遼寧艦飛行員の選抜方法が変わる?

 海軍専門家の李傑に取材した記事です。

http://military.china.com/news/568/20140705/18610694.html


中国、大規模に艦載機飛行員を養成 訓練2年で即乗艦可

法制晩報の情報(主席記者 郭媛丹) 公開の報道によれば、現在中国初の空母遼寧艦は大連造船工場で就役後初の維持修理メンテナンスを行っているところである。

ある外国の軍事専門家は画像の中の遼寧艦に対しそれぞれの角度から分析し、遼寧艦には決して鋼板の不適応性は出現していない、と考えている。2年前ロシアの造船工業専門家はかつて、遼寧艦は2種の鋼材を混合使用しているので溶接点に容易に問題が発生し、鋼板の変形、湾曲が出現し、船体の傾斜がもたらされる、と予言した。だが中国の空母専門家李傑(大佐)は、溶接技術は成熟していて問題は出現しないだろうが、鋼材の強度に対してはより長い時間をかけて検証を行う必要がある、としている。

動向 就役19ヶ月で遼寧艦、初めて維持修理メンテナンス

4月17日、遼寧艦は青島に位置する空母埠頭から大連造船工場に戻り、その後ドライドックに入った。これは遼寧艦が2012年9月末に就役して後、初めてのドライドックへの進入、維持保護メンテナンスの実施である。

ウェブサイト上に軍事マニアが発表した一連の画像がはっきり示すところによれば、遼寧艦はまず埠頭に停泊し、その後ドライドックに移った。また飛行甲板上には忙しく働く工員、および各種工程車両や施工設備が出現した。

ある分析はこれにより、この兆しは甲板に対し重大な改造を行っているものであり、カタパルトを装備する可能性が排除されない、と考えた。

現在遼寧艦上の艦載機はスキージャンプ発進方式を採用しているが、この方式は艦載機の燃料搭載量、弾薬搭載量に対し制約があり、艦載機の航続距離、作戦半径、対地攻撃能力をある程度弱める。遼寧艦が後期の改装時カタパルトシステムを追加装備すべきだと考える提案はずっとある。

だが海軍専門家李傑はかつて、その可能性は高くないと分析した。遼寧艦の構造と飛行甲板の構造の分析から、カタパルト装備の可能性はあまり高くないという。現在遼寧艦の艦首は斜面状を呈し、一定の角度があり、これとカタパルト装備の要求は符合しない。李傑は、カタパルトの軌道は飛行甲板が平らであることを要求する、と語る。

(頑住吉注:これより2ページ目)

現在、最新の進展は遼寧艦がドライドックから進水し、再度埠頭に移って停泊している、というものである。公開されている画像から見て、甲板と船体はいずれもすでに面目を一新しており、新たな防護塗料が塗られている。だが飛行甲板上にはやはり新たな変化は起きていない。

事実として、記者の理解によれば、これは正常な定例性の維持修理メンテナンスである。

海軍の大多数の複雑な武器システム同様、空母も持続的な定期維持保護を必要とし、空母上の人員も適度な訓練と休養を行うことを必要とし、もって比較的良好な戦闘力を保持する。

世界各国の空母にはいずれも維持修理メンテナンスの周期がある。一般的に言って、空母の維持保護の周期は航行した距離と航行時間を根拠に確定され、同時に使用の強度とも関係がある。遼寧艦が大連に帰るのは2回目だが、就役以後初の維持修理メンテナンスである。説明によれば、今回の維持修理メンテナンスでは全空母の艦体、動力、武器など各種システムに対し全面的な維持修理メンテナンスが行われることになる。

解読 空母の維持修理メンテナンス 2種の問題に対応する必要

李傑は法制晩報記者に対し、一般的規律に照らせば空母の維持修理メンテナンスには小修理、中修理、大修理の3種の状況がある、と説明した。

もし空母を乗用車になぞらえるならば、いわゆる小修理は空母上の作業人員が簡単な工具によって自ら問題を解決できるものである(頑住吉注:なぞらえた意味ないす)。

中修理と大修理は工場に入って維持修理メンテナンスを行う必要があることを意味し、専門の機器や設備を必要とする。訓練の中で空母は異なる海域を航行し、各種の海底生物が艦船の底部に付着し(例えば牡蠣が艦体に付着する)、月日のたつうちに速度に影響するだろう。これを落として塗装し直すことが必須である。

