中国が戦略ミサイル原潜を公開したのは何故か その2

 いつも紹介する、読者アンケートを行っている「軍情視界」というシリーズもこの問題を取り上げています。

http://military.china.com/zh_cn/jqsj/043/


中国は何故ハイテンションで原潜部隊を宣伝するのか?

その意味は絶対に「自信を明らかに示す」ことに留まらない

イントロダクション:今週が始まると、「中国の原潜」が国内各大メディアのキーワードとなった。理解できる原因により、中国の原潜部隊は何十年来終始神秘のベールをまとってきた。このため、この「神秘」の部隊が公衆の視野に初めて出現すると、外界の広範な関心を引き起こした。時が中日関係のデリケートな時期であるため、ある人は中国当局のこのやり方の動機に自分なりの解釈を行っている。別の一部の人はこれまで中国軍が公開した集団軍番号の情報と関連付け、これを中国の軍事透明化の措置の1つと解釈している。当然、さらに別の分析をする人もいる‥‥

神秘のベールをはぐ

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「原潜と空母は同様に大国の『大国が標準装備する武器』である」)

「無から有へ、弱から強へ」

1970年代には早くも、中国はすでに世界原潜クラブの第5番目の会員になっていた。だが、中国は当時5隻の091攻撃型原潜と3隻の092型戦略原潜しか持っておらず、数が少ないことは置いておいても性能にも問題があったとされる。例えば091はかつて騒音問題ゆえに外国メディアによって罵倒されて止まなかった。これだけではなく、その搭載する武器装備も劣っていた。092が搭載する「巨浪ー1」ミサイルの射程も2,800kmに過ぎなかった。この時の中国の原潜はまだ威嚇力を持たず、有無の問題を解決したに過ぎなかった。これにかんがみ、中国の新世代潜水艦では方向性を持っての努力がされた。公開されている資料から見て、093型攻撃原潜は速度が速く、騒音が小さいだけでなく、さらに国産の最も先進的な有線誘導式魚雷、対艦ミサイル、超音速遠距離対艦ミサイル、巡航ミサイルなどを装備し、正真正銘の水中の殺し屋である。094型ミサイル原潜は12発の射程が8,000kmに達し得る「巨浪ー2」が搭載でき、騒音も非常に大きく低下している。093と094は中国海軍に真の意味での威嚇力を持たせ、かつ眼光を広大な太平洋とインド洋に投げかけている、と言うことができる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「日本がイラスト化した中国の094級戦略原潜の方案図」)

一体なぜ「ランキング下位」!

この前ある外国メディアは、中国の原潜は5大原潜保有国(頑住吉注:アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国、インド‥‥あれ? 「大」だからインドは除外?)のランキング最下位で、何故ならそれは動力システム、武器システム、静音措置いずれもアメリカやロシアに立ち後れているからだ、とした。非常に多くの人は見た後、やや気落ちすることを免れなかった。だが実は必ずしもこうではないのである。何故なら、もし単独で実力最強のアメリカ海軍に直面しても、中国の原潜には依然自らの2大「絶技」があるからである。まず中国の戦略原潜が搭載する武器の射程が大いに増している。「巨浪ー2」は中国の海域からでもアラスカを打撃でき、さらに本物と偽の核弾頭を用いて防御突破効果を向上させることができる。また、094原潜の騒音はすでに110デシベルまで低下しているとされる。この数値に関してはまだ検証が待たれるが、094の静音効果が非常に大きく向上したことは争いのない事実である。もしアメリカと相対しても、中国には一定の対抗手段がある。ならば、完全に通常潜水艦を配備する日本や、ロシア製原潜に頼って維持されるインドに関して言えば、中国の優勢は言うまでもない。この意味から言うと、中国の原潜の出発は比較的遅かったが、すでに相手を最も恐れさせる「切り札」となっているのである。

