意図する通りではない。軍サイドは、もしエンジンに対し実質性の加工や改良を行わないならば、この動力装置の購入は拒絶することになるだろう、何故ならこのエンジンの推力と経済性に関する指標は比較的低く、信頼性は劣り(120〜200時間を超えない)からだ、と言明している。だが、こうした欠点はすでに2010〜2011年にWS-10A改良型ターボファンエンジン(アフターバーナー使用時の最大推力120キロニュートン、寿命500時間)で一部消し去ることができている。実験室でのテストでは、国産エンジンはさらに一部の部品が二等品で、作動性能が不安定であるという欠陥を暴露している。2011年、中国はWS-10Aを基礎に、成功裏にWS-10Bエンジンを研究開発し、その推力は顕著に増加し、しかもベクトル推力コントロールシステムを使用することができる。現在、中国はさらに新たな改良型WS-10Gを研究開発中で、そのアフターバーナー使用時の推力は150キロニュートンにまで増加しており、将来デジタル化コントロールシステムを配備し、突出した特徴は推力:重量比のパラメータが比較的高く、ステルスレベルが増強されていることである。最大推力が180キロニュートンに達し得るWS-15将来エンジンに関しては、2015年以後試験が行われる可能性があると見られる。

専門家は、これらの技術的問題が全面的に解決されれば、解放軍空軍が2020年代に新世代戦闘機を装備する助けになり、同時にその調達価格が国外の同類戦闘機に比べ少なくとも50%下降することが保証され、単価は1億アメリカドルを超えず、2017〜2019年に空軍および海軍航空隊に向け大量供給されると見られる、と考える。また、中国の科学技術および生産のポテンシャルが急速に成長するという条件の下では、充足し安定した財政割り当てさえ保証できれば、技術的突破の実現可能性を保持でき、したがって殲ー20戦術戦闘機の研究開発期間を顕著に短縮し、機の戦術技術性能を徹底して改善することができる。

指摘しておくべきなのは、中国はさらに国産航空工業の輸出能力を拡大し、東南アジア、アフリカ、パキスタン、中東、ラテンアメリカの武器市場に進軍し、徐々にアメリカ、西欧およびロシアの生産した軍事航空装備を排除することを準備していることだ。要するに、中国は積極的に解放軍空軍を発展させるのと同時に、大きな部分の精力を集中させて世界武器市場に進軍し、先んじた地位を追求し、こうしたあらゆることは国家の経済、軍事、政治的ポテンシャルをさらに一歩増強する助けになる。(編集翻訳:林海)


 「新型高強度耐熱材料」とか非常に気になるんですが、新型エンジンも含めこれらが仮に本当であったとしても、中国ではどうも少数の手間をかけた試作品では高性能が出せても量産すると品質が保持できないという問題が存在するふしがあり、こうした問題はそう簡単に解決できるのものではないとの指摘もあり、本当に戦力になるまでにはまだ相当の時間がかかるのではないかとも思われます。
















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