また例えば動力装置の中のコイルスプリングも海水と長期間接触し、維持修理メンテナンスを行う必要がある。これが中修理の概念である。

一方大修理とは次の周期の海上航行あるいは戦闘力保持のために主要な部品に対する交換を行うものである。李傑は例を挙げ、空母は長時間の航行過程の中でいくつかの主要な部品、例えば動力装置に問題が出現すると、2台あるいはそのうち1台に対する交換を行う必要があり、この時は工場に入って大修理する必要がある、とした。

空母研究に対しすこぶる造詣の深い李傑は、空母の発展は中国においては新しい事物であり、中国造船工業は空母の維持修理メンテナンスの上で探索期にあるということもあって、新たな挑戦に直面し新たな問題を解決する必要がある、とした。

周知のように、遼寧艦は1980年代に建造された「ワリヤーグ」号空母を改造してできたもので、李傑は法制晩報記者のインタビューを受けた時、艦上にはいくつかの交換できない30年にもなる古い部品がある、と指摘した。また、国防部ニューススポークスマン楊宇軍はかつて、遼寧艦の主要なシステム、装備はいずれも自主的に建造および改装したものである、と説明した。

李傑は、こうした新設の設備には武器装備が含まれ、続々と装備される艦載機、指揮コントロール、レーダー通信設備には使用過程で必ずいくつかの問題が出現し、さらなる一歩の解決を必要とする、と語る。李傑は、この2方面の問題の解決こそ、遼寧艦の全体性能をさらに一歩向上させられるのである、と考える。

(頑住吉注:これより3ページ目)

中国の専門家、空母の溶接技術は成熟していると考える

中国空母の第1号艦として、誕生の日から遼寧艦はもう国外ウォッチャーの注目を浴び、いかなる細かい変化も非常に大きな反響を引き起こし得る。だが2013年2月に遼寧艦が警戒警備の厳しい青島軍港に入ってからは、当局のルートでの発表が、外界が遼寧艦を理解する唯一の方式となった。

今回遼寧艦は再度大連港に姿を現し、外界は当然ますますこのチャンスを珍重している。

カナダの「漢和安全保障業務評論」ウェブサイトの報道によれば、遼寧艦の今回の維持修理メンテナンス期間の各種画像に対し、クアラルンプール在住のイギリス海軍退役専門家が「診察」を行った。

この専門家はあるポジティブな意義を持つ結論を得た。遼寧艦の正面、側面、喫水線の画像の分析、遼寧艦の角度、水平線バランスを根拠に、船体の前後、左右の傾斜という状況は全く発生していないという。このため2年の時間内に遼寧艦の内部には、ロシアの専門家が言った化合反応は決してまだ発生していない。

かつて2年前、ロシア海軍造船工業界の専門家は、遼寧艦の改装が成功か否かは予測できず、3〜5年の時間を必要としてやっと結論が出せる、とした。何故ならロシア、中国の鋼材の質、構成、比重は異なり、しかも船体は20年近くメンテナンスなしの状況を経ており、2種の鋼材の混合使用、特に溶接点、質の違いは化合反応を発生させ、内部の鋼板の変形、湾曲を引き起こし、このようにして船体が傾斜する可能性がある、というのである。

これに対し李傑は、2種の鋼材が混合使用されてはいるが、溶接技術上問題はなく、この方面は比較的成熟している、と考える。

だが李傑は客観的な評価もしている。「2種の異なる鋼板には確かに差異が存在するが、(遼寧艦の就役から)は1年余りの時間しか経っていない。この期間に海軍当局が報道した海上試験は10回を超えておらず、飛行機の数が少ないため飛行試験の頻度は高くなく、問題が存在するか否かはより長い時間でさらに一歩検証する必要がある。」という。李傑は、飛行機の着艦時の高速、大重量の衝撃、しかも衝撃の回数が頻繁なため、鋼板の問題の出現が比較的多いのは飛行甲板上である、と分析する。

(頑住吉注:これより4ページ目)

展望 工場を出た後はまず回復性の訓練を行うことに

現在まで、「解放軍報」の報道によれば就役以来遼寧艦の訓練任務は主に艦載機の飛行訓練の上に集中している。例えば艦載戦闘機制動着艦やスキージャンプ発進、駐艦飛行、複雑な気象条件下での連続発着、艦載機飛行員の乗艦飛行資格認証などの試験と訓練である。