「第4世代原潜‥‥」

以前、遼寧省の副省長譚作鈞は、中国の第4世代原潜はすでに研究開発が完成している、と明らかにした。このことは外界の多くの推測を引き起こし、ある人は譚副省長の言う「第4世代原潜」は095型攻撃原潜および096型戦略原潜に違いない、とする。もしこうした噂が事実に属せば、これは中国海軍が間もなくより先進的な新世代の切り札を持つことを意味する。国力の向上と力強い進歩のおかげで、中国の第4世代原潜は最初から高い起点を照準している。かつてある事実確認を得ていない資料は、095原潜は射程が3,000kmの「海鷹ー4」型対艦巡航ミサイルを配備し、また「東海-10」潜水艦発射型対地巡航ミサイルも装備に含まれ、同時にこの艦は「長鷹-3」対潜ミサイルおよび「鷹撃」系列対艦ミサイルを発射することができ、また095の探知計測能力、電子作戦の程度は093に比べより高い、としていた。戦略原潜方面の情報も同様に人を興奮させるもので、より大型の096原潜は24発のより先進的な「巨浪ー3」潜水艦発射型大陸間弾道ミサイルを搭載でき、このミサイルは1発ごとに10個の核弾頭が搭載できる。このように、もし1隻の096型戦略原潜でももう240個の核弾頭が搭載でき、ほとんど中等の核保有国の全部の財産に相当する!

ベールを脱いだ中国の原潜

中国は世界原潜クラブ第5番目の会員である

「巨浪ー2」は中国の原潜の威力を大いに高める

中国の原潜が岸に寄せて補給を行う

単なる切り札ではない

最も鋭利な報復手段

中国が原潜を持つことはとっくに何の秘密でもなくなっている。だが国家の威嚇力の象徴であるにもかかわらず、中国の原潜の担う重大な任務はごく少ない人にしか注意されない。戦略爆撃機、陸上基地戦略ミサイル、原潜から組成される「三位一体」の戦略核武器庫の中で、原潜はその隠蔽性が強い、機動性が高い、生存力が強いことをもって戦略核威嚇力の中核となる。この優勢は、明確に「核兵器先制不使用」政策を宣言している中国にとっては特に重要であると言える。ひとたび敵サイドの核攻撃に遭ったら、大部分の陸上基地戦略ミサイルと戦略爆撃機は機能を失う可能性がある。だが原潜の生存率は相対的にずっと高い。もし1隻だけ生き残ったとしても、敵に対し「後発で人を制す」式の反撃が実施できる。まさにこの点を見るからこそ、中国は「一万年も惜しまず」原潜を実現しようとしたのである。「努力は必ず報われる」で、1996年3月の台湾海危機の中で、中国の原潜はそのあるべき作用を発揮した。事実として、中国はまさに相次いで原子爆弾、原潜を持ったからこそ、国際的に自らの大国の地位を固め、だからこそ国際的な業務の中で一挙手一投足が全体に重要な影響を及ぼす発言権を取得したのだ、と言える。

空母時代の中国の原潜

かつてある時期、空母と原潜のどちらを海軍の主力として発展させるべきかに関し、各国海軍の発展過程で非常に多くの論争が引き起こされた。事実としては空母と原潜は決して相互に取って代わる関係として存在しているわけではなく、両者は完備された強大な現代遠洋海軍の建設に対し1つ欠けても不可なのである。ある意味から言って、攻撃型原潜は「空母の保護者」とさえ見なされる。現在、空母はすでに中国海軍の戦闘序列の中に出現しており、これが遠海に向かう過程で、中国の原潜はきっと非常に大きな責任を担うことになる。原潜が空母の戦闘の中でいかにその戦闘を左右する効果を発揮するかに関し、かつてある専門家は次のような場面を描写した。攻撃型原潜は空母艦隊に数日も先んじて予定の海域に到達し、相手方に水中の脅威があるか否か偵察し、もし脅威があれば同時に脅威を解除する必要がある。

各方の声

楊毅:中国の原潜は「規模が適度」である必要がある

中国の原潜は「規模が適度」である必要がある。我々は絶対に盲目的にアメリカが建造した70〜80隻の原潜と張り合ってはならないが、少なくとも20隻前後の規模があるべきであり、これで初めてOKである。

さらに多くの声

外国メディア:093、何故生産停止 095が出現

イギリスメディア:中国、秘密のうちに原潜クルーを募集

外国メディア:グレードアップ後の元級潜水艦の攻撃力が倍増

尹卓:中国の原潜部隊、ひとまず核威嚇および核反撃能力を持つ

中国の原潜部隊はかつて90昼夜の長期航行を持続し、世界の原潜の長航続時間の新記録を創造した。我が軍の戦略鉄拳として、ひとまず核威嚇および核反撃能力を具備した。

より多くの声

日本メディア:中国の原潜部隊公開に2大理由あり

外国メディア:095原潜、垂直発射巡航ミサイルを使用へ

外国メディア:中国第4世代原潜の航行速度は魚雷を超える

ネット仲間の調査

あなたは中国の原潜が最も早急に解決を必要とするのはどの問題だと思いますか?

