北朝鮮関連2題

 まず北朝鮮のハッカー部隊関連です。

http://military.china.com/news2/569/20141209/19076266.html


北朝鮮ネットワーク軍の秘密を明かす:念入りな選抜、待遇は優遇され、かつその身に栄誉が加わる

北朝鮮国防委員会政策局スポークスマンは7日、北朝鮮「ハッカー」がソニーピクチャーエンターテインメント社を攻撃したことを否認し、この説は韓国当局がばらまいた「荒唐無稽なデマ」であり、ソニーエンターテインメントに対するネットワーク攻撃は、北朝鮮の海外における「支持者および同情者」によって実施されたのかもしれない、とした。

コードネーム「121局」

ソニーエンターテインメントが遭ったネットワーク攻撃が北朝鮮から来たものか、それとも独立したハッカー団体かにつき、インターネット専門家の意見は定まらない。だが、この事件は国際メディアに再度視線を北朝鮮「ネットワーク軍」に投げかけさせた。

ロイター社は何人かの海外に逃亡した北朝鮮人、すなわちいわゆる「脱北者」を情報源として、北朝鮮ネットワーク部隊は一群の隠密戦線と仮想空間で活躍するコンピュータの精鋭から組成され、彼らは高等教育機関を卒業し、コンピュータとインターネット技術に精通し、身分は秘密保持され、待遇は優遇されている、と報道した。

報道は、北朝鮮ネットワーク軍の部隊編成はおよそ1,800人で、コードネームは「121局」であり、軍の精鋭情報機構「偵察総局」に隷属する、とする。

韓国の「東亜日報」は何人かの「脱北者」の話を引用し、北朝鮮は1990年代中期からネットワーク戦能力の養成を開始した、とする。韓国軍高級当局者はかつて、韓国サイドは北朝鮮にはおよそ3,000名の「ハッカー」がいると考えている、と語った。

念入りな選抜

6年前に韓国に逃亡した張世律(音訳)は北朝鮮ネットワーク軍の状況を熟知すると自称しており、彼はかつて北朝鮮の「自動化大学」でネットワーク軍メンバーと共に学んだ、と語っている。この学校は北朝鮮コンピュータ科学軍事学院で、軍がネットワーク軍を募集し養成する主要な「基地」で、首都平壌に学校の敷地があり、壁の上には鉄条網がある。学校の学制は5年で、毎年の受験人数は2,500人を超えるが、100人しか卒業できず、このうちの一部の人が121局入りする。

張世律は、北朝鮮軍の「ネットワーク戦士」に対する選抜と訓練の年齢は最小で17歳である、と語る。念入りに選抜される人材はそれぞれが全てインターネット専門家で、軍の中の精鋭と称するに堪える。

「彼らにとって、最も強大な武器はネットワークであると言える。北朝鮮では、これは『秘密戦争』と呼ばれている」と彼は語る。

張世律は、彼のある友人は121局の国外支部で業務し、公式な身分は北朝鮮貿易会社の社員で、毎日正常に出勤し、その真の身分がネットワーク情報人員であることを知る人はいなかった、と回想する。

待遇は優遇

ひとたび「ネットワーク戦士」になれば、これは北朝鮮の比較的高い社会階層入りしたことを意味し、これより衣食の心配はない。張世律は、彼のかの友人は農村出身で、「ネットワーク戦士」になった後は家の全員を平壌に引き取って定住させ、ハイランクのコミュニティに位置する大型マンションを分配した、と語る。こうしたネットワーク専門家に対する激励措置は相当に功を奏している。

かつて北朝鮮のある大学で教職に就いていたあるコンピュータ科学の教授金興光(音訳)は、北朝鮮人にとって、ネットワーク軍人になることは一種の光栄で、さらには「ホワイトカラー」の身分の象徴であると言え、これはまさに少なからぬ人がこれに熱中する原因である、と語る。

攻撃を否認

韓国は何度も北朝鮮がネットワーク攻撃を発起したと指摘して確認し、これには去年3月の、合計すると多数の韓国のテレビ局や金融機構へのネットワークに対するものが含まれる。だが北朝鮮は否認している。

11月下旬、日本の電子企業の巨頭ソニー社のアメリカのカリフォルニア州に位置する子会社であるソニーエンターテインメントがハッカー攻撃に遭い、社のコンピュータに悪質なソフトウェアを植え付けられ、ソフトウェアはその後コンピュータの中のデータに対し破壊を行い、社のシステムは崩壊した。ソニーエンターテインメントの大量の内部資料は漏洩し、これにはまだ上映されていないリメイク映画「アニー」が含まれた。

一部のネットワークセキュリティ専門家は、ハッカーがソニーエンターテインメント攻撃に使用したコードが、ハッカーが去年韓国政府と一部企業を攻撃した時に使用したコードと極めて似ている、と語る。FBIが今回の攻撃に照準を合わせて調査を始動させた後、北朝鮮の国連常駐代表団のあるスポークスマンは、北朝鮮がこれに関わっていることを否認した。


 ちなみにソニーエンターテインメントはアメリカの諜報員が北朝鮮指導者を暗殺するという内容を含む映画を上映しようとしており、これを中止せよとの脅迫を自称ハッカー組織から受けていて、北朝鮮が関わっている可能性は極めて高いと考えられます。だからこそ北朝鮮も全く無関係ではなく自分たちの「支持者および同情者」だろうととぼけているわけです。