維持修理メンテナンス終了後、遼寧艦は継続して科学試験と訓練作業を展開することになる。

李傑は、遼寧艦はまず動力装置など主要な部品に対し試験を行い、維持修理メンテナンス後の性能いかんを見、航行速度などいくつかの指標性の数字、飛行甲板の性能などに対し試験を行う、と語る。その後一定の時間の回復性訓練を行うことになり、これには艦載戦闘機発着訓練が含まれ、飛行員は改めて熟知する必要がある。この後空母はさらに一歩複雑な課目の訓練を展開し、例えば昼夜全天候条件下での艦載機発着訓練を行う。

「遼寧艦をトータルで言えばそれが引き受けるのは試験と科研任務であり、出現した問題に照準を合わせて解決を行う。同時に、人員の訓練方面において良い基礎を打ち立て、中核的人材を養成する。ひとたび新たな空母が使用に投入されれば、非常に早くその状態に入り、かつ正常な運行が行える。」と李傑は語る。

将来、遼寧艦は艦載機の数と人員の養成という2大重要問題を重点的に解決することになる。李傑の説明によれば、空母艦載機には戦闘機の他、さらにヘリ、早期警戒機、対潜機など各種の類型があり、将来各種艦載機の数は徐々に完備され、特に戦闘機の数はそうである。また、さらに艦載機飛行員の養成に重点的に投資する必要がある。艦載機飛行員の養成は全く容易なことではなく、飛行員の訓練には非常に多くの制約性の条件があり、長時間の過程を必要とする。

(頑住吉注:これより5ページ目)

艦載機飛行員 海軍、大規模な養成を計画

艦載機人材に対する需要の趨勢は、今年の海軍の飛行員募集計画の中に体現され得ている。「解放軍報」の報道によれば、今年海軍は初めて飛行員募集の中で艦載戦闘機飛行学員の選抜を試験的に行い、この挙の主旨は、これまでの現役飛行員の中から選抜するという伝統的な模式を改変することにある。

このことは別の角度から、中国海軍が計画的に、大規模に艦載機飛行員を養成することを開始するのだ、ということを説明するものでもある。海軍飛行員募集主任の王軍は、今回試験的に行うのは艦載機飛行員選抜養成のルートを広げ、陸上機飛行員の募集から艦上飛行員募集に向けての発展変化を実現する探索の新たな道である、と説明する。

現在この類型の人材は欠乏状態にある。この前「解放軍報」は、我が国が空母資格認証をパスさせた初の艦載戦闘機飛行員は5人しかいない、と報道した。

2013年に中国海軍初の艦載航空隊が正式に建設された。この部隊の現在のメンバーは主に海軍航空隊の現役飛行員の中から選抜されている。

海軍飛行員募集副主任の胡惇馥は「中国国防報」に対し、この措置の欠陥の1つは現有の航空隊の戦闘力を希釈するだろうことだ、とする。現在選抜される飛行員は「年齢35歳以下、少なくとも5機種で飛んだことがあり、第3世代戦闘機の飛行時間が1,000時間以上」との条件を満足させる必要がある。

李傑は、相対的に言って艦載機飛行員の選抜制度にはいくつかの不足がある、と考える。飛行員には充分な経験があるが、艦載戦闘機の着艦は陸上機の着陸とは異なり、飛行員は学習し直す必要がある。また飛行員の年齢が比較的高くなる。一方艦載戦闘機飛行員を直接選抜すれば、年齢の高さ、学習し直しの問題は回避され、養成の速度が加速する。

遼寧艦の出現の意義の1つはここで誕生した中国初の艦載機飛行員にある。李傑は、こうした人は尖鋭中の尖鋭であると形容しており、これらの人は必ずや中国艦載機飛行員の水先案内人ともなる。

中国海軍公式雑誌「中国海軍」はある報道の中で言及しているが、2006年9月に艦載機試験飛行員の選抜作業がもう開始されていた。「解放軍報」の報道によれば、2012年11月23日、初の艦載機飛行員が着艦に成功した。報道によれば、艦・機マッチング性試験飛行だけでもう2年余りの時間行われた。だが李傑は、将来新たな艦載機飛行員が艦上発着能力を持つのに、最も早くて1〜2年しか必要としない、と考える。軍事チャンネル


 数少ない艦載機飛行員も長時間実際の訓練ができず、陸上の空母模型で模擬訓練するしかなく、カンを取り戻すのには一定の時間がかかるでしょうし事故の危険もあるはずです。また最近になってもまだ合格者が5人というのでは、今後も急速に増える可能性は高くないはずです。「艦載戦闘機飛行員を直接選抜すれば〜養成の速度が加速する」と言っていますが、腕利きの陸上機飛行員が転換訓練する方が、一から飛行訓練を始めるより早いに決まっていますわな。




















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