航続距離の延長 5.14% 91票

騒音の軽減 51.98% 921票

武器システムの改良 14.23% 252票

「亀背」の縮小 5.31% 94票

数の増加 22.13% 392票

はっきり言えない 1.25% 22票

総票数 1772票

中国の潜水艦、アメリカ空母を退却させたと伝えられる

1996年3月、「台湾独立」勢力を打撃するため、中国軍は東南沿海で三軍軍事演習を行った。この期間、アメリカは相次いで2個空母戦闘群を派遣して台湾東部海域に向かわせたが、アメリカ空母はごく短期間でまたこの海域を退出した‥‥

結び:世界原潜クラブの第5番目の会員として、原潜はずっと中国海軍の最も誇る財産だった。現在中国海軍の原潜の数は少なく、性能は劣り、象徴的意味が実際の軍事的機能よりはるかに大きい。だがもしこうだとしても、原潜の持つ非常に大きな作戦上の威力は、他国に中国海軍を見直さざるを得なくさせる。この意味から言って、原潜は現在の覇権があえて我々に対し武力を動員しないよう威嚇する護国の神器であり、「共和国の錨」と称するに堪える。


 いや一生懸命騒音は改善されたと宣伝しても、半数以上の読者は「課題は騒音軽減」と思っているわけですね。もちろん宣伝の方が正しいという可能性はゼロではないでしょうが。ちなみに「中国は何故ハイテンションで原潜部隊を宣伝するのか?」に関する記述じゃなかったですね。

 関連記事をもう1つ紹介します。

http://military.china.com/critical3/27/20131105/18129180.html


中央テレビ、珍しくも中国の原潜を明るみに 三大弱点が俎上に上げられる

最近、中央テレビは中国初の原潜部隊に関するいくつかの情報を発表し、この中からは少なからぬものが見て取れた。当然いくつかのものは好ましく、いくつかのものは不足を感じさせるものである。好ましいものは多く、例えば原潜の安全な退役、90日の水中自力持続力という世界記録を創造‥‥等々はいずれも好ましい部分であるが、これに関しては多くを語らない。ここでは主に中央テレビが発表した情報の中から中国原潜の不足な部分を少し語る。

1、潜水深度がまだ充分深くない

中央テレビの情報発信後にあった1つの情報は当時テストした極限深度について語っている。それによると230mの時潜水艦のスチール角材などの部位にすでに小さくない変形が発生しており、しかもわずかな浸水現象もあったという。302mになるとすでに変形は大きく、基本的に極限深度と評価され、このため中国の戦略原潜(092型を指しているに違いない)の極限潜水深度は302mだという。だが明らかにこのような潜水深度はまだ浅すぎる。ロスケの潜水艦の潜水深度は600mに達するとされ(最大で1,000m近くに到達したとする説もある)、一方アメ公の原潜の極限潜水深度も往々にして400〜500mに達する、ということを知る必要がある。一方中国の092は300mでしかなく、明らかに浅すぎる。このような深度でも通常潜水艦にとってなら充分だが、大洋を遊弋し核戦備当番を行う原潜にとっては明らかに不充分と言える。このため中国の新世代原潜の潜水深度は極力400m、甚だしきに至っては500mに極力到達するよう努めるべきである。