 次は先日より何度か紹介している「北朝鮮放棄論」関連です。

http://military.china.com/news2/569/20141208/19069815.html


評論:北朝鮮の一般庶民は飢餓に直面 北朝鮮放棄を討論することに意義はあるのか

北朝鮮の一般市民の真実の生活に多く配慮を

筆者:丁剛


グローバル時報は最近2編の中朝関係に関する文章を発表したが、その視点は異なっていた。1編は中国は北朝鮮というこの小パートナーを「放棄」すべきではないと考えた。もし中国が「北朝鮮放棄」を行ったら、アメリカは直ちに、当時朝鮮戦争の中でさえ得られなかった戦略的利益を改めて獲得することになるのだ、という。

もう1編は現在中国には「北朝鮮放棄」の問題は存在しないと考えた。中朝両国両党の関係は、正常な国家のつきあいと党のつきあいを基礎に建立されるべきであり、支持すべきものは支持し、反対すべきものは反対し、北朝鮮を「仲間に引き入れる」のでもなければ北朝鮮を「放棄」するのでもない、という。

2編の文章の発表は再度人々の中朝関係に対する関心を引き起こした。筆者は、「北朝鮮を放棄すべきでない」との視点は、いかにしてアメリカの戦略に対応するかに基づいて提出されているが、北朝鮮と国と国との正常な関係を保持することも、国家あるいは政府レベルから対北朝鮮関係を考慮しているに過ぎないと考える。両者とも北朝鮮の一般庶民の利益に対するあるべき考慮を軽視している。

北朝鮮など周辺国の問題を視察するのに、中国の利益の維持保護をもって出発点とすることは何ら間違っていない。だが、よりよく中国の利益を維持保護するには、周辺国の一般庶民の利益をより多く考慮することが必須である。

北朝鮮の一部の一般庶民はまだ依然として飢饉の脅威に直面しており、我々がここに座して討論するのは北朝鮮を「放棄」するか否かだろうか。周辺にアメリカとのゲームの戦略的障壁を建立するべきか否かだろうか。弱々しく一言問うが、もしこの障壁が建立できたとして、それは堅実なものだろうか?

アメリカは現在軍事同盟関係に頼って、アジアにどんな再バランスをなそうとしているのか。この戦略が引き起こす問題は、それに中国に照準を合わせた一面があるだけでなく、さらには皆にどちらの側に立つか選ばせるという一面があり、このためにそれは共同の発展を妨害している。アメリカのこの戦略を自ら瓦解させようとするなら、我々はいつもアメリカの歩調に合わせて我々の歩みを進めてはならない。中国の経済的実力の向上と共に、中国の軍事力が向上するのは必然である。世界のどこかの国が軍事の上で中国とバランスを取ろうとするのはどんどん不可能になっている。我々はこの自信を持つべきである。

アジアの秩序を構築し直す重要なカギは、アジア諸国が運命共同体を形成できるか否かである。このことが、我々がいかにして周辺の大戦略を発展させることによって共同の繁栄を確保するかを決定付ける。相手方がより多くの軍事力の投入をもって中国の勃興に対する戦略的バランスを実現する時、我々がなす必要があるのは平和的発展の配当を周辺にまで不断に発展させることである。

過去我々はこのように考えたが、いささか理想化が過ぎたかもしれない。それは我々の実力が不充分だったからである。現在では違う。中国の高速鉄道は東南アジアに向けての延伸を準備しつつあり、アジアインフラ投資銀行はすでに始動している。甚だしきに至っては遠く南太平洋の島国に対しても、中国は資金を出して彼らが気候の変化に対応するのを助けている。

試しにちょっと考えてみよう。もし中国の助けの下に、北朝鮮がより開放されたものに変わったら、北朝鮮の一般庶民は中国、韓国の一般庶民と同じような日々を送ることができる。アジアのその他の国の一般庶民は中国をどのように見るだろうか? また逆に、もし北朝鮮の一般庶民の日々がいつも韓国の一般庶民との隔たりがこんなに大きいものだったら、アメリカ人のもてあそぶバランス戦略がどうやったら瓦解され得るだろうか?

対北朝鮮関係の問題の上で、我々の戦略はより多く北朝鮮の一般庶民の真実の生活水準に配慮し、またどのようにしたら北朝鮮が改革開放を通じて経済を向上させ、アジアの発展の主流の中にとけ込むのを助けられるかをより多く考慮してみてもよい。

中国は地域の核心たる国家であり、もし中国が周辺との関係を発展させる時には、より多くの決策は周辺諸国の一般市民の利益から出発し、長い時間がたてば、彼らはきっと中国と共に発展する自信を持ち、したがってアジア新秩序の民意の基礎が形成されるだろう。(筆者は「人民日報」高級記者)


 確かに周辺の多くの国が、自分たちの繁栄は中国のおかげ、と感謝するようになれば多くの問題で中国にも有利になって跳ね返ってくるでしょうし、すでに中国にはその力があるでしょうが、果たしてうまい舵取りができますかね。
















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