ロシア駐中国大使インタビュー

 もちろん完全な本音をぶっちゃけるわけはないですが。ちなみに記事は12月30日付で、「今年」というのは2014年のことです。

http://military.china.com/news2/569/20141230/19160367.html


ロシア大使:ロシアは中国の援助は必要とせず支持を必要とする 中ロは同盟を結ぶ必要はない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ロシア駐中国大使ジェニソフ」)

ロシア駐中国大使ジェニソフ、「グローバル時報」の特別インタビューを受ける

ロシアは中国の援助は必要とせず支持を必要とする

作者:穀棣 胥文g


「ロシアは中国の援助を必要としないが中国の支持を必要とする」、「ロシアは世界のプレーヤーであって『二流国家』ではない」、「ルーブル下落はロシア人に苦痛をもたらすが、社会不満や動揺をもたらすことはない」。12月25日、ロシア駐中国大使アンドレイ ジェニソフは「グローバル時報」記者の特別インタビューを受けた時、回答すること非常に明確だった。ジェニソフはデータを用いて話をしただけでなく、さらにはインタビューの中で時折中国語を用いて「百花斉放」、「国不以利為利、以義為利也」と語り、甚だしきに至っては中国人が最近ロシアに行って買い物することの詳細を話した。ジェニソフは、ロシア経済の困難な状況はちょうど人が風邪をひいたようなもので、平時に比べちょっと苦しいだろうが、ちゃんと治療しさえすれば風邪は遅かれ早かれ良くなるだろう、と語った。彼はさらに国家の独立した主権を保持するロシアが、カラー革命を成功裏に上演させることはないと堅く信じている。

ロシアは世界のプレーヤーであって「二流国家」ではない

グローバル時報:中国の読者は、ロシア経済に何が発生しつつあるのか非常に関心があります。西側が「ルーブルの崩壊」、甚だしきに至っては「ロシア経済の崩壊」を語っていますが、こうしたことに対しあなたはどのように見ますか?

ジェニソフ:私は、ロシア経済、特に金融体系は非常に困難な時を経つつあると考えますが、こうした困難は全て過ぎ去ることになります。もしロシア経済の下降がルーブル下落から来ていると仮定すると、現在こうした問題はもはやすでに先鋭的ではなく、何故ならルーブルの形勢はすでに好転しているからです。我々は西側の経済学者が言うところの経済崩壊を感じていません。2014年最初の10ヶ月、ロシア経済の成長率は1%に満たなかったですが、やはり成長しています。今年最初の10ヶ月、ロシアの貿易黒字は比較的大きく、1,500億アメリカドルに達しています。ロシアの専門家は、2014年の財政予算の黒字はGDPの2%を占めると予測しています。2014年のロシア経済発展の一大特徴は、農業の成長が比較的速いことで、今年のロシアの食料の豊かな収穫は、3,000万トンの食料の輸出を可能にしています。

ですが同時に我々はロシア経済が重大な危機に直面していることを認めることが必須です。この危機は市況とは無関係で、システマチックな危機です。まずは経済構造の問題です。長期にわたりロシアは経済構造を調整することができず、経済成長は主に石油天然ガスの輸出に頼っています。ロシアはエネルギー源に対する依存性が比較的強いですが、まだ大規模な危機をもたらすことはありません。現在国際的な石油価格は下降していますが、ロシア経済はまだOKです。しかも、世界の非常に多くの国の経済に波がある形式の発展が出現するでしょう。ロシアは下降段階を経ており、地縁政治方面でも挑戦に遭遇しています。これはまるである人が風邪をひいたようなもので、平時に比べればちょっと辛いでしょうが、まだ耐えられ、ちゃんと治療しさえすれば、風邪は遅かれ早かれ良くなるでしょう。2年の時間があれば、ロシア経済はもう現在の困難を克服できます。

グローバル時報:プーチンは2011年に首相に就任した時、ロシアは10年以内に世界経済五強入りするだろう、と語ったことがあります。まだ希望はありますか?

ジェニソフ:世界経済ランキングは相対的なものです。例えば1ヶ月前、ロシアのGDPは世界第6、7位に位置することができていました。最近のルーブル下落により、ロシアのGDPは一気に15位にまで転落しました。現在ルーブルには反発が出現しており、ロシア経済を一気に第6、7位にまで再び回復させるのはやや難しいですが、現在第8、9位に位置するのには問題はありません。私は、状況がいかに変化しようとも、ロシアには世界の先んじた経済体の地位を保持する能力と資源(頑住吉注:中国語の使い方からしてこれは天然資源より広い「材料」、「手段」に近い意味かと思います)があると考えます。2011年にプーチンが首相に着任した時に提出した10カ年経済目標は完成できます。1980年代、中国が世紀末までに経済倍増の実現を提出し、当時不可能と考える人がいましたが、中国が実現した、ということを覚えておくく必要があります。

(頑住吉注:これより2ページ目)

グローバル時報:ロシア経済発展が問題に遭遇するたび、あるいは西側の制裁ゆえに影響を受ける時、すぐロシアは「二流国家」でしかないと言う人がいます。あなたはこのような言い方をどう見ますか?