2、戦略原潜のサイズ(断面の直径)がまだ小さすぎ、さらに快適性を向上させる必要がある

これは充分な射程のミサイル(ミサイルの長さが充分に長い必要がある)を保証するためである。ならばミサイルの直径が潜水艦の直径を比較的多く超過する結果がもたらされる。こうして比較的高い亀背を加えて問題を解決する必要がある(頑住吉注:潜水艦の断面は基本的に円ですが、その上に付け加えられる角型の部分を「亀背」と言っているようです)。中国の094(噂にあるJL2ミサイル仕様に改装された後のかの092含をむ)(頑住吉注:「JL2=「巨波ー2」」)は往々にして亀背が比較的はっきりし、このようにすれば直ちに潜水艦の静音性能などの低下がもたらされる(頑住吉注:他に水の抵抗が大きくなって速度が低下するでしょうね)。このため新世代の中国戦略原潜は直径をより大きくすべきである。アメ公の戦略原潜を見てみると往々にして亀背は比較的小さく、にもかかわらず潜水艦発射型ミサイルは往々にして1万km以上先に到達し、8,000kmのJL2の射程よりさらに長いのである。

潜水艦が大きくなって潜水すれば明らかに中国戦略原潜の隠蔽性に不利となる。中国の黄海、東海、渤海はいずれも水深の浅い区域で、南海だけが水深の深い区域である。このため南海を中国の海洋基地核プラットフォームの基地とする必要があり、このことはさらに中国が完全に南海を支配することを要求する。単に戦略力量から言っても非常に重要であり、結局のところ中国のような先制使用せず、攻撃に遭った後に反撃を行うという核武装戦略にとって、陸上基地核兵器は非常に不利で、敵サイドの第一波の打撃の後の生存率はごく低い。だが海洋基地は違い、生存率はずっと高い。当然単に実際に南海を完全に支配することは中国の原潜が妨害されずスムーズに広々とした太平洋に進入する必要条件でしかなく、最低限でもさらに台湾を回復し、バシー海峡を支配することが必要であり、それでやっと真に中国の原潜が妨害されずスムーズに大洋に進入することができると評価されるのである。

また、サイズが大きくなってこそ快適性(頑住吉注:「居住性」に近いでしょう)が向上できる。当時の中国の原潜は水中自力持久力で世界記録の90日に到達した。これは中国軍将兵の苦しみに耐える精神と身を犠牲にして奉仕する精神を説明してはいるが、中国の原潜はサイズが小さく、内部の生活環境は明らかに比較的劣り、このことは戦闘力の保証に対し不利と言える。21世紀に入って、いつも「精神は原子爆弾並みの力を持つ」論を語っていることもできず、精神の作用を語ると同時に、物質方面を強化する必要がある。特に30年余りの一人っ子政策により、現在入隊する兵士が全て一人っ子という結果がもたらされ、さらに加えて生活条件の改善があり、これらの兵士は当時の彼らの父親世代の兵士たちのような苦労に耐える性質とは比べられない。このことはさらに原潜の快適性方面の建設強化を必要とさせる。このようにトン数とサイズをより大きくすることが必須となる。アメ公の次世代戦略原潜は現役に比べより大きいが、搭載される戦略ミサイルは逆に現在の24発から16発にまで減少する、とされる。アメ公の快適性に対する重視が見て取れる。アメ公は一人っ子政策を取っておらず、彼らの兵士は往々にして何人もの兄弟姉妹がいる。だが中国の現在の兵士は往々にして一人っ子であり、このような状況下では家長は当然より多く心配する。さらに快適性の向上が必要である。

かの90日の自力持久力試験中、パイプラインの爆発で蒸気による人の火傷がもたらされる事情があったとされる。傷は重くなかったが、当時快適性に対する関心が低すぎたことをも説明している。

3、攻撃原潜は遠距離対艦巡航ミサイル、遠距離対地巡航ミサイルを追加する必要がある

ここで言うのは中国の091であるが、前期は魚雷がメインの武器で、後期は数隻が改装、延長され、潜水艦発射型対艦ミサイルを追加したようだ。だが攻撃原潜に関しては、中国はこれを多用途化し、自らの戦略原潜の保護と敵サイドの船舶や潜水艦の攻撃のためだけではなく、対地攻撃機能を包括したものにすべきである。


 ロシア人は「毛熊」、アメリカ人は「美畜」という蔑称になっているので蔑称で訳しました。ちなみに中国語でアメリカは」「美国」でありここに「美しい」という意味はありません。どうでもいいですけど「美畜」ってSMの世界っぽいですね。

 本筋ではありませんが中国が南シナ海への進出にこだわるのにはこういう理由もあるんですね。






















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