直ー20の意義は

 「軍情視界」の殲ー20に関する記事です。

http://military.china.com/zh_cn/jqsj/052/


直ー20の初飛行は解放軍の空白の1つを埋めた

性能、「ブラックホーク」を超える 三軍の汎用ヘリの主力へ

イントロダクション:中国陸軍航空隊は建設からすでに30年にもなるが、中国軍には長期にわたり10トン級の汎用戦術ヘリで突撃輸送、空輸、後方勤務支援を執行する能力が欠乏し、2008年のウェンチャン地震(頑住吉注:日本では四川大地震などと呼称)ではこの残酷な事実がさらに突出した。だが年末近くになって、この問題はついに直ー20の初飛行成功によって完全に解決された。外観の相似性ゆえに、非常に多くの人は直ー20を中国版「ブラックホーク」と呼ぶが、直ー20と「ブラックホーク」には実はより多くの差異があると指摘する専門家もいる‥‥

遅れてきた驚きと喜び

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「直ー20、ついに神秘のベールをはぐ」)

神秘のベールを脱ぐ

2013年12月23日午前11時20分頃、国内の空白を埋める機種である10トン級中型汎用ヘリ、直ー20が東北の某飛行場で初飛行を行った。事実としては、このいわゆる直ー20という名称はネット仲間が非公式に伝えてそのまま使われている名称に過ぎず、当局による正式名称ではない。その正式名称は就役時に発表される見込みである。こうではあるが、この外形が「ブラックホーク」に酷似した新型ヘリは、やはりここでその神秘のベールを脱いだのである。これまでに、中国が10トン級汎用ヘリを研究開発中であることに関係する情報が世間に流れて久しい。2006年10月に行われた珠海航空展で、中航工業の展示台上に10トン級汎用輸送ヘリの模型が突然出現した。このことは疑いなく広大な軍事マニアたちに非常に大きな驚きと喜びを与えた。今年9月、あるネット仲間が高速道路上で形が「ブラックホーク」に似た「ちまき機」がトラックに搭載されて輸送されているのを撮影し、直ー20の原型機と認定した。10月、またある報道が、グーグルマップ上に発見された、空軍ハルビン飛行学院試験場に置かれているかの5枚ローターのヘリこそ直ー20であると考えた‥‥

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「かつてあるネット仲間が撮影した直ー20らしきちまき機」)

直ー9とミルー17の間の空白を埋めた


かつてある人は直ー20の初飛行を「遅れてきた驚きと喜び」と称した。これは中国が1980年代には早くもヘリ業界の発展のためトン数に応じて系列で発展させる長期計画を制定し、その中にもう10トン級ヘリがあったからである。国産10トン級汎用ヘリ研究開発成功の前、解放軍の高原快速機動に対する需要は主にアメリカ製の「ブラックホーク」に頼って満足された。1990年代に入って、中国が再びアメリカからより多くの「ブラックホーク」を追加購入できなくなった後、ロシアから多数のミルー17系列各種改良型を導入する方向に転じた。搭載重量を犠牲にするという前提の下に、ミルー17も高原空輸の需要を満足させることができた。だが、小隊級の輸送機として、ミルー17の発着場所に対する要求は、分隊級の「ブラックホーク」に比べより過酷で、「ブラックホーク」のように輸送機内に搭載して空輸されることもできず、したがってその戦略機動能力と応用範囲が削減された。このため、直ー9とミルー17の間の輸送力の空隙を埋めるためというのが中国が「ブラックホーク」の代替品を研究開発する重要な推進力となった。今、この空白はついに直ー20によって埋められたのである‥‥

単なる「ブラックホーク」の中国による複製品というだけではない

少なからぬネット仲間は直ー20を語る時、いつもそれを中国版「ブラックホーク」と呼んでいる。確かに、「直ー20」とブラックホークの空力レイアウトは基本的に似ており、いずれも単一ローターにテイルローターが伴った典型レイアウトである。またあのような種類の、機内の容積を犠牲にしてでも機体の全高を下げて遠距離作戦を追求するやり方も、疑いなく「ブラックホーク」の理念を参考にしている。しかし、両者の「形状の相似」の背後では、より多くの異なるところが人々の注意を引きつけている。「ブラックホーク」に比べ、機体が扁平な直ー20はメインローターに5枚ローターの構造を採用しており、より良いコントロール性と機動性を持つ。機体と尾部ブームの連結する所にははっきりした過渡構造がある。これは直ー20を見たところよりオタマジャクシに似せている。機体はより大きく、尾部ブームは短く、小さいようで、相応にメインの脚とローターの機体における相対的位置もより後ろ寄りである。このことは直ー20により大きな搭乗室スペースと内部燃料タンクがあることを意味する。このような調整が、高原の飛行、航続距離と搭載能力の増加という需要を満足させるためであることはごくはっきりしている。また、直ー20の2枚式風防は「ブラックホーク」の3枚式に比べ、視野がより良い。