ジェニソフ:ロシアは困難な時期を経ており、直面する国際石油市場、地縁政治などは全て非常に複雑ですが、私は非常に多くのこの国が克服した困難な時期を挙げることができます。しかも、21世紀初め、非常に多くの国の経済が困難な段階にありました。私は、ロシアは世界のプレーヤーであり、「二流の国家」ではないと考えます。西側の制裁と圧力に対応するという方面において、ロシアは硬度と強度がいずれも非常に良好な国家です。ロシアが制裁されあるいは圧力を受けるのは、ロシアに独立した国家主権防衛の対外政策があるからです。どのように見ようとも、ロシアは世界で面積が最大、ヨーロッパで人口が最多、市場の前途の見通しが非常に良い国家なのです。

ロシアと中国の現在の関係は「正義・利益観を堅持」

グローバル時報:最近中国のインターネット上には、中国はロシアを援助すべきであるか否かに関する論争がありますね? あなたはおそらく聞いているでしょうが、どのように見ているかは知らないのですが?

ジェニソフ:ロシア経済は確かに困難な時期を経ていますが、重点は中国の援助を得ることではなく、支持を得ることであると私は考えます。例えば西側の制裁に対応する方面で、ロシアは中国の大きな力を入れての支持を得ており、これには中国最高指導者さえもが西側のロシア制裁を支持しない立場を表明していることが含まれます。このため、我々は中国がこうした方面において与える支持に非常に感謝し、かつ中国の立場を高度に重視しています。中国がロシアを援助すべきであるか否かの話題に関しては、私はロシアはいかなる緊急援助も必要とはしないが、必要なのは支持であると考えます。ロシアは危機的状態にありますが、中国などのパートナーと討論するのは援助ではなく、互恵互利であり、例えば貿易、交易の時現地の貨幣で決算した規模をもってし、こうしたことは援助ではありませんが、このようにすれば中国サイドに対して有利であり、ロシアサイドに対して有利であり、双方いずれにとっても有利です。

ソ連解体後、ロシアの初期には商品危機、食品危機、甚だしきに至ってはたばこ危機が出現しました。当時はこうしたものを特別に必要としましたが、現在では我々はこうしたものを必要とせず、逆に最近では(ルーブル下落ゆえに)中国、ウクライナ、バルト三国の人がこぞってロシアに来て買い物をし、しかもものが非常に安いのです。

グローバル時報:中ロ関係には近年来緊密な関係という趨勢が出現しています。ロシアの中国に対するこの種の態度は遠大なものなのですか、それとも臨時のものなのですか? あるロシアのエリートはロシア・アメリカ関係に言及する時、ロシアがアメリカと対立することは非常に愚かであると語りました。あるアメリカのエリートも、アメリカはロシアと手を携え、潜在的相手である中国に対応するべきであると語っています。将来ロシアとアメリカの接近が発生し、ロシア・中国関係が冷却する一幕が発生する可能性はあるのですか?

ジェニソフ:もし政治学者が中国でよく言われる「百花斉放」(「百花斉放」の言葉は大使が中国語を使用して述べた:編者注)(頑住吉注:「百家争鳴」に近い意味で、ペアで使われることも多いようです)が存在するなら、当然各種各様の視点が出現するでしょう。私が言いたいのは、ロシアはアメリカと闘争したくはなく、ロシアはアメリカの圧力に対応しているだけだ、ということです。中国も似ています。アメリカはアジア太平洋地域で非常に活躍し、非常に多くの時中国にあまり都合良くないと思わせます。ですが中国は平和的発展および互恵ウィンウィンの協力的態度をもって対応しています。私は中米協力の基礎も非常に堅実であると考えます。例えば、中米貿易額はすでに6,000億アメリカドルに近いのです。

ロシア・中国関係に関しては、1人の政治家の見方ではなく個人の経歴に頼って言えば、1969年に私は大学時代中国語を学び、当時ソ連・中国関係悪化の程度は最も深刻で、甚だしきに至っては国境武装衝突が出現しましたが、私の先生は中国に対するあのような根深く堅固な尊重と熱愛の情で私に手本を示してくれました。例えば、(彼らは)当時「唐詩」を翻訳し、李白、杜甫などの中国の詩人を語りました。1970、80年代になって私が中国に来て仕事した時、両国関係は依然非常に複雑で、一方中米関係はすでにポジティブな発展を開始していました。ですが私や私の同僚、友達と中国の同業者の交際から見て、皆の交流にはいかなる問題もなく、双方の態度はいずれも非常に友好的でした。我々は1950年代に中国と同盟国関係の建立を試みましたが、失敗しました。私は、現在のロシアと中国もこの種の同盟関係を必要としないと思います。私は、ロシアと中国の戦略的パートナーシップ、善隣友好関係が長期的で安定したものであると深く信じます。ロシアと中国の関係の中には政治レベルの利益もあれば、経済レベルの利益もあり、さらに民間レベルの利益もあります。私の自信はここから来るのです。習近平主席は少し前に周辺外交を語る時、「国不以利為利、以義為利也」、すなわち「正しい正義・利益観を堅持せよ」と言いました(この言葉は大使が中国語を使用して述べた:編者注)(頑住吉注:古典「大学」に出てくる言葉で、私利をもって国益とせず、義をもって国益となすべきである、といった意味らしいです)。