解放軍陸軍航空隊の武器庫の中の3機種の輸送ヘリ

直ー9小型多用途ヘリ

日増しにおいぼれる「ブラックホーク」

解放軍陸軍航空隊が装備する「ミルー17」

直ー20の広大な天地

戦場の万能選手

搭載重量、後続距離など陸軍航空隊の汎用型ヘリに対する全ての要求を満足させるものではあるが、直ー20の用途は絶対にただ単なる輜重兵、あるいはチベット高原の歩哨所の補給のためといったような簡単なものではない。機体の窓の位置から見て、直ー20は「ブラックホーク」同様ESSSシステム(頑住吉注:外部搭載支援システム)の能力をあらかじめ留保しているかもしれない。機体上に2つの短い翼が追加され、それぞれの下面に2つの外部吊り下げポイントがある以上、サブタンク、機載対戦車ミサイル、航空ロケットなどが搭載でき、直ー20に遠距離配備の能力を具備させることができ、対装甲、対地攻撃任務も執行できる。より多くの兆候は、直ー20が将来戦闘艦の甲板上に持つもう1つの可能性は、甚だしきに至っては陸上よりもより輝かしいことを示している。10トンを越える離陸重量、より大きな内部空間と航続距離は、直ー20が対潜捜索および攻撃、対艦中継制御誘導、遠距離通信中継、海上捜索救難などの任務を執行する時、目立って自由自在にさせる。正真正銘の戦場の「万能選手」として、直ー20は我が軍の、特殊用途ヘリが欠乏した苦境を大幅に緩和させる。当然、直ー20はさらに国際市場にも参入できる。

中国の「空中機動師団」?

中国陸軍航空隊は建設からすでに30年ではあるが、直ー20登場前、陸軍航空隊の「羽根」は決して完備されていなかった。建設の初期、陸軍航空隊は輸送ヘリのみがメインで、後に少数の「ガゼル」を導入し、ヘリによる装甲集団打撃の経験を模索し始めた。直ー9の部隊装備後も、その作戦模式は長期にわたり地上作戦支援に留まり、地上部隊に配属された。だが直ー20は20名の完全武装の兵士とセットされる装備を輸送して遠距離機動突撃が行えるだけではなく、さらに中型輸送機として1両の装輪式軽装甲車あるいは1門の155mm榴弾砲および弾薬を吊り下げ輸送することができる。必要な時は火力制圧や陸戦隊突撃島上陸の援護任務も遂行できる。10トンの搭載重量と柔軟な搭載方式に頼り、直ー20は解放軍陸軍航空隊の、大量の重装備歩兵および武器装備を輸送し、高原環境の快速機動と島奪取突撃を行う厳格な要求を基本的に満足させた。直ー10、直ー19、および直ー20の相次ぐ就役は、我が国の未来の空中突撃師団といったような高機動作戦部隊建設のために、物質的基礎を提供したと言うことができる。

各方の声

房兵:直ー20は大役に堪える 三軍汎用ヘリの主力となる

直ー20は決して専用ではないが、大役に堪える。輸送任務も引き受けられるし、ミサイル、ロケットランチャーなどの武器を搭載して火力支援も行え、さらに電子戦任務も執行できる。

より多くの声

ロシアメディア:直ー20は明らかにアメリカ製ブラックホークの複製品

直ー20量産型はWZ16、甚だしきに至ってはWZ11エンジンを用いることに

香港メディア:直ー20、あるいは空母に装備され、かつチベットに配備されるか

杜文竜:直ー20の適応範囲は広い あるいは外部からの購入の構造を変えるか

もし直ー20がその優越した性能に頼って西部国境地域においてこの種の輸送任務が引き受けられたら、我が国が高原におけるヘリというこの空白を埋めることができたことを意味し、純粋に外部からの購入に依存している構造の転覆が生じるだろう。

より多くの声

直ー20:中国の陸海突撃力量の先兵

中国、ビンラディンを狩り殺し墜落損壊したヘリをサンプルに直ー20を作る

直ー20は直ー9、Ka-29に比べより艦への搭載に適す

ネット仲間の調査

あなたは直ー20汎用ヘリをどう見ますか?

中国版「ブラックホーク」 16.7% 93票

直ー9とミルー17の間の空白を埋めた 8.24% 46票

後日直ー20「ファミリー」を派生させるだろう 32.86% 183票

戦場の万能選手 12.21% 68票

中国はこれがあれば空中突撃師団が建設できる 26.22% 146票

はっきり言えない 3.76% 21票

総票数 557票

「ブラックホーク」in中国

1983年、中央軍事委員会は外国から青海チベット高原の劣悪な気候環境に適応する先進輸送ヘリを導入し、第一線の国境防衛歩哨所の補給問題を解決することを決定した。翌年6月、中米双方は24機の「ブラックホーク」ヘリ購入の協議を成立させ、総額は1.5億アメリカドルだった‥‥

結びの言葉

「中国の『ブラックホーク』」の一言では直ー20の全ての意義を形容するには不足であるというのはごくはっきりしている。何故ならその出現は、絶対に「複製品」というほど簡単なものではなく、それは中国がすでに持つフルセットの先進ヘリ研究開発、生産体系の象徴だからである。直ー20は解放軍に、機動性方面でも、快速反応能力でも、非常に大きな向上を得させる。しかし、直ー20の価値はさらに、単なる軍事用途だけではなく、その民間用領域の作用も軍事方面に劣らない。特に我が国の地域の地質災害が比較的多発している背景の下で、その加入は国家の災害救援機構を鬼に金棒にさせることになる。


 単純コピーでないのは確かですが、非常に強い影響を受けているのもまた確かで、同クラスのヘリの登場がアメリカよりはるかに遅れたのも事実です。しかしアメリカにもまだ次世代機配備の動きはないようですし、これが量産されればほぼ追いついたと言える状況にはなるかもしれません。読者アンケートの票数はいつもより少なく、やはりやや地味な装備と見られているんでしょうか。




















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