(頑住吉注:これより3ページ目)

グローバル時報:1950年代の中ソの特殊な関係は失敗と言えるでしょうし、1960、70年代の「対立」も失敗でした。この2つの段階はいずれも教訓を残しましたが、現在の全面的な戦略的パートナーシップは最良のものと言えますか?

ジェニソフ:そうです。行き過ぎはよくなく、現在が最も正しいのです。

カラー革命がロシアで成功しないと堅く信じる

グローバル時報:ロシア経済が不安定な時、外界はさらに、ロシアにはこのためにカラー革命が発生するか否かと問うでしょうが?

ジェニソフ:ケ小平の語った「実事求是」(頑住吉注:事実に基づいて真理を求める。空論を排する)に照らしていくつかのカラー革命が発生したことのある国の現状を見ましょう。経済の上で非常に大きな欠損があり、一般民の生活レベルが低下し、古くからある政治体系が倒されたが新たな政治体系は建立されず、民主方面における進展も大きくありません。また我々はカラー革命を分析する時外部的要素を強調する必要があります。某いくつかの西側の面白く思っていない国家、外来勢力はカラー革命を手段として彼らの政府を転覆させ、例えばいくつかのアラブ諸国、グルジア、ウクライナなどは皆こうでした。

カラー革命の起因がそれぞれの国家の内部的要素と関係があることも否認できません。アラブ諸国を例にすると、私は15年前エジプトで仕事をし、当時誰も「カラー革命」という言葉には思い至りませんでしたが、当時エジプト社会の中にはすでに不満の情緒が存在し、特に青年は発展の前途がないと思っていました。このため、いくつかのカラー革命が発生したことのある国家では、青年がカラー革命の動力となり、これはこうした国の前の政府が容易に転覆させられた原因の1つにもなりました。全てがこのようで、破壊は容易で、建設は容易でないのです。リビア、ウクライナの現在の状況も全てこのようです。

ロシア人は盲人ではありません。我々はかつて国外勢力がロシアに向けカラー革命を輸入したのを見ました。ですが私はカラー革命がロシアで成功しないだろうと堅く信じます。我々はソ連解体後、ロシアがかつて西側のために大きく門戸を開け、西側がロシアを歓迎すると思ったのに、結果としてチェチェン戦争が発生した時、西側はロシアを歓迎しなかっただけでなく、逆にチェチェンテロ分子を支持までし、NATOも継続して東に拡張したことをしっかり覚えています。我々の西側との対話は、国家の独立した主権の保持が非常に重要であると我々に意識させます。

グローバル時報:ロシアとアメリカの緊張関係は長期的に継続していくのですか?

ジェニソフ:非常に多くの事実を客観的に見れば、ロシア人はロシアとアメリカの関係が持続して緊張することへの準備を整えるべきです。ウクライナ危機が口実の1つでしかないことはごくはっきりしており、ウクライナ問題がなくても(アメリカには)やはりその他の口実があるでしょう。これと同時に、現在と過去もまた同じではなく、ロシアとアメリカの間には何ら解決できない衝突はありません。このため、私個人は希望をも表明する必要があります。それはロシア・アメリカ関係の緊張状態は遠くない将来変わることになる、ということです。しかも私は責任を持って、ロシアの公民にはいかなる反米感情もない、と言えます。当然、我々が猛烈にアメリカ政府やアメリカのいくつかの政策を批判するのには原因があり、必要も大いにあります。18世紀のアメリカ建国後、ロシアはずっとアメリカと実務的協力を行うことを望んできました。中国5,000年の歴史に比べ、アメリカはまだ非常に若い国家なのです。


 ロシアが一応民主化されてからずいぶん経ちますがそれ以上の進展はなく、退行するような動きさえ見えています。戦後一定の時間がたった後、日本やドイツに対しアメリカが口実をつけて介入したり圧力をかけたりすることは少なくともロシアに対するほど露骨、強力にはなく、アメリカが不満を持つのはロシアの変わり方が不充分だからなわけですが、ロシア国民が望まない方向に変わることを強制することもできませんからね。中国で仮に一党独裁が崩れ、言論の自由が相対的に拡大されたとしても、やはりそう簡単に大きな変化は生じないのかもしれません。





















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